出産祝いとは、子供の誕生をめでたく祝う気持ちと、出産という人生の大きな山場を無事に乗り切った母親へ、ねぎらいの気持ちを込めて贈るお祝いのことです。
ごく身近な家族以外は、出産の報告を受けてから用意する場合がほとんどですが、親しい仲で、出産予定日や赤ちゃんの性別があらかじめ分かっているような場合には、出産報告前に贈り物の目星を付けておいても良いでしょう。
そして、出産の報告を受けてから贈る手配をするようにしましょう。
また、いくら出産がおめでたいからと言って、何も考えずに贈って良いというものでもありません。
最低限のマナーを守らないとお祝いを台無しにしてしまうことも有り得るため、正しい知識を持っておくことが大切なのです。
出産祝い金の相場はいくら?
出産祝いは現金や金券で贈ることもあります。
何を贈るか迷う時は、現金や金券にして相手の好きに使ってもらうのも良いかもしれません。
出産祝いとして渡すお金には相場が有り、あまり高額でも少額でも良くありません。
友人や同僚などの相場は5千円~1万円、親戚は1万円~3万円、その他知人や近隣関係は3千円程が一般的です。
特に、先に出産祝い金をいただいた相手には、
同額のお祝いを渡すのが一般的です。
現金以外には、ギフト券などの金券やカタログギフトなどを贈ります。
出産祝い金は、直接訪問して渡す場合と現金書留などで贈る場合とがあります。
自分と相手のスケジュールや距離などを考慮して、スムーズに渡せる方法を選びましょう。
出産祝い品で贈って良いものとダメなもの
出産祝いとして現金ではなく品物を贈ることも多々あります。
しかし、出産祝いとしてふさわしくない品物や贈ってはいけないものもありますので、選ぶ際には注意が必要です。
出産祝い品では、子供服やおもちゃ、食器など少し先を見越した品物を贈るのが一般的です。
ベビー服ではなく、80サイズくらいの子供服、1~2歳前後で利用できるおもちゃや食器などを贈ると喜ばれます。
すぐに使える物の方が良いのではないかと思いってしまいますが、産後すぐに使うものは、既に本人たちが用意しているため、数を持て余してしまう可能性があるのです。
そのため、少し先のことを見据えた品物が喜ばれますし、元気に育つようにという願いも込められます。
また、出産を終えた母親をねぎらい、使いやすいマザーズバッグや親子で使えるオーガニックボディクリームなどリラクゼーション用品を贈るのもおススメです。
もしも、本人からの希望があれば、その希望の商品を贈ることが望ましいのですが、そうでなければ日本ならではの贈り物のタブーを考えて選びましょう。
日本ではイメージや語呂合わせ、文化などでタブーな贈り物があります。
刃物は縁を切る、日本茶は弔辞の際に用いられる、ハンカチは別れの贈り物といった別れや悪い連想をさせる品物は極力避けるべきです。
また、近年では防犯の観点から、名入れの洋服や小物を子供に着用させない親も居ます。
そのため、大きく名入れのされた服なども避けた方が良いでしょう。
出産祝いを贈る時期は?
出産祝いを贈る時期も大きなポイントです。
あまり早過ぎても、遅過ぎても良くありません。
およそ産後一週間から1か月までの間に贈るのが良いとされています。
絶対に避けなければならないのは、出産前に贈ってしまうことです。
出産は母子ともども命がけです。
無事に出産を終えるまでは何が有るか分かりませんし、産前に贈り物をすることで余計なプレッシャーを与えてしまう可能性もあるのです。
万が一、母子に何かが起こってしまった場合、家族は贈り物を目にする事で悲しみが深くなる場合もありますので、注意しましょう。
そして、出産祝いを贈る前に、調べておきたいのが、産後の健康状態です。
母子ともども健康で退院を迎えられそうであれば、産後一週間くらいで家に戻れます。
その場合、出産祝いは退院後に届くように贈るとスムーズです。
また、近年ではおむつケーキやバスタオルなど
名入れの商品も多く贈られています。
赤ちゃんの命名は産後7日に行われることが多く、その名前を確認してから用意すると2~3週間で手元に届きます。
出産祝いの、のしはどんなものにするべき?
出産祝いに付ける「のし」は御祝、寿、ご出産祝などと書かれた紅白水引の花結び・蝶結びのものを使います。
花結び・蝶結びのものを使う理由は、「何度も結べる」=「めでたいことが何度も起こる」という良いイメージがあるためです。
出産のようにめでたいことは、何度おとずれても良いものであるため、この水引が用いられるのです。
また、表書きには、濃い墨を使い、贈り主名もしっかりと書くことがポイントです。
近年では、濃い墨と薄い墨が一本で書ける筆ペンも多く、間違えてしまう人も居ますが、薄い墨は涙の墨と呼ばれ、弔辞に使われます。
そのため、祝いの際に使うのは濃い墨と覚えておきましょう。
出産祝いにメッセージカードを添えることも多いものです。
心のこもったメッセージカードは非常にうれしいものですが、そこへ書くメッセージにも注意が必要です。
特に産後の母親はナーバスになってしまうものです。
そのため、メッセージカードの中に、別れや死を連想させる言葉を使わないようにしましょう。
また、「早く復帰してね」など、急かすような言葉も避けた方が無難です。
出産祝いの贈り先はどこ?
出産祝いの贈り先はどこが良いのかと悩むものです。
これも、できれば本人の希望を聞くのが一番ですが、里帰りが長いようであれば、里帰り先に贈った方が受け取りもスムーズです。
里帰り中に自宅へ贈ってしまうと、忙しいご主人しかおらず、残業や出張と重なり受取りができないということもあるからです。
また、休日にはご主人も里帰り先を訪問する場合が多く、再配達をしている暇もないパターンも多く見られます。
そうなると、贈り主も受け取る側もお互いに迷惑となってしまいますので、できるだけ母親や赤ちゃんが滞在している所へ贈るようにすると安心です。
また、親しい仲であれば、父親母親が受け取れるかを確認した上で、受け取れる場所へ贈ると良いでしょう。
場合によっては、ご主人の会社を希望されることもあるかもしれません。
自宅以外に贈る場合は、あらかじめ本人に送付先住所を確認し、間違いのないように送りましょう。
出産祝いを訪問で渡す場合は、相手方の負担にならないようにするのがベストです。
慣れない赤ちゃんの世話をしている夫婦は想像以上に疲れています、短時間の訪問を心掛けましょう。
出産祝いの失敗例
では、ここで実際に失敗してしまった出産祝い例を見てみましょう。
【性別を勘違いして贈り物を選んでしまった】
近年、名前だけでは男女の判断が付きづらくなってきました。
産前に聞いていた性別と必ず一致しているという保証もありません。
そのため、自分の勝手な思い込みや勘違いで、性別に似つかわしくないものを贈ってしまうという失敗も少なくはありません。
出産祝いは実際に会ってから選んで贈るというものではないため、事前の情報収集がカギです。
男児か女児かをはっきり確認して置くのは大きなポイントです。
また、性別を間違うという失敗を避けるためには、男女どちらも使えるものを選ぶと良いでしょう。
【小さいサイズのオムツを大量に贈ってしまった】
実用的なオムツの贈り物は、非常に喜ばれる出産祝い品です。
しかし、サイズ選びを間違えてしまうと、ありがたみも薄れてしまいます。
新生児用など小さいサイズのオムツは手に入りづらい反面、利用する期間も非常に短いものです。
産後でもすぐ使えるようにとジャストサイズを大量に贈るのは避けましょう。
出生時の大きさにもよりますが、オムツを贈る場合は、Mサイズのパンツタイプなど少し大きめが好ましいと言えます。
【出産祝いをリサイクルショップで購入してしまった】
出産祝いをリサイクルショップで購入するのは、非常識と捉えられてしまいます。
いくら美品で高価な物であっても、一度誰かが袖を通したものは嫌だと感じる親も多いのです。
特にそれが出産祝いとなると、その後の関係性にヒビが入り兼ねません。
高級なリサイクル品よりも低価格の新品の方を選ぶようにしましょう。
【出産祝いに記名を忘れてしまった】
近年では、ネットショップから直接出産祝い品を贈る人もいます。
しかし、のしを選択し忘れたり、名前の記載を選択し忘れ、どこの誰から贈られたものか分からない状態で贈られてしまうこともあり、受け取り側が困惑するケースもあるのです。
出産祝いを贈る際には、必ず記名の確認をするようにしましょう。
まとめ
出産祝いは赤ちゃんの出産を祝う気持ちを込めて贈るうれしい贈り物です。
しかし、品物や渡し方、のしの選び方などのマナーを間違えてしまうと相手にとって迷惑になってしまったり、時には傷つけてしまうことにもなり兼ねません。
産後の母親はナーバスになっており、いつもなら笑ってやり過ごせることでも気にしてしまうことがあります。
その辺を考慮し、正しい作法で出産祝いを贈れるようにしましょう。