お正月に届いた年賀状をチェックしながら「あ!この人に出していなかった…」なんてことがありませんか?今から書いても、もうお正月は終わってしまうし、どうしたらよいのだろう?と頭を悩ませることがあります。
今回は、出していない人から年賀状が届いても慌てない、失礼にあたらない対処法や文例などについてをお伝えします。
出していない人から届いた年賀状の対処法とは?
自分が年賀状を出していない相手から届いた時は、必ず自分も年賀状を出します。年賀状は1月7日までの分であれば消印が押されないので、年賀状が届いてすぐに自分もポストに投函すれば、消印のない状態で相手に届きます。年末年始などの郵便物には、配達遅延も十分に考えられるので、受け取った相手も「ポストに投函したのが年末、ぎりぎりだったのだろう。」程度に受け取ることでしょう。
自分が出していない思いから、つい、お詫びの言葉を入れた年賀状を出してしまいそうですが、松の内に投函できるのであれば問題ありません。「こちらは出していなかった」と認識させてしまい、失礼にあたります。
実際、目上に人への年賀状には、「本来なら直接、年始のあいさつに出向くところですが、年賀状を新年のあいさつへと変えさせていただきます。」の意味があるので、実際に、目上の人への年賀状を出し忘れることはとても失礼といえます。
目上の人に年賀状を出し忘れたうえに、年賀状をいただいたお返しの年賀状を出すということは、失礼にあたりますので、十分に注意が必要です。よって、目上の人で年賀状を出していなかった人から届いたときには、お詫びなどの言葉は入れず、「年末を忙しく過ごしています。」といった風を装った内容にとどめておきましょう。
年賀状を出していいのはいつまで?
年賀状を出す時期をご存じでしょうか?
郵便局が年賀状の引き受けを開始するのは、2019年は12月15日(土)からになり、「年賀状を元旦に届けてほしい人」においては12月25日(火)までにポストに投函するようにと案内されています。
郵便局が年賀状の受付を開始すると、ポストによっては「年賀状専用投入口」が設置されます。郵便局の方でも集荷したはがきを念入りにチェックして仕分けしますが、年賀状を投函する方もマナーとしてきちんと「年賀状専用投入口」に投函しましょう。
期日を注意すべき理由として、いくら年賀はがきであっても12月14日(金)以前に投函された年賀状は、元旦に届けられず、一般の手紙などと同じく、ポスト投函から数日で配達されます。「年賀状のはずが、年末に届いてしまった…。」なんてことになってしまいます。
年賀はがきを年賀状として届けてもらうためには、遅くても松の内(1月7日)までに出す必要があります。「出しそびれた年賀状を松の内より後にしか出せない。」そんな時には、年賀状としててはなく、「寒中見舞い」を1月のうちに出します。
ひとつ注意が必要なのが、年賀状がもともと、新しい年をよろこぶ意味があるため、松の内を越して寒中見舞いとして出すときには年賀はがきは使うべきではありません。
お返しに適した文例
「遅れて出す年賀状には何を書いたらいいの?」と悩んでしまいますよね。ここで年賀状のお返しに適した文例をいくつかご紹介します。(7日までの投函できる場合の文面です。)
〇知人・友人に対して
あけましておめでとうございます
旧年中は大変おせわになり 心よりお礼申し上げます
私は相変わらず慌ただしく過ごしております
本年が皆様にとって 幸多き年となりますように
お祈り申し上げます
これらの文面のあとに「〇〇ちゃんは来年は中学生ですね。」といった一言を添えると、受け取った人もほっこりとした気持ちになります。
〇取引先などの会社関係者へ適した文面として
謹んで新年の
お慶び申し上げます
旧年中は格別なご高配を賜り
厚く御礼申し上げます
念頭に際し 貴社のますますのご発展を心からお祈りいたしております
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます
会社関係者の方へ年賀状のお返しをおくる際にも、松のうちであれば、頂いた年賀状へのお詫びなどは述べず、あくまでも旧年中にはがきを出したと感じさせるように配慮します。
目上の人・会社関係者への年賀状のお返しは、「出し忘れに気づいたらすぐに自分からの年賀状をポストに投函することがベスト」「松の内に届けられるなら、通常の年賀状と変わらないものをおくる。」と頭に入れておきましょう。
寒中見舞いに適した文例
年末年始、留守にしていて「年賀状を確認したのは三が日を過ぎた5日で、今から出しても7日までには届かない。」そんなときでも、必ずお返しのはがきを出すのが礼儀です。
まずはじめに、題字「寒中お見舞い申しあげます」などや新年のあいさつに始まり、次に年賀状をいただいたことへの感謝の言葉を述べます。自分が年賀状をお出しするのが遅くなったお詫びの言葉・自分の近況などを書いたうえで、最後に相手に対する気遣いの言葉をいれます。
寒中お見舞い申し上げます
みなさまにはよき新年をお迎え のことと存じます
このたびはご丁寧な年賀状をいただきまして ありがとうございました
新年のごあいさつが遅くなり申し訳ありません
おかげ様で寒い中、元気に過ごしております
寒い日が続きますがくれぐれもご自愛ください
年賀状を出し忘れた場合でも、きちんとした寒中見舞いを出すことで相手の方への印象も違います。「どうしよう。出していなかった…。」「来年からはきちんと出そう。」などと放置せずに、必ずお返しのはがきを送ります。また、喪中の人で年賀状を出せなかったり、喪中に年賀状をもらっていたりした場合も、寒中見舞いを送りましょう。
喪中はがきを受け取った場合に出す寒中見舞いには、題字を書いた後で、お悔やみの言葉・相手を気遣う言葉を書きます。
寒さの折 皆様いかがお過ごしでしょうか
服喪中のことと存じ 年始のあいさつを遠慮させていただきましたが
いかがお過ごしでしょうか
お寂しい毎日をお過ごしのこととお察しいたします
ご家族の皆様はお力を落としのことと存じます
お心を強くお持ちになりお過ごしください
寒さが続いておりますので お体を大切におすごしください
喪中の人を気遣ったはがきは、受け取った相手も一年に励みとなりますので、喪中で年賀状を出せなかった方に対して忘れず寒中見舞いとして気持ちを伝えましょう。
気をつけたい年賀状の書き方
年賀状は、1年の始まりであるお正月に届けるはがきであり、新年のあいさつがわりでもあるのです。自分が出していなかった人に出す場合にも、年賀状の書き方のポイントとして注意を払いたいのが、「あいさつに使う文面に句読点を入れないこと」です。
たとえば、「旧年中は、大変お世話になり、ありがとうございました。」という文面は「旧年中は 大変お世話になり ありがとうございました」と書きます。
次の気をつけたいのが、「忌み言葉」を使用しないことです。冠婚葬祭ではもちろんのこと、新年の喜ばしいあいさつに忌み言葉は使わないという日本らしい、昔からの礼儀があります。忌み言葉には、「消える・離れる・終わる・去年・失う・壊れる」など、不吉なことを連想してしまうものです。
「去年」という言葉は、年賀状の文面に使ってしまいがちですが、「去年」の「去」の部分は、「さる」とも読めるため、縁起がよくないと感じられることもあります。一年のお礼のあいさつを述べる場合も、「去年」のかわりに「旧年」「昨年」といった言葉を使うとよいでしょう。
ほかにも、たまに年賀状で見かける「一月一日 元旦」の文字ですが、正しくは「一月一日」「元旦」どちらも同じ意味合いのなるので、どちらか片方を選ぶようにしましょう。
年賀状などで書き損じてしまう場合がありますが、二重線をひいたり修正ペンをつかったりするのは失礼にあたるので、やめましょう。
まとめ
自分が出していない人からの年賀状は、うれしいと同時に「どうしよう…。」と慌ててしまいます。年賀状を確認した日からすぐに返事を出せる場合と、松の内に返事を出せない場合では対処法も変わってきます。新年のあいさつにあたる年賀状だからこど、自分が対処できる日に応じた返事の出し方を参考にしつつ、相手にとって失礼のない形で対処したいものです。