師走の忙しい時期も半ば過ぎになると、次に考えなくてはいけないのが新年の挨拶状やお年賀のこと。
「新しい年もまた1年間宜しくお願いします」という相手への気持ちを込めて挨拶状を送ろうと思っても、実際に文章を考えると思うように言葉が出てこないという経験は誰にでもありますよね。
そこでこちらでは年始状に参考にしてもらえる文例を始め、どの様に挨拶にするのがマナーとして相応しいのかなどについて詳しくお話ししていきます。
ビジネスマナーに役立つ年始の挨拶ルール
年が明けると、まず最初にやるべき事の1つに年始の挨拶があります。
社会の中で暮らしていく上で挨拶をするということは日常のことではありますが、特に年が明けて最初の挨拶をする事はとても重要です。
大人になると新年最初にあった相手にどう挨拶するか次第で、相手との付き合い方が変わってしまう場合も。
だとすると、一体どの様に挨拶をするのが相応しいのでしょうか。
基本的に年始の挨拶は、直接相手の元に出向くことがおすすめです。
やはりその年の最初の挨拶でありますし、相手の顔を見て気持ちを伝えたいもの。
親戚などの気心が知れた方の場合、都合がどうしてもつかない時などには電話での簡易的な挨拶でも良いかもしれません。
しかしビジネスシーンにおける挨拶は、よほどのことが無い限り直接挨拶をしに行くのが良いですね。
特に重要な取引先や、日頃から力添えをしてもらっている担当者の方などにはなおさらです。
そこでビジネスシーンで覚えておきたい年始の挨拶マナーをご紹介します。
まずは直接挨拶に伺う場合は、必ず事前に電話連絡などをして相手の都合を聞くことが大事。
いくら年始の挨拶であっても、いきなり伺ったら先方も困ってしまいます。
「いつなら予定が空いているか」ということを必ず聞いてから伺うようにしましょう。
また挨拶に行く場合ですが、自分と同じように年始の挨拶をしたいという方が先方と次の約束をしている場合があるということも知っておきましょう。
あまりに長話をしたり、遅刻して時間を守れないという事は避けた方が良いということは基本。
出来るだけ手短に挨拶を済ませ、すぐにおいとまするという予定でいましょう。
最後に気に掛けたいのが、先方とはあくまでビジネス上のお付き合いであるということ。
つまり友人や知人ではないので、仕事の依頼などに関わってくるということも覚えておいて下さい。
新年の挨拶はビジネスメールで効率良く!
年始の挨拶はもちろん直接伺うことが重要ではありますが、同僚や支社・支店といった、すぐに直接会うことができない方への年始の挨拶はメールで済ませることもおすすめです。
「直接挨拶をしなくていいの?」と思いがちですが、近しい仲間や遠方の方にはマナー違反とは取られないことが多いので安心してください。
挨拶をすることに時間を取られてしまい、肝心の仕事が手につかないという事態は本末転倒。
その事態を防ぐためにも優先順位をつけ、メールでの挨拶を上手に使うのも方法の1つです。
時間を短縮できますし、無駄がありません。
また年始の挨拶文は考えるだけで時間を必要とするもの。
年始に入るとそれまで休んでいた分仕事も増えますし、メール文を考えることに時間を割きたくないですよね。
そのためにも年末までに、何パターンかの挨拶文を用意しておくのが良いでしょう。
テンプレートを作っておいて、後は相手との関係性により内容をチョイスしたり、少し付け足してメールを作ると楽ですね。
新しい近況報告の形である年始状とは?
一見「年賀状」と間違えそうな年始状ですが、どう違うのでしょうか。
その名前の通り、「賀」が付くか付かないかというところに最大の違いがあります。
基本的に「賀」とは、おめでたいという意味がありますので、おめでたくない「喪中」の時などには出さないのがマナーだとされていますよね。
いつも年賀状の交換をしている方などには、「喪中につき…」という事前にお断りをするハガキを出す方も多いでしょう。
その場合は必要事項のみを書き記し、今年は年賀状を控えさせて頂きたいということを強調するはず。
一方で年始状は最近の状況などを書き、相手の近況も伺う事が出来るのが特徴です。
実はこの年始状が出来るきっかけとなったのが東日本大震災。
2011年に日本列島を震撼させた大規模な地震は、二次災害の津波を引き起こし多くの死者や犠牲者を出しました。
運が良く難を逃れた方々も身近な方が被災されたり、自宅が倒壊したりと、誰もが心に大きな傷を負ったのです。
もちろん被災地の方は日々力いっぱい過ごし、現在の状態まで復興したものの、恐怖や悲しみの記憶が消えることはありませんよね。
そんな方に年賀状を出すのはいかがなものか?という事で、始まったのが年始状なのです。
最近はどの様に過ごしているか、または健康面などのお伺いなども年始状であれば書くことが可能。
肝心の年始状の出し方なのですが、基本的には年賀状と同じく正月の三が日に出します。
年賀状と違うのは、専用のはがきを使わないということ。
郵便局では年始状であることは確認しませんので、当然普通ハガキの扱いになります。
もしも到着日を指定したいなどがありましたら、何日の到着になるかを事前に確認しておくことをおすすめします。
年始状用のはがきを購入する際にはあまり派手な装飾のものは避け、できるだけ上品でシンプルなものをチョイスしましょう。
これで安心!年始の挨拶文例をマスター
実際に年賀状、年始状、年始の挨拶をしたい時に、文章を考える事が苦手、または時間が無いという方も多いのではないでしょうか。
文章は相手の顔が見えないだけに気持ちが伝わりやすい反面、誤解もされやすいですよね。
なるべくなら丁寧な文言を考え、相手先に送りたいものです。
そこでこちらではどの様な文例があるのかをご紹介します。
年賀状の場合①冒頭の祝辞②昨年の感謝など③簡単な近況報告④1年の抱負やお願い⑤締めくくりとするのが一般的です。
①まずは冒頭部分
・新年あけましておめでとうございます
・謹賀新年・謹んで新年のお喜びを申し上げます
②昨年の感謝など
・昨年は誠にお世話になりました
・旧年中はご厚情を賜り、感謝申し上げます
・良き新春をご家族でお迎えのことと思います
③簡単な近況報告
・皆さまいかがお過ごしでしょうか?こちらは家族ともども元気で過ごしております
・寒い日が続きますが、体調を崩されたりしていないでしょうか?私も元気でやっております
④1年の抱負やお願い
・厳しい寒さが続きますが、どうかお体をご自愛下さいませ
・まだまだ未熟者ではありますが、今年は昨年よりも結果につながる様に頑張りたいと思います
・本年もなにとぞ宜しくお願い致します
・ご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い致します
⑤締めくくり
・皆さまが健康にお過ごし頂けますように
・皆さまに幸多き年であることをお祈りいたします
これらの言葉や似たような言葉を組み合わせ文章を作ると、とても丁寧で上品なあいさつ文を作ることができます。
ただ基本的に年賀状などにマナーは必要ですが、本当の気持ちや気遣いを入れることでより伝わりやすくなるものでもあります。
素直な思いを文章に書くということが重要になりますね。
年始の挨拶ではこんな言葉を付け加えるとイメージUP!
年始の挨拶が大事であるということと共に、文例などもお話ししてきました。
しかし今年こそは「年始の挨拶時に他の人と差を付けたい!」と思う方もいるのではないでしょうか。
そんな時には通常の挨拶の後に、具体的な目標や抱負を手短に話すのがおすすめです。
「今年こそは〇〇会社との契約にこぎつけるつもりです」や「昨年よりもミスを減らし、皆様に負担をかけぬように努めていきます」などはいかがでしょうか。
この言葉があるかないかで、実は印象が変わることもあるのです。
年始の挨拶は大抵マニュアルの様なものがありますので、無難に済ませることも可能です。
しかしその後に自分らしい言葉を付け加えることにより、人柄や日々どんなことを意識して仕事をしているのかなどが伝わりやすくなるでしょう。
特に挨拶をする方が恩師だったり目上の方の場合は普段の自分の気持ちを話す機会も少ないので、せっかくなのでしっかりとアピールしてみましょう。
もし立場が自分の方が上で、部下などに挨拶をされた場合の声掛けの時も同じくです。
「今年は一緒に頑張ろう」や「いつもありがとう」などという言葉を付け加えるだけで、相手との信頼関係を築くことが出来るという場合もあります。
せっかくの年始の挨拶。
やはりいつもは言えない様な本当の気持ちを素直に伝えるだけで、印象も変わり絆も深くなることもあるでしょう。
まとめ
こちらでは年始の挨拶についてまとめてきました。
一年の中でも重要項目の1つである年始の挨拶は直接会って伝えるのがもちろんベストではありますが、メールや年賀状、年始状などでも誠心誠意の気持ちであれば理解してもらえます。
挨拶はマナーの基本でもありますし相手のことを気遣いつつ。
出来るだけ「自分の気持ちを自分らしい言葉」で表現することも大事なことでしょう。
年始の挨拶をする際には、是非参考にしてみて下さいね。