日本料理といえば、四季折々の旬の食材を使っていることで有名です。
旬は野菜や果物を思い浮かべる人も多いですが、実は魚も季節によって食卓に並ぶものが違う食材ですよね。
旬菜を食べることで他の季節では味わうことのできないコクを感じたり、高い栄養を得たりすることもできます。
今回は旬の食べ物について季節ごとに野菜や果物、魚などを見ていき、栄養の変化もご紹介していきます。
春野菜や旬の魚はどんなものがある?
春といえば寒い冬からだんだんと暖かくなり、旬菜や魚などの食材が美味しくなる時期です。
春野菜と聞いて思いつくのはキャベツや玉ねぎ、たけのこなどですよね。
春キャベツや新玉ねぎなど、旬を感じる食材がスーパーなどに並ぶことで季節を感じる人もいるのではないでしょうか。
春キャベツは他の時期に採れるものと比べると水を多く含むのでとても柔らかく、甘みが強いのが特徴です。
新玉ねぎは柔らかくて甘みが強く、サラダにするのに最適になります。
たけのこも春の食材としては欠かせない存在で、炊き込みご飯や煮物など幅広い料理に活用できます。
春に旬を迎える魚は、代表的なものだとサワラが挙げられますよね。
サワラは漢字で書くと「鰆」で、漢字からも春の魚であることがわかります。
実はサワラは広い海を移動し続けているため、西日本地方での旬が春となっているのです。
地域によっては、サワラは春以外で漁獲されることもあるのですね。
サワラ以外で有名なのがタイで、初夏の産卵前で一番脂がのっている時期になります。
タイといえば縁起物として、お祝いの席で用意されることも多いですよね。
春は入学や就職などめでたいことが重なりやすいので、ぜひ旬のタイを食卓に並べたいところです。
4月頃から潮干狩りができるようになり、たくさん採れるアサリも春が旬の魚介類なのです。
アサリは熱に弱く、まだ涼しい春が一番鮮度が良いと言われています。
ゴールデンウィークは潮干狩りに出かける人も多いですが、最適な時期ということですね。
春が旬の果物は子供からお年寄りまで大好きなイチゴで、厳密にいえば冬から初夏までが美味しく食べられる時期となっています。
夏みかんも名前に「夏」と入っていますが、実は旬は春なのです。
春から夏にかけて紫外線量も増えてくるので、豊富なビタミンCで紫外線対策をしておきたいですね。
夏の旬菜や果物は暑さ対策に最適!
夏の旬菜の特徴といえば、水分量の多い野菜が多いということが挙げられます。
トマトやきゅうり、ナスなどの代表的な夏野菜はほとんどが水分なのです。
夏の暑い時期に水分量の多い旬菜を食べることで、脱水症状を防いだり熱を下げたりする作用があります。
夏に旬の食材を食べるのは、自身の健康を支える意味でも重要なことなのです。
ゴーヤやかぼちゃ、ピーマンなど彩りが豊かな緑黄色野菜が多いのも特徴のひとつでしょう。
食欲がなくなりやすい夏に、ビタミンなどを豊富に含む栄養価の高い旬菜は最適です。
夏野菜にはビタミンCが豊富に含まれますが、紫外線が多くシミやソバカスが気になる人にもおすすめなのです。
ビタミンCはメラニン色素の生成を抑える働きがあるため、美肌づくりにも適しています。
おすすめは夏野菜をたくさん使ったカレーで、トマトを入れて酸味を感じながら減退した食欲を増進していきましょう。
夏が旬の果物といえばスイカがありますが、水分量も多くて「カリウム」を豊富に含みます。
カリウムは利尿作用とともに、体内の塩分濃度を調節して排出する働きがあるのです。
しょっぱいものを食べ過ぎた後なども適しているので、高血圧予防にも良いでしょう。
夏が旬の魚はウナギが有名で、土用の丑の日に食べる習慣がありますよね。
栄養価が非常に高いので、食べると夏バテ予防になって初夏に食べるのに最適です。
安価で購入でき、庶民にとって欠かせない魚のアジも夏が旬の魚です。
身がふわふわとして、適度に脂がのった食感がたまらないですよね。
秋といえば旬の魚や果物が豊富
食欲の秋というように、秋は非常に美味しい旬の味覚の宝庫です。
果物や魚、きのこなど秋ならではの食材がスーパーに並んでウキウキしますよね。
秋が旬の果物は柿や梨、栗など和テイストの素材が多いです。
他にもぶどうはフルーツ狩りも楽しめるので、子供から大人までたくさんの人に食べる機会があるのではないでしょうか。
栗拾いも子供には人気のイベントで、季節を感じますよね。
栗ご飯が食卓に並ぶと、秋という季節を感じる人も多いでしょう。
秋の魚の代表格はサンマで、各地ではサンマ祭りが開催されるほどです。
一時期サンマも漁獲量が減少していて高値がついていたこともありましたが、だいたい1匹100円前後で購入できます。
焼いても煮ても美味しく食べられるため、秋には欠かさず食べる人も多いのではないでしょうか。
副菜には旬のきのこを添えて、秋の季節を感じられる食事の完成です。
きのこは松茸狩りやしいたけ狩りなど、味覚狩りも楽しむことができます。
秋は食べるだけでなく食材を自ら採取していただく機会も多いので、食育には最適な時期だといえますね。
美味しいものが多くてついつい食べ過ぎてしまうので、体重オーバーには要注意です。
冬は旬菜と魚で寒さを乗り切ろう
冬は寒さの厳しい時期、少しでも体を温めたくなりますよね。
体を温める料理といえば、心も体もホッとする鍋です。
冬の旬菜には鍋に入れる葉物野菜が多いのが特徴で、他にはカブや大根などの根菜もあります。
根菜は体を内側から温めてくれる働きがあり、冷えを予防するのです。
夏野菜が冬とは反対に体を冷やす性質を持つのに対して、冬は体を温める性質があります。
旬の食材を食べることは、季節ごとに対応できる体づくりに貢献してくれるのですね。
冬が旬の魚介類で鍋に合うものといえば、カキが挙げられます。
栄養価が非常に高いため「海のミルク」と呼ばれるほどですが、胃腸炎の心配もあるのでなるべく火を通して食べるのがおすすめです。
カキと同じく鍋にぴったりなカニも冬が旬で、種類にもよりますが多くが冬にとれる食材です。
旬の時期に栄養が倍になる野菜とは?
旬の食材は単に味が美味しいというだけでなく、実は栄養が倍になる嬉しい野菜もあるのです。
旬の時期に食べることで、他の時期に比べてより健康に良い栄養を得られます。
具体的にどんな野菜が旬の時期になると栄養が増えるのか、詳しくみていきましょう。
・ほうれん草
冬が旬の葉物野菜であるほうれん草は、夏に採れたものに比べてビタミンCの含有量がおよそ3倍になります。
夏にもほうれん草は購入できますが値段も高いので、やはり旬の時期に購入した方が安く栄養価の高いものを手に入れられるでしょう。
・トマト
緑黄色野菜に多く含まれて、体の中に入るとビタミンAへと変化するβカロチン。
トマトに含まれるβカロチンも、旬の時期と旬以外の時期では含有量が2倍近く差があるのです。
トマトは旬の時期とそれ以外の時期で値段の違いも大きいので、夏に購入して食べるのが良いでしょう。
旬の時期は栄養価が高くなり、味も美味しくなるという一石二鳥の効果が得られるのですね。
一見すると通年スーパーに並んでいそうな野菜ですが、旬菜の場合は栄養が全く違うことがわかりました。
野菜にも食べるのに適した季節があることを把握して、効率よく栄養を摂取したいですね。
旬が2回ある食材もあるってホント?
食材ごとに異なる旬の時期は、だいたい年に1回のみとなっています。
一方で年に2回旬の時期を迎える食材もあり、美味しく食べられる期間が長いものがあるのです。
具体的にどんな食材があるのか、年に2回旬が訪れる食べ物をみていきましょう。
・しいたけ
秋の味覚として有名なキノコ類のしいたけは、実は秋と春の2回旬が訪れるのです。
それぞれ食感や味が異なるのが特徴で、秋は香りが良くなって春は肉厚になるので食感が良くなります。
・かつお
かつおも初夏と、秋の2回に分けて旬が訪れる特徴があります。
初夏のかつおを「初鰹」、秋のかつおを「戻り鰹」といいます。
初鰹は脂が少なめでさっぱり系、戻り鰹は脂がのって濃厚な味がするのが特徴です。
まとめ
旬の食べ物について季節ごとに野菜や果物、魚の栄養の変化をご紹介してきました。
季節によって気温などが変化するため、四季折々で旬の食材があります。
基本的に季節ごとの旬菜を食べることで、より健康的に生活できるのです。
中には旬が年に2回訪れるものや、旬の時期は栄養が倍以上になるものなどもあります。
味を楽しむこと以外にも健康的な食事にもつながるので、ぜひ積極的に旬の魚や果物などを食べていきたいですね。