友人、親戚、お知り合いの方など、出産でのお見舞いは大変喜ばしいことですよね。嬉しい出来事でのお見舞いなのでつい見落としがちですが、出産のお見舞いは大変デリケートなので注意が必要です。
出産後の女性の体は疲れている上に、初めてお母さんになった人は心のバランスも崩れています。親しい間柄の人であっても元気な時のように振舞うことができず、出産のお見舞いをきっかけに人間関係のトラブルが起こることも少なくありません。
では、出産でのお見舞いでは一体どのような点に注意するべきなのでしょうか。今回は、出産のお見舞いのマナーと押さえておくべきポイントについて、詳しくご紹介していきます。
出産のお見舞いはママと赤ちゃんのペースを第一に考える
まず最初に、出産のお見舞いの基本的な考え方を押さえていきましょう。よく「出産は病気ではない」と考えている人がいるのですが、病気ではなくても命がけの出来事です。陣痛から出産までがスムーズで早い人は稀なケースで、実際には次のような方も少なくありません。
- 陣痛が始まってから出産まで48時間以上掛かり、ママの体への負担がかなり大きい。
- 自然分娩中にトラブルがあり、急遽帝王切開に切り替えての難産だった。
- 生まれた赤ちゃんがすぐに集中治療室に運ばれた。
- 自然分娩だったが出血多量でママが起き上がれない。
- 出産後のママが心のバランスを崩している。
もし上記のようなトラブルが起こっている場合、ママも赤ちゃんも命を守ることに必死でお見舞いの方を受け入れることはできません。たとえ安産であったとしても心の安定が最優先なので、どんなに親しい間柄の人でもお見舞いを受け入れる心の余裕がないのです。
出産のお見舞いでまず最初に考えるべきポイントは、ママと赤ちゃんの心身の健康状態です。可能であればママ本人にメールなどで状況をたずねて、お見舞いの許可を貰うようにしましょう。ご家族の方に連絡するのも一つの方法ではありますが、ご主人や義両親、実の両親との関係によっては逆にトラブルになるかも知れません。出産したママ本人が一番状況を分かっていますので、できるだけ本人からの確認を取るようにしましょう。
出産のお見舞いの時期について
出産のお見舞いをする人の中には、いつ行けば失礼にならないのか悩む人も少なくありません。では、出産のお見舞いに適切な時期はあるのでしょうか。実際に出産のお見舞いをした人のケースをみると、次のような時期にお見舞いをしています。
- 実の姉妹や仲の良い従姉妹の出産だったので、生まれてすぐにお見舞いに行った。
- 義理の妹が出産したので、お手伝いも兼ねて出産後すぐにお見舞いに行った。
- 友人から出産報告のメールが来たのでお見舞いの時間をたずね、出産の3日後くらいに病院にお見舞いに行った。
- 友人とゆっくり話したかったので病院には行かず、退院してから都合の良い日時を聞いて自宅にお見舞いに行った。
- 職場で産休した人が出産したがとくにお見舞いには行かず、先にお祝いだけ贈って三ヶ月後くらいに顔を見に行った。
上記のケースを見てわかるのは、お付き合いの度合いによってお見舞いの時期が違うという点です。親戚関係はできるだけ早い時期にお見舞いに行っていますし、友人関係は出産後落ち着いた時期を見計らってお見舞いに行っています。職場関係者はよほど親しくない限りはお祝い程度にとどめておき、適度な距離感を保っていますね。
お見舞いとは相手を元気付けるための行為なので、お付き合いの距離感をよく考えないと逆に迷惑をかけてしまうかも知れません。自分と相手の距離感を考えて、次の三つのポイントを考慮するようにしましょう。
- 家族や近しい親戚の出産のお見舞いはできるだけ早い時期に行く。
- 友人関係のお見舞いは出産後3日〜退院後に行く。
- 仕事関係のお付き合いの場合には無理にお見舞いはせず、落ち着いた頃に顔を見に行く程度にする。
出産のお見舞いで知っておくべきマナーとは
出産は喜ばしい出来事なのでつい忘れてしまいがちですが、お見舞いとは本来相手を気遣う行為です。母子ともに無事に出産を終えていても、ママと赤ちゃんに十分な配慮をしなければなりません。とくに以下のような行動はママと赤ちゃんに大きな負担ですので、よくチェックして控えるようにしましょう。
《出産のお見舞いは多くても2~3人まで》
出産後の女性の体はとても疲れています。赤ちゃんも生まれて間もなくは不安定なため、大きな変化や刺激を与えてはいけません。大勢の賑やかのお見舞いは、ママと赤ちゃん心身を疲れさせてしまいます。病院であっても自宅であっても騒がしくならないように心がけ、お見舞いの人数は2~3人以内で行くようにしましょう。
《小さなお子さんは連れて行かない》
小さなお子さんを連れてのお見舞いは控えましょう。たとえお子さんと顔見知りだったとしても、ちょっとしたいたずらでピリピリしたムードになり、心身に負担をかけてしまいます。
《顔見知りであっても男性のお見舞いは控える》
出産後の女性は、ゆったりとしたパジャマや洋服で化粧もしていないことがほとんどです。帝王切開などで手術をしている場合、お風呂にも入れません。女性にとって、身支度を整えられない状態で男性に会うのはかなりのストレスですので、相手からの許可がない限りは男性のお見舞いは控えましょう。
《ママと赤ちゃんの生活リズムを優先して》
生後間もない赤ちゃんとママの生活リズムは、赤ちゃん優先で動いています。とくにまだ入院している時は、授乳時間や沐浴、食事の時間まで決められているので、お見舞いの人に合わせることはできません。リズムが崩れることはママの負担になるので、お見舞いに行く時には必ず面会可能な時間を確認してからにしましょう。
《お見舞いの時間は短く》
仲の良い友人同士だとつい長話してしまいますが、出産後の女性は少しでも長い休憩時間が必要です。夜中の授乳や慣れない子育てに疲れていますので、長話は避けて最長でも20~30分以内を目安にお見舞いしましょう。
《少しでも具合が悪い時にはお見舞いに行かない》
出産後の女性と生まれたばかりの赤ちゃんは、病原菌に弱い状態です。たとえ鼻風邪程度だったとしても、菌がうつると大きな病気になってしまうかも知れません。自分の基準で判断することはやめ、少しでも体調不良がある場合にはお見舞いを控えるようにしましょう。
《出産祝いは病院で渡さない》
出産のお見舞いで出産祝いを持って行く人もいるのですが、多くの人が出入りする病院に出産祝いを持っていくと、相手の迷惑になることがあります。かさばらないものであれば喜ばれるかも知れませんが、お金の入った封筒などは管理にも困ります。できれば出産祝いは別の機会に渡すようにし、相手の負担にならないようにしましょう。
出産のお見舞いにはどんな手土産が良い?
出産祝いは持っていかなくても、お見舞いだから何かしらの手土産を用意したいと思いますよね。では、どのような手土産なら出産後のママに喜んでもらえるのでしょうか。
出産のお見舞いの手土産で押さえるべきポイントは、ママとあかちゃんの体を考えた品物です。出産後赤ちゃんに母乳を飲ませる場合、カフェインが入っている飲食物は NGです。乳腺の詰まりを考えて、甘いものを控える可能性もあります。フラワーアレンジメントはかさばる上に花粉アレルギーも考えらるので、あまりおすすめできません。
一番良いのは、お見舞いの前に何が欲しいかを本人に尋ねてみる方法です。もしなんでも良いと言われた時には、日持ちのする焼き菓子やゼリーの小さな詰め合わせや、飲みきり量の小さな野菜ジュースなどを手土産にしてみましょう。
出産のお見舞いでふさわしい服装はあるの?
お見舞いに行く時には、TPOに合わせた服装をすることが多いですよね?では、出産のお見舞いではどのような服装が良いのでしょうか。出産という喜ばしい出来事ではありますが、あまり派手な服装やお化粧、髪型は好まれません。出産後の女性は神経質な部分も出て来やすいので、香水やタバコの匂い、赤ちゃんを抱っこした時に触れる布地も気になってしまいます。
出産のお見舞いにふさわしい服装は、明るくて清潔感のある服装です。ナチュラル系のワンピースやシャツドレス、オーガニックコットンの洋服などがあると良いですね。最近では裾が長いスカートが流行っていますが、あまりバサバサしていると病院内で邪魔になったり、自分で裾を踏んで転ぶ可能性があります。明るい色のボトムスや裾が広がりすぎないスカートなどをうまく組み合わせて、すっきりと清潔にまとめた服装を心掛けましょう。
まとめ
今回は、出産のお見舞いのマナーについて詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたか?出産という嬉しい出来事であるからこそ、出産後のママと赤ちゃんには最大限の気配りをしたいものです。マナー違反となるポイントをよく理解して、お互いに嬉しいお見舞いとなるよう工夫してみましょう。