発露には様々な意味がありますが、出産に関する言葉でいうと腟口から赤ちゃんの頭が見えたままの状態のことを指します。
発露は、赤ちゃんにもうすぐに会えるというタイミングです。
こちらでは、出産に関する発露について、また、発露の前段階である排臨について、解説していきます。
概要
発露とは、腟口から赤ちゃんの頭が見えたままの状態のことを言います。
赤ちゃんの頭が出て、中に戻らない状態のことです。
発露になると、頭が出てくるため、ゆっくりと息を吐くような呼吸に切り替えます。
そののち、赤ちゃんの肩が腟口から出て、そして全身が出ます。
つまり、発露になるともうすぐ赤ちゃんに出会えるということです。
発露になる前には、排臨があります。
排臨とは
排臨とは、陣痛時にいきむことで赤ちゃんの頭が腟口から出て、引っ込むを繰り返す状態のことを指します。
つまり、腟口から出た赤ちゃんの頭がそのまま見えている状態ではなく、まだ引っ込んでしまうのです。
赤ちゃんがどんどん下に下がってきているため、産婦は便意を感じることもあります。
初産婦の場合、排臨が長い時間かかることもあります。
経産婦の場合は、排臨がないまますぐに出産に繋がることもよくあります。
赤ちゃんの頭が見えたら、そのまますぐに生まれるということがあるのです。
発露になったら
発露になると陣痛がなくなっても、赤ちゃんの頭が出たまま引っ込まなくなります。
いきむのをやめ、ゆっくりと息を吐きだす呼吸に切り替えます。
力を抜き、ゆっくりと呼吸をすると、赤ちゃんの肩が腟口から出て、そして赤ちゃんの全身が外の世界へと出ます。
ここで、赤ちゃんと初めて対面ができるわけです。
発露や排臨の意味を知っておくことで、出産時にすぐに今の状態を理解できることに繋がるため、覚えておくといいでしょう。
助産師の中には、排臨や発露という言葉で状態を説明してくることもあります。
しっかりと意味を理解していないと、終わりの見えない出産に焦ってしまうこともあるでしょう。
パニック状態にならないためにも、排臨、発露の意味を覚えておきましょう。
第2期(娩出期)
説明してきた排臨や発露は、娩出期である第2期に起こることです。
第2期は、子宮口が全開になった状態から赤ちゃんが誕生するまでの時間のことを指します。
第2期にかかる時間は、初産婦で2時間から3時間ほど、経産婦で1時間から2時間ほどのことが多いです。
排臨や発露の他に、第2期に関係ある言葉として、腹圧、短促呼吸、娩出があります。
これらの意味も出産前にしっかりと調べて、理解しておくといいでしょう。
ちなみに、第2期の前にある第1期は、陣痛が始まり子宮口が開きだした時から、子宮口が全開になるまでの時間です。
この時間を開口期とも言います。
初産婦で8時間から12時間程度、経産婦で4時間から8時間ほどかかると言われています。
第2期の後にくる第3期は、赤ちゃんが誕生してから胎盤が娩出されるまでの時間を指します。
第3期は、後産期とも言います。
だいたい10分から30分ほどの時間がかかります。
赤ちゃんが誕生したら出産が終わりだと思いがちですが、胎盤の娩出が残っています。
出産にかかる時間は、合計すると初産婦が13時間から16時間、経産婦が5時間から8時間と言われています。
しかし個人差が激しいため、紹介した時間よりも短い人もいれば、長時間かかる人もいます。
また、何らかの異常が発生した場合は、途中で帝王切開などに切り替わる可能性もあります。
会陰が避けてしまった場合や会陰切開した場合は、縫う処置もあります。
ちなみに、会陰切開を縫う場合、抜糸の必要がない溶ける糸で行なうことが増えてきています。