結婚式で万歳三唱を行うことがあります。皆で万歳をするという経験をあまり経験した事の無い人は、突然の万歳に驚きを隠せないかも知れませんが、一体何のために行っているのでしょうか?ここでは、そんな結婚式の万歳三唱についてを詳しくご紹介します。
結婚式で万歳三唱をするのはなぜ?
結婚式で万歳三唱をする場面に立ち会ったことがある人も多いのではないでしょうか?
万歳三唱は、その場に集った者全員で両手を挙げながら「万歳!!」という動作を三回繰り返すことをいいます。一体、なぜその様なことをするのか?と不思議に思う人も居るかも知れませんが、万歳三唱をすることで、その場が非常に盛り上がりますし、参加者に一体感をもたらします。繁盛、繁栄を祈り景気付けを目的として行うので、主に目出度い行事や、何かを長続きさせたい時、門出などに行われています。太平洋戦争中には、日本軍兵士が万歳をして突撃に向かっていたため、連合国軍側に恐怖を与えたとも言われています。その印象から、万歳は強い意思や意気込みの表れとしても定着しています。
もともと万歳は、大昔に中国から日本に渡り、明治時代に「バンザイ」と呼ばれるようになりました。他の国にも万歳と同様の文化が存在します。日本では、結婚式の他に忘年会や新年会、様々な祝賀会などでも行われています。
万歳三唱はどうやってすれば良いの?方法は?
万歳三唱は、その場の参加者全員で行うため、1人1人が勝手にするわけにはいきません。
まず、指揮(音頭)を取る人が紹介され、短い挨拶をします。起立を促されたら会場の皆で起立します。待っている間も手は組まず、自然に横に下しておきましょう。
指揮を取る人が「万歳」という掛け声を掛けながら、両手を挙げます。それに引き続き、他の全員も「万歳」と言いながら両手を挙げます。そして、それを三回繰り返します。掛け声を掛けながら交互に行うことが多いのですが、中には音頭をとる人が三回した後に皆が三回続けるやり方もあります。
掌の向きは内側でも外側でも良いでしょう。中には恥ずかしいと感じる人も居るかも知れませんが、思い切ってやってみると、その空気の一体感が心地よく感じられるでしょう。恥ずかしがらずになるべく元気よく行いましょう。
結婚式の万歳三唱は誰が指揮を執るの?御礼はどうすべき?
結婚式で万歳三唱をするためには、指揮を執る人が1人必要です。スピーチ同様、事前に選んで依頼しておきます。
依頼を引き受けた方は、万歳三唱をする前に短い挨拶をします。あまり長い挨拶は必要ありません。自己紹介とお祝いの言葉を軽く述べ、万歳三唱に移ります。
誰に依頼をしようかと悩むものですが、基本的には身内の方に任せることが多いものです。伯父(叔父)など、なるべく近い身内で引き受けて貰える人にお願いします。乾杯の挨拶と万歳三唱の挨拶は、それぞれ両家の伯父などに頼むとお互いの家を立てることができます。御礼はスピーチと同様にしましょう。感謝の気持ちを記したものと御礼のお金を封筒に入れてお渡しします。遠方から来てくれる場合には、お車代と併せてお渡ししましょう。御礼を忘れてしまうと、非常識なイメージがついてしまいますので注意しましょう。
もし、誰も引き受けてくれないのであれば、新郎の親、新郎本人が行っても構いません。近年では、スピーチなどを誰かに頼むと、その人がパーティーを楽しめないであろうという理由から、スピーチや挨拶を省くカップルもあります。そんな時には、自分や極近い身内で乾杯や万歳三唱の挨拶を行なっても構わないのです。また、友人や司会の方に依頼する方法をとる人もいます。
結婚式の万歳三唱を行う地域は?
結婚式での万歳三唱は全国で行われている訳ではありません。そのため、異なる地域の方が目にすると少し異様な光景に見えるかも知れません。全国でも主に行われているのは九州の一部(鹿児島県など)、長野県などです。これらの地域では、常日頃から万歳を頻繁に用いる傾向にあります。長野県では、様々な場面の締めに万歳を行っています。忘年会や新年会、歓送迎会、運動会などの締めにも行われます。通常の飲み会や地区の集まりなど小規模なものでも万歳で締めることがあります。
万歳三唱で締める地域もあれば、一本締めや三本締めなどその他の方法で締める地域もあります。
結婚式など大勢の人間が集まる行事などでは、様々な地域で風習や習慣が見られます。馴染みの無い地域からの出席者は驚くかも知れませんが、それを素直に楽しむ気持ちを持ちましょう。
どのタイミングで行うのがベスト?スピーチとはどこが違うの?
結婚式で万歳三唱を行うタイミングは終盤です。やはり、万歳三唱は最後の締めとして行うのが一般的です。
皆で元気よく万歳をして、新郎新婦の輝かしい未来を祝うということが目的なのです。万歳をしたら、新郎新婦と両家両親がゲストの見送りのために披露宴会場から退場するという流れが一般的です。
万歳三唱の挨拶は、スピーチとは異なるため、万歳三唱の音頭を取る人は、簡潔な挨拶を求められます。
特に終盤に行われますので、列席者が良い気分のまま帰路に付けるよう分かりやすく短い挨拶が好まれます。
例文としては
「ただいまご紹介に預かりました、〇〇と申します。僭越ながら御指名を頂戴しましたので、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。新郎新婦、並びにご両家の皆様方、本日は誠におめでとうごさいました。披露宴も無事に済み、一安心のことと存じます。新郎新婦の末永いお幸せと、ご両家並びに、ご臨席の皆様の更なるご多幸とご繁栄をお祈りしまして、万歳三唱で締めさせていただきます。(ゲストが座っている場合はここで「皆様ご起立をお願いいたします。」と促します。)では、皆様ご唱和をお願いいたします。『万歳、万歳、万歳』」
このくらい簡潔で構わないのです。ここでも、結婚スピーチにおける忌み言葉は基本的に使用できません。
万歳三唱の有無は新郎新婦が事前にしっかり検討しよう!!
結婚式に万歳三唱をするかしないかは、両家の地域や習慣によりますので、意見のすれ違いから揉めることが有り得ます。新婚早々に親族を交えた大きな揉め事に発展しないよう、事前に充分な確認をして、意見を擦り合わせておくことをおススメします。
万歳三唱以外にもその地域での風習があるかも知れません。でも、それらの風習は必ず取り入れる必要はありません。結婚する二人がよく相談し、自分達のコンセプトに合わないなどの理由で不要と判断した事はやらなくても良いのです。
ただ、結婚は家同士のの事ですから、両家がどうしても行いたいという願望があるのならば、双方が前向きに検討し、納得いくところで決められると一番良いですね。
まとめ
結婚式で万歳三唱を行う地域があります。万歳三唱を行う地域は全国でもそこまで多くはないので、目にすると驚くことがあるでしょう。でも、新たな門出を祝って景気付けのためにしておりますので、幸せを祈る気持ちで参加しましょう。
もしも、万歳三唱の指揮、音頭を依頼された場合は、簡単な挨拶を考えていくようにしましょう。締めの挨拶だと思うと気構えてしまいますが、短くて良いのでお祝いの言葉を一言述べ、万歳をすれば良いでしょう。