家族や親族、知人などが病気や怪我などを患った場合、お見舞いに出向きたいと考える人も多いのではないでしょうか?
お見舞いには守るべきマナーがあり、間違えてしまうと失礼にあたるため、気を付けなくてはなりません。
ここでは、そんなお見舞い金に関してを詳しくご紹介します。
お見舞いとはどういうもの?
お見舞いとは、元来、誰かの元へ訪れることを意味していましたが、現代では災害や事故などに見舞われた人や怪我人・病人の元を訪れて慰めることを指します。
また、選挙などを行う事務所に出向き士気を高めることを陣中見舞いと言ったり、ハガキなどを送り合い、暑さ寒さを慰め見舞うことを暑中見舞い、残暑見舞い、寒中見舞いなどと呼びます。災害の際には、風見舞い、火事見舞いなど、何を見舞うのかを分かりやすいようにしています。このように、本来は誰かを訪問したり、誰かを想い慰めることを見舞いと言います。
ただ、中には正反対の意味で「パンチをお見舞いしてやる」など、異なる意味合いを持たせるために使われることもあります。
お見舞いには、品物を持参する場合と、お金を持参する場合とがあります。どんな時に品物で、どんな時に現金が良いかという厳密な決まりは有りません。お見舞いの品で悩んでしまう場合は、お金を渡しても構いません。
お見舞いを渡すタイミングは?どんな言葉を掛けるべき?
お見舞いは、必ず相手に連絡をしてから行きます。入院をしたなどと聞くと、すぐにでも駆け付けたいという気持ちがありますが、病院では面会時間が決められていますし、手術などを行う場合は、落ち着くまで本人と会える状況であるかも分かりません。また、検査や治療など時間が決められている場合もありますので、急に訪問はせず、必ず事前にお見舞いが可能かと確認を取ってから行きましょう。
お見舞い金を渡すのは室内で行いましょう。病院の場合は廊下など不特定多数の人が通る場所では渡しません。家の場合も、本人に合って直接渡すのが基本です。本人が受け取れない場合は、家族にお渡ししても構いません。室内へ入り、本人へのねぎらい、慰めの言葉を掛けてから、渡しましょう。
「お見舞いの品は何が良いか分からなかったので、代わりに・・・」「急な事で何かと入用だと思いますので・・・」という言葉を添えて渡すとスマートです。お返しが不要の場合は、快気祝いは要りません」と一言添えておくと丁寧です。
お見舞いに渡す金額の相場は?
お見舞いにお金を渡す場合、相手と自分の関係性で金額が変わってきます。金額の相場は次の通りです。
関係 | 金額 |
両親・兄弟姉妹・祖父母・親戚・孫 | 5千円~1万円 |
友人知人 | 3千円~5千円 |
近隣住民など | 3千円~5千円 |
職場関係有志など | 1人あたり3千円 |
職場では、有志が出し合ってお見舞い金とするのが一般的です。相場は3千円ですが、人数が多すぎる場合や合計金額が忌み数字になるようであれば、相手の負担にならないよう少し調節して渡しましょう。
また、近い親族であれば相場以上のお金を包んでも構いません。
他の冠婚葬祭と同様、住んでいる地域によって相場が決まっている場合もありますので、分からない場合には目上の人へ相談してみると安心です。互助制度の根付いている地域では、近隣住民は一律幾らという徴収をしている場合もあります。
渡す金額にタブーはあるの?
お見舞い金として持参する場合、死を連想する4、無を連想させる6、苦を連想させる9の数字が付く金額は避けましょう。日本ではあまり気にされていませんが、海外では13という数字も不吉なものとされていますので、13の付く金額も避けます。これらの忌み数字を知らずに渡してしまうと、相手を深く傷付けてしまうこともありますので注意しましょう。
不祝儀袋を間違えて使用してしまうということも絶対に避けたい間違いです。良くない事=不祝儀と考えがちですが、それは間違いです。不祝儀袋は葬儀、法要の際しか使用しません。
また、お見舞い金に新札は使用しません。新札を用意していた=自分の不幸を待っていた。と捉えられるからです。折り筋が付いたお札で構いませんが、あまりに汚れているものは交換してから渡すようにしましょう。
お見舞い金へのお返しは?どんなものが喜ばれる?
お見舞い金を頂いた場合、基本的にお返しが必要となります。
半返しと言われていますので、頂いた金額のおよそ3分の1~半額程度のお返しが必要となります。
お返しは、一般的に快気祝いという名称になります。
有志で何名かから頂いた場合は、皆で食べれるお菓子などが良いでしょう。その際は、全員に行き渡る小分けのものが重宝されます。数を間違えてしまうと失礼になりますので、ギリギリではなく、余裕を持った個数をお渡しすると良いでしょう。職場の場合、部署内で快気報告と挨拶をしながら1人1人に手渡すと丁寧です。
個人的にお渡しする場合は、その方の好みの物でも構いませんし、必ず消耗するであろう品物であれば貰った相手も困りません。カタログギフトなどのように様々な品物から選べるものも喜ばれます。なるべく形に残らない物を贈るようにしましょう。
なかなか回復せず、退院できない場合などは、経過報告を兼ねてハガキや手紙などを送るようにしましょう。
お見舞いを郵送することもできる?
遠方に住んでいる場合は、病院や自宅へ直接出向けない場合がほとんどです。そのため、郵送でお見舞い金を贈ることができます。
その際は、現金書留の封筒に祝儀袋や白封筒をそのまま入れて贈るようにします。そして、簡単で構いませんので、慰めの言葉を記した手紙などを入れると良いでしょう。入院している本人の好きな景色や花などのポストカードを使用したりすると、相手にも喜ばれます。
お見舞い金を包むのし袋は?封筒で良いの?
お見舞い金は、祝儀袋に包んで渡します。紅白の結びきりかあわじ結びの水引が付いたものを使用します。あまりに華やかな水引の物では、怪我や病気などを祝っているようで気が引けてしまいます。そんな時は水引が印刷されているシンプルな物を選びましょう。急ぎの場合等は白い無地の封筒でも構いません。
特に、相手の病気が重い場合や、災害でのお見舞い、流産などの入院の場合には、水引の無い白い封筒が好ましいと言えます。祝儀袋には、内側にお金を入れる袋の付いた二重袋のタイプがあります。でも、この二重袋を使う事で「再び繰り返される」というようなマイナスのイメージが持たれるため、使わないのが一般的です。
熨斗の有無は各家庭の考え方による部分が大きいのですが、基本的には付けない方が良いでしょう。なぜなら、熨斗は元々目出度いことを祝うアワビを模しているからです。慶事を表わすものになりますので、悩む場合は付けない方が良いのです。
表書き上段は「御見舞い」にしましょう。見舞う相手が上司など目上の方の場合は、お見舞いだと不適切になりますので、「祈御全快」などと書くようにしましょう。下段には、氏名をしっかりと書き記します。職場有志などの場合は、3名まではフルネームで書きます。右から左へ立場が高い順に書きます。4名以上になる場合は、代表者名を書き、他○○一同や、他○○有志一同とします。表書きを書く際には、黒い墨を用います。薄墨を使うのは不祝儀の時だけですので、注意しましょう。
お見舞いに手紙を添える場合は?
親しい仲の場合、お見舞い金の他に手紙を添えて元気を出して貰おうと考える人も多いものです。
手紙を付けるのは構いませんが、そこに書く内容にも注意しなくてはならない点があります。
まず、病名などに触れることはしないようにしましょう。目にする事で、より落ち込んでしまうことが考えられるからです。
また、忌み言葉は使用しません。苦しい、度々、長い、終わる、消える、続くなど、死を直接的に表現していないものでも悪いイメージとして捉えられてしまいます。
更に、自分の自慢や、相手の怪我や病気を軽視する文面も控えましょう。相手を思いやる気持ちを、短い文章でも丁寧に書き記すことが大切なのです。
まとめ
お見舞いは、相手の都合や病状を考え長居しないようにします。
相手は見た目以上にナーバスになっていることもありますので、お見舞いにおけるマナー違反は絶対に避けるべきです。
お見舞い金として、ギフトカードや商品券を贈ることも可能です。金額に特別なルールはありませんが、忌み数字は避け、祝儀袋や掛ける言葉、手紙の内容にも気を配りましょう。
一刻も早い回復を祈る気持ちを持ち接するようにしましょう。