友人や知人などが入院したり闘病していると聞いた場合には、お見舞いに伺おうと考える人も多いのではないでしょうか?
お見舞いに行く際には、何か金品を差し入れとして持っていくべきという事は知っていても、具体的に何を持っていくべきか?マナーとして何に気を付ければ良いのか?を詳しく知らないと思わぬ恥をかいてしまうかも知れません。
ここでは、お見舞い品についてを詳しく説明します。
お見舞いとは?何のために渡すの?
お見舞いというのは、昔は誰かを訪問すること自体を示す言葉でした。
現在では、災難や事故による怪我や、病人の元を訪れて金品を贈り慰めることを指します。
通常のお見舞いというと、病人や怪我人を見舞うことを指しますが、災害のお見舞いに行く場合は、何のお見舞いかが分かるように「風見舞い」「里見舞い」「水見舞い」「火事見舞い」などと書かれます。
また、選挙の応援に出向くことを「陣中見舞い」と言います。
このように、お見舞いにも様々な種類があるのですが、共通して言えるのは、相手の事を想いやり、気遣うというものであるということです。
お見舞いを品物で渡す場合は?
お見舞いでは、品物を持参する場合と現金を持参する場合とがあります。特にどちらにするという決まりはありませんが、職場の上司や目上の方には品物を贈るということが一般的になっています。
品物で渡す場合には、綺麗に梱包や包装をし、手提げ袋などに入れた状態で持参します。
病室など室内に入り、相手に励ましの言葉を掛けた後にお渡しします。病院の廊下など人の行き交う場所では、通行の妨げになり迷惑が掛かりますので、渡さないようにしましょう。
お見舞い品を渡す際には、紙袋から出します。紙袋のまま渡すのはマナー違反となるため注意しましょう。品物を紙袋から出し、紙袋を半分ほどに折り畳んだ上に乗せて渡します。のし紙が相手に読める向きで置くことが大切です。袋はそのままお渡ししても、持ち帰っても良いです。
渡す時に掛ける言葉は、「○○さんが好きだと伺っていたので、お持ちしました。」「○○さんに使っていただきたくて選びました。」といったものにしましょう。「お気に召して頂ければ幸いです」「心ばかりの品ですが」という言葉と共に渡しても良いでしょう。
お見舞い品の包装やのしはどうすべき?
お見舞い品を梱包、包装したらのし紙を付けます。お見舞いの場合は、「外のし」という梱包し包装紙を掛けた上からのし紙を貼るのが一般的です。
のし紙は、紅白の結びきりかあわじ結びのものにします。結びきりやあわじ結びを選ぶ理由は、これらの結び方は解けないため、「何度も同じ事が繰り返されない」という意味があるためです。
白黒や白黄色の水引が描かれたのし紙は弔事の時にしか使用しませんので注意が必要です。
病気は喜ばしい事ではないのですが、紅白ののし紙を使う事が「元気になることを祈っている」という意味を持ちますので、必ず紅白の結びきりやあわじ結びを選びましょう。病気や災害のお見舞いにはアワビを模った熨斗は付けません。
表書きは「御見舞い」「御伺い」「祈御全快」などを用います。特に、上司や目上の方のお見舞いには「御伺い」や「祈御全快」と書きましょう。
下段には、フルネームで名前を書きます。夫婦連名の場合は、右側に夫のフルネーム、左に妻の名前のみを書きます。
職場などの有志で贈る場合は、3名まではフルネームで書き連ねます。右側から立場の高い人順に並べます。4人以上になる場合は、3名まで名前を書き「他○名」にするか、「○○一同」などとします。
表書きは黒の筆ペンで書きます。薄墨は弔事専用となりますので使用しません。
嬉しいお見舞いはどんなもの?
お見舞い品を贈っても、喜んで飲食したり使ってもらえなければ、あまり意味がありません。折角贈るのですから、少しでも元気になるきっかけになって貰えれば嬉しいですね。
では、どんな品物を贈れば喜んでもらえるのでしょうか?
飲食物であれば、高級なお茶や、本人の好きなお菓子などが良いでしょう。食べ物や飲み物は、食事制限が無い場合に限ります。事前に制限の有無が確認できない時には避けましょう。飲食物はなるべく日持ちのするもので、常温で保管できると安心です。
また、付け心地の良いボディクリームやハンドクリームなども重宝されます。冬場では病室なども乾燥しますので、付けるだけで幸せな気持ちになれるものが1つあるとホッとできます。
好きなジャンルの雑誌やゲームなども喜ばれます。好きな作家の新作小説や漫画本なども良いでしょう。
縁起の良い物も贈って喜ばれます。例えば水で洗えるタオルなどは、「水に流す」という病人や怪我人にとって縁起の良いものになります。触り心地の良い品を選んでみましょう。贈られた方も「自分のために選んでくれた」と嬉しく思ってくれるはずです。
貰って困ったお見舞い品は・・・
良かれと思って持ってきてくれたお見舞い品、でも中には困ってしまう物もあるようです。
例えば、口に合わない食べ物や禁止されている食べ物は処分に困ってしまいます。
好きだからと言って食べきれない量のフルーツなど、賞味期限の短いものを沢山貰うのも困ります。
雑誌など重くて嵩張るものや、大きなぬいぐるみなどは、退院の際に持ち帰り辛いため不評です。
程々の量で、使用・消費できるものが好ましいと言えます。これらは、自宅にお見舞いに伺う際にも注意したいものです。
どうしても品物選びに困る場合は、現金やギフト券、商品券などにしても良いでしょう。
お見舞いの品をNGとしている病院も・・・
近年では、お菓子や果物など食品のお見舞い品を禁止している病院も多いものです。また、衛生面の問題から、生花を持ち込むのを禁止とする病院もあります。そのため、お見舞い品を持参したい時には、事前に確認が必要です。
お見舞い品にはマナーがあり、4.6.9.13の数字は避けます。4は死、6は無、9は苦を連想させ、13は海外で不吉な数字だからです。差し入れの数やお菓子の数なども、これらの数は避けます。
更に、病気や怪我の場合、「寝付く」ということをさけるため、鉢植えなどを持参するのもマナー違反となりますので注意しましょう。
嬉しかったお見舞い品
入院している、または自宅療養の人が実際にもらって嬉しかったというお見舞い品をご紹介します。
〈ふりかけセット〉
様々な味のふりかけセットは、病院の白ご飯にも使えて便利という意見があります。退院後も重宝します。
〈お花〉
プライベートでお花を貰う機会はなかなかありませんので、心に残る人が多いようです。
〈ノンアルコール飲料〉
少し上質なノンアルコールワインなどは、快気祝いの際に飲めるため喜ばれます。
〈パジャマ〉
着心地の良いパジャマは病院などでもすぐに使えるため重宝されます。病気での入院であれば前開きの物が良いでしょう。
〈タオル〉
入浴や洗顔、洗髪に使用したり、枕に掛けたりして使用できます。
〈塗り絵やパズルなど〉
集中して取り組めるものは、気を紛らわせるのに重宝されます。
〈手紙や便せんセット〉
心のこもった手紙を貰うと嬉しいと感じる人が多いものです。また、親友に「辛いことはいつでも聞くよ」と便せんや切手のセットを差し入れされ、入院中に書いて出したという人もいます。
手紙を付ける際の注意点
お見舞い品に手紙を付けたいという人もいるでしょう。手紙には、励ましなどを書きます。手紙を書く際に注意したいのは、「忌み言葉」を使用しないという点です。死が付く言葉はもちろんのこと、終わる、消える、失くすなどネガティブなイメージの言葉も使いません。
入院している相手は、想像以上にナイーブになっているかも知れませんので、何気ないことでも関係にヒビが入ってしまうかも知れません。また、本人が目を背けたいこともありますので、病名を改めて書いたり、病状を詳しく聞いたりすることも避けましょう。
また、自分の自慢や「いつ退院できるの?」など相手を嫌な気持ちにさせる言葉は書かないようにしましょう。
郵送で贈る場合
遠方に住んでいるなど、どうしても、お見舞い品を渡しに出向けない場合は、郵送する方法を取ります。郵送する場合は、必ず控えの残る方法で送りましょう。宅急便を利用数すると安心です。
お見舞い品は自宅へ贈るのが基本です。病院へ贈りたいと考える人も居るかも知れませんが、病院側にも本人にも負担となることが考えられます。そのため、病院へ贈ることは避けましょう。
まとめ
お見舞いとして品物を贈る場合があります。本人の好きな物や入院・闘病生活などで使用するものを贈ると喜ばれます。
お見舞い品には贈る際にマナーがありますので、のし紙の掛け方、渡し方などをきちんと守りましょう。相手の状況によってはお見舞いができない事も考えられますので、事前確認を取った上で出向くようにします。
自分が贈られて困るものは贈らないようにしましょう。品物に悩む場合は、ギフトカードや商品券でも良いかも知れません。