卒業・就職は人生において大きな節目でもあります 。
仲の良い友達や先生のいる学校を離れ、就職して社会に出て行くことは不安もあるでしょうがとてもおめでたいことです。
そんなおめでたい卒業・就職をする人がいたら激励の意味も込めてお祝いをしてあげたいと思いますよね。
今回はそんな卒業・就職のお祝い金についてご紹介します。
そもそも卒業の意味は?
卒業は学校が規定している全課程を学び終えてその一員から外れることですよね。
小学校や中学校、高校と色々な学校で卒業があります。
現在の日本では学校教育法施行規制で“学年は4月1日に始まり翌年3月31日に終わる”とされていますので、卒業式は3月に行われることがほとんどでしょう。
ちなみに大学や大学院の場合は卒業式とは言いません。
卒業証書を授与するのではなく、学位記を授与することから学位記授与式、卒業証書・学位記授与式と呼ばれています。
そもそも卒業式が日本で初めて行われたのは明治時代に入ってからです。
それ以前、江戸時代などの教育は僧侶や浪人が庶民の子供たちに読み書きやそろばんを教える「寺子屋」や、藩の武士が儒学を学んだ「藩校」、他にも「蘭学塾」などもありましたが現在のように卒業式というものはありませんでした。
その後、明治時代に入ると現在では当たり前にある義務教育の起源ともなる近代教育制度が制定されました。
この近代教育制度は教育機関を整えて、身分や性別に関係なく全ての国民に学を付けさせるのが目的でした。
当初は、無料ではなく有料だったこともあり大切な働き手である子供を学校に行かせることに反発もあったようです。
1872年、下等小学校・上等小学校を作った学制と呼ばれるこの制度で、試験修了者に対して各等級(学年)で卒業証書を授与したことが卒業式の由来ともいわれています。
その5年後、1877年頃には現在と同じような卒業の儀式が徐々に定着していったようです。
ちなみに1876年に陸軍戸山学校で行われた卒業証書の授与の儀式が日本初の卒業式といわれており、これが軍学校だけでなく、官立・公立学校へも広まったとされています。
昔の就職ってどんなもの?
就職は学校を卒業した方が会社に入社することですよね。
学生は筆記試験や面接などを合格して、会社から内定をもらって就職をする方がほとんどかと思います。
現在ではインターネットの就職サイトを主に活用して就職活動をしている方が大半でしょう。
戦前などは大学や大学院に進んで卒業をした後は、教授や研究者になるのが一般的でした。
現在のように大学卒業後に企業に就職をする新卒採用が始まったのは1910年頃といわれています。
この以前、教授や研究者以外の道は親戚や知人の紹介か工場や商店では奉公先を探していたようです。
明治政府の近代国家推進の政策で、さまざまな職業も増え義務教育化も進んだことで高学歴の若者が増えてきました。
すると企業は優秀な学生を確保するために卒業前に面接や履歴書で入社選考をしたものでした。
これが現在と同じ新卒採用の始まりです。
ちなみに戦前の学生の人気就職先は軍人か医師だったようです。
他にも銀行員、新聞社なども挙げられていたようです。
一方の女子は教師が圧倒的に人気を誇っていたようですよ。
自由な職業選択も戦後に入るとがらりと変わってしまいます。
学生は就職活動どころでなく、お国のために働かなければなりませんでした。
戦争が終わり、経済も活気を取り戻すと再び、学生の就職活動が始まりました。
そしてこの後から新卒採用は当たり前のように存在していきます。
インターネットのなかった少し前の時代は大学の就職課の推薦や、コネ、企業へ書類を取り寄せて入社試験を受けていたそうです。
今でこそインターネットで検索すればどのような試験内容なのか、面接の際の質問内容まで掲示板に掲載されていることもありますが、この頃は大学のOBやOGの方の情報は欠かせないものだったようであるため、いかに人とのつながりを濃くするかも必要でかつ重要なことだったのでしょう。
現代もブラック企業やパワハラなどの問題もありますが、なんにせよ自分のしたいこと、自分の生きたい企業を選択することのできる現代はとても幸せなことなのかもしれません。
就職活動は人生において苦しい時期かもしれませんが、しっかりと自分自身と向き合って今後につながると良いですね。
卒業・就職のお祝い金の相場は?
昔の就職ってどんなもの? 卒業し、就職をするお子さんや親戚がいる場合しっかりとお祝いしてあげたいですよね。
卒業・就職は華やかな人生の門出であり、同時に大変な社会の一員となる入り口でもあります。
親の立場からすれば養う責任はなくなりますが大切な我が子にとって荒波に飲まれていくことでもありますので心配になるでしょう。
卒業・就職のお祝いでしっかりと激励してあげてください。
そんな卒業・就職のお祝い金の相場はいくらほどかご存じでしょうか?卒業のお祝いの場合、贈る相手によって変わりますが、大体の相場は祖父母ならば1万円~5万円、叔父叔母ならば1万円、その他の親族や友人の子供ならば3千円~5千円です。
小学校や中学校、高校と子供の年齢が上がるにつれて包む金額も上げている方が多いようですね。
基本的に卒業祝いはお返しが不要であるためそのことも考えて金額を決めても良いのではないでしょうか。
また卒業祝いの場合、のし袋は紅白蝶結びのものを選び表書きを「卒業御祝」「祝御卒業」と記入してくださいね。
卒業・就職のお祝いはどのタイミングで渡すべき?
卒業と就職はどのようなタイミングで渡したら良いのか悩む方もいるのではないでしょうか。
卒業祝いの場合は卒業式の直後か一週間以内には渡すようにしましょう。
就職祝いの場合は入社日や入社後に渡すのが基本ですが、新たに一人暮らしを始めるなどの場合は3月中に渡しても問題ありません。
卒業・就職のお祝いについてそれぞれご紹介しましたが、どちらも時期が重なりますよね。
別々にお祝いを渡さずにまとめて渡しても問題ありませんよ。
また卒業祝い、就職祝いと分けて渡さずにどちらか一方で渡そうと考えている方は就職祝いの方を優先して渡してあげてください。
必ず就職祝いでなくては駄目という訳ではありません。
ただ卒業よりも就職の方がスーツを新調したり名刺入れを購入するなどビジネス用品をそろえるため、何かと物入りですのでそちらを優先した方が良いでしょう。
就職のお祝いの品は何を渡せばよい?
就職先によってもさまざまですが、就職のお祝い品というとその職業で使える物をプレゼントする方が多いようです。
会社勤めの方には名刺入れやビジネスバッグが必要ですよね。
他にも腕時計をプレゼントする方も多いようです。
会社勤めではなくお店での接客や製造などの職に就く場合は新生活用に食器などの日用品や定期入れをプレゼントしても喜ばれることでしょう。
新しい新生活のために長く使えるようブランド物をプレゼントする方もいるようですが、お祝いの気持ちが一番大切ですので気張らずに選んでみてくださいね。
就職のお祝いは入社日か入社後、もしくは3月中に渡す方が大半だと思います。
その場合、プレゼントしようと思っている品を既に購入していることもありますので本人にそれとなく聞くことも大切ですよ。
卒業式の第2ボタンの話、知っていますか?
卒業式というといろいろなドラマが生まれている行事でもありますよね。
女性の場合、好きな人の第2ボタンやネクタイをももらいに行ったことがあるなんて方もいるでしょう。
緊張と不安が入り混じる中で第2ボタンをもらえたら最高の卒業式になるでしょう。
なぜ学ランの第2ボタンをもらうのでしょうか。
有名な説としては戦時中に第2ボタンを形見としてもらったというものがあります。
戦時中の軍服は詰襟学生服でした。
敵対国との争いが激高してくると強制的に戦争に連れていかれる若者もいます。
その若者が戦争へと旅立つ日に形見として第2ボタンをもらったそうです。
なぜ第2ボタンなのかというと「国から支給された大切な軍服の第1ボタンが取れていると見つかりやすかったため見つかりにくい第2ボタンにした」または「第2ボタンならば敬礼の際に隠れるため」という理由があったといわれています。
他にも戦争映画で特攻隊員が好きな女性に第2ボタンをあげたシーンが影響したという説や、第2ボタンは心臓に近いためなんていう説もありますよ。
戦時中の説を考えるともらった第2ボタンはより重みがあったことでしょう。
現代でも好きな人から第2ボタンをもらえたら大切にしてくださいね。
まとめ
いろいろとご紹介しましたが既に社会人の皆さんは卒業や就職の際の思い出がたくさんあることかと思います。
「卒業式では号泣した」「新社会人の時はよくミスをした」など、思い出すことはたくさんあるでしょう。
これから卒業して就職を迎える方は不安もあるでしょう。
そんな時は既に社会に出ている先輩に話しを聞くと不安も和らぐかもしれません。
なんにせよ卒業・就職はおめでたい門出ですので胸を張って社会へ出て行ってくださいね。