内祝いを贈る際、タブーがあることをご存知でしょうか?内祝いには守らなくてはならない常識があり、それを冒すことはタブーとされています。現代では、品物や選び方、贈り方も多種多様になってきましたが、どんな事に注意をすべきなのでしょうか?ここでは、内祝いのタブーについて、詳しくご紹介します。
内祝いとは一体どんなものなの?
結婚、出産、入学など、人生にはめでたい御祝い事があります。我が国日本では、御祝いをくれた相手に対しお礼としてお返しをするのですが、そのお返しを「内祝い」と呼びます。
内祝いは、頂いた金額の三分の一程度を目安に贈ります。お返しですが、「御祝いのお返しです」と相手に伝えるのはマナー違反です。あくまで「内祝いです」と伝えてお渡ししましょう。
内祝いは頂いた御祝いのお返しですが、感謝の気持ちだけでなく、幸せの御裾分けという意味も持ちます。贈られた相手も幸せな気持ちになるので、必ず贈りましょう。
内祝いは、手渡しや郵送で贈るのが一般的です。
内祝いのタブーとは?
内祝いには、最低限のマナーがあります。そして、それらを守らない事はタブーとされています。タブーは様々な点でありますが、例えば、御祝いを頂いたのに、何も返さないのということはタブーです。事前に内祝い辞退の申し出をいただいていたとしても、新婚旅行のお土産、帰省の手土産のような自然な名目で何かしらを返すべきであるといえます。不要の申し出を真に受けて何も返さないのは、非常識な家庭だと思われ、今後の付き合いにも響いてしまいます。内祝いは感謝の気持ちと幸せの御裾分けという本来の意味を考え、贈るようにしましょう。
また、目上の人の方が社会人生活が長いせいか、比較的マナーに厳格である傾向があります。ただ、相手が若いからといってないがしろにするものではありません。御祝いを頂いた全ての人に対して、マナーを守った内祝いを贈りましょう。
内祝いを渡すタイミングはいつがベスト?
内祝いは、御祝いを頂いてから1ヶ月以内に贈るのがベストです。相手が忘れるほど遅くなってしまうと失礼ですし、あまりに早過ぎても驚かせてしまいます。内祝いを贈るまでに1ヶ月程の猶予がありますが、御祝いを頂いたら、すぐにお礼の連絡を入れるのを忘れないようにしましょう。特に郵送の場合、贈った方は何の音沙汰も無いと「きちんと届いたかしら?」と不安になってしまいますし、失礼だと感じてしまいます。そのため、御祝いが届いたこととお礼は先に伝えておきましょう。
相手が喪中でも内祝いは贈って構わないといわれています。ただ、忌中でバタバタしている時に贈るのは気が引けますので、相手が四十九日法要を済ませ一段落したタイミングを見計らい贈るようにしましょう。
また、忌中や喪中の相手には、内祝いという表書きではなく、御礼として贈りましょう。
内祝いの品物は縁起の悪いものに要注意!!
内祝いは縁起の悪い品物を贈らないという暗黙の了解があります。では、縁起の悪い品物とは、具体的にどんなものを指すのでしょうか?
ハサミやナイフなどの刃物は、「縁を切る」という意味合いに繋がりますので、避けましょう。櫛はその名前から「苦しむ」「死ぬ」など悪いイメージが連想させてしまいます。
陶器や鏡など割れるものは、関係が壊れてしまうというイメージがありますし、輸送中に割れてしまう危険があり避けた方が良い品物です。
また、葬式や法事などの弔事で用いられる日本茶やハンカチは、縁起の悪い連想をさせますので、慶事の内祝いには不向きです。
近年ではオシャレで美味しい塩商品も様々ありますが、塩はお清めの塩を連想させるため避けたいものです。
靴や靴下、草履、スリッパなどは「踏み付ける」ものであり、目上の方へ贈るのは失礼にあたります。
頂いた御祝いが現金でも、現金や金券を返すことは避けましょう。金額がはっきりしてしまうため失礼なのです。
生ものなど消費期限が短すぎるものは相手に迷惑になることがありますのでNGです。大きな品物や家具、家電なども相手に迷惑がかかります。
結婚内祝いなどでは二人の名前入りの置物などが贈られることもあります。でも、実際に名入りのものは使い辛くて不評です。同様に出産祝いでは赤ちゃんの名前の入った食べ物などが贈られますが、名前や写真の入ったお菓子なども食べ辛いと言われています。
このように、自己満足よりも、相手のことを考えた品物選びをするのが内祝いの基本といえるでしょう。
内祝いは金額にも注意!
内祝いを贈る際は、その品物の金額にも注意したいところです。
頂いた御祝いよりも高価なものであったり、明らかに少額のものでは失礼にあたります。内祝いの相場としては、およそ三分の一から半額程度というのが一般的です。「高価な物なら良いのでは?」「返せば何でも良いのでは?」と勘違いしている人も居るかも知れませんが、相場を守ることは非常に大切なことなのです。
もし5千円の御祝いを渡して1万円の品物が返ってきたら、贈り主は「迷惑だったのかしら?」と悩んでしまいます。反対に少額なものすぎると御祝いの気持ちを軽視された感覚になるでしょう。
情報社会の現代では、品物の値段がすぐ調べられてしまいますので、その点を踏まえ相場と大きくかけ離れないよう注意しましょう。
御祝いへの感謝の気持ち!熨斗やお礼状を忘れない
内祝いを贈る際には、相手に感謝の気持ちを伝えることが大切です。内祝いの品物に熨斗やお礼状を付けることも感謝を表わす大切なものなので、忘れず付けるようにしましょう。
熨斗の水引は御祝いにより異なります。結婚の場合は「結び切り」、出産の場合は「蝶結び」を使用します。結び切りの水引は固く結ばれて簡単には解けません。そのため、主に結婚の内祝いに用いられます。蝶結びの水引は、何度も解いて結び治せるため、何度あっても嬉しい慶事やその内祝いに使用されます。
熨斗紙の上段には濃い墨ではっきりと「内祝い」と記し、下段には自分の名前を書きます。出産の内祝いの場合は、子供の名前を書きます。近年では、名付けも凝ったものが多いため、漢字の名前に振り仮名をつけ読み間違いのないようにしている家庭も多く有ります。
親しい仲でも手を抜かず、きちんと写真を付けたり、お礼状やメッセージを付けると喜ばれます。
相手が失礼だと感じてしまう贈り方はしない
内祝いは、相手にとって失礼な贈り方をしてしまうと台無しです。本来であれば、御祝いを頂いた家庭一件毎に足を運び、顔を見て近況報告をしながらお礼をするというのがマナーですが、その点を忘れて「どんな形でも相手の手元に届けば良い」と考えている人も多くなっています。
そのため、自分では無く友人や親族経由で内祝いを渡す人もいますが、それは非常識です。
また、前述の様に相手が忌中の場合など、図らずとも失礼な贈り方になってしまうパターンもありますので、相手の状況をよく確認してから贈るようにしましょう。
快気祝いと快気内祝いの違いに注意!
怪我や病気などでお見舞いを頂いた際には、快気祝いや快気内祝いというものを贈ります。
快気祝いと快気内祝いは名前が非常に似ているので、混同している人も多いのですが、実は意味が異なりますので注意が必要です。
快気祝いとは、怪我や病気が完治、全快した時に贈る内祝いです。「完治しました」という報告と共に贈られます。一方、快気内祝いは、全快はしておらず、今後も通院や治療が必要ではあるものの、状態が一段落した時に贈ります。入院していた人が退院をしたタイミングなどで贈られる場合がほとんどです。「今後は自宅療養に移ります」というような報告と共に贈られます。
これらは、どちらもお見舞いを頂いた本人が贈ります。快気祝い、快気内祝いの際は、結び切りの水引を使います。何度も起きてもらいたくないという意味を持つためです。
まとめ
御祝いを頂いた際には、必ず内祝いを贈ります。
我が国では、内祝いに限らず、贈り物には最低限守らねばならないマナーとタブーが存在します。それらを無視してしまうと、非常識な人という印象になり、その後の付き合いに悪影響を及ぼしてしまいます。
内祝いを贈る際には、主にタイミング、金額、品物の3点に注意をすることで、タブーを冒す可能性が減ります。面倒くさがらず必ず確認するようにしましょう。また、大切なのは、内祝い本来の意味を知り、相手に感謝の気持ちと幸せの御裾分けをしたいという想いを持つことです。その辺を忘れないようにしましょう。