誰かにちょっとした小物などのギフトを貰う時に可愛らしいラッピングがなされていたりすると、思わず嬉しくなってしまったなんて経験はありませんか? やはり贈り物は気持ちから。
手作りの品物や例えお裾分けだとしても、そのまま手渡しで貰うよりも袋や包装紙にくるまれているだけで、可愛らしく華やかな印象に変わりますよね。
実は包装紙を使った包み方には種類もあり、品物により包み方を変えることもおすすめです。
そこでこちらでは包装紙などについてのあれこれを、包み方の例などをあげてまとめていきます。
包装紙のデザインはシーンや目的で選ぼう!
包装紙と聞くと、有名百貨店のものなどがパっと頭に浮かぶ方もいるかもしれません。
カラフルな包装紙に包まれた品を頂くと、子供でも大人でも開ける時にワクワクするもの。
ちょっとしたギフトでも包装紙に包まれているだけで、とても嬉しい気持ちにさせてくれますよね。
実は包装紙が出来たのは最近だそう。
「デパートに行くことがステータスである」という思考が日本人に生まれ始めた、高度成長期と言われているのです。
それまでも購入した商品を包むだけの「包み紙」というものは存在していました。
ただ当初の包み紙は柄やデザイン性に富んでおらず、いたってシンプルな無地が多かったとか。
そんな「包み紙」が変わったのは昭和25年のこと。
何と初めてオリジナルデザインの包装紙を作った百貨店が出てきたのです。
その影響もあってか、「贈答用の包装紙には、デパートのロゴや柄が入っているものの方がより先方に上質な印象を与える事ができる」と、一気に人気が出たのです。
このことにより、どのデパートも次々とオリジナルデザインの包装紙を作りだしました。
確かに現在でも「どこのデパートの包装紙であるか」ということが、特色からすぐにわかるということがありますよね。
また包装紙は、ケースバイケースで選び方が違うということも覚えておきましょう。
例えば結婚や出産、内祝いなどのお祝いごとの商品を包む包装紙は金色が混ざった華やかななものを。
模様も、レースなどの西洋風のデザインが人気です。
香典返しなど、不幸に関係することであれば銀色の模様が入った包装紙を使うことが通常。
誕生日や母の日などの祝い事には花柄やチェックなどのオーソドックスで、見栄えの良い物をチョイスするのはいかがでしょうか。
この様にシーンにより選ぶ包装紙を変えることで、中身は同じでも貰い手の印象は大分変ります。
もしも「そこまで大袈裟にしたいわけではない」という時には、中身が見えるクリアタイプの物に包み、リボンをかけるだけの簡単なラッピングやシンプルな包装紙に包むだけというスタイルもおすすめ。
確かに大掛かりなプレゼント感を出してしまうと、相手に「お返しをしなければいけない」と気にさせてしまうこともあります。
同じ包装紙でも目的や、相手の方に合わせてデザインを選ぶと間違いないかもしれません。
包装紙の包み方の種類や注意点とは?
一口に包装紙といっても、その包み方は様々で、簡単な物から練習を積まないとできなさそうな難しそうなものも。
こちらではその包み方の種類についてご紹介しましょう。
主に箱型の商品の包み方についてです。
・キャラメル包み 長方形の品を包む際に便利なのが、このキャラメル包みです。
別名「合わせ包み」ともいい品物をひっくり返すことなく包みあげることができるので、初心者でも簡単に包装することが可能。
まず置いた包装紙の上に、品の裏側を自分側にして置きます。
そのまま包装紙を左右から箱に添って折り、テープでしっかり留めましょう。
後はサイドを内側に折り込んでいくだけ。
この包み方が四角いキャラメルを包んでいいる包装に似ていることから、キャラメル包みと呼ばれているのです。
ただ注意したい点としては包装紙を合わせる時に右が上だと祝い事、左が上だと香典返しなどの不幸が起こった際に利用する包み方だということを頭に入れておきましょう。
・斜め包み デパートなどで包装を頼むと、大体この斜め包みをすることが主流。
置いた包装紙に対し品物を斜めに置いて、品物と包装紙を上手くひっくり返しながら包み上げていきます。
もしも自分で斜め包みをする際には、「天開き」「地開き」に気を付けましょう。
包装紙の折り返し部分が上に来ると、上から幸せが入るという意味で「天開き」という言葉を使います。
一方で折り返し部分が下になると、「不幸が下から逃げていく、水に流す」という意味で「地開き」。
これらの意味合いをしっかり押さえてから、包装するのがおすすめです。
人気の風呂敷包の結び方と包み方
風呂敷と聞くと、「少し昔の包み」という印象がありませんか? 確かに漫画や映画などで唐草模様の緑色の風呂敷が出てくる描写などを見ると、レトロな感じがしますよね。
最近ではデザインも多く、和菓子や贈り物などにわざわざ可愛らしい風呂敷を利用するという方も増えています。
実は風呂敷にも、結び方や包み方の種類があり覚えておくと便利。
まずは結び方についてご紹介します。
・真結び 真結びは品と平行に揃った結び目で、一度結ぶとほどけにくいのが特徴です。
しかしほどき方は簡単で、昔の日本人の知恵を感じることができます。
・一つ結び こちらは風呂敷の端を両手で持って、輪っかを作って結ぶ方法。
贈答用というよりは、手提げの様に袋にして持ち運ぶ時に利用することが多い様です。
・二つ結び 長方形などの、包みにくい物の時におすすめの結び方。
名前通り左右で結び目を2つ作り、長めの品でも安定感のある持ち運びを可能にします。
・四つ結び 真結びを一度したら、もう一つ真結びを作る結び方。
上から見ると四つの結び方があるのが特徴です。
ここからは包み方をご紹介します。
・花包み 正方形の品を包むときにぴったりの包み方で、上から見るとまるでお花の様な形に見える可愛らしい包み方であることがポイントです。
・平包み 上品で品格を出したいのであればこちら。
最も使いやすく結び目が無いので、ビギナーでも簡単に包むことができます。
・スイカ包み もちろんスイカだけを包むわけではなく、何にでも利用できます。
両端を結び、エコバックの様に使いましょう。
・巻き包み 楕円形のものを包むときに使える包み方で、くるくると巻いていき最後を真結びで止める方法。
この他にもリボン包みや、ローズ包み、お酒ボトルの巻き方など、風呂敷は本当にオシャレでセンスの良い贈り物を作り上げます。
風呂敷の始まりは、入浴がカギだった!
風呂敷という名前が定着してはいますが、よくよく考えると不思議なネーミングだと思いませんか。
風呂敷の歴史を紐解いていくと平安時代にまで遡り、正倉院の宝物を大判の布で包んで収納していたという話があることがわかりました。
それがやがて「風呂敷」という名前に変わったのには理由があるのです。
当時は現代と違い、風呂は日常のことではなかったとされています。
行事の前に入り、身を清めるためであったとされる「風呂」は、裸ではなく下着の様な薄い白い着物を着用して入浴していいました。
そのため入浴後は着物の着脱をするため、足下が濡れてしまいます。
そこで大判の布を敷いたものが「風呂敷」となったというのが一説。
また室町時代に当時接待として利用されていた風呂により、風呂敷が出来たという説もあります。
入浴者は蒸気が出る風呂に入る際に自分の脱いだ服が他の人と混同しないため、家紋の入った布に包んで置いていきました。
出てきた時はやはり足元が濡れるのを防ぐため、着替える際に下に敷いたとされる風呂敷説もあるのです。
風呂敷という名前が付いた時期はさておき、やはり入浴後に下に敷いたということが起源でありそうですね。
ただ室町時代には着物を風呂敷で包んでいたということからも、段々と風呂敷の利便性が研究されていたのかもしれません。
包みはアレンジ次第で、華やかに変化!
包装紙・風呂敷をご紹介してきましたが、実はどちらも「包む」という事が共通しています。
包むということは、何かを誰かにを贈りたいという気持ちから。
包装紙や包み方がシンプルなものであっても、品物自体の印象が変わるということはもちろんないでしょう。
とはいえ、せっかくあげるのですから見栄えにこだわりたいと思うのは当然ですよね。
風呂敷の場合はそこまで華やかに出来ないと思われがちですが、リバーシブルの風呂敷を選ぶだけで結び目の内側まで可愛らしさを演出することができます。
また、和紙などで作った造花に安全ピンを付けて、風呂敷で包んだギフトに付けるだけでとても可愛らしい見た目に。
包装紙の場合はリボンシールや、大き目のカラフルなリボンで豪華に結ぶこともできますね。
その他にも包装紙を不織布にして切り口を花形にしたり、まるでシャツの様に形を作ったYシャツ型、ドレス型アレンジなども楽しむこともできます。
ただ四角い物を四角く包むということではなく、差し上げる相手のことを思いながらシーンにより包み方をアレンジするとなお一層喜ばれるかもしれませんね。
まとめ
こちらでは包みというテーマを、包装紙の包み方や風呂敷の結び方・包み方などの例をあげてご紹介しました。
包装紙の包み方はアレンジ次第で見栄えも変わりますし、「どんな目的で誰にあげたいのか」によって変えるのがおすすめ。
また現代では珍しくなっている風呂敷も、むずび方や風呂敷の柄次第でモダンでハイセンスな包みに変わります。
是非贈りたい相手のことを考えて、ギフト自体だけではなく品を飾る包みについても研究していきたいですね。