スーパーなどでよく見かける小松菜をご存知でしょうか?ほうれん草のような見た目で、間違えている人もいるかも知れません。
小松菜には、ビタミンやカルシウム、鉄分などが含まれていると言われていますが、一体どんな野菜なのでしょうか?ここでは、小松菜についてを詳しくご紹介します。
小松菜とは一体どんな野菜?
小松菜とは、アブラナ科の野菜で、鶯菜(ウグイスナ)や冬菜(フユナ)とも呼ばれています。
昔から関東地方を中心に親しまれてきた野菜で、関東近郊で栽培されてきました。
現在では西日本方面でも栽培されるようになってきました。
八代将軍の徳川吉宗が、現:東京都江戸川区にある小松川で作られていたこの野菜と出会い、美味しさに感動して小松菜という名前を付けました。
元々は南ヨーロッパの地中海沿岸が原産で、それが中国に渡り、その後にカブとして日本へ渡ってきました。
そのため、カブから品種改良され小松菜ができたと言われています。
冬に強い野菜で、霜が降りたり、寒くて葉が氷ることがあっても枯れることが少ないのが特徴です。
ビタミンA、ビタミンC、鉄分、ミネラル、カリウムが豊富で、カルシウムも非常に多いことで知られています。
貧血や風邪の予防に効果がある他、骨粗しょう症や高血圧の予防にもなります。
近年では、更なる品種改良が進み、生食に適した赤軸小松菜や、柔らかいちぢみ小松菜なども出てきました。
全国各地でその土地特有の呼び名があり、群馬県では「武州寒菜(ぶしゅうかんな)」、新潟県では大崎菜、関西では黒菜などと呼ばれています。
岐阜県や愛知県では、お雑煮に正月菜という野菜を入れるのが習わしです。
この正月菜は小松菜の一種ですが、小松菜よりも柔らかいものになります。
小松菜の旬はいつ頃なの?
小松菜は一年を通して売られていますが、本当の旬は冬です。
関東では白菜と共に冬野菜の代名詞となっています。
冬菜と呼ばれるのも冬に旬の野菜だからといえます。
小松菜は、基本的に一年中栽培できますが、冬には葉肉が厚くなり甘味も増します。
厚くなると固くなるのでは?と誤解されますが、厚くても非常に柔らかく美味しくなるのです。
特に、12月~2月頃が一番の旬になります。
より美味しいものを食べたいのであれば、葉の色が濃く、厚く、瑞々しいもの、茎も太く長く真っ直ぐしっかりとしているものを選びます。
葉脈があまりに太いものは歯触りが悪いため、その辺は葉をしっかりと見て選ぶと良いでしょう。
小松菜はどんな料理に適しているの?
小松菜は、形状の似ているほうれん草のような扱いをされている事が多いのですが、実は、ほうれん草よりもアクが少なく、クセもないため様々な料理に使いやすいものです。
おひたし、味噌汁、鍋料理、炒め物、クリーム煮、雑煮などに主に用いられます。オレンジやリンゴなど、季節のフルーツと一緒にスムージーにしても、とても美味しくいただけます。
また、火を通さずに生でも食べれるため、サラダでも活用できます。
シーザードレッシングをかけたり、リンゴやサーモンなどを合わせるのも良いでしょう。
小松菜のようなアブラナ科の葉野菜には、「イソチアシアネート」という成分が多く含まれており、動脈硬化を予防してくれる作用があると言われています。
茹でてしまうと成分が減ってしまうとされていますので、生食で食べれるものは積極的に摂ると更に効果が期待できるでしょう。
小松菜をナムルにしておくと、常備菜として活用でき便利です。
小松菜を茹で、食べやすい大きさにカットしたら、ごま油と醤油、鶏がらスープの素などで和えるだけで手軽にたくさん作れます。
子供から大人まで食べられますので、作っておくと便利です。
卵やベーコンなどと炒め物にしても美味しく食べられます。
関東のお雑煮には、茹でた小松菜を彩りに添えることも多いです。
小松菜栽培に雨は大敵!
小松菜を育てる上で最大の敵は雨です。
春や秋の長雨の時期には、雨による「へび病」や「白さび病」が発生する可能性があります。
病気の発生に早く気が付けば、薬剤を散布することで多くが問題なく収穫できるまで育てることができます。
これらの雨による病気を防ぐためには、以下のことに気を付けることが必要となります。
- 株の間を多く取り風通しを良くしておく(間引きをする際に考えておく)
- 雨が直接当たらない場所(軒先など)で栽培する
- 水やりなどを激しくすると土が跳ね返るため、それを避けるように水を与える
また、小松菜は一年中育ちますので、種まきの時期を雨が降る時期の直後にするなど、栽培時期の工夫も大切なポイントとなります。
栽培は家庭でも楽にできるの?
小松菜の栽培は、一般家庭でも比較的簡単にできます。
暑さにも寒さにも強いため、プランターでも充分栽培ができます。
日当たりと水はけには注意し、有機物を含む肥料を与えると良く育ちます。
栽培に適した温度は、平均10~25℃です。
一年中育てることができますが、その時期により収穫までの期間が異なります。
春に種を蒔くと90日前後で収穫が可能です。
夏に種を蒔くと30日前後で収穫が可能です。
秋に種を蒔くと90日前後で収穫が可能です。
冬に種を蒔くと110日前後で収穫が可能です。
種まきをして発芽すると、野菜同士の成長を阻害し合わないように間引きをします。
間引きした物は若い葉ですが、これも美味しく食べることができます。
アブラムシなど害虫が付きやすいのですが、虫を見付けたらマメに駆除をしたり、防虫ネットを使用して育てると良いでしょう。
上手に栽培をすれば、年に何回も育てることができます。
保存はどんな方法ですれば良いの?
小松菜は安価で使いやすい野菜のため、一度にたくさん買いすぎてしまうという家庭もあるでしょう。
でも、葉野菜は乾燥に弱いためすぐに鮮度が失われてしまうという難点があるのです。
そのため、栄養素や風味を損なわず上手に使い切るための保存が大切になるのです。
小松菜の場合、冷蔵では2~3日、冷凍では1ヶ月程度保管できます。
冷蔵庫の場合は、比較的開け閉めの少ない野菜室に入れる方が長持ちします。湿らせたペーパータオルなどを巻き、ビニール袋などに入れて保管します。
冷蔵庫へ入れる際に茎を下にして保存する方が長持ちします。
すぐに使いたい場合には、使いやすい大きさにカットして保存することもできますが、切ってしまうと保存期間はそのままの時よりも短くなります。
サッと茹でて使いやすい大きさに切り、冷凍して置くとそのままお弁当などに入れられるので便利です。
生のまま冷凍保存することもできます。
よく水洗いし、水気を拭き取りカットして密封し冷凍します。
茹でると多少栄養素が流れ出してしまうため、生のまま冷凍保存をする家庭も多いのです。
小松菜のおすすめレシピはコレ!
野菜が苦手な人にでも、栄養価の高い小松菜は是非食べて貰いたいものです。
そんな時は、抵抗なく食べられる料理を選ぶと良いでしょう。
小松菜は、他の野菜と共に刻んでチヂミなどに入れると美味しく食べられます。
また、細かく刻み、豚肉などと醤油味で炒め、炊き立てのご飯に混ぜて食べても美味しくいただけます。
小松菜をなるべく細かく刻み、他の野菜や鳥ミンチ肉と炒め、最後に片栗粉でとろみを付けたものをご飯に掛けて食べるのもおススメです。
細かくする事で子供でも抵抗なく食べられます。
卵焼きに刻んで入れると彩りも良く、お弁当にも入れられます。
フードプロセッサーやミキサーで細かくしたものを、パウンドケーキやパンケーキに入れても食べられます。
卵やハム、ベーコンなどを合わせて、オシャレな朝食にオススメです。
小松菜は、ベーコンなどと共にパスタの具にしても良いですし、味噌汁やスープ、鍋物の具としても大活躍します。
主菜にもなりますし、あと一品欲しいという際の副菜にも使える食材ですので、色々な調理法を試してみるのも新しい発見があり、面白いかも知れません。
まとめ
小松菜は、江戸時代から人々に親しまれてきた野菜です。
非常に栄養価が高いのに、一年中栽培ができ、安価で美味しいと全国的に人気のある野菜です。
アクやクセが無いため、様々な料理にアレンジして加えることができます。
小松菜の旬は12月から3月初旬くらいまでになります。
自宅でも育てることができますので、ガーデニングとして挑戦してみても良いかも知れません。
保存の効く小松菜料理もありますので、作り置きをしておいても良いでしょう。
保存をする場合は、冷蔵や冷凍でしておきましょう。