災害見舞というものをご存知でしょうか?様々な災害のニュースが飛び交う昨今、自分の知人や親族が予期せぬ災害に巻き込まれる可能性も大いにあります。そんな時、災害見舞を贈ることで、相手の手助けになるかも知れません。ここでは、そんな災害見舞のアレコレについて、詳しくご紹介します。
災害見舞とは?どんな時に贈るもの?国の制度とはどう違うの?
地震や火災、水害や台風での災害など、我が国では様々な 災害が身近に起こり得ます。そして、そんな災害に見舞われてしまった時、「災害見舞」というものを贈ることで相手の手助けをする事ができます。
災害見舞は、災害にあった人の大きな手助けにもなり、勇気付けることもできる大切なものです。
尚、国の制度としても各種災害見舞金の支給があります。それは以下の通りです。
・災害弔慰金
自然災害により死亡した者の遺族に対し弔慰のために支払われる。
・災害障害見舞金
自然災害により、精神または身体に、重度の障害を受けた者に対し支払われる。
・災害援護資金の貸付
被災世帯に生活の立て直しに使うための資金を貸し付けされる。
※尚、国が定める自然災害とは、豪雨、暴風、洪水、豪雪、高潮、津波、地震、その他異常な自然現象で被害が生じた場合をいいます。
災害見舞の相場は?どんな封筒で渡せばいいの?
災害見舞では、相手の必要とする物を贈ります。でも、実際のところ、被災した場合には物を貰うより、少しでも生活を立て直す為に自由に使えるお金を贈った方が喜ばれるでしょう。
では、災害見舞の相場は幾らなのでしょうか?
一般的には3千円から1万円が相場です。あまりに高額を渡してしまうと相手も恐縮してしまうからです。
また、渡す相手との関係性によりその相場は変動します。
相手が目上の方(上司など)の場合の相場は、5千円から1万円です。目上の方へは、現金を贈るのはあまり望ましくありません。そのため、必要な物にするのがスマートな方法です。複数名で連名にして渡すようにすると更に安心です。部署で取り纏めるなどすれば、1人千円から3千円ほどで贈ることができます。渡したい相手が取引先の場合には、上司の判断と許可を得てからにしましょう。
相手が同僚や部下の場合の相場は、3千円から5千円です。同僚など複数名で贈ることもでき、現金にすべきか品物にすべきかも相談して決められます。
友人の場合も相場は、3千円から5千円です。気心の知れた友人であれば、何が欲しいかを聞き品物を贈ることも可能です。あまり高額な物は、相手に気を使わせてしまうため相場程度に収まるものにしましょう。
家族や親族の場合、3万円までが相場です。親族なので、本人と連絡を取りながら渡せると良いでしょう。
災害見舞を渡す際、封筒は無地の白地のものを使うのが一般的です。
被災した方へのお見舞いを災害見舞と言いますが、厳密にはその災害の内容によって表書きが以下の通り変わります。
<災害御見舞>
地震や台風の被害に遭った方へ贈ります。「地震御見舞」「台風御見舞」「水害御見舞」と具体的に記すこともできます。
<災難御見舞>
不慮の事故に遭った方へ贈ります。
<火災御見舞>
自宅から火が出た方へ贈ります。
<出火御見舞>
自宅や自分の会社などから火が出た方へ贈ります。
<類焼御見舞>
類焼(他所からの火災に巻き込まれる)に遭った方へ贈ります。
<近火御見舞>
近くで出火があり、その火災により何らかのショックを受けている方へ贈ります。
災害見舞の御礼やお返しはどうすれば良いの?
災害見舞を頂いた場合、御礼はどのようにしたら良いのでしょうか?
一般的には、災害見舞の御礼は不要です。災害見舞は被災した者に贈られるものなので、基本的には贈り主も御礼を期待することはありません。まず、被災した自分の生計を立て直すのが先決なのです。
もし、どうしても御礼をしたい、御礼をしなければ気が済まないという場合には、通常通りの生活を取り戻し、落ち着いてから改めて状況報告も含めて御礼に伺うと良いでしょう。
被害がとても少なく、どうしてもすぐに御礼をしたい場合には、菓子折りなどを贈りがてら無事を伝えると良いでしょう。
御礼に商品券などの金券を贈らないように注意しましょう。金券を贈ってしまうと、「災害見舞は不要でした」という意味になってしまいます。
災害見舞の御礼に付ける熨斗紙は、無地の掛け紙か無地の短冊に「御礼」と書き使用します。
友人や親族で御礼の品物を変えるべき?
友人や親族に災害見舞を頂いた場合、御礼の品物は変えるべきでしょうか?
前述の通り、災害見舞には基本的に御礼は要りません。
でも、近い人ほどよく連絡を取り合い、心身ともにお世話になるため、友人や親族には落ち着いたら御礼をしたいという気持ちを持つでしょう。そんな時は、相手の好きなものを用意し、渡せると良いでしょう。高価な品物でなくて構いません。ちょっとしたお菓子や小物でも良いでしょう。ありがとうの気持ちが伝わる事が大切なので、元気な顔を見せたり、元気な声を聞かせるのが一番です。被災当時の話や、災害見舞で助かったこと、現在は元気でいることなどを話せると良いですね。
企業などビジネス上のやり取りで注意することは?
企業から従業員へ贈られる災害見舞や取引先など企業間で贈られる災害見舞なども存在します。
企業から支給される災害見舞は、交際費、福利厚生費、販売奨励金のいずれかに当てはまりますので、企業側は事前に確認しておくと安心です。
企業から払われる災害見舞は、必ず払わなければならないという義務はありません。そのため、「必ず貰える」と期待しない方が身の為です。
また、支払う企業側は、予めどんな場合に幾らを支給するのか?を明確に定めておくことが大切です。
取引先などに持参する場合には、やはり水引などの飾りが無いシンプルな白の封筒に入れます。かた結びの水引を用いる人もいますが、誤解を生む可能性がありますので、避けるのが無難でしょう。忌み言葉にも気を付けなくてはいけません。
・度々
・重ね重ね
・引き続き
など、良く使いがちな文言でも忌み言葉になり得ます。手紙を付ける場合にも、自社の現状や時候の挨拶は書かず、相手を案じる文言だけに留めましょう。
災害見舞はタイミングが大切!!相手の状況を確認してから贈ろう!!
災害見舞を贈る場合には、タイミングが非常に大切です。被災直後は避け、相手の無事と状況が分かってから贈るようにします。可能であれば、現地に出向き、復興の手伝いをしたりしながら必要なものを確認して贈ると良いでしょう。でも、親族など非常に深い仲でなければ現地で災害の状況を確認することが難しいかも知れません。そのため、なるべく本人に電話などで連絡を取り、少し落ち着いてきた頃を見計らって贈りましょう。災害では、今後の不安が大きく付き纏います。二次災害も有るかも知れません。そんな中でも、本人に連絡を取り話を聞くことで、相手が精神的にも不安から救われる場合があります。贈り主が被災経験者であればアドバイスが出来るかも知れません。様々な情報からタイミングを図り、災害見舞を贈りましょう。
まとめ
災害見舞を贈る場合には、様々なマナーがあります。相手の状況や必要な物を見極め贈ることが求められます。
基本的に災害見舞への御礼は不要ですが、生計を立て直し無事を伝えられるようになったら、そのタイミングで
菓子折りなどをお返ししましょう。その際、可能であれば、地元の名産を御礼で贈ると「無事に復興できました」という事が伝わります。いつ誰が被災してもおかしくないため、災害の時は持ちつ持たれつの意識を持ち助け合いたいものですね。