産休前にやっておくべきこと
仕事をしながらの出産につきものなのが産休ですが、産休を取るときには職場で交流のある人たちへの配慮することが必要です。産休を取ると決めたときに、まずやっておきたいことに上司への報告があります。自分の仕事を補うために上司は仕事の役割分担などを考えなければいけないので、なかなか話だしづらい休暇のお願いにはなりますが、できるだけ早めの3カ月前までには報告しておいた方がよいでしょう。
上司への報告を済ませたら、次は職場において交流のある同僚・取引先の人への報告です。産休中には自分の仕事を同僚に引き継いでもらうことや、代理の人間に引き継いで作業してもらいます。仕事の内容によってはすぐに引き継ぎができないこともあるでしょう。引継ぎ等の関係も含め同僚や取引先への報告は、遅くても産休をとる1カ月前までには、産休を取る旨を伝えるように心がけたいものです。
会社ごとに産休を取るための規定があるので、上司への報告とともに会社への報告ならびに、産休の取得についての確認も済ませておくとよいでしょう。会社側に産休の取得を依頼する時には、「産休を〇月から取得したい」「産休後も職場への復帰する気持ちがあること」などを伝えるようにしてください。
上司へ送る産休のあいさつ文面とは
上司への産休の報告は口頭で済ませた人の中には、後日、あらためて上司にメッセージを送る人もいるでしょう。上司へ産休取得の際に送るメッセージに記載しておきたいのは、「産休前の出社日はいつが最後のなるのか」「出産後の仕事復帰の時期」「自分が産休でいない間の仕事におけるお願い事」「これまでのお礼と今後に向けてのあいさつ」などです。
前もって口頭で産休取得を伝えられていても、メッセージを送られて悪い気がする人はいません。これだけ自分に対する敬意と、仕事に対する責任感を持っていると一社会人としての姿勢を認めてもらえるでしょう。
上司に送る産休の時の例文はつぎのようなものがあります。
「〇〇部長様
お疲れさまです。〇〇部の〇〇です。
私事で恐縮ではありますが、〇月〇日(〇)より出産休暇をいただくことになりましたので、ご報告させていただきます。
産休後は〇月〇日(〇)まで、引き続き育児休暇を取得させていただき、令和〇年〇月に職場復帰を予定しております。
産休前の最終出勤日は、〇月〇日(〇)を予定しております。
休暇中の業務においては〇〇課の〇〇さんに引継ぎを予定しておりますが、他の方への引継ぎ等ありましたら、ご指示をいただけますと幸いです。
〇〇部長の温かいご指導ならびに励ましのおかげで、どんな時も頑張ってくることができました。また妊娠してからも、常に私の体にお気遣いいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
不在期間中には〇〇部長をはじめ、みなさまにご迷惑をおかけしますが、なにとぞご容赦いただけますようお願い申し上げます。
職場に復帰しましたら、〇〇部長の元でお仕事できますことを心待ちにしております。
取り急ぎ、出産休暇のごあいさつを申し上げます。」
例文であげたようなメッセージを送ることにより、上司が自分の不在にする期間や仕事の引継ぎ状況を把握できます。
同僚に送るあいさつ文面とは
会社の同僚に産休の報告をする場合も、口頭で伝えたり、メッセージカードを渡したり、メールで送ったりとさまざまな方法があります。ここでは、メッセージカードやメールで伝える場合のあいさつの例文をご紹介します。
「〇〇様
お疲れさまです。
お仕事中に失礼いたします。〇〇部の〇〇です。
〇月〇日(〇)より産休に入らせていただくことになりましたので、ご連絡いたします。
産休後は引き続き育児休暇に入るため、令和〇年〇月の復帰を予定しております。
私の行っている業務につきましては、〇〇部の〇〇さんに仕事の引き継ぎをお願いしたので、御用の際は〇〇さんにご連絡くださいますよう、お願いいたします。
なお、産休前の最終出社日は〇月〇日を予定しておりますので、現在の業務につきまして、何かありましたらこの日までにご連絡いただけますと幸いです。
在職中は何かといつもお世話になりました。
これまで体調の悪い時など突然の休暇をいただくこともあり、ご迷惑をおかけすることも多々ありましたが、
温かいお言葉とお気遣いをいただきましたこと、この場をお借りしてお礼申し上げます。
職場へ復帰した後は、これまでよりも皆様のお力になれるように、励んでいきたいと思います。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。」
取引先に送るあいさつ文面とは
仕事をする上で取引先の方と交流をもつ人も多いのではないでしょうか。仕事における取引先といえば、特定の相手とやり取りをすることも多いものです。何も告げないままでいきなり担当の人だけが変わってしまったら、どうでしょう?取引先の相手もきっと戸惑ってしまいます。産休をとる時には自分の会社の人間だけでなく、自分が仕事でやり取りをする取引先の担当者にも事前にメッセージを送るようにしましょう。
メッセージの例文はつぎのとおりです。
「〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇社の〇〇でございます。
本日は、業務におきまして担当者の変更をご連絡いたしました。
私事で大変恐縮ではございますが、〇月に出産を控えているため〇月〇日(〇)より、出産休暇をいただきます。
休職の間、下記記載の弊社〇〇が担当させていただきます。
■後任の担当者 〇〇社
名前 〇〇 〇〇(読み仮名)
電話番号 〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇
メール 〇〇@〇〇.co.jp
これまで〇〇様のおかげで気持ちよくお仕事させていただき、ありがとうございました。
ご迷惑をおかけすることがないよう十分に配慮いたしますので、今後とも変わらぬご指導のほどよろしくお願いいたします。
しばらくの間、職場を離れるのは寂しい気持ちではありますが、復帰後に、〇〇様とお会いし、お話できますことを心より楽しみにしております。
近日中に後任の担当者〇〇と、あいさつにお伺いしたく存じます。
取り急ぎ、担当者の変更におけるごあいさつを申し上げます。」
このような文面を事前に送ることで、取引先の担当者も戸惑うことなく仕事のやり取りが可能です。
メッセージにお菓子を添えてみる
上司や同僚、取引先にメッセージを送る時には、自分と相手との間柄によってあいさつの時にお菓子などを添えて渡すことも多いようです。お菓子を必ず渡さなければいけないということではありません。メッセージだけでは気が済まないといった人が「休暇中に迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。」の意味を込めてお菓子を添えて贈ります。
あまりにも金額の高いお菓子をもらっては、もらった相手も気がひけてしまいます。産休のメッセージに添えるお菓子の金額は、一人あたり100円から500円の範囲でお菓子を選ぶとよいでしょう。箱詰めにして会社の人数分をまとめて贈るか?メッセージカードと一緒に添えて一人ずつ手渡すか?は決まりはありません。自分との関係性を考えて、自分の贈りたい方法を決めてみてはいかがでしょうか。
お菓子に関しては、チョコレート・クッキー・アメといった物で、できるだけ日持ちのよい物を選ぶとよいでしょう。日持ちのするお菓子であれば、同じ会社でも出張などの多い人で、なかなか会う機会がない人へも安心して渡せます。全員分をまとめて一緒にお菓子を贈るときには、受け取った相手が持ち帰る時にも不便でないように、できるだけ一つずつ袋に入った物を選んだ方が喜ばれます。
まとめ
産休をとって出産後に気持ちよく復職するためにも、産休にはいる前には職場の上司や同僚・取引先へあいさつをきちんとすることが大切でしょう。自分の仕事を問題なく引継ぐためにも、産休の予定が決まったらできるだけ早めの伝えることが重要です。人とのやり取りがだいじな職場だからこそ、迷惑をかけることのないように配慮をすることが復帰後の仕事のしやすさへもつながります。