結婚披露宴を行う際、悩むポイントのひとつに「お色直し」があります。
お色直しは何のためにするの?必ず必要なの?どんなドレスや着物を選べば良いの?と様々な疑問があるかも知れません。
ここでは、お色直しの意味やタイミング、着るものの選び方を中心にご紹介します。
お色直しをする意味
結婚披露宴のお色直しと聞くと、コストも掛かるし、自己満足に過ぎないのでは?と感じる人もいるかも知れません。
しかし、お色直しには実は大きな意味があるのです。
昔は、結婚式といえば新婦は皆、白無垢を着ていました。
白無垢の純白な白から相手の色に染まるという意味で、色打掛に着替えたことがお色直しの始まりと言われています。
お色直しの起源は、奈良時代です。
その頃は、結婚をして3日目までは白無垢を着用、4日目に色打掛を着るという習慣がありました。
相手の家に染まるのに丸3日かかっていたのです。
現代では、そんなに時間は掛けられないため、結婚式から結婚披露宴の間でお色直しを行います。
相手の家に染まりますという意思表示を参列者に見せることで、結婚の儀が滞りなく進みましたという証になると考えられます。
また、戦前はどの家庭も新郎の家で結婚式を執り行いました。
新郎の家を訪れた花嫁が、白無垢から花嫁道具の中の衣装に着替えてお披露目されたことが、お色直しの起源と言う説もあります。
日本本来のお色直しは白無垢から色打掛ですが、今では白いウェディングドレスからカラードレスへのチェンジもお色直しとなります。
古来の文化や風習が根強く残る地域では、お色直しが重要視されている場合もあります。
お色直しを必ず取り入れないと、相手方の親族に印象が悪いと言われる所もあるのです。
新婦がお色直しをしたくない場合や、特別な希望がある場合は、必ず事前に両家両親にも相談しましょう。
お色直しは日本だけの独自な文化です。
欧米の花嫁の多くは、レンタルドレスではなく、自分用に誂えたウェディングドレスを一日中大切に着ます。
結婚披露宴でのお色直し効果
前述の通り、結婚式でお色直しをするのには、大きな意味がありました。
それと同時に、お色直しには結婚披露宴にて特別な効果をもたらします。
まず、お色直しをすることで、新郎新婦の印象をガラッと変えられます。
白からカラーへ変えるだけでも大きなイメージチェンジ効果がありますが、ドレスから和装、和装からドレスとなると、更に大きく印象が変わり、ゲストも楽しめます。
また、結婚式当日の新郎新婦は、着慣れないものを着て、写真を撮られたり、注目を浴びて非常に緊張しています。
その緊張をほぐす時間として中座は必要となってきます。
中座でお手洗いを済ませ、化粧直しや休憩をして一息ついてからまた披露宴で笑顔を見せるのです。
しかし、中座をしても何も変化が無いのでは、ゲストも不思議に感じるでしょう。
そのため、ドレスや髪形、アクセサリーなどを変えて新たな気持ちで会場入りするのです。
中には、新郎新婦が席に座っていると、なかなか席を立ち辛いと感じるゲストも居ます。
また、新郎新婦との話に夢中になり過ぎて、美味しい食事を食べられないというゲストもいるかも知れません。
そんな人には中座が丁度良い中休みとなるのです。
新郎新婦が中座している間には、久々に会うゲスト同士が話に華を咲かせたり、料理やお酒を堪能したり、新郎新婦に気を使わず、和やかに過ごす時間が持てるため、中座は大切なのです。
お色直しのタイミングは?
結婚披露宴でお色直しをするタイミングはどの辺がベストなのでしょうか?お色直しを何回するかにも寄りますが、おおよそ決まったタイミングとなります。
例えば、多くの場合、乾杯後に友人知人からのスピーチがありますがそのスピーチの後、ケーキ入刀が終わった後、テーブルラウンドの前などです。
あまり序盤過ぎても、終わりに近いタイミングでも良くありません。
結婚披露宴は一般的に2~3時間と決まっています。
その中で、ゲストを飽きさせないための工夫の一つとしてお色直しをすると考えると分かりやすいでしょう。
また、お色直し中は、プロフィールDVDなどを流すと、比較的ゆっくり中座の時間が取れて安心です。
お色直しドレスを選ぶポイント
お色直しのドレスや着物を選ぶには、何を基準にすれば良いのでしょうか?最初に考えたいのは、まず似合うかどうか?という点です。
お色直しのドレスや着物と一言にいっても、様々なデザインや色、サイズがあります。
そのため、自分が綺麗に見える物を選びたいところです。
次に考えたいのはコスト面です。
お色直しに使う衣装もピンキリで、比較的に安価な物から高級品までが揃っています。
ある程度、「幾ら以内のものから選ぶ」と予算を決めておくと選びやすくて安心です。
お色直しでドレスを変えるとタキシードも変える必要があります。
和装をするのであれば、新郎も羽織袴を着たいところです。
そうなると、2人分のコストが掛かることを忘れてはなりません。
式場によっては、お色直しを二回したら割引かれる、男女セットで借りると割引かれるなど、様々なプランが用意されている場合もあります。
その辺も考慮して選ぶと良いでしょう。
コストを抑える為に、女性側だけドレスを変えて、タキシードはネクタイとポケットチーフだけを変えるという手もあります。
お色直しの衣装は、会場の雰囲気にも合わせて決めるようにしましょう。
カントリー調の淡い色味の会場には、プリンセスラインの優しい色味が映えます。
ニューヨークスタイルのようにモダンな会場には、マーメードラインのカッコいい濃い目の色味のドレスなどが似合います。
このように、会場と統一した雰囲気を持つとより素敵に見えます。
カラードレスや着物は、自分の好きな色が似合うとは限りません。
意外な色が似合うこともあり、ゲストにも「あの子がこの色って珍しい」とより印象深く残ります。
ドレス以外の服装
お色直しでは、ドレスや着物以外の服を利用する事もできます。
例えば、2人で共通の趣味のスポーツウェアや、現在就いている職業の制服をお色直しの衣装とすることがあります。
2人で応援しているサッカーチームや野球チームのユニフォーム、自衛官や警察官・消防士の制服、2人が出会った頃の学生服など様々なものを使えます。
制服系の仕事をしている人は、結婚式のお色直しに着るという場合も多く、インパクトもあるためゲストには喜ばれます。
お色直しでユニフォームを着て、そのままサポーター仲間と応援歌を歌ったり、同級生と校歌を歌ったりと余興としても盛り上がります。
お色直しの髪形は?
お色直しの髪型は、ドレスや着物と共にガラッと変えるとゲストの印象に残ります。
例えば、アップヘアからダウンヘアへ、ダウンヘアからアップヘアも良いかも知れません。
近年では、カラーの付け毛をしたり、ウイッグを多用することもあります。
例えば、髪の短い新婦は、ウェデングドレスや白無垢の際にはベールや角隠しで誤魔化し、ドレスに変えたらロングヘアの付け毛を付けることもあります。
また、髪の長い新婦が、お色直しでボブウィッグを付けるなど、髪形も含めてトータルでお色直しをするのです。
髪型と共に、ヘアアクセサリーやアクセサリー、ブーケなども変えるのが一般的です。
お色直し入場の曲
お色直しをしてから再入場する際には、盛り上がる曲を選択するのが好ましいと言えます。
明るく元気な目立つ曲で入場をアピールします。
再入場の際には、シャボン玉を飛ばしたり、思わぬ場所から登場するという方法も面白くて人気があります。
また、前述の様にお色直しの服装を趣味や仕事関係の制服などにしている場合は、その服に関連する曲が盛り上がります。
例えば、2人共通の趣味でサッカーユニフォームを着る場合などは、そのチームのテーマソングや応援歌を流します。
そのくらい、分かりやすい演出も人気があります。
お色直し用のドレスを買う人も・・・
結婚式場でレンタルしているお色直し用のカラードレスなどが気に入らない場合、持ち込み料を支払えば外部から調達することも可能です。
人気のあるドレスはやはり集中する傾向があり、気に入ったドレスが既にレンタル予約が組まれている場合も多いものです。
そのため、自分がこだわり、気に入ったドレスを購入してきたり、アウトレットドレスを安価で買い、持ち込む新婦も多いものです。
自分で購入したドレスであれば、二次会などでも気兼ねなく着用できます。
もしも、お色直しをしたいけれど、気に入った物がない・・・と悩む場合には、会場以外の衣装にも目を向けて見てはいかがでしょうか。
二次会などでは何を着るべき?
結婚披露宴の後、二次会を予定している新郎新婦も多いでしょう。
そうなると、そこで着用する衣装もどのように調達すべきか悩みます。
式場内の二次会会場であれば、お色直し用のタキシードやカラードレスがそのまま着れることが多いですし、二次会用に新たに借りることもできます。
しかし、外部に持ち出すとなると、追加のレンタル料金が掛かる事もありますし、時間制限が出る場合も多いです。
もし、気兼ねなく着たいということであれば、安価なドレスを購入し、新郎はタキシードではなく明るめなスーツに着替えるということもできます。
着替えや持ち運びなどを考え、どのようにするのがベストかを事前にじっくり計画することが大切です。
近年のお色直しの傾向
派手婚が流行ったバブル全盛期には、一つの結婚披露宴で平均3~5回と数回のお色直しをするブームがありました。
しかし、複数回のお色直しを行うことは、豪華な印象とは裏腹に、その分中座時間が多く、新郎新婦がじっくり鑑賞できない、会話もできない、記念撮影もできないと不評でした。
そのため、近年では回数の多いお色直しはグンと減ってきました。
現在では、豪華さよりも「おもてなしの心」を大切にする傾向が強いため、数回のお色直しをするよりも、ゲストとの時間楽しむ方向性が重んじられ、1~3回程度で落ち着いています。
お色直しの回数が少なくなったのには、ドレスの機能が進化したのにも要因があります。
ウェディングドレスカラーやドレスは、取り外すだけでロング丈からミニ丈に変化したり、プリンセスラインからマーメードラインへ変化したり、カラーパーツを付け足すことで華やかなドレスに変わったりと一着で何パターンも着れるドレスが増えています。
そのため、同じドレスで髪型やブーケだけを変え、中座時間も半分の時間で済む場合もあります。
和装の場合、挙式では角隠しを着用しますが、披露宴は角隠しを取った白無垢から、中座で色打掛へ変更するのが一般的でした。
しかし、近年では洋風の髪形でも似合う着物が多くなり、簡単に着替えができるものも増えました。
そのため、白無垢からドレス、色打掛からドレスがスムーズに着替えられ、20~30分もあればチェンジできます。
両方楽しみたいと考える人は、和装から洋装にも気軽にチャレンジしてみても良いでしょう。
まとめ
結婚披露宴のお色直しには、日本古来から伝わる大切な意味が込められています。
相手の家の色に染まるということは、時代錯誤を感じるかも知れませんが、結婚する際の気持ちとしては、今でも大事なことなのです。
また、現代では手軽に和装や洋装を楽しめ、主役ならではの注目を浴びられるチャンスです。
「あの時着ておけば良かった」と後から後悔をしても、自分が主役の結婚式や披露宴はやり直しができません。
やりたい事はやっておいて損はありません。
中座の時間を考えて、お色直しの回数を1回に留めるカップルも多くなっています。
一着で何パターンもの着こなしができるドレスもありますので、そういったものを取り入れ、イメージを変えてみるのもゲストを飽きさせない工夫になるかも知れません。