ついこの間お正月で初詣に行ったかと思えば、もうお歳暮の季節がやってきました。
時間の流れの早さに驚かされますよね。
さて、この時期はお歳暮の準備を始めている方も多いかと思いますので、今回は、お歳暮の基本のマナーを皆様にご紹介します。
毎年お歳暮を贈っている皆様はおさらいの気持ちで、今年お歳暮デビューする方はひとつずつ確認しながら読み進めていただけたらと思います。
お中元とお歳暮の違い
何かと一括りにされがちなお中元とお歳暮。
お中元は夏のご挨拶、お歳暮は年末のご挨拶ですが、どちらも感謝の気持ちをお伝えする行事なので季節の違いのみだとお考えの方も多いようですが、実は大きな違いがあるんです。
それは、国の違いです。
お中元は元は中国で生まれた文化で、お中元以外にも「上元」「下元」があります。
中国の中元は日本でいうお盆で、ご先祖様を供養する大切な日と定められています。
この中元の文化と日本の仏教の風習が混ざり、「お世話になっている方々に感謝し品物を送る文化」へと変化し、お中元と呼ばれています。
対してお歳暮は、日本で生まれた文化です。
1年間の終わりにご先祖様にお供えしていたものが、徐々に親族やお世話になった方々へ贈り物する文化へと変化し今に至ります。
お中元とお歳暮、始まりは国さえも違いますが、長い月日を経て、現在ではどちらも感謝の気持ちをお伝えする行事となりました。
お歳暮の時期
地域ごとにかなり時期が変わるお中元と違い、お歳暮の時期は関東圏とそれ以外の地域で分けられます。
お歳暮を贈る期間は、関東地方は12月1日から12月25日、それ以外の地域は12月13日から12月25日です。
お年賀の時期は、お正月から松の内の間に贈るので、関東地方は1月1日から1月7日まで、それ以外の地域は1月1日から1月15日です。
相手の忌中が明けるのを待って贈る場合は、松の内後から立春の前日までに贈るので、2022年なら関東地方は1月8日から2月3日まで、それ以外の地域は1月16日から2月3日までに贈ります。
ちなみにお歳暮を贈るのに一番良いとされる日は「正月事始めの日」である12月13日です。
贈り物の相場
お歳暮は贈る相手によって3000円から1万円の範囲で選びます。
友人知人なら相手に気を使わせないように3000円程度、家族や親族なら3000円から5000円、上司なら5000円以内、取引先やお得意先ならその関係に応じて5000円から1万円程度が良いでしょう。
お歳暮の地域ごとの時期や贈り物の相場について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
贈るときのマナー
それではお歳暮を贈るときに知っておいていただきたいマナーをご紹介します。
喪中は問題ないが忌中は贈らない
お歳暮は祝い事ではないので相手先が喪中でもご自身が喪中でもお歳暮を贈ることは何の問題もありませんしマナー違反にもなりません。
ただし、相手先が忌中のときには贈るのはやめておきましょう。
マナー違反ではないのですが、忌中とはご家族が亡くなって四十九日までの期間のこと。
大切な家族を亡くして日が浅いので、バタバタしている可能性、またまだ心の整理がついていない可能性がおおいにあります。
お歳暮をいただいた側は、お礼状を書いたりお返しを準備したりしなければなりません。
なので相手先が忌中の場合は、お相手の手間を取らせないよう控えた方が良いでしょう。
喪中・忌中の時はお年賀では贈らない
お歳暮の時期に間に合わなかった場合は、「お年賀」として贈ることができますが、相手が喪中・忌中の場合は年賀状と同じでお年賀を贈ることはできません。
その場合、お年賀の時期(松の内)が過ぎるのを待って、寒中見舞いとして贈ります。
ナマモノを送るときの時期と注意
贈り先の方にお正月に食べて欲しい生鮮食品を贈りたい時は、まず相手に確認を取ります。相手が了承すればその場合に限って26日から31日にお歳暮として贈っても良いとされています。
お歳暮の期間に間に合わなかった場合
基本的にはお歳暮はお歳暮の期間中に贈るべきですが、やむなくその期間内に贈る事が出来なかった時には年始から松の内までなら「お年賀」として贈り、さらに喪中や忌中などでお年賀を贈る事が出来なかった場合は、松の内の後から立春までの間に「寒中見舞い」として贈ります。
どちらも、お歳暮が間に合わなかった事へのお詫びの連絡をした上で、基本的には直接届けましょう。
特にお年賀を郵送する事はマナー違反です。
贈る前に確認
お歳暮を郵送する時は事前に送った旨を伝えます。
突然荷物が届いてしまうとお相手を驚かせてしまいます。
相手の状況を把握して品物を選ぶ
お歳暮とは日頃の感謝の気持ちを伝える行事です。
相手の方により喜んでもらえるよう、家族構成などを参考にして贈り物を選びましょう。
例えば、お子さんがいるご家庭ならジュースや甘い物、年配の方なら和菓子、健康を気にしている方には甘いものではなく上質な油やヘルシーな食品などを選ぶと喜ばれます。
送り先が会社なら、コーヒーや紅茶、みんなで分けられるよう小分けされたお菓子の詰め合わせ、日持ちするお菓子なども喜ばれると思います。
のし紙は正しく書く
のし紙は目立つ上に決まりごとがいくつもあります。
表書きは贈る時期によって「御歳暮」「御年賀」「寒中御見舞」と変わります。また、寒中御見舞は目上の方宛だと「寒中御伺」に変わります。
名入れも個人で贈る場合、夫婦で贈る場合、3名以上の連名で贈る場合で書き方が変わります。
喪中だと通常ののしを使うのはマナー違反にあたります。
お歳暮ののし紙について詳しくはこちらをご覧ください。
いただいたときのマナー
ここからはお歳暮をいただいた時のマナーをご紹介します。
すぐにお礼の電話をする
相手が親族や親しい友人の場合は、お礼状はなく電話で済ませても問題ありません。
できれば手元に届いたその日のうちに電話でお礼を伝えましょう。
お礼状は遅くとも3日以内に
お礼状は遅くても3日以内にはポストに投函します。
お歳暮は丁度年賀状の準備時期と重なりますが、年賀状にまとめてお礼を書き、それで済ますのは失礼に当たりますので、年賀状を出す予定の相手でもお礼状は別に書きましょう。
お礼状は通常ハガキを使いますが、お手紙(封書)にするとより丁寧な対応になります。大変お世話になっている方なら、感謝のお手紙を書くのもオススメです。お相手もきっと喜ばれますよ。
お返しは必要ない
お中元やお歳暮は「日頃の感謝の気持ちをお伝えする行事」なので、お返しは必要ありません。
しかし、「お礼状だけでは…」と気になる方もいらっしゃるでしょう。
お返しの品物を送る場合は、いただいた品物の半額〜同等額の品を選びます。
いただいた品物より高価な品を贈るのは「いただいた品物に満足しなかった」などと悪い意味が生じてしまう可能性があるので、そうならないようお気をつけください。
まとめ
感謝の気持ちを伝え合う年末行事、お歳暮。
最近ではお中元やお歳暮のやり取りをしない企業や個人が増えていますが、お歳暮は人と人のご縁をつなぐ素晴らしい行事です。
今年一年お世話になった方々に正しい方法で感謝の気持ちを伝え、気持ちよく年末年始をお過ごし、新たな一年をお迎えください。
年末はどのご家庭もバタバタするのでお歳暮の準備はお早めに。