よそのお宅に訪問する際は、手土産や玄関での挨拶のことなど非常に緊張しますよね。
家に上がった後も席次など、マナーについて気になるところです。
訪問の作法が正しく身についている人は、周囲からの評価も良くなります。
訪問はする方も緊張しますが、実は来客対応する方も結構緊張するものなのです。
今回は訪問先でマナーを守ったおこないができるよう玄関での挨拶や手土産、席次に来客対応もあわせてご紹介していきます。
訪問マナーは玄関で靴を脱ぐところから
家に上がってからが訪問マナーを意識するスタート地点だと思いがちですが、実はすでに玄関先から始まっているのです。
玄関というのはよそのお宅を訪問する際に、はじめに足を踏み入れるエリアでもあります。玄関先でのマナーがきちんとできていないと、後の印象にも響いてきてしまうので注意しましょう。
具体的に訪問の際に玄関で靴を脱ぐときに、どのようにすれば良いのかをチェックしていきます。
・玄関での立ち位置は中央
玄関では迎える側は、訪問してきた人をきちんと確認する必要があります。
確認するときに玄関の端や後ろなどに居られると顔がよく見えないので、ドアを開けたら玄関の真ん中に立つようにしてください。
玄関の真ん中に立ったら、自分の名前や招待してくれた人との関係性を伝えましょう。
玄関では家に上がる前に、簡単な挨拶をすることが重要なのです。
挨拶の際に端に居ては失礼なので、まずは中央の位置に立つようにしましょう。
・相手にお尻は絶対に向けない
簡単な挨拶が済んだら靴を脱ぐのですが、靴を脱ごうとするとどうしても相手にお尻を向けてしまいがちに。玄関で相手にお尻を向けることは失礼にあたるので、まずは正面を向いたまま靴を脱ぎましょう。
体を前に向けたまましゃがみ、上半身をねじって靴の向きを揃えます。
・自分の靴を揃えて端に置く
自分の靴を揃えるときには、靴の向きを玄関側に向けて揃えて端に置いてください。家の人に靴を揃えてもらうシーンをよく見かけますが、基本的に家の人に自分の靴を触らせるのはマナー違反なのです。
家の人が玄関を通っても邪魔にならないように、端の目立たない場所に靴を置いておきましょう。
訪問の作法は正しい挨拶から
訪問の作法は正しい挨拶からはじまり、挨拶をができなければ他のマナーを守れていても台無しになってしまいます。
訪問マナーとしては玄関で靴を脱ぐ前に一度、家に上がって手土産を渡すときに一度挨拶をしましょう。
帰る際は玄関で挨拶をして出て行く形になります。
それぞれどのような挨拶をすれば良いのか、みていきましょう。
・玄関先での挨拶
玄関先での挨拶は、家の人に最初に言うものなのでしっかり簡潔におこないましょう。
「こんにちは、〇〇さんにはいつもお世話になっております、▲▲と申します。本日はよろしくお願いします、お邪魔します」
手土産を渡すタイミングは、部屋に入ってからが正式なので、家に上がらない場合には「どうぞみなさんで召し上がって(お使い)ください」と言って渡します。
玄関での挨拶を終えてから、靴を脱いで家に上がるようにしましょう。
・部屋に入ってからの挨拶
玄関での挨拶が済んで部屋に通されたら、正式に家に呼んでもらったことへのお礼を込めて挨拶をおこないます。
「本日はお招きいただき、ありがとうございます。よろしければみなさんで召し上がって(お使い)ください」 部屋に入ってからの挨拶では、手土産を渡しましょう。
手土産の渡し方は袋から包みを取り出して、相手の方に正面を向けて両手でお渡しします。
・帰宅する際の挨拶
楽しい時間もあっという間、おいとまをしようというときはどのような挨拶をすれば良いのでしょうか。
帰宅する際は、そろそろ帰る旨を伝えましょう。
「失礼します、楽しい時間があっという間に過ぎてこんな時間になってしまいました。そろそろおいとまをいたします」 楽しくて帰りたくないけど、時間が遅くなってきたので帰るというニュアンスで伝えるとスムーズです。
帰る際は忘れ物がないかなど、さりげなくチェックしておきましょう。
・玄関で帰りの挨拶
挨拶は最後まできちんとおこなう必要があるため、ぬかりないようにしてくださいね。
「本日はありがとうございました。いろいろなお話ができて、とても楽しかったです。お邪魔しました」 玄関を出る際は「お邪魔しました」は欠かさず伝えるようにしましょう。
訪問マナーとして正しい席次とは?
玄関での挨拶が終わって部屋に通されたら、今度はどこの席に座ったらいいのか迷ってしまいますよね。
席には上座や下座などの席次があり、訪問マナーとして正しい席次を把握しておく必要があるのです。
和室の場合と洋室の場合では席次など近いものはありますが、少し異なる点があるのでみていきましょう。
・和室の場合
和室といえば畳に座布団が敷いてありますが、席次はどうすれば良いのでしょうか。
上座は出入り口から一番遠くの場所になり、基本的に訪問者は上座に座ってはいけません。部屋に案内されたら「どこに座ったらよろしいですか?」と一言聞いておくとスムーズですね。
座布団もいきなりドカッと座るのではなく、座り方にもマナーがあります。
まずは座布団の前で正座をして、両手をグーに握って座布団の両端をつけましょう。両手で体を支えながら膝をすり寄せ、座布団の中央にのります。
手は太ももの上で重ねておき、背筋を伸ばして座るのが正しい方法です。
・洋室の場合
洋室の場合も出入り口から一番遠い席が上座なので、基本的には避けます。
和室と同じようにどこに座れば良いのか最初に聞いてしまえば、相手にも気を遣わせずに済みますね。
椅子は足を引きずって大きな音を立てないように引いて、浅く腰掛けるようにしましょう。
訪問先でのお茶菓子のいただき方
訪問先では席に着いたあと、お茶やお菓子を出してもらえます。
お茶菓子を出されると、嬉しい反面食べ方や飲み方など意識してしまって緊張しますよね。お茶菓子のいただき方をマスターしておけば、緊張せずに話を途切れさせることなく楽しめます。
飲み方や食べ方にもマナーがあるので、しっかり把握しておきましょう。
・お茶の正しい飲み方
来客用に出されるお茶の場合、お茶碗に蓋が付いたタイプを思い浮かべる人も多いですよね。
左手でお茶碗を押さえながら、右手で蓋を外すようにしましょう。
実は蓋はガバッと外すのではなく、少し外したら90度クルッと回して蓋の内側についた水滴を落とします。
外した蓋は裏側にして、お茶碗の右側に置いてください。
お茶を全て飲み終わったら、蓋をして元の状態に戻しておきます。
・お菓子の正しい食べ方
お菓子の食べ方は、お茶以上に気を遣いますよね。
種類によっては食べカスがこぼれてしまったり、口の周りや指に汚れがついてしまったり…。
なるべく綺麗に食べたいものですが、どんな工夫をすれば良いのでしょうか。
カットケーキを出された場合には、尖った部分からフォークを入れて食べるようにします。決して大口を開けて食べるのではなく、おしゃべりに支障が出ないように少しずつ食べましょう。
手で直接持って食べるお菓子などが出ることを想定して、ウエットティッシュやハンカチを持参しておくと安心ですね。
訪問する際に喜ばれる手土産とは?
よその家を訪問することが決まったら、まずは手土産のことを考える人も多いですよね。
どんなものを選んだら喜んでもらえるのか、逆に選ばない方が良い手土産はあるのかなど迷ってしまいます。
手土産によって「センスの良い人だな」「人のことを考えてあげられる人なんだな」と良い印象を持たれることもあるんです。
具体的に喜ばれる手土産と、選ばない方が良い手土産についてみていきましょう。
・喜ばれる手土産
喜ばれる手土産は日持ちする焼き菓子や和菓子などの甘いもの、おかきなど甘くないお茶菓子が喜ばれます。
数人で取り分けて食べられることや、いつまでも形として残らない点が手土産に向いていると言えるでしょう。
相手の好みが分かっていれば、好みに合ったものを選ぶのもおすすめです。
過去の会話から食べてみたいと言っていたものなどを選ぶと、きちんと覚えていてくれたのかとかなり好印象になります。
・選ばない方が良い手土産
相手との関係が深く、手土産をその場で食べることがわかっていれば、生菓子など要冷蔵のものを持っていっても差し支えはありません。
相手のことがまだよくわからないうちは、常温保存できるもの以外は避けた方が無難です。
花なども好みがあるだけでなく、花瓶があるかどうかもわからないので避けた方が良いでしょう。
訪問先での注意点とは?
訪問先での注意点を意識していれば、マナー違反になることは少なくなります。
訪問マナーを隅から隅までチェックする人は少なくなったものの、年配の人は気にする人も少なくありません。
一般的な注意点は主に3点あるので、順番にみていきましょう。
①畳の縁(へり)を踏まないこと
意識しないとどこを歩いても良いと勘違いしがちなのが和室の畳ですが、実は畳の縁や敷居は踏んではならないのです。
畳の部分に比べて縁や敷居は傷みやすい箇所なので、またいで歩くようにしましょう。
②座布団のマナーを守ること
座布団には許可が出るまで勝手に座らないようにすること、座布団を踏んで歩かないことなど守るべきマナーがたくさんあります。
座布団の上に立って座るのも、マナー違反になるので注意しましょう。
③テーブルの上にバッグを置かないこと
飲食店などではテーブルの上にバッグなどを置く光景は頻繁に見ますが、実はマナー違反なのです。
テーブルの上は本来食べ物を置く場所なので、バッグを置く場所ではありません。不衛生にもなりやすいので、訪問先の家では絶対にしないようにしましょう。
訪問される側も正しい来客対応をしよう
訪問される側も、訪問してくる人が気持ち良く過ごせるように空間をコーディネートしておきましょう。
正しい来客対応ができれば、また次も来たいと思われる家になります。
家の中がある程度片付いていて、お茶菓子などを出すおもてなしをおこたらなければ「しっかりした人」と思われますよね。
来客対応をするにあたり部屋の片付けはもちろん、相手に過度に気を遣わせないためにも「椅子はここに座ってください」「お茶をもう一杯いかがですか?」などの気配りをしましょう。
まとめ
訪問先でマナーを守ったおこないができるよう玄関での挨拶や手土産、席次に来客対応もあわせてご紹介してきました。
玄関先での訪問マナーは、最初の挨拶と靴の脱ぎ方がポイントです。
部屋に通された時は改めてお礼を言い、手土産を渡します。
お茶の飲み方やお菓子の食べ方などもマナーがあるため、席次とともに把握しておきましょう。
来客対応も訪問者が気持ち良く過ごせるよう、最大限の配慮をしておきたいですね。