お見舞いへのお返しができないまま、万が一なくなってしまった場合、どうすれば良いでしょうか。快気祝いは贈らなくて良いとされますが、やはりお礼をしたい場合には、香典返しなどと合わせて「御見舞御礼」を贈ります。ここでは、御見舞御礼について知っておきたいマナー、贈る品物や掛け紙・表書き、お礼状の書き方など、詳しくご紹介します。
御見舞御礼はどうやって贈ればいい?
お見舞いのお礼をする機会がないまま、治療中に本人が亡くなってしまうこともあります。その場合、お返しは基本的には不要とされますが、生前お世話になった方に対して、何もしないのも気になるかもしれませんね。お礼をするときは、弔事用の包装と無地の短冊を選び、「御見舞御礼」または「御礼」として家族から贈りましょう。香典返しと合わせて贈る場合もありますが、香典返しの前に贈るのが、最も丁寧な対応です。
ただ、家族にとっては精神的にも体力的にも大変な時期でもありますね。無理をせず、落ち着いたころにお礼状を添えて贈りましょう。一番大切なことは、故人が伝えたかった感謝の気持ちを、きちんとお届けすることです。基本のマナーを押さえつつ、状況に応じて対応しても、失礼には当たらないはずです。よきタイミングで、お世話になった方への感謝を込めて「御見舞御礼」を贈りましょう。
ちなみに、親族のお見舞いには、お返しは不要です。また、入院が長引くときのお見舞いのお返しも、快気祝いの代わりに「御見舞御礼」として贈ることがあります。間違われることがないよう、店舗やネットで手配するときは、弔事用であることを忘れずに伝えましょう。
御見舞御礼、どんなものを贈るのがマナー?
「御見舞御礼」として贈る品物は、基本的には快気祝いと同じものを選びます。食品や消耗品のような、後に残らないものを贈るのがマナーです。金額の相場は、お見舞い品の3分の1から2分の1程度です。
洗剤、入浴剤、石けん、コーヒー、紅茶、タオルなどが定番品です。お菓子の詰め合わせなど、贈る相手に気を使わせないものを選びたいですね。カタログギフトを贈る時も、快気祝い用を選びます。また、快気祝いと同じように、現金やギフトカード、病院を連想させるシーツやパジャマなどは避けましょう。特に目上の方に、現金やギフトカードなどを贈ることは失礼に当たるので注意が必要です。
品物は、デパートや郵便局、イオンなどショッピングモールでも購入できます。もし時間が取れないときは、ネットで購入するのもおすすめですよ。予算や、贈る相手によっておすすめの品物を検索できるので、うまく利用したいですね。高島屋や三越、松坂屋など老舗デパートのオンラインショップは、高品質の定番品がそろっているので安心して選べます。かけ紙や名入れなど、充実のサービスも活用しながら、正しいマナーで「御見舞御礼」を贈りたいですね。
香典もいただいた場合、御見舞御礼はどうすればいい?
お見舞いに来てくださる方は、故人とも関係が深いはず。きっと葬儀にも参列してくださいますね。お見舞いのお礼をできないうちに、香典もいただいた場合はどうすればよいでしょうか。方法は、2通りあります。ひとつめは、「御見舞御礼」と香典返しを同時に贈るパターン、ふたつめは、香典返しに「御見舞御礼」を含んで贈るパターンです。それぞれの方法についてご紹介します。
ひとつめのパターンは、四十九日の忌明け後に、「御見舞御礼」と「香典返し」を2品同時にお届けします。かならず違う品物を選ぶように注意しましょう。それぞれに掛け紙と弔事包装を選び、表書きは「御見舞御礼」と「志」として、意味が別であることを伝えます。お礼状もそれぞれに用意します。いただいたお見舞いといだいたお香典、それぞれ3分の1から2分の1程度の金額のものを選びましょう。
ふたつめのパターンも、四十九日の忌明け後に、「御見舞御礼」の分を上乗せした香典返しを贈ります。香典の3分の1から2分の1の金額と、御見舞御礼の3分の1から2分の1の金額を足して、ちょうどよい予算の品物を選びます。香典の挨拶状と、「御見舞御礼」のお礼状、それぞれに用意しましょう。お見舞いのお礼も兼ねていることを、忘れずに一言添えたいですね。
おすすめは、御見舞御礼と香典返しを2品同時に贈るひとつめのパターンです。少し手間はかかりますが、礼儀を重んじる場合は、こちらのほうが好印象ですね。また、葬儀に参列されない方のお見舞いのお礼は、「御見舞御礼」として贈りましょう。
御見舞御礼の水引・表書き・包装紙は?
「御見舞御礼」を贈るときの、基本的なマナーをご紹介します。黒白ま結びの掛け紙に、無地の短冊、弔事用の包装を用意します。弔事の場合は、のしをつけないため、のし紙ではなく「掛け紙」と言います。のしは、あわびを薄くのばした「熨斗鮑(のしあわび)」という縁起物なので、弔事のときは付けません。掛け紙の上段中央に、御見舞御礼と「表書き」を書きます。下段には、表書きより少し小さい字で故人の「姓」を書きます。弔事なので薄墨を使用します。
デパートなどで品物を買った場合は、包装まできちんと準備してくれますが、自宅で用意する場合はいろいろ悩みもでてきますね。そんなときは、掛け紙のテンプレートをダウンロードするのもおすすめですよ。表書きや名前も入力してから印刷できます。手書きがベストですが、自信がない方などは、上手く活用したいですね。
長い闘病生活だった場合など、病院の関係者にも感謝の気持ちを伝えたいこともあるかもしれません。病院側がお断りしていることも多いですが、気になる場合は、葬儀が落ち着いてから「御礼」として贈るのがいいでしょう。みなさんで食べられるような小分けのお菓子がおすすめですよ。
御見舞御礼の挨拶文やお礼状はどう書けばいい?書き方のマナーと例文
「御見舞御礼」の品物を贈るときには、お礼状を添えましょう。何を書けばいいか悩むところですが、あまり難しく考える必要はありません。お見舞いへのお礼、お見舞いが故人の励みになったこと、生前故人がお世話になったことに対する感謝、の3点をお伝えできれば大丈夫です。
手書きで書くと、より丁寧に気持ちも伝わりますね。もし自分で書く自信がないという方は、デパートで品物を購入するのもおすすめです。挨拶文やお礼状も用意してくれるサービスがあるので、お任せするのも一案ですよ。お礼状の例文を、参考にご紹介します。
御見舞いありがとうございました。
父○○の病気療養中に際しましては、心温まるお見舞いをいただきありがとうございました。
願いかなわず永眠いたしましたが、○○様よりいただいたお心遣いは、父の励みになったことと存じます。
生前にいただきましたご厚情に、遺族一同、深い感謝とともに厚くお礼申し上げます。
敬 白
香典返しと同じタイミングで贈る場合も、香典返しのお礼状とは別に用意するのがマナーです。「病気療養中はお見舞いありがとうございました」などの一文を、手書きで添えましょう。また、香典返しにお見舞いのお返しも含める場合も、お礼状に一文添えておくと安心です。「御見舞もいただき、ありがとうございました」など、お見舞いのお返しも含むことをお伝えしましょう。
まとめ
生前のお見舞いへのお礼を伝える「御見舞御礼」。基本的には不要とされますが、気になる場合はお礼状も添えて贈りましょう。故人のためにも、お世話になった方々には、最後まで礼を尽くしたいですね。あとに残らない消耗品やお菓子、カタログギフトなどがおすすめです。香典返しと同じタイミング、もしくは香典返しにふくめて贈る方法もあります。基本的なマナーを知ったうえで、よきタイミングに感謝の気持ちを伝えましょう。