ゴーヤは夏に旬を迎える、独特の苦みが楽しめる野菜です。
ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれており、美容や夏バテ防止解消に役立ちます。
この記事では、ゴーヤの苦みを取り除く下ごしらえの方法、1ヵ月もたせられる保存方法、簡単でおいしいレシピなどを解説。
小さいお子さんが食べやすいレシピもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ゴーヤの旬は6~8月!苦みが魅力的な野菜
ゴーヤは、ウリ科ツルレイシ属の一年草(発芽、開花、種をつけて枯れるまでのサイクルが一年以内に終わる植物)です。
レイシや苦瓜(にがうり)などとも呼ばれており、とても苦みが強いところが特徴です。
主な産地は南九州や沖縄ですが、最も収穫量が多いのはやはり沖縄県。
5月頃から福岡産が販売され始め、6~8月に旬を迎えます。
旬の時期のゴーヤはとくに栄養価が高く価格も安定しています。
ゴーヤは夏に嬉しい栄養満点!含まれる栄養素を紹介
ゴーヤには、ビタミンC、カリウム、苦み成分モモルディシンなど、美容や健康維持、夏バテ解消に役立つ成分がたくさん含まれています。
ゴーヤに含まれるビタミンCの量は、レモン3個分にものぼります。
ビタミンCはメラニンの生成を抑えてお肌を美白に導いてくれる成分です。
ビタミンCには抗酸化作用もあるため、アンチエイジング、がんや動脈硬化の予防にも役立ちます。
また、ゴーヤはカリウムも豊富です。
カリウムは細胞を正常に保ったり、心臓や筋肉機能を調節したりする成分です。
適正量のカリウムを摂ることで、血圧の低下や骨密度のアップなどにつながります。
ゴーヤ独特の苦みを作り出す「モモルディシン」という苦み成分も含まれています。
モモルディシンは胃液の分泌を促進して胃の調子を整え、食欲を増進してくれるといわれています。
夏バテ解消に効果的な成分です。
そのほか、ゴーヤは食物繊維も豊富。
腸をきれいにして便秘解消をサポートしてくれるので、普段お通じが悪い方にもぴったりな食材です。
ゴーヤが長持ちする保存方法!冷凍なら1ヵ月以上もつ
ゴーヤは2日ほどであれば常温での保存が可能です。
長もちさせたい場合は冷蔵庫の野菜室に入れるか、冷凍保存しましょう。
冷蔵保存は1週間~10日ほど、冷凍保存は約1ヵ月もちます。
(保存期間は目安なので、食べる前に傷んでいないか様子を見てくださいね。)
【冷蔵保存の方法】
1.ワタや種から傷み始めるので、買ってきたらまずはスプーンでワタを取り除く。
2.切り口をキッチンペーパーで覆い、全体をラップで包む。
3.冷蔵庫の野菜室に、切り口を下にして入れる。
【冷凍保存の方法】
1.ゴーヤのワタを取り除く。
2.お好みの薄さに切り、約1分水にさらす。
3.水気を取り除き、密閉できる保存袋に入れて冷凍庫で保存する。
冷凍保存の場合は水にさらしたあと生のまま冷凍庫に入れてもいいですが、後述する方法で塩もみしたり、下茹でしたりしてから保存するのもおすすめ。
下ごしらえなしですぐ調理に使えるので便利ですよ。
ゴーヤの苦みが減る下ごしらえの方法!塩と砂糖をもみこむ
ゴーヤの苦みを取り除いておいしく食べるには、「塩もみに砂糖を加える」ことがポイントです。
詳しい手順をご紹介します。
1.ゴーヤのワタを取る
ゴーヤを軽く洗って両端を切り落としたら、縦半分に切ります。
その後スプーンを使って、ゴーヤの底をなでるようにしてワタを軽く取り除いてください。
ゴーヤの苦みは、ほとんどが外側の緑色の皮に含まれています。
ワタはそんなに苦くないですし、栄養も含まれているので完全にきれいに取り除かなくても大丈夫です。
2.ゴーヤを薄切りにする
ゴーヤを2mm幅くらいの薄切りにしましょう。
薄く切れば切るほど苦みが抜けて食べやすくなりますが、あまり薄すぎても食感が物足りなくなってしまいます。
ゴーヤを炒める場合は苦みが和らぎやすいので、5mm幅ほどでもおいしくいただけますよ。
3.塩と砂糖をもみこんで苦みを抜く
切ったゴーヤをボウルに入れた後、ゴーヤ1本につき以下の調味料を加えてもみこみます。
- 塩:小さじ1/2
- 砂糖:小さじ2
もみこんだら5~10分ほどそのままにしておきましょう。
もっと苦みを抜きたい人は、その後さらに3分ほど水にさらしてください。
ゴーヤの塩もみは「塩」だけを使う方法が一般的ですが、「砂糖」も加えるとより苦みが抜けやすくなります。
塩だけの塩もみは適度に苦みを感じたい人に、塩と砂糖を使ったもみこみは苦みが苦手な人やお子さんのいるご家庭におすすめです。
4.サッと下茹でする
ゴーヤの苦み成分「モモルデシン」は水溶性なので、下茹ですると苦みが抜けて食べやすくなります。
お湯を沸かした鍋に、塩や砂糖がついたままのゴーヤを入れて10秒ほど湯通ししてください。
しっかり苦みを抜きたい場合は長めに茹でてもいいですが、あまり長い時間湯通しすると色が悪くなってしまうので注意しましょう。
その後ザルに上げて冷水にさらし、冷たくなったら水気をギュッと絞ります。
そのまま料理に使ったり、上の方法で冷凍保存したりしましょう。
ゴーヤをおいしく食べられる簡単レシピ3選
ここからは、ゴーヤを使った簡単レシピを3つご紹介します。
どれもご家庭で作りやすいレシピなので、ぜひチャレンジしてみてください。
めんつゆを使った「スパム入りゴーヤチャンプルー」
卵や豆腐などと一緒に油で炒めるゴーヤチャンプルーは、ゴーヤの苦みが和らぐ定番の食べ方。
簡単でランチのメインにぴったりです。
【材料】(3~4人分)
- ゴーヤ:1本
- ランチョンミート缶(スパム):200g
- 卵:3個
- 木綿豆腐:1丁
- めんつゆ(ストレート):80~100cc
- かつお節:2.5g(小袋1つ)
【作り方】
- ゴーヤのワタを取り除いて幅2~3mmに切り、先述した方法で塩もみし、5分ほどおいてから水気を絞る。卵は溶いておく。
- クッキングペーパー2枚で豆腐を包み、500Wの電子レンジで3分温める。しっかり水切りしたら、手で食べやすい大きさにちぎる。
- ランチョンミートを1㎝幅の細切りにする。
- サラダ油を熱したフライパンで豆腐を炒め、こんがり焼き色がついたら一旦取り出す。
- ごま油でランチョンミート、ゴーヤの順に炒める。
- 火が通ったら豆腐を戻し、めんつゆを入れて1~2分炒める。
- 溶き卵を回し入れ、半熟になったらかつお節をかけて完成。
ゴーヤを塩もみして置いておく間に、豆腐やランチョンミートの下準備をすると効率的です。
めんつゆは最初少なめに入れて、味見しながら調整すると安心。
ランチョンミートではなく豚バラ肉(200g)を使ってもおいしくいただけます。
子どもでも食べやすい「ツナとゴーヤのサラダ」
すりごまやかつお節でゴーヤの苦みが和らぐので、小さいお子さんがいるご家庭にもおすすめです。
【材料】(3~4人分)
- ゴーヤ:1本
- 玉ねぎ:小1個
- マヨネーズ*:大さじ1杯半
- しょうゆ*:小さじ1/2
- だしの素*:小さじ1
- すりごま*:大さじ1
- かつお節*:10g(小袋2.5g×4つ)
【作り方】
- あらかじめボウルに氷水を用意しておく。
- ゴーヤのワタを取り除き、3㎜幅に切って前述した方法で塩もみし、10秒サッと湯通し。
- 氷水に浸けて(時間は3分以内)粗熱が取れたら、ザルに上げる。
- 玉ねぎをスライサーで薄くスライスし、2~3分水にさらす。
- 大きめのボウルで*の調味料を混ぜ合わせておく。
- 玉ねぎをザルに上げて水気をギュッとしぼる。同様にゴーヤも水気をしぼる。
- 6の合わせ調味料とよく混ぜ合わせて完成。
そのまま食べてもいいですが、冷蔵庫で30分冷やすと味が馴染んでさらにおいしくなりますよ。
手順3でゴーヤを3分以上氷水に漬けると、水っぽくなり栄養も抜けてしまうので注意しましょう。
冷凍保存で作り置きできる「ゴーヤの佃煮」
甘じょっぱい味付けの佃煮も、ゴーヤの苦みが和らぐおすすめの食べ方です。
【材料】
- ゴーヤ:500g(2本ほど)
- しょうゆ*:50cc
- 砂糖*:100g
- 酢*:40cc
- かつお節:10g(小袋2.5g×4つ)
- いりごま:適量
【作り方】
- 前述した方法でゴーヤのワタを取り除く。
- ゴーヤを2mm幅に切って10秒ほどサッと湯通したら、冷水にとって冷まし、水気をギュッと絞る。
- *を鍋に入れて沸騰させ、2のゴーヤを入れて中火で煮る。
- 汁気がなくなるまで煮込み、かつお節といりごまを入れて完成。
こちらの佃煮は冷凍保存ができるため、大量に作り置きしておくと便利です。
好きなときに好きな分だけ、お弁当のおかずに、おつまみにと大活躍します。
栄養豊富なゴーヤで暑い夏を元気に乗り切ろう!
ゴーヤは夏場に嬉しい栄養素が豊富に含まれた野菜。
ぜひ旬の時期にたくさん食べたいですね。
苦みが強い印象ですが、しっかり下ごしらえをすれば苦みが和らいでとてもおいしく食べられます。
今回ご紹介した簡単でおいしいレシピで調理するのはもちろん、育てやすいのでベランダなどで家庭菜園するのもいいですよ。
成長すれば実を収穫して料理に使えるだけでなく、エコな日よけ「緑のカーテン」としても活躍。
さまざまな楽しみ方ができるゴーヤを上手に活用して、おいしく元気に夏を乗り切りましょう。