人が亡くなった後、大小はあれど大抵は葬儀を執り行います。
普段は参列することが多い葬儀ですが、実際に親族が亡くなるとどうしてよいかわからないという場合も多いですよね。
もちろん押し寄せる悲しみの中で、事務的に式を執り行うという事はスケジュール的にも相当厳しいもの。
そんな中でもいざ自分が式を執り行う側になった時にあたふたしない様に、こちらでは葬儀の知識や流れについてご説明していきます。
葬儀ってどこまで含まれるの?意外と曖昧な意味について
大人になると1度は耳にしたことがある「葬儀」。
葬儀と聞くと訃報であることはもちろんわかりますが、どこまで含まれるのかなどと悩んだことはありませんか。
意外に曖昧だとされているのが、葬儀の定義です。
実をいうと葬儀は「葬式」だけを指す場合と、「通夜・葬式・告別式」を指す場合と2種類あります。
ですが大体の人が通夜と葬儀というように分け、葬儀を葬式と告別式で一つの意味だと思っている方も多いはず。
少し前までは通夜・葬式・告別式と分けられて呼ばれることが多かったのに対し、最近は葬儀という言葉1つで終わらせてしまうのには葬儀会社が関係しているとも言われているそう。
それは故人が亡くなった後に葬儀会社が「葬儀の日程」として遺族と話し合いをしたり、葬儀のご案内という言い方を参列者にするからなのだとか。
この様に葬儀という意味には本当の意味とは別に、受け取り手がどの様に解釈するかということも関わっている言えるでしょう。
ただ葬式と告別式に含まれている意味合いは全く別もの。
葬式とは宗教信仰に関わらず執り行う儀式として、昔から知られています。
つまり宗教を信仰していない場合でも、故人が何か宗教を特別信仰している場合でも、葬式は執り行うことが可能ということですね。
一方で告別式は、宗教の意味合いはほとんどありません。
今は読経などもあり供養の意味合いも強くなっていますが、その中でも弔事や弔電といったメッセージを紹介する項目があります。
最近では音楽葬なるものもあり、告別式で故人が好きだった曲を演奏するなどということも。
告別式には宗教を意識したという意味よりも、故人とのお別れを意識した意味が含まれていると考えられています。
葬儀の案内が来たら、一般参列はどこまで?
訃報が届き故人の葬儀の案内が来た時に、「これは一般参列者が弔問に訪れても良いものなのか?」と悩んだことはないですか?
例えば「葬儀の参列は控えください」などの文言が記されている場合は、もちろん一般参列は禁止されているということでしょう。
ですがこの時の「葬儀」の意味合いに、何が含まれるのかはシーンによるものだと思って良いかもしれません。
もしもその知らせの中に通夜以降の全ての式の日程が書かれていなければ、どの式も「葬儀」の中に含めて参列はできません。
ただ通夜の日時・場所だけ書いてあるなどの場合は、通夜は参列が可能だけれど葬式・告別式は身内だけなどとしている場合もあるので注意が必要です。
また「直葬」と言われた場合は、そのまま火葬をするので葬儀全般は執り行いません。
どうしても故人と最期のお別れをしたいということであれば、遺族の方に連絡をして対面が可能かどうか失礼のない様にうかがいましょう。
「家族葬」とされた場合もまた、一般参列はできない場合が多くあります。
これは文字通り家族で行う葬儀のことなので、よほど身近な人しか声がかかることはないと言えるでしょう。
ただご近所だったり、親しい友人の方などはお顔を見ることなどが可能な場合もありますので、遺族の方に連絡をとるのも良いでしょう。
またこれは自分たちが遺族側だった時も同じ。
葬儀を執り行う際に、どこまで葬儀の案内を出すのかが難しいところですね。
基本的に訃報を受け取った方は、参列するのが習わし。
もちろん妊婦さんや遠方の方はその限りではありませんが、知らせてしまうと参列を希望してくれる方も多くいます。
また何らかの事情や都合があり、故人と最期はゆっくりしたいという遺族の方もいますよね。
その場合は通夜のみを親族だけでということもできます。
最近は1日葬なるものもあり、喪主が高齢であったり、体調を崩されているなどの時はこちらを選ぶという選択肢もあります。
葬儀はあくまで遺族が中心なので、特別に希望がある場合は葬儀社に相談をするのがベストですね。
死後から通夜までの流れ
親族が亡くなるとそれだけで気持ちを取り乱ししてしまい、後の事が考えられないということもありますよね。
死後から葬儀の流れは実際に経験するまで、知識がない方がほとんどです。
そこで死後から葬儀全体の流れをご紹介していきましょう。
最近はさまざまな形の最期を選ぶ方が増えているものの、まだまだ病院や施設で亡くなる方が多いのが実情です。
現在8割の方が病院で亡くなっているとされており、その場合は病院から葬儀までの間ご遺体をどうするか決めなければいけません。
自宅、葬祭場の一時預かり、公営の斎場などがそれにあたります。
ただ公営の葬祭場はそのままのご遺体を預かってもらえないことから、納棺してからとなるので注意しましょう。
亡くなったことを知らせるのは、まずは身内だけ。
そして葬儀の日時が決まったら、友人や仕事関係者などに伝えます。
その後は葬儀会社に依頼をし、あとは担当の方と打ち合わせをしていくのが通常。
忙しい中ですが死後7日以内「死亡届」を出し、手続きも進めていきましょう。
またどうしても遺族や葬儀会社の都合で、通夜まで日が空いてしまうということもあります。
そんな時は葬儀会社の指示通りにし、通夜の直前に納棺をして通夜にそなえます。
通夜から告別式までの流れ
それでは通夜から告別式までの流れを説明していきましょう。
俗にいう「最期のお別れ」という儀式は「告別式」だと思われていますが、実は「お通夜」がそれにあたります。
近親者との別れがお通夜である、葬儀は供養のための儀式だと考えてください。
少し前までは通夜も3時間前後かけて行われていましたが、今は全部合わせて2時間前後と半通夜と呼ばれるものになっています。
通夜の翌日に葬式、そのまま告別式を執り行うのが一般的。
葬式で読経などが終わったら、告別式というお別れの式に移ります。
告別式では棺の中にお花や故人が好きだった品を一緒に供えるなどし、故人との最期の体面をしたらいよいよ棺の蓋を閉めます。
少し前までは遺族が順番に釘打ちをしていたのですが、最近は釘打ちをしない場所も多くあるとか。
名残惜しい中ではありますが、出棺をするとそのまま火葬場へ運ばれていきます。
最近の火葬場は40分から1時間ほどで終わることが多く、その間遺族は待合室で待っていることは通常。
終わると係りの方が声をかけてくれるので、速やかに移動しましょう。
お骨が出されたら作法通りに2人1組になって、お骨を収骨していきます。
最後まで終わったらあとは骨壺の蓋をしめ、位牌と遺影と共に葬儀場に。
そこで参列してくれた方に感謝の気持ちと、今後の抱負を述べ式は全て終了です。
この葬儀の後は通常初七日法要が執り行われるのですが、今は親族が再び集合するのが大変であるなどの理由から火葬場で一緒に行われることも多いとか。
もしも不安なことがある様だったら、全て僧侶や葬儀会社に相談してみるのが良いでしょう。
寺院葬を希望する場合はどうしたら良い?
現代において葬儀は葬儀会社に任せるのが一般的でありますが、葬祭場ではなく寺院で執り行いたいという方もいますよね。
もしも寺院葬を希望する場合でも、葬儀会社に相談することが可能です。
ただこの場合寺院が提携している葬儀会社ではないと取り仕切るのが難しいということと、宗派が限られてしまうということは念頭に入れておきましょう。
当然故人の宗派の寺でしか葬儀をあげることは不可能ですし、菩提寺がない方は寺探しから始めなければいけないのです。
寺院葬は伝統的な仏式の葬儀でありますし、荘厳な感じがすると人気があります。
ですが参列者の人数が多いと収容的に問題があるので、家族葬などを希望されている遺族には良いかもしれませんね。
流れとしては亡くなった後に納棺するところまでは同じ。
その後は寺に遺体を運び、通夜そのまま葬儀をします。
その後繰り上げ初七日法要をして、出棺、火葬というような流れがオーソドックスなもの。
場所が変わっただけで後はそこまで変化はありませんが、葬祭場で行うよりも宗派や参列者の人数制限が出てくることは認識しておきましょう。
まとめ
こちらでは葬儀についての意味や流れについてまとめてきました。
葬祭場での式が多い中、寺院で執り行いたいという方もいますよね。
残された遺族の方が故人をどの様にしのぶかが重要になってきます。
いざという時に供え、ぜひ自分たちのスタイルを作っておくのも必要かもしれません。
時期が来たら、葬儀をどの様に取り仕切るかから決めていきましょう。