少し昔の日本映画などを見ると、縁談を取り持ってくれる仲人さん。
現代では当人同士が結婚についての話を進めていき、両家の顔合わせなども自分たちで取り仕切ることが増えていますよね。
ですが昔の日本文化では、結納や結婚式には仲人を立てるのが当たり前でした。
名前は聞いたことはあるけれど、一体仲人とはどのような役割を果たしていたのかは知らないという方も多いのではないでしょうか。
また結婚後の両家とのお付き合いとはどのようなものだったのでしょう。
こちらでは意外にも知られていない、仲人の歴史や役割などを中心に解説をしていきます。
仲人さんを作るメリットは何?メリットとデメリットは?
それでは仲人さんとは、一体どのような人のことを言うのでしょうか? 仲人の漢字を見てもわかる通り、人と人の仲を取り持つという意味があります。
つまり結婚が決まった両家の間に入り、双方の家族との仲を取り持つということなのです。
また結婚式に向けて行われる結納などの伝統的な儀式などにも立ち会って、目の前で2人の結婚の証人になるという意味合いも含んでいます。
ですがここで「仲人を立てる必要があるのか?」という、素朴な疑問を持たれる方もいることでしょう。
もちろん両家のことですし、当然結婚を決めた当人同士の意思が重要。
ただ結婚は育った環境の違う男女が人生を共に過ごしていくわけですから、もちろん結納や結婚式に対する考え方などの違いも出てきます。
当人たちだけで折り合いをつけられるのであれば全く問題ありませんが、中にはそう上手くいかない場合もあるのです。
そんな時に仲人さんがいてくれると、第三者としての冷静な目を持ちつつ、お互いの意見をまとめてくれるというメリットがあります。
また結婚した後の不安や悩みが出てきた場合も、仲人さんに相談にいくことができたりと何かと心強い存在なのです。
ですが仲人さんがとても強い味方であるとの一方で、別の考え方をする場合も。
それは仲人さんを立てたことで、結婚をした後も継続的なお付き合いを必要とすることに大変さを覚えてしまうということです。
もちろん強制されて行うことではないですが、仲人さんを頼んだ相手に見合った盆暮れの挨拶などは大人のマナー。
人生の大事な節目の時にお世話になった方として、最低限の礼節は必須です。
仲人さんに対する考え方はそれぞれですが、メリットもデメリットも出てきてしまうということですね。
仲人さんと媒酌人の違いを解説!
仲人さんが、どんな役割を担っているのかはわかりましたね。
ですが晩酌人との違いは、どのようなところにあるのでしょうか? 昔の結婚では仲人さんと同じくらい重要な人物だとされていたのが、媒酌人です。
2役は同じような意味だと思われていますが、仲人さんは結婚を決める時から両家とお付き合いのある人を指します。
つまりうまく結婚ができるように取り計らってくれ、式次第や内容なども上手に当人たちと進めてくれる、言わば進行役です。
それに対し結婚式当日だけの役割で、結婚する2人の証人となる人たちのことを媒酌人と呼ぶのです。
媒酌人の選び方は、通常新郎新婦さんのことを良く知っていて、あたかかく結婚を主婦くしてあげられる人にお願いすることが多いでしょう。
ひと昔前までの結婚式では媒酌人を立てることは当然の様に行われていましたが、最近では段々と少なくなってきています。
この理由には、恋愛結婚が増えたからということがあげられます。
お見合い結婚が主流だった時代では、仲人さんが媒酌人をそのまま兼任するという事も良く合った話です。
結婚式場でドレスを着た披露宴ではなく、まだ自宅や食事の席で祝言をあげていた時には、2人の生い立ちなども仲人さんが説明したのです。
現代では昔よりも自由なスタイルで結婚式を行う方々が増え、仲人さんや媒酌人を立てないという方が多くなるのも当然といえば当然かもしれません。
それには結婚式場のビジネスも進化してプロの司会進行係りなどもいるため、プロフィールなどの紹介もお願いできるからという理由からともいえますね。
仲人はどうやって選ぶ?いつ頃決める?
最近では少なくなってきてはいるものの、もしも伝統的な結婚スタイルを楽しんでみたいという方は仲人さんをお願してはいかがでしょうか。
その際に問題なのが、誰を選んだら良いのかということです。
仲人さんを選ぶときのポイントは尊敬できて、結婚後も長いお付き合いが出来そうな方を選ぶのが良いでしょう。
例えば学生時代の恩師や、職場の上司や先輩といった人々ですね。
あまりに若かったり、同世代にお願いすることは例としても少ないと言われています。
社会的に信頼があり人望があるなど、その人柄に憧れる様な年輩の方が良いのではないでしょうか。
仲人さんをぜひお願いしたいと心に決めても、相手がどの様な返事をするかはわかりません。
仲人さんを頼まれることは光栄なことではありますが、結婚式当日までの忙しさも考慮しなけれていけないですよね。
結婚式場や披露宴会場でも、ただのゲストとして訪れるのと違い、挨拶や介添え役などをお願いされることだってあるのです。
その様なことを考えても、お願いをする場合はお相手の方にきちんと了承をしてもらうことが重要となります。
また依頼をする時期ですが、結婚式の半年前~3ヵ月前ほどが無難でしょう。
こちらがお願いをしたい方にも都合もありますし、場合によっては断られてしまうこともあります。
その際にも、別の方に依頼をする時間を設けておきましょう。
結納を行うのが大抵、式の半年前ほどという方が多いので、そのあたりにお願いをするのが良いですね。
仲人さんをお願いする時のマナーを知りたい!
まずはどなたに仲人をお願いするかが決まり次第、電話や手紙などでお伺いを立てましょう。
突然訪問して依頼をするというのは、あまりにマナー違反と言えます。
もしも相手から快諾を得られれば、その次に初めて直接2人でご自宅などに伺って改めてお願いをします。
この時にも菓子折りの1つなどがあると、より気持ちを受け取ってもえらえますね。
まずは引き受けて下さったお礼を述べ、次に結納や結婚式のスケジュールなどをわかりやすく記したものを渡しておきましょう。
また依頼時に仲人さんにはお礼を渡す必要はありません。
ただし結婚式を無事に終えたら、仲人さんには礼儀としてきちんと挨拶をすることを覚えておいて下さい。
日にちですが結婚式の一両日中に、新郎新婦の両親が挨拶に伺うのが基本です。
その際には次のものを用意していきましょう。
・金銀の水引祝儀袋
・表書きには「御礼」か「寿」
・10万円~25万円のお礼になります。
ですがこのお礼の金額は、結婚前からお願いをしたか当日だけかにより変わります。
大体結納からお願いした場合は、結納金の25%、当日だけの場合は10%と覚えておいて下さい。
仲人さんに挨拶をするべき時はいつ?
仲人さんが決まると、あとはこのまま結婚式が無事に済むだけ。
とはいえ、今後も仲人さんへの挨拶は欠かせません。
それでは結婚式の後などで、仲人さんへどの様なタイミングで挨拶をすれば良いのでしょうか? これは仲人さんとの間柄にもよると言われています。
例えば依頼をした仲人さんが恩師だったなどで半永久的にお付き合いのある方は、新婚旅行・出産・引越し・お中元・お歳暮、年賀状などで挨拶をする必要があります。
ただもしも依頼したい仲人さんが職場の上司や先輩だった場合は、大体3年~5年ほどが平均的なお付き合いの期間。
これは双方の関係性に一区切りを付けるという場合が多い様ですね。
もちろんその後も個人的にお付き合いがあり、お世話になっているという場合は別です。
ですがそこまでの関係性では無かった場合は、区切りの時に夫婦のエピソードなどを交え「今後も末永いお付き合いを宜しくお願い致します。」
などと、一言添えて終わりにするという方も多いのが現実。
この関係性を「やとわれ仲人」と呼ぶこともあり、その時だけ依頼をして引き受けてもらった仲人であるというものになります。
ただどの様な形で受けて頂いても、自分たちの仲人。
2人の結婚に尽力してくださったことには変わりませんので、感謝の気持ちは無くさない様に気を付けましょう。
まとめ
こちらでは仲人とは何なのか?どの様な役割があるのかなどについて、お話をしてきました。
現代の結婚は当人同士の自由なスタイルで行う場合が多く、2人が幸せであることが重要視されている傾向があります。
ですが少し前まではお見合い結婚も多く、2人が信頼できる仲人さんを立てることが大事にされていました。
このような伝統的な結婚スタイルは今後は少なくなってしまう可能性がありますが、日本古来の良い風習でもありますね。
人とのつながりを大事にしてきた、日本ならでは特徴があります。
ぜひどんな形でも文化として残していきたいものですね。