結婚式の招待状の返信には独特の書き方やマナーがありますが、皆さんはどのくらいご存知ですか?
大切な人の幸せな門出の時です。書き方にはしっかり気をつけて気持ちの良い返信ができるといいですよね。
この記事では、ブライダル業界に身を置いていた筆者が【これさえ知っていれば間違いない!招待状の返信マナー】をご紹介します。
返信ハガキを書き始める前に知っておきたいこと
冠婚葬祭には日常ではなかなか触れることがない独特のマナーやしきたりが多く存在します。
結婚式の招待状の返信にも気をつけることが沢山あるのですが、詳しく見ていく前にまずは必ず知っておいてほしいことをお伝えします。
必ず招待状を返信する
当たり前のことです。
最近は電話やメールラインなどで出席を伝える人も多いですが、本人に直接伝えたとしても返信は必ずします。やむなく欠席する場合ももちろんです。
披露宴(結婚式)の準備はやることも多く本当に大変です。
出欠がわかる返信ハガキは準備において欠かせないものですので、どのような状態でも絶対に返信しましょうね。
黒ペンを使う
黒のインクのボールペン、万年筆、筆ペンなどを使うのがマナー。ただ、普段から使い慣れていない人は無理して万年筆など使う必要はありません。字の色が「黒色」であれば問題ありません。
句読点は使用しない
意外と知らない人が多いマナーです。
句読点は文章を「区切る」時や、文章を「終わらせる」時に使います。結婚式にはふさわしくない意味を持つものなので使わないようにしましょう。
二重線はじょうぎを使う
後ほど詳しくご紹介しますが、招待状の返信ではあらかじめ書いてある言葉を二重線で消すことが何度もあります。
線を引く時は、消す文字が1文字なら斜めに二重線、2文字以上なら、ハガキが横向き→横にまっすぐの二重線、ハガキが縦向き→縦にまっすぐの二重線で消します。
綺麗な線を引くためにじょうぎを使います。
ハガキ表面の書き方
ここからは実際の書き方をご説明します。
ハガキをみると、表面には招待してくれた人(新郎新婦)の住所と名前が書いてあります。
宛先の名前の後には「行」もしくは「宛」と書かれていますので、二重線で消して「様」に書き換えます。
宛先が連名の場合は、どちらの名前にもそれぞれ「様」をつけます。
先にも書きましたが、「行」も「宛」も1文字なので斜め二重線で消します。
表面で気をつけることはこれだけ。簡単ですね。
ハガキ裏面の書き方
裏面は気をつける点が多いのでしっかりチェックしてくださいね。
自分に向けられた敬語を消す
「御住所」や「御出席」の「御」や、「御芳名」の「御芳」は自分に向けられている敬語なので、二重線で消します。ちなみに「御」はひらがなで「お」と書かれている場合もあります。
上級者は二重線ではなく「寿」を使う
これは上級者向けのマナーですが、二重線で消すべき文字の上から濃い黒字で「寿」と重ね書きします。
この時注意するポイントは、消したい文字、1文字に1つずつ「寿」を重ね書きします。
例えば「御芳名」の場合は、「寿寿名」となります。
出席に丸をする時は言葉をつけたす
出席する時は、丸の上と下に言葉を付け足します。
「喜んで(謹んで)」出席「させていただきます」というような感じで書きます。
この時、出席する人は欠席の文字を、欠席する人は出席の文字を二重線で消します。
招待された全員の名前を書く
複数名招待された場合は、「御芳名」のところに全員の名前を記入します。
アレルギーがあれば伝える
アレルギーを書く欄がある招待状もありますが、ない場合は書き足します。
アレルギーに関しては「手間になってしまうのでは…」と遠慮せず事前に伝えましょう。伝える際には「お手数をおかけしますが」「申し訳ないのですが」などの一言を付け足すとより良いです。
余白部分にメッセージを書く
招待してくれた人にお祝いの言葉を残しましょう。
ただし、内容は関係性によって変わるのでいくつか例をご紹介します。
基本のメッセージ
ご結婚おめでとうございます
お招きいただき光栄です
当日を楽しみにしております
この度はご結婚おめでとうございます
お招きいただき誠にありがとうございます
謹んで出席させていただきます
親しい友人の場合
○○ちゃん結婚おめでとう
お招きありがとう
○○ちゃんの晴れ姿をとても楽しみにしています
結婚おめでとうございます
あんなに素敵な彼と結婚なんて羨ましい!
末長くお幸せに!
上司や先輩などの場合
ご結婚おめでとうございます
謹んで出席させていただきます
心からお祝い申し上げます
いとこ、兄弟などの親族の場合
結婚おめでとう!
幸せいっぱいの家庭を築いていってね
○○の晴れ姿を楽しみにしています
関係性によって距離感や内容は変わりますが、素直なお祝いの言葉を綴れば大丈夫。
あなたからのメッセージを見て新郎新婦はとても嬉しい気持ちになると思います。
イラストなどデコレーションするときの注意点
ここ数年、返信ハガキにイラストを描いたりデコレーションするのが流行っていますよね。
華やかで手の込んだ返信ハガキはもらった側も嬉しいと思います。
先に「返信ハガキは黒のペンで」と書きましたが、装飾する際は黒以外の色を使ってもマナー違反にはなりません。
しかし、デコレーションをする上でいくつか気をつけて欲しいことがあります。
差出人(宛名)をチェック
招待状は新郎新婦の名前で送られてくる場合と、そのご両親の名前で送られてくる場合があります。ご両親の名前で送られてくるケースは少ないですが、その場合、デコレーションされた返信ハガキを見慣れないご両親が驚くことになるかもしれませんので、配慮が必要です。
不吉な絵柄は使わない
優先すべきは芸術性よりもマナーです。
「おめでたい事柄」ということを忘れず、例えばカラスやオバケ、蜘蛛などあまりいいイメージのない絵柄などは避けましょう。
主役のこだわりを邪魔しない
最近は凝ったデザインの招待状も珍しくありません。
届いた招待状がこだわって作った(選んだ)ものならデコレーションで上書きをせずに返信しましょう。せっかく作った(選んだ)新郎新婦の気持ちが最優先です。
悩むならやめておく
デコレーションした返信ハガキはオーソドックスなものではありません。
よほど仲の良い間柄でなければ控えた方が無難です。
大切なのは「このハガキをもらった新郎新婦はどう思うか」ということ。
主役に喜んでもらえることを一番大切にしましょう。
親しい間柄なら、あなたの心のこもった返信ハガキはきっと喜んでくれますよ。
返信のタイミング
出席する場合と欠席する場合でタイミングは異なります。
出席する場合はすぐに
出席する場合は、招待状が届いたらできるだけ早く返信します。
遅くとも1週間以内には送りましょう。
どうしてもすぐに返信できない場合は先に電話などで出席する旨を伝えておくとスムーズです。
披露宴は出席者の人数や誰が出席するかが決まった後にしかできない準備も沢山あります。
返信は早ければ早いほうが新郎新婦は助かります。
欠席の場合は少し待つ
やむなく欠席する場合はすぐに返信せず、1週間ほど期間をおいて返信します。
理由は「出席したくて都合をつけようといろいろ頑張ってみたけどどうしてもダメだった」という態度を表すためです。
あまり遅くなると相手方に迷惑がかかるので1週間をめどに返信します。
まとめ
結婚式の招待状にはいくつものマナーやしきたりがあります。
しかし一度書いてみたらそんなに難しいものではありません。
大切な人に招待していただいたのですから、こちらもしっかりとマナーをおさえて返信しましょう。