赤ちゃんが産まれると、家族が増えた喜びと子供の健やかな成長を願ってさまざまなお祝い事が行われます。
赤ちゃんができるまでは聞いたこともないようなお祝いも多く、新米ママやパパは戸惑ってしまうかもしれません。
人生で赤ちゃんの時は一度きり、後で後悔してもその時は巻き戻せないので、かわいい我が子のために、なるべく欠かさずお祝いをしてあげたいと願う親が多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは赤ちゃんが1歳になるまでに一般的に行われるお祝いと、お祝いをするタイミング、方法などを交え詳しくご紹介していきます。
お七夜とは何?用意すべきものは?
お七夜は命名式とも呼ばれ、昔から行われているお祝いの一つです。
昔は、現代ほど医療が発達していなかったため、産まれたばかりの赤ちゃんは弱く死んでしまうことも多々ありました。
そのため、人々は「産まれてから7日目までは、神様に子供をこの世で育てても良いか見極めてもらう時期」として、生後7日経つまでは名前を付けなかったのです。
そして、7日を無事に迎えられた子だけ、神様に出産の報告と御礼をし、名前を付けました。
この儀式がお七夜と呼ばれるものです。
お七夜には、命名書を用意するのが一般的です。
しきたりにこだわる家庭では、鯛の尾頭付きなどを用意することもあるようですが、現代では命名書を掲げるだけでお祝いとしている家庭も多いものです。
命名書の書き方や形式、誰が書くかなどは、その家庭によりさまざまです。
大切な人に書いてもらえば、子供の宝物になるでしょう。
お七夜をするからといって、納得のいかない名前を付けることはありません。
我が国では、生後14日目までに出生届を役所に提出します。
出生届には氏名欄があり、そこを埋めなくては登録することは不可能なので、最大14日目まで名前を決める猶予があるのです。
そのため、お七夜の時点で名前が決まっていなくても問題はないのです。
皆が納得する名前を決めて、後から命名書に記入しても良いのです。
また、お七夜をする生後7日目は、母子ともどもまだ身体が大変な時期です。
体調が優れない時は、無理に行う必要はありません。
お宮参りは赤ちゃんにとっても初めての外出
お宮参りは、初宮参り、産土参りとも呼ばれるもので、その土地の神様や氏神様に赤ちゃんの無事な誕生を報告し、健やかな成長を見守っていただけるようにお願いする行事です。
自分の気に入っている神社でも、近所の神社でも構いません。
お宮参りは生後30日頃に行われます。
厳密には、男児は生後31日目か32日目、女児は32日目か33日目と言われていますが、30日前後の天気の良い日を選んで行う家庭がほとんどです。
お宮参りの方法は、地域や家庭によりさまざまですが、家族でお参りに行き、そのまま会食をするという形が一般的です。
中には、お参りの前後に写真館で記念撮影をすることもあります。
参加者は赤ちゃん、赤ちゃんの両親、祖父母ですが、必ず全員が出席しなくてはならない訳ではありません。
祖父母が遠方などの場合は、両親と赤ちゃんで行う場合もあります。
お宮参りが終わった頃から、徐々に赤ちゃんを外に連れ出す機会も増えていきます。
冬場の寒い時期や、夏場の暑い時期、感染症が流行する時期などは無理をせず、短時間で済ませるようにしましょう。
お食い初めとはどんなもの?
お食い初めは、100日祝いとも呼ばれ、生後100日目に行う行事です。
赤ちゃんが、これから一生食べ物に困らないようにという願いを込めて行うものです。
赤ちゃんが産まれてから100日目に行うと言われていますが、その家の都合に合わせ、120日目くらいまでに行えるようにすると良いでしょう。
近頃は、自宅でお食い初めをする宅配サービスなども充実しています。
また、レストランやホテル、料亭などでもお食い初めプランを用意しているところがあり、会食がてら手軽に祝うことも可能です。
お食い初めには、食器や祝い箸、歯固めなどの準備が必要ですが、お食い初めプランなどにはそれらも一式含まれているので安心です。
お食い初めの食器は、男児が内側外側両方朱塗りのもの、女児は内側が赤く外側が黒塗りのものを使います。
しかし、近年では使い勝手を重視して、その後の離乳食時にも使用できる木製のおしゃれな食器などを使用する家庭も多くなりました。
もし、自宅で行う場合は、赤塗りや黒塗りのものにこだわらなくても良いと言えます。
歯固め石はお宮参りの神社から頂戴する場合が多いのですが、自宅の敷地や河原などで探しても良いものです。
拾ってきたものはしっかり洗って使います。
お食い初めでは、赤ちゃんにごはんを食べさせるまねをします。
実際にはまだ月齢が小さすぎて食べられませんので、口に運ぶまねをするだけです。
その口へ運ぶ真似ごとをするのは「養い親」と言い、身内の最年長者が行います。
男児には男性の年長者、女児には女性の年長者が赤ちゃんを膝に置き、行います。
お食い初めのご飯を赤ちゃんの口に運ぶ順番は、ご飯→お吸い物→ご飯→魚→ご飯→お吸い物で、これを3回繰り返します。
その後、歯固めの儀式をします。
歯固め石をお箸でつつき、その箸を赤ちゃんの歯茎に優しく当てます。
この時、しっかりと丈夫な歯が生えてくるよう祈願しましょう。
儀式に使った石は神社などに戻すようにしましょう。
初節句は男女別に祝う
赤ちゃんが産まれて初めて迎える節句を初節句と言い、健やかな成長と厄除けを願い行われます。
男の子は5月5日こどもの日の端午の節句、女の子は3月3日ひな祭りの桃の節句です。
赤ちゃんが産まれて間もない場合は、翌年に延期をすることもあります。
これらの節句は、大昔に中国から伝わった五節句に由来します。
初節句にはそれぞれ子供の厄除けを願い、女の子には雛人形、男の子には五月人形などが贈られます。
雛人形や五月人形は子供の厄を代わりに被るという意味を持つため、兄弟姉妹がいても基本的に1人に1つずつ贈られます。
初節句当日は縁起物が用意され、無病息災と健やかな成長が願われます。
桃の節句には、桃の花、ひし餅、雛あられ、白酒、はまぐりのお吸い物などです。
端午の節句には、柏餅、鰤料理、ちまき、しょうぶ湯などです。
赤ちゃんは食事を楽しむことはできませんが、周囲の大人たちが末永い幸福を祈願しおいしく頂けばそれが素晴らしいお祝いを意味します。
初誕生祝には誕生餅が欠かせない
赤ちゃんが1歳になるお祝いを初誕生祝と言い、盛大なお祝いをします。
初誕生祝では、産まれてからこれまでの母子の健康を感謝し、これからの成長を願う行事です。
初誕生祝では、一升餅という約二キロの誕生餅を風呂敷やリュックサックに入れて子供に背負わせます。
重いお餅を背負わされた子供は泣いたり転んだりしますが、それも縁起が良いとされています。
また、地域によっては餅を背負う以外にも、餅踏みといい子供に餅を踏ませたり、餅を抱かせたりさまざまな祝い方があります。
一升餅(誕生餅)は、最後に切り分けて家族や親族の皆で分け合います。
また、選び取りといい、筆やそろばんなどさまざまな職業に関する品物を赤ちゃんの前置き、どれを掴むかで将来の職業などを占うお祝いがあります。
近頃では、全てがカードになっていて、手軽に使えるものもあります。
お祝いの席が盛り上がりますので、ぜひ挑戦させてみましょう。
初誕生祝は、赤ちゃん、両親、祖父母などなるべく多くの家族で盛大に祝いましょう。
食事は特別な物でなくても構いませんが、赤飯や尾頭付きの魚を用意し、子供自身が食べられるように離乳食加工する家庭がほとんどです。
子供の好物を用意しても良いでしょう。
また、両親が子供の食べられるヨーグルトやビスケットなどの食材で手作りケーキを作る事もあります。
初誕生祝用のアレルゲンが使われていないケーキなどを扱うお店も増えてきましたので、検討してみても良いかもしれません。
初正月もお祝い
赤ちゃんが産まれて初めて迎える正月を初正月といいます。
現代では満年齢で誕生を祝うため、数え年で祝っていた昔ほど初正月は盛大な物では無くなりました。
しかし、地域によっては、初正月の伝統が根強く残っており、盛大に祝うこともありますので、見逃せないお祝い事です。
初正月を迎える男児には破魔弓や破魔矢が贈られます。
破魔弓や破魔矢は、たくましく健やかに成長するうようにという願いが込められていて、弓矢で邪気や邪魔を破り浄化するという目的があります。
また、女児には羽子板を贈る風習があり、羽根についている黒玉が無病息災のお守りで、羽根が飛ぶ様子はトンボに例えられ、病気を運んでくる蚊を食べるという目的があります。
破魔弓や羽子板は母方の実家から贈られるのが一般的です。
12月中頃から小正月である1月15日辺りまで飾ります。
端午の節句や桃の節句の際に一緒に飾ることもあります。
初正月は、おせち料理など普段の正月祝いの料理や祝宴で十分なので、特別な事をする必要はありません。
ただし、家庭によっては親族への初顔見せの場となることがありますので、しきたりや風習にはなるべく従うようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんが一歳になるまでにはさまざまなお祝い事があります。
お七夜、お宮参り、初節句、初正月、お食い初め、初誕生祝(誕生餅)が主なお祝いの種類です。
我が子のために、全てのお祝いを盛大に祝いたいのが親心ですが、どのお祝いも母子の健康があってこそのものです。
そのため、体調不良のところを無理して行うことはありません。
どうしても体調が優れない場合は、お参りだけをして、時間のかかる会食などを省くことも可能です。
また、お祝いの時期を少しずらすことも可能です。
お祝いは赤ちゃんの健やかな成長を願う行事というポイントさえ押さえておけば、時期が少しずれても、派手に行わなくても良いのです。
後々、「忘れていた」という後悔のないよう、お祝いの種類や祝い方はしっかり把握しておきましょう。
また、周囲の方からお祝いをいただいた場合は、内祝いを返すことを忘れないようにしましょう。