よそのお宅にうかがう時にかかせないものといえば、手土産です。
手土産は渡すだけだと思われがちですが、意外に渡し方やタイミングが難しくて悩んでしまう人もいます。
渡そう渡そうと思っていても、紙袋を握りしめたまま結局渡せなかったという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
手土産に人気の品物はどのようなものなのかも、時と場合によって選び分けたいですよね。
今回は手土産の渡し方とタイミングについて紙袋はどうしたら良いのか、人気の品物はどんなものなのかをご紹介します。
手土産を持参する意味とは?
誰かの家にうかがう時、あるいは仕事中に取引先の会社に訪問する時やアポを取って会う時などに手土産を持参します。
手土産を渡すことであいさつ後の話の流れが円滑になるなど、その場を和ませる役割もありますよね。
手土産というのは「自分と会うために時間と場所を提供してくださってありがとうございます」という意味が込められています。
自宅にお邪魔した場合はそれまでに部屋の片付けなどをしてもらった、長居させてもらうためのお礼になるのです。
取引先や引っ越しのあいさつなどでの手土産は「これからもよろしくお願いいたします」という意味が込められています。
どちらにしても人間関係を円滑にして良好に保つために、手土産は必須なのですね。
よほど急な約束などでない限りは、なるべく手土産を持参してお渡しするようにしましょう。
手土産を渡すタイミングは?
手土産を持参したのは良いものの、渡すタイミングがわからなくてまごついてしまったという人も多いのではないでしょうか。
手土産は適切な渡すタイミングを心得ておけば、場の空気を変えずに渡せます。
手土産の種類や渡す場所などでタイミングも異なってくるので、いろんなシチュエーションごとに見ていきましょう。
①手土産を渡す基本のタイミング
手土産を渡すのに一番適しているタイミングが、あいさつの後です。
例えば相手のお宅にお邪魔して、手土産に菓子折りを持って行ったとした場合を見ていきましょう。
「今日はお招きいただいてありがとうございます、よろしければ皆さんで召し上がってください」
最初のあいさつが済んだ後に、そのまま手土産を渡す言葉を添えてサッと渡します。
手短な言葉を添えて渡すことで、相手に気を遣わずにスマートに手土産を渡せるのです。
基本的なタイミングとしては、あいさつが終わったらすぐに渡すというのを覚えておきましょう。
②玄関先のみで失礼する場合
わざわざ家に上がらなくても、例えば簡単なあいさつのみでは玄関先のみで失礼することもあります。
玄関先で手土産を渡したい時は、要件が済んだら最後に渡すようにするとスマートでしょう。
最初に手土産を渡してしまうと、玄関先で話をしている間ずっと手土産を持っていてもらわなくてはならないからです。
あいさつで例えた場合について、見ていきましょう。
「いつもお世話になっております、〇〇です。
(簡単な会話)それでは今後ともよろしくお願いいたします。
よろしければ皆さんで召し上がってください」
最後にサッと菓子折りを渡して、おいとますればスマートですね。
③冷蔵品の手土産を持参する場合
手土産の中には、冷蔵庫に入れなければならないものを持参することもあります。
プリンやゼリーなどの生菓子が多いですが、渡す相手に中身を伝えないと冷蔵庫に入れ忘れてしまうことがあるので注意しましょう。
冷蔵品の手土産を持参するときは、一言「生ものなので冷蔵庫に入れていただけるとうれしいです」と伝えるとスムーズです。
冷蔵庫の手土産の場合は、相手の冷蔵庫のスペースなど何かと気を遣わなければならないことも多くなります。
なるべくなら初対面の相手に、冷蔵品の手土産を持っていくのは避けた方が良いでしょう。
④お花を手土産として持参する場合
手土産は必ずしも食べ物でなくても、相手が好きなものとして花を持参する機会もあるかもしれません。
花は切り花にするのか鉢植えにするのか、形状によって異なりますが基本は玄関で渡します。
土や水がこぼれる可能性もあるので、部屋で渡すのは避けた方が良いでしょう。
切り花を選ぼうとしているときは、相手の家に花瓶があるかどうかわからなければ避けます。
鉢植えならもらっても、すぐにそのまま飾れますのでスマートです。
玄関先で渡すときには「土や水で汚れてしまいますので、玄関で失礼します」と添えて渡しましょう。
⑤ゲストの人数が多い場合
ホームパーティなどにお呼ばれしたときは、通常、家にお訪問するよりゲストの数も多いものです。
ゲストの数が増えるとそれだけいろんな人がいるもので、中には手土産を持参していない人もいます。
他の人と同じタイミングで渡してしまうと、手土産が被っていたり品物の格が全く違ったりといったことも起こる可能性がありますよね。
ゲスト同士の手土産によるトラブルを防いだり気を遣ったりするためにも、ホームパーティなどでは玄関先でサッと渡してしまうのがベストです。
手土産を紙袋に入れた場合はどうする?
手土産といえば、持ち運ぶときには多くの場合紙袋の中に入れます。
紙袋に入れて手土産を持参する時に困るのが、紙袋の扱い方です。
紙袋に入れてそのまま渡してしまってもいいのか、紙袋から出して渡すべきなのか…迷いますよね。
正解は、手土産を紙袋から出して渡す方法です。
ひと昔前までは紙袋ではなく風呂敷包みにして手土産を持参しましたが、果たして相手に風呂敷包みのまま渡すでしょうか。
紙袋を風呂敷に置き換えて考えれば、紙袋からは出して渡すのが正しいマナーなのです。
紙袋のまま渡してしまうと、汚れが付着した状態で相手に渡すことになってしまい失礼に当たります。
紙袋は本来手土産が汚れないように守るためのものなので、紙袋は自身で持って帰りましょう。
意外に手土産を渡すときの紙袋の扱い方は、迷ってしまう人が多いので押さえておくと良いですね。
手土産の正しい渡し方とは?
紙袋から手土産を取り出していざ相手に渡そうとした時に、正しい渡し方ができているか気になる人も多いですよね。
手土産の向きや添えたい言葉、そして家以外の場所で渡した時などに対応できるようにしておくと便利です。
紙袋から出した手土産には、きちんと正しい渡し方のマナーがあるので見ていきましょう。
①手土産の向きに気をつける
手土産を紙袋から出したら安心してそのまま渡したくなるのですが、向きを整えるまで待ちましょう。
まずは紙袋から取り出した後に、向きを自分の方に正面になるように整えます。
手土産の包装に汚れなどがないかを今一度チェックして、時計回りに90度ずつ回して相手の方に向けてください。
渡すときは紙袋を腕にかけてから、両手で相手の方に正面を向けて渡しましょう。
手土産を渡したら速やかに紙袋は畳んで、持ち帰るように自分の荷物の中にしまいます。
②言葉を添えて渡す
手土産を渡す時には、あいさつとともに手土産を持参した旨を伝える言葉を添えたいものです。
手土産を渡す時によく聞く言葉といえば「つまらないものですが…」というセリフですよね。
本来の意味は日本人らしい謙遜したニュアンスなのですが、現代ではそのまま「つまらないもの」とストレートに取られてしまうことも少なくありません。
変な誤解を生まないためにも、手土産を渡すときの言葉はわかりやすく伝えましょう。
菓子折りなど食べ物の場合は「ご家族の皆さんで召し上がってください」がメジャーですね。
その他では「〇〇がお好きとうかがいましたので…」などもおすすめです。
受け取った相手がポジティブな気持ちになれるような言葉を添えることで、よりうれしさも倍増します。
③臨機応変に対応する
手土産は紙袋から取り出して渡すのがマナーとはいうものの、必ずしも当てはまらないことがあります。
例えば、外出先で手土産を渡した場合などが当てはまるのです。
外出先の場合は紙袋に入れておかないと持ち運びに不便ですし、そのままバッグに入れるのも忍びないもの。
外で手土産を渡す時には、紙袋ごと渡してしまった方が相手のためには良いのです。
紙袋ごと渡す時には「紙袋のまま失礼いたします」と一言添えて渡すようにしましょう。
手土産の金額相場と人気の品物
手土産を購入する時に気になってしまうのが、金額相場です。
特に渡す相手によって手土産の値段を変えなければならないので、頭を悩ませることも多いのではないでしょうか。
人気の品物もだいたいは渡す相手に合った金額相場の中で収まることが多いので、参考にしてみてください。
①家族や親しい友人
家族や親しい友人は、手土産というとお互いの好みも周知しているので人気の品物を選ぶよりピンポイントで渡す方が多いですよね。
金額相場は2〜5千円くらいで、みんなでお茶ができるようなお菓子も人気です。
ケーキなどの生菓子を手土産として持っていくことが多いのは、おそらく両親や親しい友人でしょう。
気兼ねしない仲だからこそ、金額相場は気にしない傾向にあります。
例えば、インターネットで買えるものだとこの辺りがおすすめです。
②頻繁にお互いの家を行き来するママ友
子供が幼稚園に行き出すと途端に増えるママ友ネットワークですが、当然お互いの家を頻繁に行ったり来たりしますよね。
ママ友への手土産であまり高価なものを渡してしまうと、次からもお互いに気を遣ってお金のかかる付き合いになってしまうのです。
できれば予算は金額相場の千円くらいを目安にして、決めていきましょう。
子供も食べられる無添加系のお菓子やプリン、ゼリーなどの生菓子も人気なのでおすすめです。
③取引先や仕事関係でお世話になっている人
取引先や仕事関係の人への手土産はあいさつだったり謝罪だったり、目的がさまざまです。
金額相場は5千〜1万円くらいですが、謝罪の時が一番高価な手土産を持参しましょう。
会社関係での手土産で人気なのは小包装のアソートになった菓子折りで、有名店のものが好ましいでしょう。
百貨店のデパ地下に行けば有名店はたくさんあるため、利用すると良いでしょう。
④初めて訪ねる相手
初めて訪ねる相手にも、最初からあまりにも高い手土産を持っていくと気を遣わせてしまいます。
金額相場は2〜5千円くらいですが、相手の負担も考えて2〜3千円くらいがベストでしょう。
初めて訪ねる相手はまだ相手の情報が乏しいので、無難な菓子折りがおすすめです。
最適な手土産を選ぶポイント
相手のことを思って渡したい手土産、より適したものを渡すためにおさえておきたい選ぶポイントはあるのでしょうか。
渡す相手のことや品物について、さまざまな角度からみていきましょう。
①相手の家族構成を把握する
相手の家族構成を知ることで、だいたいどのくらいの手土産を持参すればいいのかわかります。
相手が独身なのにたくさんのアソートが入った詰め合わせをもらっても、食べるのに時間がかかってしまうのでおすすめできません。
相手の家族に子供がいるのにコーヒー豆をプレゼントするというのも、少し違う気がしますよね。
まず相手の家族構成は把握して、それから品物の大きさや入り数などを考えていきましょう。
②季節を気にする
お菓子を持参するなら、やはり季節には気を配りたいですね。
例えば暑い夏ならスッキリした気持ちになるゼリーなど、寒い冬なら温かいお茶と一緒にいただきたいおはぎやおまんじゅうなどがおすすめです。
手土産の内容が季節感のあるものだと、センスがあると思われやすくなります。
会社代表としてセンスの良い手土産を持参した場合は、会社全体のイメージも良くなりそうですね。
③食品の場合は賞味期限に注意
食品を手土産として持参する場合は、まず賞味期限に注意します。
大きめで入り数が多い手土産をもらっても、賞味期限が迫っていてはゆっくり食べることもできません。
おうちにお邪魔してそのまま一緒に食べるような生菓子系なら良いのですが、もらう側としても慌ててしまいます。
焼き菓子系なら賞味期限が3か月ほどあるものを選ぶと、ゆっくり食べられるのでおすすめです。
手土産の選び方で注意したいこと
手土産は相手に合った品物を選ぶ必要がありますが、中でも特に注意したいことがあります。
注意点を把握しておかないと相手に負担をかけたり、手抜きをしていると思われてしまうこともあるのです。
主にふたつの注意点を守っていれば問題ないので、確認していきましょう。
①相手の負担になるような高額商品は避ける
手土産というのは双方気を遣わない品物を送るというのが鉄則なので、できれば高額商品はポケットの中に入れておきましょう。
だいたい手土産の高額は2〜3千円なので、そこまで高くはありません。
②渡す相手の近所では購入しない
つい手土産は直前に変えれば良いや!と近場で済ませていませんか?
意に近所のお店では多くの品物を食べたことがあるので、知られると「またあそこのお店…」となってしまいますよね。
まとめ
手土産の渡し方とタイミングについて紙袋はどうしたら良いのか、人気の品物はどんなものなのかをご紹介してきました。
手土産の渡すタイミングは玄関であいさつを済ませた後が一般的で、紙袋からは取りだして渡します。
予算や添える言葉などは、ぜひ参考にしてマナーを守って手土産を渡していきたいですね。