結納の際に必要になるのが、縁起物などの結納品です。
結納品は種類が多いので、並べ方がイマイチわからないことが多くなります。
特に関東と関西では結納品の贈り方も異なるので、注意する必要があるのです。
結納品は結納の時には欠かせないものですが、結納が終わった後は扱いに困っている人も多いのではないでしょうか。
品物の処分をしたいけれどやり方がわからない、譲渡や売却は問題ないのかも知りたいところですよね。
今回は結納品のその後として品物の処分の仕方や並べ方、売却や譲渡はできるのかをご紹介します。
結納品とはどんなもの?
結納品は結婚が決まった両家が結納をおこなうときに、婚約の証として両家の結びつきを強めるために納めるものとして使われます。
結納品はそれぞれ長寿や子孫繁栄などの、縁起が良い意味があるのが特徴です。
通常9種類を贈りますが最近では略式結納も多いので、7種類や5種類に減らすことも増えてきています。
結納品にはそれぞれ意味があり、両家のつながりがより良いものになるように祈りが込められているのです。
それぞれの結納品の意味について、順番に見ていきましょう。
目録
結納品の品目と数が箇条書きで記されており、
一目でなにを結納品として贈ったかがわかります。
納品書や明細書みたいなものだというと、わかりやすいですね。
のし
従来はアワビを伸ばして乾燥させたもので、
アワビを伸ばすことを「熨していく」といい、保存食としていました。
不老長寿の縁起物として活用していきましょう。
金包
結納金のことで、昔は着物などの実物を贈っていましたがだんだんとお金を贈ることに変わってきました。
呼び方は「御帯料」や「小袖料」などと呼ぶことが多いです。
女性から男性に送る場合は「御袴料」といいます。
勝男武士
鰹節と掛けていて、もともと武士の家に常備していた保存食でした。
武運が長く続くという意味の縁起物として、結納品のひとつになりました。
関東以外では食事代として「松魚料」を現金で包むことがあります。
酒代と合わせて「酒肴料」として、結納品の数を奇数にするための数合わせに使われます。
寿留女
スルメのことで、噛めば噛むほど味の出るスルメのように長続きするような夫婦になるという願いが込められています。
子生婦
昆布のことで、昆布は繁殖力が旺盛な生き物なので子孫繁栄の縁起物とされています。
語呂合わせで「よろこぶ」という良い意味があります。
友白髪
白髪のように見えるのは、実は麻でできた糸の束です。
白髪になるまで長く一緒にいるということと、麻のようになかなか千切れない強い絆を持つという意味があります。
関西では「高砂」という尉(じょう)と姥(うば)の人形をつかうのが一般的です。
末広
白の扇子を意味し、広げた時の形から末広がりは幸せが長く続いて縁起が良いとされています。
なぜ白の扇子なのかというと、白は純真無垢だからなのだそうです。
家内喜多留
関東では「酒料」で関西では「柳樽料」といいます。
一昔前までは酒樽や一升瓶などの現物支給でしたが、現代では現金を包むのが一般的となりました。
酒料でお酒を買い、親戚一同で飲み交わして親睦を深めようという意味があります。
金額相場は結納金の1割程度です。
地域によって「角樽」と分けているところもあるのが特徴です。
婚約指輪
婚約記念品のことで主に関西で結納品のひとつとして、他の結納品と一緒に贈られます。
結納品の並べ方は関東と関西で違う
結納品は主に9品があり、それぞれ結婚にちなんで良い意味があったり金銭を援助したりする目的があります。
結納の中でも特に迷うのが、地域による結納品の並べ方や用意する品物が違うということです。
関西と関東では結納の品や並べ方に大きな違いがあるので、住んでいる地域によっては親世代に聞いてみると良いでしょう。
実際に関西と関東ではどの程度結納に違いがあるのか、説明していきます。
関東
関東の場合、結納品は9品贈るのが基本で、すべてまとめて白木台にのせてしまうのが一般的です。
目録、長熨斗、金包、勝男武士、寿留女、子生婦、友白髪、末広、家内喜多留の9種類は重なるようにして白木台にのせるのがポイントです。
重ねてのせる理由は、幸せが積み重なるようにとの願いが込められているためです。
並べ方も簡単で、見た目もすっきりしているのが関東式の特徴です。
関西
関西では関東とは違ったバリエーションの結納品を9品と、あと婚約記念品の指輪を一緒に贈ります。
小袖料、熨斗、子生婦、寿留女、末広、婚約記念品、松魚料、柳樽料、高砂人形と目録を順番に献上台の上にのせていくのです。
ひとつずつのせる並べ方なので、関東とは全く結納の流れが異なります。
関西式の場合は最高で21品目の結納品を用意することもあり、関東に比べると少し大変なイメージです。
結納品は使用後どうするべき?
結納品を結納に使ってからその後家に飾るとしても、場所も取ってしまうしずっと飾るのも大変です。
結納品は結納が終わってから2〜3日は家に飾っておきますが、その後一度片付けることがほとんどです。
しばらくして結婚式の日程が決まったら、今度は式の1週間前に再び飾ります。
結婚式の日は家でもお祝いムードを守るために、必ず家に結納品を飾るようにしましょう。
結納品は、いただいた後は結婚式の当日まで必要ということなのです。
気になるのは、結納品を飾る時期が過ぎた品物の処分の方法などですよね。
結納品をそれぞれ処分が必要なものと再利用できるもの、食べてしまうものの3種類に分けていきたいと思います。
処分が必要なもの
結納品の中でも、使い終わったら処分が必要なものは5種類あります。
- 熨斗
- 金包
- 友白髪
- 水引
- 白木台
主に紐や紙など燃えやすいものは処分するものの対象です。
白木台に関して言えば、ニスなどが塗られていないことを確認して処分しましょう。
白木台は「わざわざ新品を用意した」というところに意味があるので、使い回しはできないのです。
水引は専門店でリメイクして再利用することも可能です。
羽子板などの装飾品として再利用もできるため、ぜひリメイクしたい人は取っておくのも良いですね。
食べてしまうもの
9種類の結納品の中には、食べられるものが含まれています。
どれも長期保存が可能な食べ物ばかりなので、飾る期間が過ぎたら食べてしまいましょう。
- 勝男武士
- 寿留女
- 子生婦
料理の出汁取りに使ったり、そのまま食べてしまっても大丈夫です。
もし家内喜多留の代わりにお酒を用意していた場合は、お酒は飲んでしまっても差し支えありません。
お酒の場合は結納の日に飲むこともあるので、残った場合のみいただきます。
再利用するもの
結納品を飾る期間が過ぎた後も、ずっと飾り続けたり再利用したりできるものもあります。
普段から家にあると縁起が良かったり、日用品として使えたりするものもあるのです。
目録は結納品の記録として残しておいている人が多いですし、末広は結婚式以外のお祝い事にも使えます。
高砂は縁起物の人形なので、家に飾っておくと良さそうです。
結納箱や塗りお盆も日用品として活用できるので、取っておくと便利ですね。
包んでいた風呂敷も、取っておけば何かを包む時に使えます。
結納の品物の処分方法とは?
結納の品物の処分方法について悩んでいる人も、結構多いのではないでしょうか。
結納に使ったものなので家庭ごみとしてポイと捨てるのも、なんだか抵抗がありますよね。
神社で処分してもらったり、お清めをしてもらったりすることで品物の処分がしやすくなります。
神社で完全に処分してもらう場合は「お焚き上げ」をする方法があります。
お正月飾りを焼いてもらう「どんど焼き」と同じようなもので、お守りを処分してもらうのもお焚き上げです。
もしお正月の時期と重なった場合は、どんど焼きの時に処分してもらうと良いでしょう。
どんど焼きで一緒に焼いてもらうと、お正月飾りの分と一度で済みます。
お焚き上げをしてもらいたい時は、神社に問い合わせてみましょう。
神社によってはお焚き上げはしておらず「結納品清祓い」をしてくれるところもあります。
結納品清祓いをすることで、家庭ごみとして処分できるようになるのです。
お焚き上げや結納品清祓いをおこなっていない神社もあるので、事前確認は必ずおこなっておきましょう。
結納品は使用後に売却しても良い?
結納品は使用後に売却できるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
特に最近ではフリマアプリなども多くなっているので、興味がある人も多いはずです。
結納品は原則として、一度使ったものを使いまわすことはまずしません。
売却すると誰か他の人が使いまわすことになるので、あまり一般的ではないと言えるでしょう。
現代ではフリマアプリの普及により、結納品がまとまってそろっている時やきれいな状態である時はおそらく売却できる可能性が高いでしょう。
婚約指輪などの貴金属の場合は、不要になったらブランドショップなどに売る人も多くなります。
どうしても捨てるのがもったいないと感じる人は、売却も視野に入れて良いかもしれませんね。
結納品は使用後に譲渡しても良い?
結納が済んだ場合は兄弟や友人など、これから結婚する人のために譲渡したいと考える人もいるかもしれません。
結納品は基本的に他の人に譲渡するのは良くないと言われており、あまり一般的ではないのです。
地域によっては「福分け」といい、兄弟などで使い回して幸せをおすそ分けするという場合があります。
こうした風習がない地域では、中古の結納品を贈るのは失礼に当たる場合が多いので注意しましょう。
結納品は自分たちが用意したものを自分たちで使うのではなく、これから結婚する相手の親に贈るものです。
相手の気持ちになって考えると、やはり結納品が使い古しというのは良くないと感じてしまいますよね。
まとめ
結納品のその後として品物の処分の仕方や並べ方、
売却や譲渡はできるのかをご紹介してきました。
結納品は基本的に9種類用意し、関東と関西では並べ方や品物に違いがあることがわかりました。
結納品でも結婚式が終わったら処分するもの、再利用するもの、食べるものなどその後もさまざまです。
特に品物の処分は神社でお焚き上げや結納品清祓いをしてもらうのが一般的で、譲渡や売却は基本的にマナー違反です。
結納品は使えるものはその後も使って、有効活用していきましょう。