結婚内祝いを贈る前に相手から出産祝いをいただいた場合や、授かり婚で結婚と出産の時期が近い場合などは、内祝いをまとめて贈っても良いか迷うこともあるでしょう。 本記事では、内祝いをまとめて贈っても良いのか?同時に贈っても良いのか?といった疑問や、渡すタイミング、熨斗といった内祝いのマナーについてご紹介しています。内祝いをこれから準備する方、まさに今準備中の方のご参考になれば幸いです。
結婚内祝いと出産内祝いはまとめて贈ってもいい?
結婚内祝いと出産内祝いを一つの内祝いでまとめて贈ることは、相手に対し失礼に当たるとされています。
たとえ結婚内祝いと出産内祝いを贈る時期が重なっていたとしても、結婚祝いには「結婚内祝い」出産祝いには「出産内祝い」の名目ごとで贈るのが適切です。
しかし、最近では“まとめて贈ってもらって構わない”という声も増えており、相手との関係性や相手の考えによってはまとめて贈っても良いでしょう。
とはいえ、不快に感じる人がいる可能性もあるため、親族や上司など目上の人へ贈る内祝いは別名目でそれぞれ用意することをおすすめします。
結婚&出産内祝い、別名目なら同時に贈ってもOK?
結婚内祝いと出産内祝いを“まとめて贈る”のはマナー違反ですが、贈るタイミングが同時期になってしまうことは問題ありません。
特に、授かり婚で結婚と出産の時期が近い場合は、お祝いを同時にいただくこともありますね。その場合、結果的に結婚内祝い・出産内祝いが同時期や同じタイミングになったという人もいるようです。
結婚内祝い・出産内祝いを贈るタイミング
結婚内祝いを贈るタイミング
基本的には、結婚式または入籍から1か月以内が結婚内祝いを贈るベストなタイミングとされています。
ただし、早い時期にお祝いをいただいたケースでは、内祝いまでの期間があまり長くなると気になってしまうでしょう。早めにお祝いをいただいた時は、結婚式を待たずに内祝いを贈っても問題ありません。
出産内祝いを贈るタイミング
出産内祝いは、赤ちゃんが生後2ヶ月を迎えるころまでには贈った方が良いとされています。
ただし、産後は体調の変化も大きく、母子ともに落ち着くまでは時間がかかります。どうしても遅くなってしまう場合は、お詫びの言葉を伝え渡せる時期に内祝いを渡しましょう。
結婚と出産のお祝いを同時にいただいた場合
授かり婚で結婚式(入籍)の時期と出産時期が近い場合、結婚祝いと出産祝いを産後に同時にいただくこともあるでしょう。
同時にいただいた場合は通常の出産内祝いを贈るタイミングに倣い、結婚内祝い・出産内祝いを同時に贈っても問題ありません。その場合も、内祝いは「結婚内祝い」「出産内祝い」の別名目で二つ用意する必要があります。
結婚・出産内祝いはそれぞれ熨斗(のし)が必要?
結婚内祝いと出産内祝いを別名目で贈る時は、それぞれに熨斗をかけましょう。結婚内祝いと出産内祝いに適切な熨斗についてご紹介します。
・結婚内祝いの熨斗
水引:一回切りの意味を持つ「結び切り」が適切です。
表書き:「内祝い」か「寿」を使用しましょう。
記名:水引の下部分に名字またはフルネームで記名します。
・出産内祝いの熨斗
水引:繰り返し起こっても良い祝い事のため「蝶結び」が適切です。
表書き:「内祝」か「出産内祝」を使用しましょう。
記名:水引の下部分に名字またはフルネームで記名します。
※出産内祝いは「内熨斗(うちのし)」が慎ましく丁寧であるとされています。
内熨斗とは、包装する前に熨斗をかけ、上から包装紙で包む方法です。
・郵送の場合
結婚内祝いでも出産内祝いでも、郵送する場合は内熨斗がおすすめです。
内熨斗にすることで郵送の際に、熨斗に汚れやしわがつくことを避ける目的があります。
熨斗をかけると名目がはっきりとするため、親しい相手に贈るものでもかけた方が良いでしょう。特に、親戚や上司など目上の人への内祝いは熨斗の種類やかけ方を間違えないように注意しましょう。
結婚内祝い・出産内祝いにはメッセージカード添える?
結婚内祝い・出産内祝いにはメッセージカードを添えるとより丁寧な印象を与えます。必ず添えなければいけないわけではありませんが、以下のケースでは添えることがマナーとされています。
- 内祝いを贈る時期を過ぎてしまった時
- 内祝いを郵送で贈る時
上記以外の場合でも、感謝を文章で伝えたい場合や目上の人へより礼儀を重んじたい場合はメッセージカードをつけても良いですね。結婚内祝いには結婚祝いのお礼を、出産内祝いには出産祝いのお礼を書いたメッセージカードを添えて贈りましょう。
【メッセージカードの内容】
メッセージカードには以下の内容を書くと、お礼や近況が伝わりやすいでしょう。
- 季節の挨拶文
- お祝いをいただいたお礼
- 子どもの名前や誕生日(出産内祝いの場合)
- 近況や今後のこと
- 内祝いを受け取ってほしい旨
書くときは、目上の人には丁寧な言葉遣いを意識しましょう。親しい友人へのメッセージはお礼をしっかりと伝えられるものであれば、内容や言葉遣いにあまりこだわらなくても良いでしょう。贈る相手に合わせたメッセージが最適です。
結婚内祝い・出産内祝いの渡し方
◆手渡し
内祝いは「直接手渡し」が最も丁寧な方法です。都合が合う場合は手渡しで贈り、お礼を伝えるのがおすすめです。
突然の訪問は相手にとっても負担になる場合があるため、事前に連絡をして予定を合わせておきましょう。
◆郵送
内祝いを直接手渡しできない場合は、郵送で贈りましょう。特に、相手が遠方の場合や自分が産後の場合は郵送が選ばれやすいようです。
郵送する際は、事前にいつ頃荷物が届くのか連絡をしておくと安心です。
◆組み合わせ
結婚内祝いと出産内祝いを贈る場合は、結婚内祝いを直接手渡し、出産内祝いを郵送で贈るというケースもあります。
もちろん両方手渡し、両方郵送でもマナーを守れば問題ありません。
結婚・出産内祝いではNG!タブーとされる行為
結婚内祝いや出産内祝いには不適切とされる行いがあります。最低限守るべきとされるマナーをご紹介します。
いただいた品の金額に見合わないものを贈る
結婚内祝い・出産内祝いの品物の金額は、いただいた額の半額程度が目安です。
目安よりも高額なものや低額のものは、相手に気を遣わせたり不快な気持ちにしたりと失礼な印象を与えかねません。お礼の気持ちをしっかりと伝えるためにも、マナーとされる金額は守りましょう。
ただし、いただいたお祝いが高額なものだった場合は3分の1程度の金額の品を選んでも、マナー違反にはなりません。いただいたもののおおよその価格を調べ、2分の1~3分の1程度のお返しになるよう調整しましょう。
内祝いを人づてに渡す
内祝いはお礼の気持ちであり、人づてに渡すことは失礼にあたります。
遠方の場合や直接手渡しできない場合は郵送を手配し、必ず本人(夫婦)から贈りましょう。
内祝いに適さない品物を贈る
結婚内祝いや出産内祝いには適さない品物もあります。うっかり選んでしまうと失礼な印象を与え、今後のお付き合いにも影響を及ぼしかねないため注意しましょう。
①日本茶
日本茶は香典返しに用いられることが多く、結婚・出産といった慶事用のギフトとしてはあまり向いていません。お茶の中でも、紅茶であれば慶事でも贈って良いとされています。
②刃物
刃物は「縁を切る」を連想させるため、贈り物としては避けた方が良いでしょう。ハサミや包丁、ナイフなどは贈り物に適していません。
③ハンカチ
ハンカチは「手切れ」を連想させるため、なるべく避けた方が良いでしょう。ハンカチではなくハンドタオルやミニタオルなど、似たものを贈るといった方法もあります。
④割れやすいもの
割れやすいガラス製品や陶器は「割れる=仲が割れる」と考えられることから、結婚内祝いに不向きとされています。しかし、グラスやカップなどの薄いものを避ければ贈っても良いとする意見もあります。相手の価値観がわからない場合は避けた方が無難な品物です。
⑤金券、商品券
一目で金額がわかってしまう金券や商品券、ギフトカードなどは、内祝いとして贈るのは失礼だと考える人もいます。特に、目上の人に贈るのはタブー視される可能性が高いため、避けることをおすすめします。
まとめ
今回は結婚内祝いと出産内祝いを贈る時期が重なってしまった場合について解説しました。
時期が重なっているとまとめてしまいたいという気持ちも芽生えるかもしれませんが、内祝いはお礼の気持ちを表すもののため名目ごとに準備することが大切です。
授かり婚で出産までの日数が少ない場合、準備する品物の数が多くなると慌ただしくなってしまいますね。産後に内祝いを渡すなら、出産前にある程度品物の目星をつけておくと段取り良く準備しやすいでしょう。
結婚内祝いや出産内祝いは今後の円滑なお付き合いにも大事なものです。感謝の気持ちをきちんと伝えるために、基本的なマナーをおさえて内祝いを贈りましょう。