日頃の感謝を改めてお伝えし、これからもよろしくお願いします。という気持ちを伝える大人の夏の行事、お中元。
筆者も初めてお中元の準備をした時は、「私ももう大人になったんだなぁ。」としみじみしました。
自立したり、会社で担当したりと、今年からお中元デビューする方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、お中元初心者の皆様に、お中元の基本知識やおさえておいて欲しいマナーをご紹介します。
お中元とは?
お中元は日本の文化と思われがちですが、もともとは中国で生まれた文化です。
中国ではお中元以外にも、「上元」と「下元」があり、それぞれの日に意味があります。
中国の「中元」は日本の「お盆」に当たり、ご先祖様を供養する日に定められています。
日本では、中国のこの風習と仏教の風習が混ざり、徐々に「日頃からお世話になっている方や、付き合いのある方、家族などに感謝の気持ちとして品物を贈る文化」となり、現在のお中元になりました。
ちなみに、お中元と並べられる機会が多いお歳暮は、日本で生まれた風習。
1年の終わりにご先祖様を祭りための行事でお供え物をしていたものが、親族に物を贈る行事へと変わり、現在では、お中元と同じく日頃からお世話になっている方々に感謝の気持ちとして品物を贈る文化になり、定着しています。
お中元の時期は?
一般的に、お中元の時期はお盆の時期と同じです。
お盆の時期は地域によって違うので、必然的にお中元の時期もそれに合わせて変わります。
お相手が北海道・東海・関西・中国・四国に住んでいらっしゃる場合は7月15日〜8月15日、東北・関東なら7月初旬〜7月15日、九州は8月1日〜8月15日です。
注意が必要なのは、お相手が北陸や沖縄に住んでいる場合です。
北陸は地域によって7月初旬〜7月15日の場合と7月15日〜8月15日の場合があります。同じ県内でも日程が違うことがあるので、事前に伺っておいたほうがいいでしょう。
沖縄は、他の九州と日程が大きく変わります。
沖縄は旧暦で数えるので、その年によってお中元の時期が変わります。2020年は8月31日から9月2日がお盆であり、お中元の期間です。
お中元の相場
お中元は安すぎても高価すぎてもよくありません。
例えば、親族間であれば3000円〜5000円程度(義両親も含む)、上下関係のない友人やプライベートでお世話になている相手なら3000円程度、取引先なら5000円、取引先の中でも特にお世話になっている相手なら1万円程度がいいでしょう。
結婚式に仲人さんがいた場合、仲人さんには3年間5000円程度の品物を送ります。
習い事教室などは3000円くらいがちょうどいい金額です。
お中元は安すぎても失礼になりますが、高価すぎると相手に気を使わせてしまいます。
ここではお中元の品物の平均的な相場をご紹介します。
お中元の地域ごとの期間や、相手によっての品物の相場について詳しく知りたい方はこちらからぞうぞ。
のし(熨斗)
お中元の品物につけるのし紙には決まりごとがいくつもあります。
のし紙は目立つものなので間違えないように気をつけましょう。
例えば、お中元の期間中に間に合わなかったら、のし紙の表書きも「御中元」ではなく、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」になります。さらに相手が目上の方なら「暑中御伺い」「残暑御伺い」になりますのでお気をつけください。
名入れもひとりで出す場合、3名までの連名で出す場合、3名以上の連名で出す場合、それぞれ書き方が変わります。
のしの基本情報や書き方について詳しく知りたい方はこちらのページをどうぞ。
贈る時のマナー
それではまず贈る時のマナーをご紹介します。
期間内に贈る
先にも書きましたが、お中元の時期は地域によって変わります。よほどのことがない限り、お相手が住む地域のお中元の期間内に贈りましょう。
金額面を考える
お中元は感謝の気持ちを伝える風習です。安すぎても高すぎてもよくありません。
例えばとてもお世話になっており、ものすごく感謝していても、あまりにも高価な品物は贈るべきではありません。
もらった相手に気を使わせたり、負担をかけてしまっては本末転倒です。程よい金額の品物を贈りましょう。
もらって困る品物を送らない
たくさんお中元を贈る人は、品物を1つ決めて数人に同じものを贈る人も多いでしょう。
しかしそれがお相手にとってもらって嬉しいものか一度考えてみてください。
魚が苦手な方に魚を送ってしまったり、甘いものを控えている方にお菓子を送ってしまうとそれはマナー違反で失礼に当たります。
相手の好みや状況がわからない場合は、フルーツや日用品など誰がもらっても困らないような無難な品を選びましょう。
相手の家族構成を把握する
贈り先の家族構成を把握し、それにあった品物を選びます。
例えば小さなお子さんたちがいるご家庭宛ならジュースやゼリーの詰め合わせ、お酒が好きなご夫婦ならお酒ギフト、大家族なら品数の多いお菓子セット、若いご夫婦ならお洒落なスイーツなどを選ぶと喜ばれるでしょう。
忌中の相手には贈らない
お中元はお祝い事ではないので、喪中であっても贈り合うのは全く問題ありません。しかし、忌中は家族が亡くなって間もなく、相手先がまだ心の整理がついていなかったり、バタバタしている可能性があるので控える方が無難です。
どうしても贈りたい場合は、忌中が明けるのを待って「暑中見舞い」や「残暑見舞い」として贈りましょう。
贈ってもいいか確認する
例えば利害関係がある(お仕事で関係があったり、その地区に住んでいるなど)公務員相手には送ってはいけません。最近は一般企業でもお中元やお歳暮のやり取りを遠慮している場合があります。
習い事教室も同様です。なので贈りたい場合は事前にお相手に確認しておきましょう。
送り状・もしくは電話で知らせる
直接渡すのではなくお中元を送る場合は、事前に送り状を出したり電話でお中元を送った旨を送り先の相手に知らせます。
これは正式なマナーではありますが、最近では連絡をしない場合もあるようです。
しかし品物が生ものの場合は事前に連絡を入れた方が親切です。
貰った側のマナー
続いてはお中元を受け取った方に知っておいていただきたいマナーをご紹介します。
お礼状は2.3日以内に出す
お中元が郵送で送られてきた場合はまずはすぐにお礼の電話をします。
そしてお中元が手元に届いてから2〜3日以内にお礼状を出します。お礼状は、直接お中元をいただいた場合も出します。
お返しは必要?
お中元はいただいたかといってお返しをする必要はありません。
もともとお返しはしないのが一般的な認識です。
電話でお礼を伝え、送り状を出せば十分です。
お返しの品はいただいた物の半額〜同等に収める
お返しをする必要はありませんが、お返しはしてはいけないわけではありません。
ただし、お返しを贈ることでかえって相手に気を使わせてしまうこともありますので、お返しをする場合は相手を選びましょう。
お返しの品を贈りたい時は、いただいた品物の半額〜同等のものを選びます。
いただいた品物より高価な品物を贈るのはマナー違反です。絶対にしないよう気をつけてくださいね。
まとめ
お中元やお歳暮など、昔からある風習にはマナーやしきたりがつきものです。
しっかりマナーをふまえて贈ることで、より良い関係が築けることを心より願っております。