お風呂にゆずをうかべて入る「ゆず湯」。
ゆずは香りがいいですし、リラックスできますよね。
みなさんは入ったことがあるでしょうか?
自宅でやろうと思っても、方法がわからない人もいらっしゃるかもしれません。
ゆず湯の効能も併せてご紹介します。
ゆず湯の意味は?
現代では、蛇口から簡単にお湯を出すこともできるので、毎日お風呂に入っている人も多いと思います。
しかし昔はお湯の準備が大変で、毎日入浴をするという習慣はありませんでした。
昔の人は太陽が弱い時期に入浴することで、たまった邪気をはらい、幸運を呼び込む準備をしていました。
入浴とは身を清めるための特別な行為だったのです。
ゆずは香りが強い果物ですよね。
日本では古くから、強い香りのする場所に邪気はたまらないといわれてきました。
ゆずを食べずに入浴に使ったのは、身を清める特別な行為である入浴に香りの強いゆずを使うことで、邪気をはらう効果をより高めるためです。
また、ゆずは実を結ぶまでに長い年月がかかることから、「長年の苦労が身を結びますように」という願いがこめられているともいわれています。
ゆず湯には、いつ入ればいい?
ゆず湯は冬至に入るのが良いとされています。
冬至は1年の中で1番昼が短く、夜が長い日です。
日照時間が1年で最も短いので、太陽の力が最も弱くなる日ともいえます。
昔の人は太陽の力が弱い時期にゆず湯に入ることで邪気をはらったといわれているので、冬至に入るのがよいとされてきたのです。
冬至を境にして太陽の力が再び戻ってくると考えられており、運気もこの日を境に上昇するとされています。
それまで悪いことが続いていたとしても運気が良い方向に向かっていくので、幸運を呼び込む前にまずは自分の体を清めるという意味で、冬至にゆず湯に入っていたのです。
冬至にゆず湯に入るのがいいとされている理由はほかにもあります。
それは「冬至」と「湯治」をかけているからです。
湯治とは、日本に古くからある医学的に認められた治療法です。
長期間温泉宿に滞在し、温泉の効能を利用して病気を治療したり、療養することです。
ゆずは「融通がきく」を意味し、冬至にゆず湯に入ることで、1年間健康に過ごせるといわれています。
健康で元気であれば融通がきくことから、このようにいわれてきました。
しかし、冬至以外に入っても問題ありません。
好きなときに楽しみましょう。
ゆず湯のやり方は?
ゆず湯の準備は簡単、湯船にゆずを浮かべるだけです。
個数や入れ方に決まりはないので、好きなように入れてください。
一番簡単なのは、ゆずを丸ごと入れるやり方です。
とても風情がありますが、1個や2個では香りがほとんどしないことが考えられます。
丸ごと入れる場合は5個など多めに入れましょう。
ゆずが少ししかないときは、ゆずに切り込みを入れたり皮を何か所か削いだあと入れると、少ない個数でも香りが楽しめるでしょう。
半分に切ったり、輪切りにしたり、皮だけ入れたりとゆずをカットして浮かべる方法もあります。
香りや成分が出やすくなるので、少ない個数で楽しみたい方にはおすすめです。
しかしそのまま湯船に入れてしまうと、果肉がふやけて崩れたり、皮や種が散乱して片付けや掃除が大変になってしまいます。
ゆずをカットして使う場合は、洗濯ネットに入れたりガーゼに包んでから湯船にうかべるといいでしょう。
果実をしぼって入れるやり方もおすすめです。
香りが楽しめるうえに掃除も楽ですよね。
ゆず湯の効能は?
1.血行促進
お風呂に入ると体があたたまり、血行がよくなります。
ゆずの香りや成分によって、さらに血行促進効果が期待できます。
血行が良くなると、老廃物や毒素など体の中にたまっている悪いものを輩出できます。
血行不良が原因で起こることが多いといわれる肩こりや腰痛、冷え性の改善にも効果があります。
体の芯から温まるので免疫力が向上し、風邪予防にもつながります。
関節や筋肉もやわらかくなるので、体の節々が痛む人にもゆず湯はおすすめです。
2.リラックス効果がある
ストレス社会といわれている現代では、職場・学校・家庭などさまざまな場所で日ごろからストレスを感じている人が多いと思います。
そんな人にもゆず湯はおすすめです。
アロマにもゆずの香りが使われることが多く、リラックス効果があります。
ストレスは体にさまざまな不調を引き起こすので、ストレスを感じて気分が落ち込んだときは、ゆっくりゆず湯につかってみるといいでしょう。
3.疲労回復
ゆずに豊富に含まれるクエン酸が、疲労回復を助けてくれます。
ゆず湯に入ることによって代謝が良くなるのも、疲労回復効果が期待できる理由の1つです。
4.ダイエット効果
血行が促進され代謝がよくなると、体温が高くなります。
体温が高くなると汗が出やすくなるので、ダイエット効果も期待できます。
足のむくみが気になるときは、ゆず湯に入ると解消できます。
5.美肌効果
かんきつ類にはビタミンCが含まれていますが、ゆずのビタミンC含有量はトップクラスです。
果肉だけでなく皮にもたくさん含まれるため、美肌効果をより高めたい方は皮も湯船に入れるとよいでしょう。
ビタミンCは肌にハリとうるおいを与え、保湿力を高めてくれます。
美肌には必要不可欠な成分なのです。
乾燥肌や肌荒れに悩んでいる方にもおすすめです。
ゆず湯の注意点は?
入るといいことがたくさんあるゆず湯ですが、注意したほうがいい点もあります。
1.肌が弱い人は要注意
ゆずをたくさん入れると香りや成分が強くなり、その分肌への刺激も強くなってしまいます。
ゆず湯に入って肌がピリピリしたと感じたことがある人も多いようです。
異常を感じたらすぐにお風呂から出て、シャワーで体を洗い流しましょう。
そのまま入り続けると肌が炎症を起こしたり、敏感肌や乾燥肌が悪化してしまうこともあります。
シャワーで洗い流しても良くならない場合は、皮膚科などで医師の診察を受けましょう。
肌が弱い人が入る場合は、ゆずの個数を少なくしたり、あまり長く湯船につからないようにするといいでしょう。
ゆずを熱湯で20~30分蒸らしてから湯船にうかべると、肌への刺激を軽減できます。
ゆずはピーリング効果が強く、皮脂を取り除いてくれるので肌がすべすべになります。
肌がすべすべになるのはいいことですが、皮脂は肌を乾燥から守ってくれている、肌にとっては必要な成分です。
ゆず湯に入ったあとの皮脂が取り除かれた肌は、とても無防備な状態になっています。
すべすべだからとそのままにせず、お風呂から出た後はクリームやローションなどでしっかり保湿しましょう。肌がデリケートな赤ちゃんはゆず湯への入浴は控え、大人より肌の弱い子どもも注意が必要です。
妊婦さんはゆず湯に入っても問題ありません。
ゆずのさわやかな香りはつわりの軽減にも効果があるとされ、湯冷めしにくいので体もあたたまります。
ただ、肌はデリケートになっているかもしれないので、注意が必要です。
今まで敏感肌でなかったとしても、妊娠前と肌の状態が変わっている可能性があります。
乾燥肌にもゆず湯は刺激になるので、自分の肌の調子を見て、あまり良くない場合は避けたほうがいいでしょう。
妊娠中は今まで気にならなかったにおいが気になったりと、においに敏感になる人が多いです。
もともとゆずのにおいが苦手な人や、ゆずの強い香りが嫌だと感じたら無理はやめましょう。
2.日中は入らない
ゆずなどのかんきつ類には、紫外線の影響を受けやすく、日焼けしやすいという特徴があります。
ゆず湯に入り紫外線の影響を受けやすくなった状態で太陽の光に当たると、肌がダメージを受け、シミやしわの原因になるので、夜に入るのがおすすめです。
就寝前に入ると、ゆず湯のリラックス効果によって快適に眠ることができます。
3.食事の直後・飲酒後には入らない
食事のあとゆず湯に入るときは、30分以上あけてからにしましょう。
すぐに入ると、消化のために胃に集まった血液が全身に広がり、胃腸の働きが弱くなるので消化不良を起こしてしまう可能性があります。
飲酒後の入浴も避けましょう。
心臓への負担が大きくなるので危険です。
4.追い焚きをしない
ゆずを湯船にうかべると、皮・果肉・種など細かいものがいろいろ出てくることがあります。
そのまま追い焚きをしてしまうと、故障の原因になります。
お湯の温度を上げたいときは、お湯を足すようにしましょう。
追い焚き機能を使っても大丈夫なように、ガーゼなどでゆずを包んでおくのもおすすめです。
5.長時間の入浴は避け、しっかり水分補給をする
特に子どもは体温調節が上手くできないので、大人と同じ時間入るのは危険なこともあります。
あまり長く入らず、入浴前後にしっかり水分補給しましょう。
まとめ
ゆず湯のやり方や効能、注意点について紹介してきました。
簡単なので、すぐにできそうですよね。
注意すべき点はいくつかありますが、うれしい効能もたくさんあります。
簡単にできていいこといっぱいのゆず湯を、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。