香典返し自体が、そんな人たちへの感謝の気持ちとして贈られるものですが、現在はほとんどの場合、香典返しに挨拶状が添えられています。
以前と比べて、現在では挨拶状にも、様々なタイプがあります。
今回は挨拶状がなぜ必要なのか、また挨拶状を自作するときの注意点などについて解説します。様々なタイプの挨拶状の特徴についても説明します。
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香典返しに挨拶状は必要?現代的なその理由とは
本来香典返しは、葬儀に出席してくれた人へのお礼として、その人の自宅に出向いて手渡しするものでした。
当然対面ですから、「先日の葬儀の際には大変お世話になりました。
無事に四十九日法要も終わりましたので、心ばかりの品をお持ちいたしました。
どうかお納めください」などと挨拶をするでしょう。
でも最近は、香典返しは葬儀の当日に会場で渡すか、四十九日法要が終わる頃に、宅配便などで配送されるようになっています。
自分で挨拶をして渡すことができないため、挨拶状が必要になりました。
誰でも忙しい現代は、相手に時間をとってもらい、自宅に伺うのは反って迷惑になる場合があります。
だからといって香典返しの品物だけを贈るのも素っ気無い感じを与えるものです。
ぜひ、自分でする挨拶の代わりとして、挨拶状を添えた香典返しを送ってください。
香典返しの挨拶状!外せないポイントとは
挨拶状には抑えなくてはならないポイントがいくつかあります。
まず大切なのは、葬儀に参列していただいたこと、香典をいただいたことへのお礼の言葉です。
次に四十九日法要を無事に終えたことの報告、故人との生前の付き合いへの感謝、香典返しを送ったことのお知らせ、本来は直接挨拶に伺うべきなのに、書面で済ませることのお詫びを入れる必要があります。
この挨拶状を作るためには、いくつかの方法があります。
まず考えられるのは、業者に依頼することです。
香典返しの品物を購入するときに、サービスとして挨拶状を印刷してくれる場合もあります。
香典返しの数が多いときには、お願いすると便利でしょう。
いくつか定型文が用意されているので、自分の心情にあったものを選んでください。
定型文は礼儀正しい文章で書かれているので、細かなしきたりを知らなくても安心です。
この場合、宗教や個人の名前、亡くなった年月、喪主の名前など、いくつかの情報を正確に業者に伝える必要があります。
挨拶状は自作できる!でも注意は必要!
もう1つの方法は挨拶状を自作することです。
挨拶状を作るためのポイントを紹介しましたが、逆にいうとこのポイントさえ抑えれば、挨拶状は完成したのも同然ですから、意外に簡単に自作できます。
文例は【香典返し 挨拶状 自作】で検索するとたくさん出てきますから、参考にするとよいでしょう。
手書きの挨拶状は心がこもっているし、丁寧だと喜ばれることも多いですが、字に自信がないという人もいるでしょう。
ネット上には挨拶状のテンプレートもたくさんあります。
故人の名前などを自分で入力した後、印刷すれば業者に頼んだのと変わらない挨拶状が出来上がります。
最近はプリンターに対応した、挨拶状専用のカードが販売されていますから、これを利用するとよいですね。
手書きで制作する場合は奉書紙を用意してもよいですが、白い便箋でも構いません。どちらを選ぶ場合でも、文章は1枚に収まるように注意してください。
また、本文は余程の理由がない限りは、縦書きにしてください。
普通手紙を書くときには、1枚だけの便箋を嫌って、もう1枚重ねたりしますが、香典返しのお礼状の場合は、それをしてはいけません。
不幸がこれ以上重ならないようにという願いから、不祝儀の場合、何事も重ねるということを嫌います。
同じ理由で封筒も中が二重になっていないものを選んでください。
手書きでも印刷でも、文中に句読点を打たないように注意してください。
もともと日本では、縦書きの文章に句読点を打たなかったそうです。
わざわざ相手が読みやすくなるように句読点を打つのは、相手を下に見た行為なので、句読点を打たないとする説もありますが、(あなたは句読点がないと文章が読めないでしょう、といっているわけです)すべて滞りなく終わるようにとの願いが込められているからという説もあります。
また通常の手紙のような時候の挨拶は必要ありません。
すぐに葬儀の際のお礼の文章に入ってもよいのです。
頭語と結語(拝啓・敬具など)は使っても使わなくても
どちらでも構いません。ただ、頭語のみ、結語のみという使い方はできません。
使うなら頭語と結語、両方を忘れずに使うようにしてください。
どれを選べばよい?現在の挨拶状の色々!
葬儀が時代とともに簡略化されていることから、挨拶状も時代に合わせて変化をしています。
かつて香典返しの挨拶状は、封筒に入ったものでした。
封筒の中は便箋ではなく、奉書紙という和紙が使われていました。
現在ではそれは大げさだということで、カード式の挨拶状が増えています。
奉書紙の挨拶状よりも、大げさにならずさり気ないこと、折らずに済むので封筒に入れやすいこと(封筒に入れなくてよい場合も)、文面をひと目で見られて、読みやすいなど、メリットがたくさんあるのが人気の要因のようです。
カード形式の挨拶状の中には、略式挨拶状という掛け紙と一体化したものもあります。
2つ折りにしたときにカードの右端がはみ出る形になっていて、そこに通常は掛け紙に書く「志 〇〇家」という表書きが印刷されています。
これを使えば、掛け紙、封筒は省略できますから、かなりの簡略化になります。
手間の問題だけでなく、地球環境まで考えた挨拶状といえるでしょう。
どの挨拶状を選ぶかは、好みにもよりますが、自分の事情に合わせて考えるとよいでしょう。
挨拶状を業者に頼むのか、自分で制作するのか、伝統を重んじるのか、現代風にするのか、などの点を考えれば、自ずとどんな挨拶状にすればよいのか結論が出るでしょう。
どんな方法で作るとしても、挨拶状を作るのは気も遣うし、手間のかかることに違いありません。でも大切な人を亡くした葬儀のときには、たくさんの人たちの心遣いや思いやりを感じたはずです。
ぜひ、そのときの感謝の気持ちを挨拶状にして、葬儀に出席した人たちに、知らせてあげてください。
宅配便に手紙を入れると違法?挨拶状は大丈夫?
ところで宅配便で荷物を送る際に、信書(手紙)を入れてはいけない、と聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。
せっかく挨拶状を作っても、香典返しに同封できないのでは困ってしまいますね。
わざわざ郵便で別に送らなくてはならないのでしょうか。
信書とは、特定の相手に当てた文書で、手紙だけでなく請求書や領収書、契約書なども含まれます。
信書は郵便で送らなくてはならず、宅配便で送ることは違法行為になります。
郵便局が行っている「ゆうパック」でも、同様です。やはり信書を送ることはできません。
ただし、荷物と一緒に送り、その内容が荷物を送ることに密接に関係している文書は例外として、宅配便と一緒に送ることができます。
つまり香典返しの挨拶状なら全く問題はありません。
安心して挨拶状を添えてください。
ですが、封がしてあると信書と見なされてしまうため、封筒の封はしないでください。
また相手の名前を宛名として書くのも止めましょう。
自作の挨拶状を添えて香典返しを送るときは、注意してください。
まとめ
今回は香典返しに添える挨拶状について解説しました。
香典返しを購入した業者に挨拶状を作ってもらう場合、業者によってはサービスの内容が違います。
事前によく確認して、自分が納得できる業者を探してください。
挨拶状を自作する場合、手書きだけでなく、パソコンとプリンターを使って自分で印刷もできますから、心のこもった挨拶状が気軽にできますね。
そして現在は香典返しの挨拶状にも選択肢があります。
自分の好みや状況に合った挨拶状を、無理なく作ることができそうです。
自分にピッタリと合った挨拶状で感謝の気持ちを伝えられるとよいですね。
また、自分で香典返しに挨拶状を添えて送る際の注意点も、いくつか紹介しましたので、ぜひ参考にしてください。
大切な人を亡くし、慌ただしく葬儀を終えた遺族の方々も、四十九日法要、香典返しが終わるとやっと一息つけます。
香典返しは贈る側、贈られる側の両方にとって、大切な区切りになるものです。
どんな挨拶状を添えるとしても、精一杯の心を込めたいものですね。
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