結婚式に上司を招待する時には最低限のマナーが必要です。お世話になった上司を結婚式へ招くことにより、人生の新たな決意を示すのです。でも、晴れの舞台とはいえ、マナーを守らないと台無しになる可能性があります。ここでは、結婚式に上司を招待する時のマナーを中心にご紹介します。
結婚式に上司を招待するのタイミングはいつ?
人生の一大イベントである結婚式ですが、その招待客を決めるのは非常に大切な作業です。両家のゲストのバランスをみながら招く人を決め、新郎新婦が足並みを揃えて招待するのが基本です。
結婚式に上司を招待するタイミングは、式の日時や場所が決定した頃です。上司へ「お時間を頂けますか?」と切り出した上で、結婚する旨、式を挙げるので招待したい旨をお話しします。
この時に注意したいのは、同僚等他の社員から上司の耳に結婚式の話が入らないようにするという点です。結婚式の日時などを上司への報告よりも前に同僚が知っているのは、一般的には非常識と捉えられてしまいます。まず、直属の上司へ結婚の報告をし、その後更に上役や同僚、部署の仲間などへ報告をします。どこまでどのタイミングで報告するかも直属の上司と相談して決めるとスムーズです。
会社では役職が上の人ほど先々の予定が詰まっています。日時が決まった時点で参列の打診をしておくことで無理なくスケジュール調整をして頂けるでしょう。
上司を結婚式に招待する際、メールでも良いの?手渡しすべき?
転勤などで遠くにいる上司、出張や外回りが多くなかなか時間が取れそうにもない上司へは取り急ぎメールや電話での打診でも構いません。参加の可否には時間が掛かる場合がありますので、招待状が出来上がってからでは何かと遅いのです。
メールであれば手隙の際に目を通して貰えますので、忙しいビジネスシーンにおいては有益なこともあるのです。メールの場合でも、直接依頼するのと同様の内容で送ります。
職場のメールでお送りする際には、無駄な文面は省く方が無難です。簡潔に要件が伝わるようにします。
具体的には、
- 結婚の報告
- 結婚式の日時
- 結婚式への招待及びスピーチなどの依頼
- 今後仕事は続けるのか否か
などを記しましょう。
メールの場合、個人に対して送ります。CCやBCCは大人数へ報告する時には楽ですが、上司への結婚報告の際は付けないようにしましょう。
また、上記内容に併せて、招待状が出来上がり次第手渡し、及び郵送でお渡ししたい旨も記しておくと安心です。
参加・不参加の返信はどの位の猶予を持つべき?
上司を結婚式に招待し、スピーチなどを依頼している場合には、なるべく早く返信が欲しいところです。スピーチを依頼している上司が参加できない時には、式次第も変更になるからです。もし、招待状の期限よりも前に参加の可否を知りたい時には、事前にその旨をお伝えしておくと安心です。予め式場のプランナーと相談の上、式進行などに影響が出ないギリギリの返答日時を決めてお伝えしておくと良いでしょう。尚、返信期日の前に回答を催促をするのはマナー違反です。期日が過ぎてから角が立たないように伺います。「お忙しいところ、大変恐縮ですが・・・」「少々お伺いしたい事があるのですが・・・」など、相手を気遣う一言を付け加えると悪い印象を与えません。また、「式場側の日程の都合で申し訳ないのですが」と式場側のスケジュールを理由にすればスムーズに確認することができます。
忙しくてなかなかお会いできず確認できないこともありますので、期日には十分な余裕を持ちましょう。
上司はどこまで招待すべきなの?スピーチの依頼は迷惑になる?
一言に上司といっても、一体どこからどこまでが自分の上司で、結婚式に招待をすべきか非常に悩むこともあるでしょう。
上司というと、基本的には新郎新婦の直属の上司をいいますが、結婚式に招待する上司は、お世話になったかどうか?どれくらい深い仲であるか?が重要なため、部署や会社を超えることも多々あります。中には社長や重役を上司として招くこともあります。
春や秋は異動のシーズンです。自分の部署異動などが考えられる場合には、それと共に上司も変化する可能性があります。招待状を作成する前であれば、新しい上司に結婚の旨を伝えて招待が可能です。
では、具体的にどんな招待の仕方をすればよいのかを見ていきましょう。
<スピーチや乾杯の挨拶など依頼をする場合の招待の仕方>
〇月〇日〇時から、~という式場で結婚式を挙げることにしました。是非、列席いただきたく検討をお願いしたいと考えております。また、当日は披露宴の主賓として御祝辞(または乾杯の挨拶)を頂戴できれば幸いです。
<スピーチや乾杯の挨拶などを依頼しない場合の招待の仕方>
〇月〇日〇時から、~という式場で結婚式を挙げることにしました。是非、列席いただきたく検討をお願いしたいと考えております。
このように簡潔に依頼をするのがベターです。「スピーチや乾杯の挨拶をお願いしたら迷惑になるのでは?」と考えがちですが、部下の結婚式でスピーチなどを行うことが一種のステータスと良い方へ考える人も案外多いものです。そのため、是非お願いしたいと真摯に依頼するのが一番です。
上司の肩書間違いは失礼!!
上司を結婚式へ招待する場合、肩書の間違いはマナー違反です。結婚式が昇進・昇格などのタイミングを跨ぐ場合には、必ず人事へ確認をし、正確な役職名で招待できるようにしましょう。
何社もの役員を兼任しているなど、上司によっては様々な肩書がある場合もあります。その際には、一番位の高い肩書きか、新郎新婦と直接関わりのある肩書を記します。スピーチ前の紹介なども、正確な肩書で行います。司会者へ肩書を正確に伝えておきましょう。
上司が退職をしている場合には「元上司」の表記で構いませんが、上司が転職をされている場合には、元会社の役職名か現会社の役職名のどちらを記載しても構いません。
新郎新婦が退職をしている場合でも、上司の会社名と役職は記して構いません。
上司は主賓?お車代は必ず準備しましょう
結婚式では両家で一名ずつ主賓を立てるのが一般的です。主賓は一番格の高いゲストのことをいいます。会社の上司や恩師にお願いすることが多いものです。主賓にはゲストを代表して祝辞のスピーチを依頼します。近年では、スピーチ自体を廃止する披露宴も増えましたが、お願いする場合には前述の様に丁寧に依頼をします。
また、主賓の方にはお車代をお渡しします。お車代は1万円が相場ですが、遠方からいらっしゃる場合には往復交通費にプラスして1万円程度が好ましいでしょう。
当日の新郎新婦は忙しく、主賓へお車代をお渡し出来ないため、両家の両親または親族が挨拶がてらお渡しするパターンが多いようです。事前に誰がどのようにして渡すかを確認し、準備しておきましょう。
まとめ
近年では、上司と部下の垣根が低く、仲良く仕事を行う会社が増え、お世話になった上司を何名も招くというカップルも増えました。一方、異動が多い会社では、上司が定まらないため結婚式にも招待しないという選択が行われることもあります。
上司を結婚式へ招待する時には、基本的なマナーを守ることが大切です。マナーを守らないことで上司に恥をかかせてしまうしまうこともあり得ます。「知らなかった」では済まないことも有り得ますので、きちんと事前確認を行い招待するようにしましょう。