父の日については、そんな日があることを知っている人も多いと思います。
しかし父の日は何月何日か、すぐに答えられない人が多いのではないでしょうか。
2016年の調査では、父の日に贈り物をする人は、母の日に比べて3割近くも少なかったそうです。
どうしてこんなことになるのでしょうか。
母の日が終わったことで気が抜けてしまったのでしょうか。
どちらにしても日本のお父さんの寂しい立場が、透けて見えるようです。
父の日の由来を知れば、もっと積極的にお父さんに感謝の気持ちを伝えたくなるかもしれません。
今回は父の日についていろいろとお伝えしたいと思います。
父の日がいつか、もう忘れない!その由来とは
父の日の日程は、いつ決まったのでしょうか。
1909年、アメリカに住むソノラ・スマート・ドッド夫人が自分の父親のために教会で礼拝をしてもらいました。
これが父の日の始まりといわれています。
ソノラの父は南北戦争(1861年から1865年)に招集されました。
ソノラたち6人の子どもを母が1人で育てますが、過労がたたって母は亡くなります。
その後、復員した父が男手1つで子どもたちを育てますが、子どもたちが成人した後に父も亡くなってしまいます。
ソノラはきっとこのお父さんにとても感謝したのでしょう。
当時すでに始まっていた母の日のような記念日が、父のためにも必要だと考え、牧師協会に嘆願を始めたのです。
1916年には当時のアメリカ大統領が父の日の演説をしたために、父の日は広く知られるようになり、少々時間がかかりましたが、1972年には6月の第3日曜日が正式にアメリカの記念日となり、後に日本に入ってきます。
いろいろと便利になった現代でも、6人の子どもを1人で育てるシングルファーザーの苦労は、計り知れないものがあります。
だからこそソノラは、母の日に匹敵するような父の日を作りたかったのでしょう。
父の日は娘がお父さんのために作った日である、
ということには感動させられますね。
どことなく日本の家庭では影の薄いお父さんですが、
やはり家族との間には深い絆があるのです。
ソノラの家庭のように非常事態になると、この絆がよく見えてくるのでしょう。
父の日の由来を知れば、ソノラを見習って、自分もお父さんに少しでも感謝の気持ちを伝えたくなりますね。
父の日も母の日と同様、さまざまな日程で世界中に存在しますが、6月の第3日曜日という国が多数派です。
日本で6月は、梅雨入りが近付いて、鬱陶しい時期です。
1年の半分近くが過ぎて、疲れが見えるお父さんもいますから、父の日を6月の貴重なイベントにするとよいですね。
母の日に隠れている?日本の父の日事情
父の日が日本に入ってきたのは、1955年頃だといわれています。
日本で母の日が、アメリカと同じ5月の第2日曜日になったのが1949年ですから、この点でも父の日は母の日の影に隠れてしまったのでしょう。
父の日が一般に知られるようになったのは、1980年代に入ってからですから、認知度が高まらなかったことがうかがえます。
1981年には、日本ファーザーズ・デイ委員会が結成され、父の日を日本に定着させようとさまざまな活動をしています。
有名なのはベスト・ファーザーの発表と授賞式をしていることです。
毎年、ニュースやワイドショーで取り上げられていますから、知っている人も多いでしょう。
日本ファーザーズ・デイ委員会では、父の日の贈り物として黄色いリボンをすすめています。
黄色は古来イギリスでは身を守る色であり、それがアメリカに伝わったときに幸せの黄色いリボンになったそうです。
この黄色いリボンをすすめるキャンペーンの結果、日本では父の日の贈り物に黄色いバラを選ぶ人たちが増えたということです。
父の日が発祥した地である、アメリカでは先程のソノラが父の墓に供えたのが白いバラだったために、亡くなったお父さんには白いバラを、健在のお父さんには赤いバラを贈っています。
父の日の黄色いバラが、日本ならではの贈り物なのは意外ですね。
父の日が今ひとつ私たちの中に浸透しない理由として、お父さんに何をあげたらよいのかわからない、ということがあるように思います。
母の日のカーネーションは贈り物として、定着しています。
私たちは赤いカーネーションを見れば、反射的にお母さんへの感謝の気持ちを思い出します。
それに女の人はいくつになっても、花を喜びますから、母の日の贈り物にカーネーションはぴったりですが、相手がお父さんだと『お父さんにバラをあげてもな…』と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
しかし、定年退職後にガーデニングや農作業に夢中になるお父さんはたくさんいます。
切り花ではなく、鉢植えや地植えにできる苗と一緒にガーデニングや農作業に使える道具を贈るのは、お父さんに喜んでもらえるかもしれませんね。
黄色が幸せの色ならば、黄色い小物を贈るのもよいかもしれません。
何を贈ろうかと途方に暮れたときに、1つでもヒントがあるととても助かります。
父の日の贈り物にヒントをくれた、日本ファーザーズ・デイ委員会には感謝したいものです。
どんな贈り物がよいのか、悩む人はお父さんを知ることから始めよう!
父の日の贈り物を贈ってみたいと思ったとき、そういえばお父さんの好きなものは何だろうと、途方にくれてしまう人はいませんか?
家庭にはそれぞれ事情があって、お父さんが単身赴任中であるとか、夜勤などがあって生活サイクルが家族とは合わない場合もあります。
一緒にいる時間が短くなれば、一緒の家に住んでいても、お父さんのことをよく知らないこともあり得ます。
そんな状況でなくても、たまにお父さんが家にいると落ち着かなくなる、気を遣ってしまう人までいます。
昔のお父さんはちょっとしたことで、子どもにカミナリを落とす人も多く、お父さんが家にいるということは1種の非常事態でした。
しかし、今のお父さんで、子どもを頭から叱りつけるような人は皆無といってよいいほどです。
それなのに、お父さんが家にいることで落ち着かなくなるのなら、お父さんとの間に距離ができている可能性があります。
そんなときは、よく考えてみてください。
お父さんは生まれたときから、お父さんだったわけではありません。
お父さんになるまでに、いろいろな経験を積んだ1人の人間です。
その中でお母さんにめぐりあい、子どもが生まれて家庭を持つことに至ったわけです。
父の日の前には、ぜひお父さんについての調査をしてみてください。
お母さんだけでなく、お祖父さんやお祖母さん、お父さんの兄弟姉妹がいればその人たちにも、お父さんがどんな子ども、
どんな青年だったか話を聞いてください。
結果、お父さんに親しみが持てるかもしれないし、反対にあきれてしまうかもしれません。
1人の人間としてのお父さんの姿が確認できたとき、お父さんにどんな贈り物をしたらよいのかも自然にわかるはずです。
そのとき、お父さんとの距離は自然に埋まっていることでしょう。
それにお父さんからは、誰でもいろいろなものをもらっているはずです。
外見や性格だけでなく、何気ない仕草や音楽の好みまでが、お父さんから自分の中に流れてきています。
今自分が存在しているのは、お父さんがいたからだとわかります。
お父さんとの距離が埋まるだけでなく、自分自身のことも再確認できますから、お父さんに関する調査はおすすめです。
バラだけじゃない、お父さんが喜ぶ贈り物とは
父の日の贈り物としてすぐに頭に浮かぶのは、お父さんが好きなもの(食べ物や飲み物)、仕事のときに使える実用品(財布やパスケース、ハンカチ、ネクタイ)などでしょうか。
しかし、お父さんに関する調査をしたのなら、もっと違う角度から贈り物を選んでみましょう。
お父さんが若い頃に聞いていた音楽、
流行していた音楽のCDを贈るのはどうでしょうか。
お父さんには懐かしく、
自分にとっては新しい音楽が発見できるかもしれません。
CDを2枚用意して、自分も聞けば後でお父さんとの話が弾みます。
同じ理由で小説などを贈ってみるのも、よいですね。
お父さんには電子書籍でない方が、読みやすいかもしれません。
贈り物は普通、相手の好みのものを贈ります。
自分の好みを押し付けるのは、自己満足です。
しかし、あえて自分の好みのCDや小説を
お父さんに贈ることも試してみてください。
お父さんに新鮮な世界を教えることであり、もしお父さんの好みに合わなかったとしても、今自分の子どもがこんな音楽や小説に興味があるんだ、とわかってもらえます。
お父さんとしては、子どもの成長が実感できてうれしいものです。
ただ品物をあげて終わりの贈り物よりも、贈った後に交流ができますから、お父さんと子どもの距離がさらに埋まっていきます。
いくつになっても、音楽や小説で感動して、それを誰かと分かち合うのはうれしいものです。
それが親子でできるならなおさらです。
食べ物や飲み物も、お父さんの好みばかりではなく、自分のお気に入りを贈ってみると、意外にお父さんも同じものを気に入るかもしれません。
お父さんはこれが好きだから、と決めつけるとほかの可能性が無くなってしまいます。
年を重ねるごとに、好みは固定し、幅が狭くなっていくようです。
ぜひ父の日を利用して、お父さんの可能性を広げてあげてください。
何よりも「これ、おいしいからお父さんも一緒に食べよう」と誘いやすくなるのがメリットです。
父の日、と改まると気恥ずかしかったりしますが、それがなくなることは、お父さんにも子どもにもうれしいポイントです。
父の日にスキンシップ!マッサージはお疲れのお父さんにおすすめです
お父さんとの距離を縮めるためには、スキンシップが有効です。
いい年をしてそんなこと無理だと、と思いますか?
マッサージならお父さんの疲れを癒やせるし、立派なスキンシップです。
誰でも幼い頃に肩たたき券を手作りして、贈ったことがあるのではないでしょうか。
そのときもきっとお父さんは喜んでくれたでしょうが、小さな子どもの力というのは、肩たたきには物足りないものです。
肩たたきを本当にやるなら、子どもが成長してからの方がよいでしょう。
ちなみにネットでは肩たたき券のテンプレートをダウンロードできます。
昔を思い出して、お父さんに贈ってみれば、きっと笑顔が見られるでしょう。
しかし肩たたきや肩もみにはリスクがあります。
それはもみ返しです。
マッサージ中は気持ちよいのに、終わった後にマッサージされたところが痛んだり、体がだるくなったりするのがもみ返しです。
肩こりがひどい人は、マッサージも強めを好みますが、やりすぎるともみ返しをひきおこします。
だからもみ返しの心配がない場所をマッサージしてあげましょう。
それが足の裏です。
足の裏には、体のあらゆるところとつながっている反射区があります。
だから足の裏をマッサージすることで、体の不調を改善できるのです。
それに足の裏には、全体重がかかってきますから、疲れの原因になる老廃物がたまっている人が多いのです。
【足の裏 マッサージ】で検索すると、詳しいやり方が出てきますが、ここでも1つだけ紹介します。
私は足の土踏まずの部分を広めに刺激することをおすすめします。
お疲れのお父さんの場合は足の裏も固くなっている可能性がありますから、お父さんにうつ伏せに寝てもらって、足の裏を踏んであげるとほぐれやすくなります(自分の体重などは考慮して、注意して実行してください)。
ある程度ほぐれたら、手で足の裏をもみほぐしてあげるとよいでしょう。
テレビなどでは罰ゲームのイメージがある足の裏のマッサージですが、力を入れ過ぎなければ、痛くなることはありません。
もみ返しの心配がない上に、眠ってしまうくらい、気持ちよくなりますから、ぜひお父さんの足の裏をマッサージしてあげてください。
お父さんが感謝してくれる父の日が実現するでしょう。
予算がなくても、予定がつかなくても父の日を諦めない!
父の日なのに、お父さんとタイミングが合わない人がいるかもしれません。
父の日のための予算がとれない、という人もいるでしょう。
父の日のお祝いをしようという気持ちがあるなら、諦めないでください。
方法はあります。
それは、お父さんにメッセージを贈ることです。
メールやラインのメッセージでもよいですが、お父さんにとってももらったという実感が持てるので、できれば手紙かカードを贈ってみましょう。
手紙は長く書く必要はありません。
長いとかえってうそくさくなる危険もあります。
自分が普段感じていることを、素直に書いてみましょう。
例えば『毎晩帰りが遅いようですが、体は大丈夫ですか?私もお母さんも心配しています』とか『将来は〇〇の道に進みたいと思っています。お父さんはどう思う?お父さんがどうやって進路を決めたのか、知りたいな』などと書けば、お父さんの心に残る手紙になるでしょう。
それでも、やはり手紙はハードルが高いと感じるなら、カードを贈ってみましょう。
カードなら一言でも書くだけで様になり、その一言がお父さんの心に残ります。
幼いときのように『お父さん、ありがとう』『お父さん、大好き』と書いてみてください。
自分も幼い子どもに戻ったように楽しい気持ちになれますよ。
便箋、封筒、カードはわざわざ購入しなくても、ネットでテンプレートがダウンロードできます。
いろいろなデザインの中から選べますから、好みのものを探してみましょう。
人間は褒められると、やる気が出ますよね。
子どもは褒めて育てる、という人もいるほどです。
しかし、成長するにしたがって褒められる機会、大好きだよと肯定してもらう機会は減っていきます。
お父さんも他人のことは褒めても、自分が褒められたり肯定されたりする機会はほとんどないですよね。
多分自分ではそんな機会がないことに気付くのがむずかしいでしょう。
そんなときに、自分の子どもからメッセージをもらえれば、それはかけがえのないご褒美でしょう。
ぜひお父さんに年に1度のご褒美を贈ってください。
恥ずかしいという人、面倒だという人はお父さんの年齢を考えてください。
父の日をいつまでお祝いできると思いますか?どんな人でも父の日を100回も迎えられません。
父の日は限られています。
それを思えば、父の日にメッセージを贈って、お父さんを喜ばせたいと思うのではないでしょうか。
さり気なくお父さんを喜ばせるために、こんな方法があった
日本のお父さんは恥ずかしがり屋が多いようです。
昔よりはだいぶマシになってきましたが、愛情表現をするのは苦手な人が多いようです。
子どもの方だって、本当に幼い頃は別ですが、お父さんに向かって愛情表現をするのは恥ずかしいですね。
だから父の日のお祝いを、なるべくさり気なくしたいと考える人はたくさんいると思います。
そんなときは、お父さんを料理でもてなすとよいでしょう。
普段は料理をしない子どもが(たとえ何歳であっても)、料理をするだけで特別感が出ます。
ことさら「お父さん、ありがとう」などといわなくてもきっと心は通じます。
料理をするだけで特別感が出るのですから、
料理はごく普通のもので構いません。
お父さんというものは料理で大冒険はしたがりません。
定番がよいのです。
カレーライスは味付けが必要なく、
初心者にも作りやすいのでおすすめできます。
お母さんに普段家で使っているカレーのルーを用意しておいてもらいましょう。
その日の夕食を全部作るのは、自信がないという人はまず1品から始めてください。
ポテトサラダやマカロニサラダ、卵焼きなどはお父さんが大好きなメニューです。
おかずにもなりますが、
お酒を飲むお父さんにはおつまみになるので喜ばれます。
料理をするには、材料を調達する手間や費用がかかりますが、自分1人では自信がないなら、お母さんに相談しましょう。
母の日だけやってもらって、父の日に何もないのは申し訳ないと思っているお母さんが多いのです。
きっと快く協力してくれます。
父の日をきっかけにして、子どもたちも料理を担当できるようになるとよいですね。
いつも同じ人が作っていると、同じような料理でてきますが、担当する人が増えれば、メニューの数や種類が増えていきます。
まったく同じ料理でも作る人によって、かなり様相は変わるものです。
それに1人しか料理を担当する人がいないと、その人に何かがあったときに、あっという間に家庭生活が行き詰まってしまいます。
お父さんを喜ばせて、家庭生活も安定する料理をぜひ、今度の父の日から始めてみてください。
父の日に考える、お父さんの役割とは
今は仕事を持っているお母さんが多くなっています。
収入もお父さんと同じくらいという場合もあるでしょう。
それでは、お父さんとお母さんには違いがないのでしょうか。
お父さんはお母さんのように、いろいろと話してくれないし、ほそぼそと世話を焼いてくれないから、何となくお父さんに親しめないと思っていませんか?
お母さんは確かに子どもを生み、育てますから、ほそぼそと世話を焼くこともあります。
お父さんに比べて子どもと距離が近いのがお母さんのよいところかもしれません。
しかし、それではお父さんもお母さんのように、至近距離で世話を焼いてくれるのがよいのかというとそうではありません。
仕事を持っているかどうかに関わらず、お母さんの視線は子どもに近いために、遠くを見渡せず、正確な判断を誤ることがあります。
将来に関わる進路や結婚について、お父さんは先を見越した意見を持つことがほとんどです。
子どもを育てるときに、もし本当のお父さんとお母さんがいなくても、両方の視線で見ることがとても大切です。
お父さんの役割は、経済的に家庭を支えることばかりではなく、実は先を大きく見通す目を持っていることなのではないでしょうか。
しかし、家のお父さんは、そんな立派な人ではない、と思う人もいるかもしれませんね。
お父さんのいうことは、ずれているとか的外れだと思うこともあるし、ときには理不尽と感じることもあるでしょう。
しかし家庭の中で理不尽さを感じることは、決して悪いことではありません。
家庭の中で誰もうるさくいわない、理不尽なことなどひとつも無いとしたら、社会に出たときはどうでしょうか。
必ず社会では理不尽だと思うことにぶつかります。
子どもの頃に理不尽さを経験して来なかったら、免疫もできていません。
始めての理不尽な出来事が、人を押しつぶしてしまうかもしれません。
お父さんとの関係が知らない内に、子どもを鍛えて社会に送り出しているとしたら、これもやはりお父さんの大きな役割なのでしょう。
近頃はお母さんのように小ぎれいで、心の細やかなお父さんが増えているようです。
昔に比べて、週休二日制が浸透して、子どもと過ごす時間が増えているお父さんもいますが、何だかお母さんが2人いるような家庭も少なくないようです。
父の日の前に、お父さんの役割をもう1度考えてみましょう。
自分のお父さんは意外によいお父さんだと思えるかもしれませんよ。
まとめ
今回は父の日について、由来などを紹介しました。
これで父の日がいつか、忘れることは無くなりましたね。
家庭でのお父さんの役割についても考えさせられました。
家庭では、お祖父さんやお母さんがお父さんの役割を果たさなければならないこともあるでしょう。
父の日をきっかけにお父さんの役割について考えてみるのも、きっと家庭生活に役に立ちます。
贈り物のヒントもたくさん紹介しましたから、来年以降の父の日に活かしてください。