この記事にたどり着いたということは、きっとあなたは結婚式を控えた方ですよね。
まずはご結婚おめでとうございます。
結婚式(披露宴)や結婚パーティー、二次会で主催者である新郎新婦がゲストに向けてウェルカムスピーチ。
多くの新郎新婦にとって初めての経験なので分からなかったり、戸惑ってしまうことは当然です。
何も心配しなくても大丈夫。
この記事では結婚式の司会歴10年の筆者が、新郎新婦のスピーチの基本やマナー、それぞれの状況に合わせた例文などをご紹介します。
ウェルカムスピーチは新郎の役割?
基本的には「新郎のみが行う」または「新郎のスピーチのあとに新婦が一言付け足す」場合が多いです。しかし、「必ずしも新郎がしなければならない、メインでなければならない」という決まりはありません。
筆者は、新婦がウェルカムスピーチをした結婚式を数回担当したことがありますが、理由は「新郎があがり症だから」「新郎が口下手だから」などでした。
新婦のみがウェルカムスピーチをすることはなんの問題もありませんし、決してマナーに反することではないので安心してください。
ただし、年配の親族や会社の上司から見ると、もしかしたら新婦がでしゃばっているように見えてしまうかもしれません。
なのでできれば、なぜ新婦がピーチをすることになったのか、理由をさりげなく入れると誤解を招かないかなと思います。
ウェルカムスピーチの構成
ウェルカムスピーチはお祝いにかけつけてくれたゲストに感謝お気持ちを伝えるものです。
時間はだいたい1.2分程度を目安にしましょう。
基本の構成
基本的には3つの項目から構成します。
- 感謝の気持ちとお礼
- 結婚のご報告
- 結びの言葉
です。
まずは感謝の気持ちを述べた上でお礼の言葉を伝え、改めてゲストの前で結婚の報告をし、おもてなしの気持ちを伝えて結びます。
シンプルにまとめるとおそらく2分以内のスピーチになるでしょう。
気をつけること
特に気をつけて欲しいのは2つです。
忌み言葉
結婚式には使ってはいけない忌み言葉というものがあります。
具体的には、「別れる・終わる・消える・流れる・捨てる」などの別れを連想させる言葉、「苦しい・災い・悲しい・辛い・滅びる」などの不幸や不吉を連想させる言葉、「たびたび・ますます・重ね重ね・わざわざ」などの繰り返しの言葉(再婚を連想させるため)です。
結婚式はもちろんのこと、パーティーや二次会でも使わないように注意しましょう。
忌み言葉でなくても、スピーチの席ではネガティブな言葉、誤解を受ける可能性がある言葉などは使わないようにしてくださいね。
妊娠している場合
結婚式の時にすでに妊娠しており、それを結婚式に発表することを視野に入れている場合は、ご自身の体調と両家に相談した上でどうするか決めましょう。デリケートな話なので自分1人で決めるのではなく、近い親族には相談するのがベストです。
スピーチの手順
ウェルカムスピーチは結婚式の最初に行います。
新郎新婦が入場後、開宴してからすぐに司会者から声がけがあります。
司会者から振られたら、その場でゆっくり立ち上がり、背筋をまっすぐに伸ばして同じくゆっくりと丁寧に一礼をします。この時、新郎新婦の動きのタイミングが合うとより美しく映ります。
マイクは口元が近すぎても遠すぎても声が聞きづらいので、目安は口とマイクの距離をこぶし一個分あけると覚えておいてください。
緊張すると早口になりがちなのでゆっくり落ち着いてしゃべりましょう。
自信がない場合は、あらかじめ紙に内容を書いておき、それを見ながら読んでも問題ありません。
できるだけゲストの皆さんに顔が見えるよう、顔を上げて笑顔で挨拶をしましょう。
大丈夫、時間にしてたった1.2分。始まりさえすればあっという間ですよ。
ウェルカムスピーチの例文
いくつか例文をまとめます。
上司など目上の方もいる場合
上司などが出席してくださっている場合は、あまり砕けすぎず、少し固めの言葉を意識して選びましょう。
「本日はお忙しい中、私たちの結婚披露宴にお越しくださいまして誠にありがとうございます。
皆様に温かく見守っていただきながら、新しい人生の門出を迎えることができました。
本日は日頃よりお世話になっている皆様方へ感謝の気持ちをお伝えしたいと思い、ささやかではありますがおもてなしの準備を進めてまいりました。
短い時間ではございますが、楽しんでいただけたら幸いです。」
身内(親族など)だけの場合
気心の知れた人ばかりの結婚式なら、あまり難しい言葉を使う必要はありませんが、特に親や祖父母からすればあなたはいつまでたっても可愛い子供のイメージを持たれている場合が多いでしょうから、あえてしっかりとしたスピーチで頼もしい姿や成長した姿を見せて安心させるのも孝行になります。
「本日はお忙しい中、私たちのためにお集まりいただきありがとうございます。
幼い頃から(日頃から)お世話になっている皆様に感謝の気持ちを込めまして、私たちなりにおもてなしを用意させていただきました。
気心の知れた内輪の席でございますので、ごゆっくりお寛ぎいただければと思います。
お開きの時間まで楽しんでいただけたら幸いです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
カジュアルな場合(結婚パーティーなど)
カジュアルなパーティーでかしこまったスピーチをすると、ゲストがリラックスしづらいので、難しい言葉は使わず、元気よくスピーチをする方が良いでしょう。
「本日はお忙しい中、私たちの(僕たちでも可)のためにお集まりいただき本当にありがとうございます。
おかげさまで、本日私たちは大切なみなさんに温かく見守られながら、無事に式を挙げることができました。
今日はアットホームな雰囲気のパーティーでみなさんをおもてなしできればと思っています。
リラックスしながら楽しんでもらえたら嬉しいです!」
遠方からのゲストが多い場合
新郎新婦の実家が離れている場合など、遠方からくるゲストが多くいる結婚式は珍しくありません。
そんな時は一言気遣いの言葉を入れましょう。
「本日は私たちの結婚披露宴にお越くださいまして誠にありがとうございます。
遠路はるばるお集まりいただいた方も多く、北は○○、南は○○からご出席いただいており、感謝の気持ちでいっぱいでございます。
私たちは先ほどの人前式で皆様の承認を受け、晴れて夫婦となることができました。
これも日頃より私たちを支えてくださる、ここのいる皆様のおかげです。
本日はささやかですが宴席を儲けさせていただきました。
短いお時間ではございますが、お楽しみいただけたら嬉しく思います。」
応用編
人前でしゃべることに慣れている場合は、その日の天気の話を加えたり、2人のエピソードや結婚式直前の2人の会話や行動の話を加えるなどして、お二人らしい挨拶にするのも素敵です。
特に結婚パーティーや二次会なら堅苦しい言葉を使う必要はないので、多少砕けてみても楽しいかもしれませんね。
まとめ
大勢の人の前でしゃべるのはなかなか緊張してしまいますよね。
でも大丈夫。結婚式の主役は新郎新婦のお二人です。ゲストに対する感謝の気持ちと必要最低限の礼儀があれば、皆さんは温かい目でお二人を見守ってくれます。
結婚式の準備はほんんとうに大変だと思いますが、最高の式になるよう、頑張ってくださいね。