兄弟が結婚するというのは、とてもうれしいことですね。でもいざ、お祝いを用意するとなると、一体ご祝儀の相場はいくらなのか、プレゼントはどうしたらいいのかまたは披露宴をしない場合はどうしたらいいのか、など悩みは尽きませんね。一般的な相場と自分のケースでは同じに考えていいのか分からないこともあります。自分の年齢、披露宴の有無、参加人数を一人、夫婦、家族などに分けてお祝いについての考え方をご紹介します。
兄弟の結婚祝いはどうしたらいいの?
兄弟の結婚は、とても嬉しいものですね。長い時間を一緒に過ごしてきた兄弟は、一番近く、何でも分かり合える存在で喜びもひと際です。そんな兄弟だから、親しい、近い存在であるからこそ、結婚という一大イベントでは礼儀にかなった対応が求められています。『親しき仲にも礼儀あり』とはよく言ったもので、現在の良好な関係を保つため、将来の良好な関係を維持していくためには、礼儀にかなった対応をすることが大切です。今の自分にとっては良くても、たとえ兄弟であっても相手にとっては良くないこともあります。
『親しき仲にも礼儀あり』の語源といわれるものの一つに論語があります。論語の学而の第1の12に『有子曰。禮之用。和爲貴。先王之道斯爲美。小大由之。有所不行。知和而和。不以禮節之。亦不可行也。』というのがあります。このままでは分かりづらいので関係ある部分を現代語訳すると、『和を知りて和するも、礼をもってこれを節せざれば、また行うべからざるなり』で、要するに、和は大事でそれを忘れてはならないけれど、礼儀をもって節度を加えないと結局はうまくいかないということ。このように古くから、どんなに親しい間柄であっても礼儀にかなった振る舞いが必要だと認識し、行動してきたということです。
さて、礼儀にかなった結婚祝いをするというのは実際にはどういうことかというと、お祝いの気持ちを伝えるのと共にお祝いの品物を贈るということです。品物にはもちろんご祝儀も含まれます。
結婚祝いの相場と渡す時期
お祝いを用意する場合、相場がいくらかが気になるところですね。ご祝儀の基本的な考え方は、関係と年齢により金額が多くなることを覚えておいてください。そのため、関係の深さから兄弟の場合は他の親戚、友人や同僚よりも高くなります。年齢も20歳台と40歳代では異なります。一般的な相場をご紹介します。
年齢 |
既婚/未婚 |
金額 |
20歳代
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未婚 |
3万円~5万円 |
既婚 |
5万円~7万円 |
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30歳代
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未婚 |
5万円~10万円 |
既婚 |
7万円~10万円 |
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40歳代 |
既婚 |
7万円~10万円 |
一般的なルールとは別に家族内のルールがある時はもちろん、家族内のルールに従ってご祝儀の金額を決めましょう。特にルールがない場合は、一般的なルールに従って決めます。披露宴を行わず入籍だけの場合は、披露宴のお食事代相当額を差し引いた額をご祝儀とすることもできます。例えば30歳代半ばで、妹が結婚する場合に披露宴を行わないので相場の10万円から2万円差し引いて8万円を包むなどです。もちろん気持ちなので、差し引かないのでも全く問題ありません。
自分が学生で年長の兄弟が結婚する場合は、どうしたらよいのかも悩ましい問題です。このような場合は、お祝いの原則に戻ると分かりやすいですね。お祝いというのは、家族単位で行うのが原則です。学生の場合は、同じ家に属しているためにお祝いはなくても問題ありません。同じ考え方をすると未婚の場合も同じ家に属するので不要にも思えますが、自分が社会人になり自立している場合には、ご祝儀をとしてお祝いを用意するのが一般的です。いずれにしても家族内のことですので、迷った場合はご両親に相談することをお薦めします。
次に、お祝いを贈る時期です。お祝いは、お祝いの当日ではなく事前に届けるのが大原則です。報告を受けてから1か月を目安にお届けするか、披露宴をする場合は、その1~2か月前までに届けます。贈り方は、相手の都合を聞いて直接手渡しします。遠方で直接渡すことができない場合は、1か月前を目安に現金書留で送るようにしましょう。
披露宴の参加人数による違いはあるの?
ご祝儀の額の相場は分かっても、自分の場合はいったいいくら包むのが礼儀にかなっているのか、配偶者と共に披露宴に参加する場合や子供も一緒に参加する場合など、自分のケースでは一体どうしたらいいのか悩みは尽きません。この場合の考え方はいろいろあるかと思いますが、頭に入れておいた方が良いことは披露宴にかかる費用です。通常披露宴の飲食にかかる費用は1~1.5万円程度。それにメインの引き出物と引き菓子などで、1人当たり2万円程度かかるといわれています。自分1人が参加する場合は、5万円ご祝儀を包んでも、2万円は自分の飲食代に消えてしまい、お祝いとなる金額は3万円です。純粋にお祝いとして5万円渡したい場合は7万円をご祝儀として包まないと5万円のお祝いが相手には届かないということですね。実際には式場への支払いは別に当人が行いますので、ご祝儀として包んだ金額が相手の方に届きますが、自分が飲食していることを念頭において考えると分かりやすいのです。
独身の場合
自分が独身の社会人で、経済的に両親から自立している場合はお祝いとして5万円包むことをお薦めします。30歳代以上であればもう少し金額を上げることを検討してください。
お祝いとして包んだ金額では足りないと感じるようでしたら、品物を追加するとよいです。また、兄弟が3人以上の場合は他の兄弟とも金額については相談するようにしましょう。
既婚の場合
自分が既婚の場合は、夫婦で披露宴に出席することが多いですね。この場合のお祝いは、10万円を目安にします。自分たちの食事代と1人分の引き出物を合わせて3.5万円程度かかることを考えるとお祝いとしては6万円程度ですね。お子さんと一緒に出席する場合は子供の食事代もかかってきます。小学生までであれば子供メニューになるため1万円まではかかりませんが、中学生以上の場合は大人と同じメニューになり費用も同程度かかります。参加人数によりお祝いとして包む金額をプラスするか、お祝いの品物をプラスして調整するのがスマートです。
披露宴を行わない場合
結婚のお祝いを贈る場合に悩ましいことの一つに入籍のみで披露宴を行わないケースがあります。親戚へのお披露目の食事会を行う場合は、披露宴と同様に考えてお祝いを包みます。食事会も何も行わない場合は、一般的な相場から披露宴の食事代相当を差し引いた金額をお祝いとするのでも問題ありません。もちろん、お祝いとして相場程度の金額を包むのでも問題ありません。
2回目以降の結婚の場合のお祝いも悩みが多いですね。どのように考えたらいいのか悩みますが、何度目であってもお祝い事はお祝い事です。1回目と同様に相場を基準にお祝いをするのがマナーです。必ずしも前回の金額にこだわらず、自分の年齢が上がっているので、自分の年齢に見合った相場の金額を用意します。ただ、兄弟間の話し合いや家族内での話し合い・ルールがあるかもしれませんので、ご両親を含めて相談するといいですね。
ご兄弟の相手の方が初婚の場合は、通常通りにお祝いをいただくということも念頭においてお祝いをどうするのか考えると、どのようにお祝いをしたらご兄弟にとっても自分にとってもいいか見えてきそうですね。
結婚のお祝いに人気のプレゼント
結婚のお祝いに、ご祝儀の他にプレゼントを渡したいと考えることもあるでしょうし、ご祝儀で送る額をプレゼントで補いたいと考えることもあるでしょう。家族で披露宴に出席した場合にご祝儀としての額に不足があると感じている場合もプレゼントを追加することで、お祝いをトータルでみると十分な額にすることできます。そんな場合はぜひプレゼントを贈りましょう。
兄弟への結婚のお祝いで選ばれる品物としては、新生活に必要な家電が多いです。生活必需品のうちで、まだそろっていないものがある場合はそれを、ご自身で使っていておすすめの炊飯器や掃除機など予め贈りたいものがある場合は、重複しないように事前に伝えておくといいですね。
生活必需品といわれる家電を贈る場合には、好みや必要な機能などを確認してから購入すると喜んでもらえる品物を選べます。友人には細かい注文は言えなくても兄弟であるからこそ気兼ねなく伝えられるはずですので、ぜひいろいろ聞いて好みのものをプレゼントしましょう。
生活必需品以外では、自分では買わないけれどあれば便利で使いたいと思うような品物を選ぶと喜ばれます。パンが好きな方にベーカリーや、健康を考えてジューサー、自動掃除機、電気圧力鍋、布団乾燥機、除湿器なども喜ばれます。
まとめ
- 兄弟への結婚祝いにも礼儀にかなった対応が必要です。
- 結婚祝いは、年齢により相場があります。
- 夫婦、家族で披露宴に参加する場合は、人数によりお祝いの額を検討することが必要です。
- プレゼントをご祝儀に追加する場合は、欲しい物を具体的に聞いて、相手の好みに合ったものを用意しましょう。
兄弟が結婚する場合のお祝いをどうしたらよいかについて具体的に検討するポイントをご紹介しました。相場だけでは自分のケースの場合どうしたらよいかわからないこともありますが、人数が増えたときの対応や、2回目以降の対応などは相手方となる兄弟の立場で考えるとよいということが分かりました。結婚のお祝いに対する考え方やマナーを知ったうえで、自分らしくそしてご兄弟にも喜んでもらえる対応をする参考にしてください。