母の日はよく知られている記念日です。
しかし、今年の母の日はいつかと聞かれて、すぐに答えられる人はあまりいないようです。
ほかにも母の日については、知らないことが意外にたくさんあります。
由来や意味を知ることで、母の日がいつなのかはっきり覚えられるかもしれませんよ。
お母さんに贈り物をする以外にも母の日の意味があるのか、これから紹介していきます。
海外から来た!母の日の由来とは
母の日は毎年、海外でも皆に祝われています。
日本には、アメリカからやって来た母の日が定着しました。
アメリカの母の日は、1人の娘が偉大な母の功績をたたえるために始めたものです。
その母の名前は、アン・ジャービス。
彼女は南北戦争(1861年~1865年)中に、負傷兵の衛生状況を改善するために地域の女性とともに活動しました。
アメリカが南北に別れて戦った南北戦争で、アン・ジャービスは分け隔てなく、南北両方の兵士を看護しました。
彼女の活動は人々に影響を与え、その後の反戦運動にもつながりました。
このジャービスの娘アンナ・ジャービスが母の死後2年たったときに、教会で母を偲ぶ記念会を催しました。
その後、アンナの思いに感動した人々により母の日が祝われるようになり、ついに1914年には、アメリカの法律で母の日は国の記念日になりました。
日本では1913年に、アンナからの連絡がきっかけとなり、青山学院の女性宣教師たちの働きで、母の日が知られるようになりました。
1937年には森永製菓による「森永母の日大会」が開かれ、母の日は広く世の中に知られました。
東京練馬の豊島園に20万人のお母さんと子どもが無料で招待され、遊具を楽しんだり、引換券で森永のお菓子をもらったりしたそうです。
この後日本は第2次世界大戦に突入したため、母の日を祝う余裕はなくなってしまいました。
アメリカと同じ、5月の第2日曜日が母の日になったのは、戦後の1949年のことです。
海外にはアメリカの他にも、独自の母の日が存在している国が多く、3月、4月、8月、10月など季節もバラバラです。
きっとそれぞれ違った由来ではありますが、お母さんを愛しく思い、たたえる気持ちは同じなのでしょう。
それにしても、1人の母の功績が国の法律まで動かしたアメリカの人たちのパワフルさには驚かされますね。
そして1人の母を偲ぶために始まった母の日が、すべてのお母さんに感謝の気持ちを伝える行事に変わって行ったことにも驚かされます。
毎年迷う、母の日はいつ?覚えにくい理由とは
母の日を粗末にしているわけではないのに、どうしても母の日がいつか覚えられない人がきっといると思います。
これは心がけが悪いのではなく、毎年母の日が同じ日程ではないのが原因です。
アメリカの法律で母の日が国の記念日になったとき、5月の第2日曜日と定められました。
母の日が制定された少し後に、父の日もあるべきだとして、父の日は6月の第3日曜日と定められました。
この2つの日が記憶の中で混ざり合って、母の日と父の日の日程はぼんやりしてしまったのです(母の日よりも、父の日の日程はさらに認知度が低く、お父さんは気の毒です)。
それに日本では母の日も父の日も祝日ではありません。
母の日も父の日も、商業的な広告宣伝はされていて、盛り上がっているように思いますが、ただの日曜日です。
だから余計に母の日の日程が、私たちの中に浸透しないのかもしれません。
しかしアイルランドとイギリスの母の日(マザリングサンデイ)はもっと分かりにくく、復活祭の3週間前の日曜日に行われます。
それに比べれば5月の第2日曜日は覚えやすいのではないでしょうか。
海外では、さまざまな国で母の日が行われていますが、5月の第2日曜日に行う国が多数派です。
この機会にしっかり母の日の日程を覚えてしまいましょう。
母の日も父の日も、きちんと覚えていれば贈り物を用意するときも余裕が持てて安心です。
気付いたら、もう時間がないということは避けられるでしょう。
母の日当日、カーネーションはとても値上がりをするので、当日に慌てて買うのは止めましょう。
日程をきちんと覚えていれば、母の日の少し前に花があまり開いていないものを購入しておくことが可能です。
母の日のカーネーション、最初は白かった?
母の日の定番といえば、赤いカーネーションですね。
母の日の贈り物としても、よく知られています。
お母さんが元気な人は赤いカーネーションで、すでに亡くなっている人は白いカーネーションを贈るということを聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。
このカーネーションを最初に母に贈ったのは、先程のアンナ・ジャービスです。
母であるアンが白いカーネーションを好んでいたからです。
母の日が最初に行われたときに、すでにアンは亡くなっていたために、そのまま白いカーネーションが亡くなったお母さんのために使われるようになったのでしょう。
お母さんが亡くなっているかどうかは、とてもデリケートな問題なので、今では白いカーネーションを飾っているのを見ることはなくなりました。
学校などでも、母の日に関連することをやらなくなっているとも聞きます。
しかしお母さんが亡くなったからといって、その功績は無くなってしまうのでしょうか。
そんなことはありません。
どんな人でも、お母さんがいてくれたから、この世に存在できているのです。
白いカーネーションを飾って、亡くなったお母さんに思いを寄せることがあってもよいのではないでしょうか。
どうか母の日には、最初は白いカーネーションがあったことを、忘れないでください。
今、母の日に贈られるカーネーションは色とりどりになっています。
色によって花言葉が違いますから、よい花言葉を選んで、お母さんへのメッセージにしてみるとよいでしょう。
ちなみに、赤いカーネーションの花言葉は「母の愛、母への愛」、ピンクのカーネーションは「感謝の心、熱愛」だそうです。
白のカーネーションは「私の愛情は生きている」だそうですが、元気なお母さんに贈るのは避けましょう。
怒られてしまうかもしれません。
カーネーションには、オレンジや黄色の花もありますから、お母さんの好きな色を贈るのも楽しいですね。
少しでも長く花を楽しんでもらうためには、鉢植えを贈るという方法もあります。
またじかに土に種をまいて育てられる品種もありますから、これを育てて、お母さんにたくさんのカーネーションを見せてあげるのも喜ばれそうですね。
1口にカーネーションを贈るといっても、さまざまな工夫ができます。
色々と考えると、自分も楽しくなってきますね。
母の日に喜ばれる贈り物に、ハーバリウムという選択
母の日の定番、カーネーションは生花なので、どうしてもいつかは枯れてしまいます。
カーネーションはよく水を吸う花なので、持ち帰ったらすぐに花瓶に活けることが大切です。
また活ける前に、水の中で茎を少しだけ斜めに切ると持ちがよくなります(これを水切りといいます。
ほかの花にも使えるので、覚えておくとよいですよ)。
しかし、このような手間をかけても1週間もするとカーネーションはしおれてしまいます。
もっと長い間、お母さんに花を楽しんで欲しいときには、生花ではない花を贈ってみましょう。
近頃ハーバリウムという名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
これは植物標本という意味です。
専用のボトルの中に、プリザーブドフラワーやドライフラワーを入れて、オイルなどの保存液で満たしたものです。
プリザーブドフラワーはそのまま飾っても美しいですが、ハーバリウムは保存液で満たされたボトルの中に入っているので、光が当たったときに、さまざまな表情を見れます。
ずっと飾っておいても掃除が楽なので、花を飾ると掃除が…と思っているお母さんにも最適です。
ハーバリウムとして販売されているものを贈り物にしてもよいですが、ハーバリウムの材料はネットで簡単に手に入ります。
不安な人はスターターキットを使うと、安心ですし、注文の手間も省けるでしょう。
また100均で材料を調達する人もいるそうです。
ガラス製のボトルは100均でもかわいいものがたくさん販売されています。
ハーバリウム専用の保存液まで販売しているお店もあるそうです。
保存液が手に入らない場合は、100均で販売されているベビーオイルでも代用できます。
とにかく手頃な値段でハーバリウムを作れますから、お小遣いの少ない学生さんにはおすすめです。
それでも不安な人は、ハーバリウムの教室やワークショップもありますので、お住まいの地域で探してみてください。
いっその事教室やワークショップに、お母さんと参加してみましょう。
一緒に作ったハーバリウムならば、飾ってあるのを見るだけでも話がはずみます。
贈り物は品物だけとは限りません。
共通の体験をすることがかけがえのない贈り物になることもあるのです。
身につける贈り物は、お母さんの好みを最優先するべき!
母の日の贈り物は、カーネーションを始めとする花やお母さんと一緒に食べられるお菓子、好みのお茶などがよいでしょう。
花が大嫌いなお母さんはいませんし、お菓子やお茶は食べたり飲んだりすれば無くなります。
どんな贈り物にもいえることですが、消え物と呼ばれる、使うと無くなるものが無難でよいとされているのです。
贈り物が無くなってしまうのは、つまらないと思われるかもしれませんが、きれいな花を贈られてうれしかった思いや、おいしいお菓子やお茶を子どもたちと楽しんだことは消えてなくなりはしません。
ちゃんと思い出として残りますから心配しなくてもよいのです。
思い出は邪魔になりません。
思い出すだけで笑顔になれる思い出が増えるのはどんな人にとってもうれしいことです。
それでも、お母さんに洋服やバッグなど身につけるものを贈りたいと思う人もいるでしょうが、たとえ親子でも、身につけるものは好みが分かれるので、あまりおすすめしません。
自分がよいと思ったものでも、お母さんは派手過ぎると思うかもしれません。
大切な贈り物だと思うと、もったいなくて身につけられないかもしれません。
子どもから贈られたことで気を遣って、子どもに会うときには、好みに合わないのに、無理に身につけるお母さんもいます。
これでは何のための贈り物なのか、わからなくなってしまいます。
もし、身につけるものを贈りたい場合は、お母さんの好みをよく尋ねるか、一緒に買い物に出かけてお母さんの意見を尊重して選ぶようにしてください。
すてきな贈り物でお母さんを驚かせたい人には不満があるかもしれませんが、お母さんが気に入ったものを選ぶにはこうするのが1番です。
久しぶりに一緒に買い物に出かければ、それだけでお母さんはうれしく思うことでしょう。
後々日の目を見なかった母の日の贈り物がたくさん発見されるのは、子どもとしても残念です。
お母さんへの感謝の気持ちを表すために選ぶ贈り物は、ぜひ愛用して欲しいものです。
お母さんを驚かせたい気持ちはわかりますが、ここはお母さんが愛用できる贈り物をすることを最優先にしましょう。
母の日の贈り物は自己満足のためにするのではないことを、忘れないようにしてください。
贈り物に1番嬉しいのは、メッセージ?その理由とは
今では母の日に贈り物をするのが当然のようになっています。
母の日に贈り物をする習慣は、1924年にオーストラリアで始まったといわれています。
老人ホームにいた多くの忘れられた母たちを喜ばすために、贈り物が贈られたのです。
忘れられた母たちには、感謝の気持ちを伝えてくれる人がいなかったために、贈り物が使われたのです。
もちろん贈り物をするのはよいことですし、お母さんも喜んでくれるでしょう。
しかし母の日にはお母さんに感謝をするという意味があるのですから、それを伝える努力は忘れてはいけません。
逆にいうと、お金がない、時間がないなどの理由で贈り物を用意できなくても、感謝の気持ちを伝えられれば、お母さんは喜んでくれます。
お母さんが欲しいのは贈り物ではなく、家族の温かい気持ちなのです。
手紙を書くのも喜ばれますが、少し気恥ずかしいと思う人もいるかもしれません。
それならカードはどうでしょうか。
カードなら少ない文字でも大丈夫です。
子どもの頃を思い出して、「お母さん、ありがとう」「感謝しています」「大好きだよ」などと書いて見ませんか?かえって飾らない短い言葉の方がお母さんの心に響くかもしれません。
カードはわざわざ購入しなくても、ネットで無料ダウンロードできるものがありますから、利用してください。
それも恥ずかしいなら、メールでもラインのメッセージでも構いませんから、母の日のお母さんに贈ってあげましょう。
アメリカでは最初の母の日は、すでに亡くなっているお母さんのために行われました。
それがなぜ、今のように生きている元気なお母さんに向けられた日になったのかといえば、やはりお母さんが元気なうちに感謝の気持ちを伝えた方がよいと感じた人が多数いたからに違いありません。
日本にもこんなことわざがあります。
「孝行したいときに親はなし」
お母さん(もちろんお父さんもですが)のありがたみがわかったときには、すでに遅いということもあり得ます。
お母さんにメッセージというのは、恥ずかしいと皆が思うでしょうが、我慢してでも感謝の気持ちを伝えた方がよいと思います。
若い人には実感が持てないかもしれませんが、ぜひお母さんが元気なうちに心のこもったメッセージを贈って、1回でも多く喜ばせてあげてください。
母の日に一緒に過ごす時間の価値を、もう1度見直したい
実際にお母さんたちに、母の日にもらってうれしいプレゼントを尋ねると、家族一緒に過ごす時間と答える人が多いそうです。
これには、日本人はサプライズが苦手な人が多いという理由が隠れているように感じます。
サプライズで贈り物をされても、「うれしい!」と相手に伝わる反応をする自信がない人が多く、いつもの通りに、家族一緒に過ごす時間がとれればよい、ということになるのではないでしょうか。
中には、もっと深刻な理由から家族一緒の時間を望んでいるお母さんもいます。
子どもが成長し、独立してしまった場合、一緒に過ごす時間はあまり持てなくなります。
子育てが終わって、子どもが独立する、これは一見よいことに思えます。
お母さん自身も、子育てが無事に終わって、やれやれと思い、これからは自分の時間を過ごそう、と思っているはずです。
しかし、そんなお母さんが孤独に陥ることがあります。
子育てに一生懸命だった人ほど、子育てが終わった後に、自分には何も残っていないと思い、自分の価値がどこにあるのかわからなくなることがあるのです。
また年を取ったことで、理由のない孤独感に悩まされる人もいます。
だからお母さんは、昔のように家族に囲まれたい、家族に必要とされたいと願うようになるのです。
子どもはいつか大人になって、自分の生活ができますが、なるべくお母さんが孤独に陥らないように、一緒に過ごす時間を大切にしてください。
たとえ子育てが終わっても、お母さんは価値のある大切な人だとお母さん自身にわかってもらうためです。
結婚すると夫の実家と妻の実家で、お母さんが2人いますよね。
母の日の贈り物はとにかく不公平にならないように、品物の値段に気を配ることでしょう。
しかし贈り物をしたから、もうよいと安心してしまうことがないように気を付けましょう。
それよりは、どちらのお母さんとも一緒に過ごす時間を大切にするように心がけてください。
一緒に過ごした時間は思い出になり、お母さんの中にいつまでも残ります。
その思い出は、子育てが終わった後の人生を、明るく生きる助けの役割を果たします。
お母さんが元気でいてくれるから、一緒に過ごす時間が持てるのだということを、忘れないようにしてください。
母の日の意味とは?お母さんのためだけじゃない、実は自分のためだった
世の中の人がすべてお母さんとよい関係ではありません。
母の日が近づくと複雑な思いをしている人がきっといることでしょう。
素直に母の日が祝えないことは、まるで自分が冷たい人間のように思われます。
ほかの人には言いづらくて、こっそり悩んでいるかもしれませんね。
でも、そんな人にこそ母の日を忘れて欲しくありません。
今お母さんに複雑な感情を持っていても、それは一生続きません。
人の感情は年齢とともに変わっていくものです。
何か許せないことがあったとしても、自分がお母さんと同じ年齢や立場になったときに、すんなり理解できることがあります。
その証拠に、子どもが生まれて、初めて親の気持ちがわかったと実感する人は少なくありません。
しかしずっと疎遠になっていたら、お母さんの気持ちが理解できたときに、すぐに歩み寄ることが難しくなってしまいます。
年に1度でも母の日にお母さんとコミュニケーションをとることを続けていたら、関係は完全に途切れずに、続いて行くでしょう。
お母さんとの関係に、ほんの少しの可能性を残しておくつもりで、母の日のお祝いを続けましょう。
お母さんと向き合うのがつらい、嫌だと思っても、自分とお母さんが親子であることは変わりません。
事実から目をそむけていると、余計につらくなることがあります。
年に1度、母の日にお母さんとの関係を正面から見つめるのもよいのではないでしょうか。
お母さんの気持ちが理解できて、関係が修復されたときには、きっと母の日を祝い続けてきてよかったと思えるでしょう。
もし修復されなくても、母の日を祝い続けたことは、無駄にはなりません。
お母さんに対して、やれるだけのことはやったのだという満足感が残ります。
もちろんお母さんとの関係が良好な人なら、母の日は年に1度の特別に楽しい時間です。
お母さんを喜ばせてあげられた満足感をたっぷりと味わえることでしょう。
母の日には、お母さんに感謝を伝える意味があります。
感謝を伝えることで、お母さんからも反応があるでしょう。
感謝とそれに対する反応で、母と子の関係はより一層強くなるのです。
だから母の日は、お母さんのためだけに存在するわけではありません。
子どものためにこそ、意味のある日です。
だから、お母さんとどんな関係の人も、母の日を忘れて欲しくないのです。
まとめ
母の日の由来や意味について、紹介してきました。
お母さんへの贈り物のヒントになることもたくさん紹介しましたから、母の日にはぜひ役に立ててください。
ずっとお祝いを続けていると、お母さんも年齢を重ねて行きますが、敬老の日に比べると、母の日の方が抵抗感なく喜んでもらえるようです。
お祝いをする方にしても、最初に敬老の日を祝うときには緊張しますよね。
敬老の日をお祝いをしようとして、まだ早いからと断られた経験を持つ人は、きっと私だけではないはずです。
いくら年齢を重ねても、お母さんになった事実は変わらないので、母の日はずっとうれしいものなのかもしれませんね。