身近な人が急に病気になって入院すると、早くお見舞いに行きたいと気がはやりますが、精神的にも体力的にも弱っている相手に元気になってもらうには、心配りが必要です。
気をつけなければいけない病気お見舞いのマナーをご説明します。
病気お見舞いに行く手順は?
病気の症状によってはお見舞い自体が負担になる場合もあります。
まずはご本人やご家族へ、お見舞いに行ってもよいか、よい場合は時間帯なども確認します。
その後にお見舞い品やお見舞い金の用意をします。
大切な方が病気で入院してしまうと慌てますが、一つ一つ準備をして相手に負担のかからないようにしましょう。
病気お見舞いの手紙の書き方は?
お仕事が忙しくてタイミングがつかめない、遠方のためにお見舞いに伺うのが難しい場合がありますよね。
そんな時にはお手紙を送るのもひとつの方法です。
病気お見舞いのお手紙には書き方やマナーがあるので注意しましょう。
一般的なお手紙の場合には時候の挨拶が入りますが、病気お見舞いの場合には使わないのです。
急いで連絡をしたという意味で、時候の挨拶ではなく「急啓」や「前略」などの頭言葉を使います。
親しい間柄の方には頭言葉ではなく、体調を気遣う言葉などから書き始めても良いでしょう。
普段送るお手紙では「追伸」を使うこともありますが、病気お見舞いのお手紙では避けましょう。
追伸という言葉には重ねるという意味があり、病気や入院が重なる、繰り返すという意味に捉えられるので使用しないようにします。
忌み言葉と呼ばれる「四」「九」「長引く」「枯れる」「重なる」「続く」なども注意しましょう。
忌み言葉はいくつかあるので気づかず使ってしまっている可能性があります。
病気お見舞いのお手紙は一度下書きをして、確認してから送りましょう。
病気お見舞いの金額の相場とマナーは?
お見舞いに現金を渡す時にはいくつか気をつけることがあります。
お渡しする現金は新札ではなく古い物にしましょう。
新札ですと、以前からお見舞い用に用意していたと思われる可能性があります。
金額は相手の方との関係によって変わります。
親戚なら5千円以上、友人なら3千円から5千円の間、お仕事関係なら連盟の場合1人あたり3千円ほどです。
あまり付き合いのない親戚なら5千円、身近な親戚なら1万円から3万円と相場が変わります。
金額は、「死」と「苦」を連想させるような縁起の良くない数字(4と9)は避けましょう。
その他「無」を連想させる6や、西洋で不吉だとされている「13」もお見舞い金では避けましょう。
何人かでお見舞い金を集めた場合には縁起の悪い数字になることもあります。
その時には金額を調整して渡しましょう。
親しい方なら現金も喜ばれますが、上司や目上の方にはマナー違反になることがあります。
上司や目上の方のお見舞いには現金ではなく、お見舞いの品をお持ちしましょう。
喜ばれる病気お見舞いの品は?
お見舞いの定番といえばお花や食べ物、小物です。
ですがそれぞれ気を付けるポイントがあるのです。
お花は喜ばれるお見舞い品ですが、生花には感染やアレルギーを引き起こす可能性があり、病院自体が持ち込みを禁止しているところもあります。
水分を抜いたプリザーブドフラワーは持ち込んでも良い病院もあるので、事前に確認をしましょう。
お花を持っていく場合には菊や赤い花や鉢植えは縁起が悪いので避けます。
特に鉢植えは「根が付く」ということから「寝付く」という言葉を連想させるので、大変イメージが悪いものです。
椿はぽたりと落ちる様子から、縁起が悪いといわれており、シクラメンも「死苦」が連想されるので避けましょう。
香りの強い物も体調が悪くなる場合があります。
相手の好きな花を持って行ければベストなのですが、お花は特にマナーの厳しい物です。
他の患者さんやお見舞いの方が縁起の悪いお花を見ることで気分が優れなくなることも考えられます。
病室には花瓶がないこともあるので、籠や箱に入ってすぐに飾れるフラワーアレンジメントが喜ばれます。
病院の近くにあるお花屋さんではお見舞い用のフラワーアレンジメントが用意されている場合があります。
迷ったらお花屋さんに相談してみましょう。
食べ物ではアレルギーや治療などで、食べてはいけない物があるか確認しておきましょう。
包丁を使う必要のない、手軽に食べられる賞味期限の長い物が喜ばれます。
個包装されている物でしたら他にお見舞いに来てくださった方にお茶菓子としてお出しすることもできます。
お見舞いの品で小物を選ぶ場合には、手紙やパズル、ご本人の好きそうな本などを選びましょう。
お風呂に入るのが難しいので簡単に顔や髪の毛をふくシートなども喜ばれます。
最も大切なのは、入院が長引きそうなイメージのないものを選ぶということです。
必需品だからといってスリッパやパジャマを選ぶのは避けましょう。
病気お見舞いののしの書き方は?
病気お見舞いの現金を入れる袋には種類があります。
のしが付いている物と付いていない物がありますが、付いている物はお祝い用です。
病気お見舞いにはのしが付いていない物を選びましょう。
水引には「蝶結び」と「結び切り」があります。
蝶結びは何回あっても良いことに使われ、結び切りはこれで最後にした方が良いという出来事に使われます。
したがって、病気お見舞いの場合には、結びきりの水引を選びましょう。
表書きは「御見舞」と記入します。
袋には2重になっているものがありますが、「不幸が重なる」という意味があるので避けます。
ただし地方によっては風習が異なる場合があるので確認しましょう。
病気お見舞いのタイミングは?
大切な方が入院されたらすぐにでも様子を見に行きたくなりますよね。
ですが病気お見舞いにはタイミングがあります。
最も基本的なマナーは、ご本人にお見舞いに行っても良いのか尋ねることです。
入院すると体調の良しあしだけではなく、入浴ができないため人に会える状態ではない方もいます。
いつもと違う弱っている自分を見られることに抵抗を感じる方もいます。
まずは相手と連絡を取って、いつお見舞いに行っても良いのかを尋ねましょう。
お見舞いに伺うのは、ある程度体力が回復した頃、入院した場合には5日程度、手術した場合には3日程度経った頃が良いタイミングです。
お見舞いに行く時間は必ず相手に確認しましょう。
病院では食事や入浴、検診の時間がある程度決まっているのでその時間は避けた方が良いでしょう。
病気お見舞いでのマナー違反は?
病気で入院されている時にはやはり休息が大切です。
大人数のお見舞いに対応していると病人が疲れてしまいます。
また、お見舞いに行くとたくさん話したいこともありますが、15分くらいで病室を出るようにしましょう。
その場合にはこちらから切り上げることが大切です。
入院されている方はお見舞いに来てくれると嬉しいので、疲れていても早く帰ってほしいなどとは言えないのです。
相手の気持ちを考えて早めに帰りましょう。
最小限の人数と時間で病人に負担のかからないようにします。
お見舞いに小さいお子さまを連れていくとあちこち歩いてしまい病人が落ち着かなくなる可能性があります。
また、お子さまは抵抗力も弱いため、病院でウィルスをもらったりうつしたりする可能性もあります。
入院が1週間以内ならお見舞いに行かないという選択肢もあります。
その場合は、退院した時に退院祝いをお渡ししましょう。
職場の上司が入院した場合には、1人でお見舞いに行くのも大人数でお見舞いに行くのもマナー違反の場合があります。
他の上司に相談したうえで、どのようにお見舞いに行くかを決めましょう。
異性の方が入院した場合にも、1人でお見舞いに行くことは避けましょう。
病室での会話にもマナーが必要です。
病気で入院されている方は気弱になりがちです。
相手の外見の変化に対する会話や病気の内容などを聞くことは避けましょう。
家や会社のことも気になっているでしょうから、焦らせる会話にならないように注意しましょう。
まとめ
病気お見舞いで最も大切なのは相手に対する思いやりです。
マナーは大切ですが、相手の状況を考えてどうしたら喜んでいただけるかが大切です。
まずは相手の立場に立って、自分がどう動いたら良いのかを考えましょう。
病気の時には気弱になり精神的にも肉体的にも辛いものです。
普段よりも優しく思いやりを持って接しましょう。
少しでも相手の方が安心して静養できるように心がけましょう。