結婚祝いと聞くと、真っ先にご祝儀を思い浮かべます。煌びやかな美しい水引が掛けられたご祝儀袋は、様々な場所で売られているのを見掛けますが、一体幾ら入れて渡せば良いのか?どうやって渡せば良いのか?という細かい点までは知らないという人も居るでしょう。ここでは、そんな結婚のご祝儀について詳しくご紹介します。
ご祝儀とはどんなもの?いつから行われているの?
ご祝儀は、人生の節目の際に贈られる金品のことを言います。主に以下の場合に贈られます。
慶事・・・結婚や出産、長寿など、お目出度い出来事に贈られます。
弔事・・・葬儀や法事など悲しい出来事に贈られます。この場合、不祝儀(ぶしゅうぎ)と呼ばれます。
お見舞い・・・互助活動の一つとして贈られます。
興行・遊興・・・提供者に対する謝礼として贈られる金品をいいます。日本の伝統的なものでは、力士や芸妓、旅館の仲居などに贈られるチップのようなものを指します。
景気付け・・・難易度の高い制作物を依頼する者が、その職人などに渡す金品などをいいます。
賭け事などで・・・遊興にメリハリをもたらすもので、麻雀などで難しい役を作った者に対して祝意を持って贈られます。
では、ご祝儀はいつから行われているのでしょうか?
ご祝儀の文化は江戸時代頃から見られ、手拭を贈るのが一般的でした。その名残は現在でもみられ、お歳暮やお中元などに手拭やタオルが贈られています。
結婚祝いのご祝儀相場はいくら?関係で変わる?
結婚のご祝儀はおよそ相場が決まっています。その金額は結婚する当事者との関係性で決まります。
では、いくらが相場なのかを見ていきましょう。尚、下記の相場は結婚披露宴に出席した場合のものです。
両親・・・5万円~10万円
兄弟姉妹・・・3万円~10万円
祖父母・・・3万円~10万円
伯父叔母・・・3万円~
いとこ・親戚・・・3万円~
友人・・・3万円
上司・・・3万円~5万円
同僚・・・3万円
夫婦での披露宴出席・・・5万円~
結婚披露宴に呼ばれていて、出席するかどうか?も大きなポイントです。結婚披露宴では、招く人それぞれに飲食、引き出物が用意されていて、1人当たり平均2万円程かかっています。そのため、結婚披露宴に出席するのにご祝儀1万円では新郎新婦に大きな負担を掛けてしまい、非常識な人というレッテルが貼られてしまいます。また、前日や当日の出席キャンセルの場合には、既に料理や引き出物が用意されてしまいますので、出席した場合の相場金額を贈りましょう。
そもそも結婚披露宴を行わない場合や、式に呼ばれていない場合には、2万円よりも少ない金額を贈ることがあります。
元来、ご祝儀とは互助の意味合いも強いため、頂いた相手には同じ金額を返すというしきたりが残っています。そのため、結婚披露宴の有無に関わらず、先に頂いていた際にはその金額をお返ししましょう。
結婚のご祝儀には使えない数がある!?ご祝儀袋はどんなもの?
結婚のご祝儀のタブーは、割り切れる数の金額を贈ることです。割れる=分かれるを連想させるため、結婚には向かないのです。もしも、2万円や6万円を渡したいような場合には、5千円札を2枚用意して奇数の枚数を包むようにしましょう。
また、4や9などは、死、苦しみを連想させ、新しい門出に立つ二人には相応しくありません。どうしてもそのような金額を贈りたい際には、3万円と1万円分の品物など工夫することで、より祝福の気持ちを伝えられます。
結婚祝いのご祝儀袋は熨斗付きで結び切りの水引が掛けられているものを選びます。蝶結びは解けて何度も結べる=何度あっても嬉しい御祝いのみに使います。結婚は何度も無い方が良いので、簡単には解けない結び切りを使います。
ご祝儀の渡し方は?現金書留は必要?
結婚祝いのご祝儀は、結婚式などの会場で渡すパターンが多いのですが、結婚式を挙げない場合や、出席できない場合など様々なケースがあります。そんな時は、下記のような渡し方があります。
先方に出向き渡す場合・・・金封袱紗などに包み持参します。相手の在宅時に伺えるよう、事前に出向きたい旨の連絡をしておくと安心です。服装は平服で構いません。相手の御迷惑にならないよう、長居は禁物です。
外出先で渡す場合・・・外出先で会うタイミングで渡したい場合にも、祝儀袋を袱紗などで包み持参します。食事などで座るタイミングで渡せると良いでしょう。なるべく落ち着いた場所で渡すようにします。
郵送で渡す場合・・・ご祝儀は郵送することもできます。郵送の際には現金書留を使用します。現金書留専用袋には通常サイズのご祝儀袋がきっちり収まりますので、そのまま入れて構いません。結婚に伴い、転居をするカップルも多いため、住所の確認をしてから贈るようにしましょう。
ご祝儀を包む袱紗はどんなものが良いの?
ご祝儀袋を包んで持ち運ぶ際には袱紗を使用します。袱紗はご祝儀が汚れたり折れたりするのを防ぐ目的があります。
御祝いの袱紗は赤、オレンジ、ピンクなど華やかな色のものを使用します。どうしても袱紗の用意が無い場合は、大き目のハンカチや小さ目の風呂敷で代用できます。「無くても大丈夫なのでは?」と考えがちですが、結婚披露宴などでは年配の方も居ますし、自分が上司や先輩など目上の立場で出席するような場合にはマナーを守ることも大切です。
近年では、100円均一やコンビニなどでも手に入りますし、結婚式の引き出物や内祝いなどで貰うかつお節などを包む美しい不織布製の風呂敷で、袱紗を手作りする人も居ます。気に入った生地で簡単に作れますので、一つ自分好みのものを用意しておくと、いざという時に安心です。
頂いたご祝儀袋は再利用しても良いの?
ご祝儀袋は美しい和紙に華やかな水引で作られています。特に結婚のご祝儀袋は綺麗なので、そのまま捨てるのは勿体無いと考える人も多いのではないでしょうか。では、再利用やリメイクは可能なのでしょうか?
ご祝儀袋の再利用は賛否両論があります。内袋や短冊だけ別売りされているため、再利用は可能なのですが、中には快く思わない人も居るかも知れません。肯定派の意見としては「幸せの御裾分け」というものがあります。このことから、リユースする場合には、あまりその旨を周囲に言わない方が良いかも知れません。
リメイクでは、箸袋、ポチ袋、アクセサリーなど様々なものにして楽しめます。箸袋は正月などお目出度い時に使います。また、水引のみを使い、イヤリングやブローチ、髪留め、帯留めなどのアクセサリーを作る事ができます。近年では水引が再注目されており、「水引アート」と呼ばれ人気があります。水引を繋げてリースを作ったり、写真立てを作ったりする人も居ます。和の雰囲気ですが、自分好みの色・デザインにすれば自宅のインテリアにも馴染みます。
ご祝儀のお返しは内祝い
結婚のご祝儀のお返しは、内祝いといいます。内祝いは頂いたご祝儀の3分の1~半額ほどを目安に商品を選びます。
内祝いは何を贈れば喜んでもらえるか?と頭を悩ませるカップルも多いのですが、嵩張る物、好みの分かれるものは避けた方が良いでしょう。
利便性を考えると、相手が欲しいもの、必要なものを選べるカタログギフトが人気なのも頷けます。
また、新婚旅行に行く場合、海外などで贈り物を選ぶこともできます。日本では手に入らないものが喜ばれる場合もありますが、この時もあまり嵩張るものは選ばないようにしましょう。
まとめ
結婚祝いに渡すご祝儀は、昔から我が国で行われている互助活動の一つであると言われています。金額の相場は、相手との関係性、結婚披露宴へ出席するかしないかなどで変わってきます。結婚披露宴に出席する場合には、ご祝儀もその時に持参します。出席しない場合には、相手に会った時に渡すか、郵送するのが一般的です。大金の入った大切な物なので、確実に本人に渡るようにしましょう。