プロポーズのとき、とても緊張したのではないでしょうか。しかし、プロポーズが成功してそれでおしまいではありません。その後に緊張することの一つが両親への挨拶ではないでしょうか。また、それが無事に終わっても両家の顔合わせ、結納と行事は続いていきます。最近では省略する家も増えてきましたが、家と家の結びつきを作る意味でとても重要なものが結納です。結納とは何かをご紹介します。
概要
結納とは“婚約を正式に調えるための伝統的”な儀式です。プロポーズなどはあくまで口約束で、結納は婚約を両家の間で正式に確かなものにするということです。結納の起源は5世紀中ごろの天皇、仁徳天皇の時代にさかのぼります。皇太子が結婚する際、妃となる花嫁側に贈り物を贈ったことが起源とされています。当初は、男性側から女性側に酒肴や着物、帯などの現物を結納品として納めていました。時代が進み、次第に現物が形式的なものとなり、結納金という形に変わっています。
結納をやる家庭は減っている
近年、家族間のつながりが希薄になっており、結納のような儀式を行うことが少なくなっています。
◇結納をするのか・しないのか
先ほどもお伝えした通り、結納をする人は減ってきており必ずしもやらなくてはならないものではありません。ではどのように“する・しない”を決めるのでしょうか。まずはもちろん結婚する2人で考えましょう。しかし、これは“家”全体の問題であり、2人では決められない部分が多いと思いますので必ず両親に相談しましょう。地域によって、結納を執り行うのがオーソドックスな場合もあります。
結納にかかる費用は
結納を行うと決めた場合、気になる費用についてご紹介します。
◇結納式にかかる費用
結納式にかかる費用の平均は約10万円です。会場費と食事代でおおよそ10万円はかかります。
◇結納金とは
結納金とは文字通り結納式の際に渡すお金のことです。一般的には「もらう側」が用意します。女性が男性の家に嫁ぐ場合は男性側が、男性が婿入りする場合は女性側が用意します。金額の相場は100~150万円、50~100万円、または200万円以上ということもあります。贈られた結納金の使い道は特には決まっていません。まるまる結婚式の資金に使ったり、新婚旅行や家具などの購入に充てる方も多いようです。
◇結納金お返し
結納金のお返しは地域によって風習が大きくことなります。関東では「半返し」と呼ばれ、もらった金額の半額をお返しすることが多いです。一方で関西では一割返しの風習があるなど地域によってさまざまです。
結納の日取りの決め方
結納は古くから続く伝統的な儀式です。六曜に基づき縁起の良い日を選びましょう。「大安」「先勝」「友引」などが一般的です。この日取りは人気も高く、会場の料金も高くなっています。仏滅は料金が低いことが多いため、昔ほど日取りを意識しなくなった近年では選ぶ方も増えています。地域によっては六曜を大切にしているので両親としっかりと相談して決めましょう。
結納と顔合わせの流れの違い
ここでは結納と顔合わせの流れをご紹介します。
◇結納の場合
①結納品を飾り、両家着席
②男性側の父親から初めの挨拶
③男性側から女性側へ結納品を納める
④女性が目録をあらため、確認受書を渡す
⑤女性側から男性側へ結納品を納める
⑥男性側が目録をあらため確認受書を渡す
⑦婚約記念品をお披露目する
⑧男性側の父親から結びの挨拶
⑨記念撮影
◇両家顔合わせの場合
①初めの挨拶(男性側から)
②両家自己紹介
③婚約記念品のお披露目
④結びの挨拶(2人から)
ご覧になるとわかる通り結納ではやることが多く、より儀礼的な印象です。
結納の服装
結納でどのような服装をすればいいのか悩ましいところです。ここでは服装についてご紹介します。
◇新婦
格式の高い結納に最もふさわしいのは振袖です。場が華やぎ、結納式の格が上がります。ワンピースやスーツでも可能ですが、ボレロやジャケットは着用しましょう。“格式高い”フォーマル感があるものを選びましょう。
◇新郎
フォーマルな結納では、スーツの中でもブラックスーツやダークスーツを選びましょう。ワイシャツやネクタイなども無地で上質なものを着用しましょう。
◇母親
和装であれば紋付の色無地、訪問着、付け下げが一般的です。最近では結納もカジュアルになりつつあるので、ワンピースなども着られることが増えています。
◇父親
新郎と同じく、ブラックスーツやダークスーツがふさわしいでしょう。
結納で準備するもの
①結納品
結納品は結納金を含めて9品が一般的です。目録、長熨斗、御帯料、勝男武士(鰹節)、寿留女(するめ)、子生婦(昆布)、友白髪、末広、家内喜多留の9品です。簡略化したい場合は7・5・3の奇数も可能です。結納品セットは百貨店などに売っていますので参考にしましょう。
②婚約記念品(女性は指輪、男性は時計など)
婚約をした記念に贈る品物を婚約記念品といいます。男性から女性への記念品は婚約指輪が代表的です。男性から贈られた記念品のお返しを返礼品と言いますが、この返礼品を記念品として用意します。
③受書、家族書(結納品を受取ったしるしとして渡すものを受書、同居家族の名前や続柄などを記したのが家族書)
④結納のお金(結納品の一つとしておくる)
会場の決め方
結納を行う場所は、新婦の実家・料亭・ホテルやレストランなどが一般的です。新婦側が場所を決めることが一般的です。親族などのサポートが得られる場合は新婦の実家、費用をかけて準備の手間を省きたい場合は料亭やレストランがおすすめです。