八幡様をご存知でしょうか?全国各地で多くの人が八幡様という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?でも、八幡様が一体どういうものなのかを詳しく知っている人は少ないかも知れません。
ここでは、八幡様って一体何?というところから、八幡様のご利益、お参りの方法、御朱印集めに関してまでを詳しくご紹介します。
八幡様はどんな神様なの?
八幡様とは、八幡神(はちまんしん・やはたのかみ)と呼ばれ、昔から日本で信仰されています。且つては、全国の武家から、武運の神である武神「弓矢八幡」として崇められていました。
親しみを込めて八幡様と呼ばれることが多いのですが、別名を誉田別命(ほんだわけのみこと)といい、誉田別命=応神天皇であるとされています。現在の神道は、八幡神=誉田別命(応神天皇)の神霊とされていて、この応神天皇が主神となり、比売神、神功皇后(応神天皇の母)が「八幡三神」として祀られています。一部の神社では、この八幡三神として、応神天皇と玉依姫命、武内宿禰 、仲哀天皇を祀っているところもあります。
八幡宮とは何?総本社・総本宮はどこなの?
八幡神を祀っている神社は、八幡宮(八幡社、八幡神社、八幡様、若宮神社など)と呼ばれています。八幡神を祀る神社は日本全国で1万~2万社もあり、稲荷神社と肩を並べる数になっています。
中でも、総本社と呼ばれているのは、大分県にある宇佐神宮(宇佐八幡宮)です。
三大八幡は、前述の宇佐神宮、京都府の石清水八幡宮、福岡県の筥崎宮、鎌倉の鶴岡八幡宮などを指します。これらは、4社ありますが、三大八幡の捉え方・考え方で組み合わせが変わります。
諸説ありますが、八幡様と鳩には非常に密接関係があります。応神天皇が国を治める際に水先案内人となったのが鳩だといわれているため、有名な八幡宮では鳩を模る彫刻や飾りなどが存在します。
八幡様にはどんな祈願をすべきなの?
農耕の神を祀る稲荷神社には農耕の無事や豊作を祈願し、学問の神と呼ばれる菅原道真を祀る天神には勉学の成就や学力向上を祈願するなど、日本の神社は祀られている神がそれぞれあり、神が違えば当然ご利益も異なります。では、八幡様には、どのような祈願をすべきなのでしょうか?
八幡宮に祀られているのは、応神天皇など八幡三神であり、かつては武家に武運の神として信仰されていました。現在ではその名残も一部残っており、出世祈願、交通安全祈願、家内安全祈願、厄災削除祈願、学業教育祈願などが主に行われています。応神天皇が主神ですが、一緒に祀られている神により、ご利益が少々異なります。
比売神を祀っている八幡宮では、夫婦円満祈願や恋愛成就祈願のご利益があります。
八幡様への参拝方法は?
八幡様への参拝方法は、一般的な神社への参拝の仕方と同じです。
1.鳥居
神社に到着すると、まず目に入るのが鳥居です。鳥居は、神社の入口に建っています。この鳥居をくぐると神域になります。鳥居は神様の通り道だからくぐらない方が良いという説もありますが、人が通ってはいけない訳ではありません。
鳥居をくぐることで穢れを落とすという意味もあります。くぐる際には、できるだけ帽子や上着を脱ぎ、左足から足を踏み入れます。
2.参道
神社の参道は、左側を通ります。参道の中央部分は「正中」と呼ばれていて、神様の通り道とされています。真ん中に立って神様を邪魔しないように、左側を歩きます。(※ただし、伊勢神宮を除く)
3.手水
いきなりお参りに入る人も少なくありませんが、境内の傍らにある手水でお清めをしてから参拝しましょう。
<手水でのお清め手順>
- 柄杓で水をすくいます。
- 左手の指や手のひらを洗います。
- 柄杓を左手に持ち替えて、次は右手の指や手のひらを洗います。
- 再び柄杓を右手で持ち、左手に水を注ぎ溜め、その水を口に含みすすぎます。※この時、音は立てません。
- 口に入れた水を出します。左手で口元を隠します。水を出したら、左手を洗います。
- 最後に、水で柄杓の柄を洗い元の場所へ戻します。
このように、手水を使用しますが、禁止事項もあります。
<手水を使う際の禁止事項>
- 柄杓に口を付ける
- 手水の水を飲む
- 手水の水盤を触る、手を入れる
4.鈴
拝殿の前には鈴があり、紐を引いて鳴らすことができるようになっています。
鈴の代わりに、玉串を捧げるところもあります。
5.拝礼
神社の拝礼の基本は、「二礼二拍一礼」です。
二回深くお辞儀をして、二回手を鳴らし、再度お辞儀を一回します。
でも、二礼二拍一礼をどのタイミングでするか迷う人がいるかも知れませんので、次のタイミングで行うようにしましょう。
- 拝殿の前に進み、軽く一礼します。
- お賽銭を入れて、鈴を鳴らします。
- 二礼二拍一礼をします。
- 最後に軽くお辞儀をします。
このように参拝を行ないます。
八幡様の有名なお祭りは?
八幡様で有名な神社では、参拝者が参加できるお祭りなどが存在するのでしょうか?
鶴岡八幡宮では、毎年9月14.15.16日の3日間に「例大祭」というお祭りが盛大に執り行われます。800年の歴史と伝統があり、日程の一部で馬に乗って矢を射る、流鏑馬(やぶさめ)も行われます。
流鏑馬の観覧もできるのですが、非常に混雑するため、事前に鑑賞スポットの情報を集めてから向かうと安心です。
宇佐神宮では、毎年夏(7月末頃)に「夏越祭り」が行われます。約1千発の花火が上がり、夜まで楽しめます。参拝客も増え、表参道にある商店街も賑わいます。
石清水八幡宮では、毎年9月に石清水祭が行われます。真夜中に松明の明かりを頼りに八幡大神を乗せた御鳳輦(ごほうれん)と呼ばれるものが山を下ります。500名ものお供を従えた行列が見られます。
筥崎宮では、毎年秋に「放生会」と呼ばれるお祭りが行われます。これは、博多三大祭の一つでもあり、7日間に渡り盛大に執り行われます。期間中は表参道一帯に数百もの露店が並びます。「九州随一の秋祭り」との呼び名が高いお祭りです。
このように、様々な神社で多くのお祭りや行事を行なっています。前述の様な大きなお祭りの他にも、二年参りや初詣、節分に桜祭りなど、一般参拝者も参列できるものも多いですし、境内で結婚式などを目にすることもあるかも知れません。様々な行事に積極的に参加してみるのも面白いかも知れませんね。
八幡宮巡りは御朱印集めにも最適!
近年、御朱印集めをする人が増えています。御朱印は、神社の社務所、寺院などで押印してもらえるスタンプのようなもので、お参りをした証になるとされ、非常に人気があります。元々御朱印というものは、写経を納めた証として与えられていましたが、今ではお参りの証として与える神社や寺院が多いようです。御朱印には、訪れた年月日、神社や寺院の名前、御本尊様の名前などが記されています。もちろん、各神社・寺院でデザインも異なります。
御朱印の初穂料は、およそ3百円~5百円前後になります。限定の御朱印などは少し金額が上がることもあります。金額も各神社・寺院で異なります。
御朱印帳も可愛いものや綺麗なものが沢山販売され、巡った神社や寺院の御朱印を集めることで、自分だけの御朱印帳が作れます。すぐに足を運べる神社だけでなく、遠方の神社に足を運ぶ方も多く、神社巡りの旅行に出かける人もいます。
八幡様を含め、全国各地に存在する神社はパワースポットです。パワーを貰いに足を運んでみても良いかも知れません。
現在、日本各地に存在する八幡宮では、御朱印を希望する参拝者に「八幡大菩薩」の墨書きのものを渡しています。
御朱印を集める際の注意点
御朱印は、必ずお参りをした後にもらいましょう。御朱印が欲しいからといって、お参りをせずに貰おうとするのはマナー違反です。記念スタンプではありませんので、注意しましょう。
お祭りやイベント行事など、参拝者が多く混み合う時は、いつもと違う場所で御朱印を受け付けていることもあります。事前に案内が出ていますので、確認してから向かうようにしましょう。
御朱印を頂く際には礼儀正しくしましょう。社務所などに声を掛ける際は、「御朱印をお願いできますか?」と声を掛けます。そして、頂くときも「ありがとうございました」ときちんとお礼を言いましょう。声を掛ける際に、御朱印帳と初穂料をお渡しする準備をしておくとスムーズです。
混雑具合にもよりますが、御朱印には日付などを書き入れてもらうため、少し時間が掛かる場合があります。待つ間は煩くしないのが基本です。神社や寺院で騒ぐのは他の参拝客にも迷惑が掛かります。マナーを守り、楽しく御朱印集めをしましょう。
御朱印帳を忘れた場合は・・・?
御朱印帳を忘れた場合でも、「書き置き」と呼ばれる御朱印が書かれた紙を貰えることが有ります。
御朱印帳に貼り付けることができるため、そのようなものがあるかどうかを確認してみると良いでしょう。
ノートや他の手帳に御朱印を貰うのはおすすめできません。神社や寺院によっては、御朱印帳でない場合、お断りをされることもあります。御朱印帳自体を販売している神社や寺院もありますので、手持ちの御朱印帳が無い場合、書き置きや御朱印帳の有無も確認してみると良いかも知れません。
まとめ
八幡様とは、古くから人々に崇められていた八幡神のことを指します。八幡神は応神天皇の神霊といわれています。現在も全国1~2万社の八幡宮で祀られています。ご利益は祀られている八幡三神により少々異なります。自分の願いと合致する神社があれば、そちらに出向いてみても良いでしょう。神社は神聖な場所ですので、参拝の際は、マナーや手順をしっかり守りましょう。
近年では、御朱印帳を持参し、お参りをした際に御朱印を集めるという人も多いものです。御朱印は尊いものですし、お参りの思い出にもなりますので、興味があれば集めてみても良いかも知れません。