結婚式などで、ご祝儀とは違って謝礼の気持ちを込めて相手に渡す謝礼金。
謝礼金を渡すときにはどんな封筒に入れるのが良いのか、渡し方はどのようにすれば良いのか迷ってしまうことがほとんどです。
心づけをお世話になった友人に渡すときにも、どのような形で謝礼をすれば良いのでしょうか。謝礼の気持ちを表す心づけも、きちんとマナーを守って渡したいですね。
今回は謝礼金のマナーとして、謝礼を入れる封筒や心づけの渡し方について詳しくご紹介します。
謝礼金を渡す相手と金額相場は?
心づけ、つまり謝礼金は気持ちの上で発生するものなので、必ずしも渡さなければならないという決まりはありません。結婚式で謝礼金を渡す相手に迷った時には、心づけを渡すことの多いスタッフを把握しておきましょう。
金額もできれば結婚に関係することなので2で割り切れない数字にするのが基本です。
場合によっては、お祝いをする側でなく主催者側からの謝礼金なので、偶数にしても差し支えないという考えもあります。
結婚式でお世話になったスタッフごとの、謝礼の金額相場についてみていきましょう。
プランナー
結婚式の予約や構成など、ほぼ全ての面でお世話になるのがプランナーです。
プランナーには結婚式の日を無事に迎えた折には、今までの感謝を込めて心づけを渡すことが多いでしょう。
お世話になった比重が大きいということで、謝礼金の金額相場は3千円程度がほとんどです。
ヘアメイク
花嫁姿になるために、ヘアセットやメイクを施してくれたヘアメイクの人にも、多めの謝礼を渡すことがほとんどです。
特にヘアメイクによって結婚式の満足度もかなり変化していくので、心づけを渡すことでより力を入れてほしいものですよね。
ヘアメイクへの謝礼の金額相場は、プランナーと同程度の3千円です。
カメラマン
結婚式のプランとして、カメラマンがついて式の様子を撮影してくれるものが主流です。
カメラマンは自分たちの結婚式という思い出を作ってくれるサポートをしてくれているので、心づけを渡す機会もあるでしょう。
カメラマンにはすでに撮影料として料金を払っているので、謝礼は気持ち程度の千円が相場です。
司会者
披露宴の司会者にも、お世話になる機会はとても多いですよね。
打ち合わせの時に同席することもあり、接することも多いので謝礼を渡す機会もあるかと思います。
司会者への心づけの相場は、3千円程度が多いでしょう。
キャプテン
結婚式当日の、現場監督の役割を担ってくれるのがキャプテンです。
結婚式がスムーズに滞りなくおこなえるかはキャプテンにかかっているともいえるので、心づけを渡しておいた方が良いでしょう。
キャプテンへの謝礼の金額相場は、3千円程度がほとんどです。
謝礼を入れる封筒はポチ袋?ご祝儀袋?
結婚式のとき祝い金の場合はご祝儀袋に入れて渡すのが基本ですが、謝礼を入れるのは普通の封筒で差し支えないのでしょうか。
きちんとご祝儀袋に入れて渡した方が良いのか、迷ってしまいますよね。
心づけとして謝礼を渡す場合には、一般的に封筒ではなく「ポチ袋」に入れます。
ポチ袋はお年玉が入っている、小さい封筒のような入れ物のことです。
ポチ袋にお札をたたんで入れて、そっと渡すのが心づけのマナーなんですね。
ポチ袋の場合、金額が大きいと封筒がパンパンになって見栄えが悪くなることがあります。
ポチ袋に入りきらない金額を謝礼金として渡す時には、ご祝儀袋に入れるようにしましょう。
目安としては謝礼金が5千円以上になるときは、ポチ袋からご祝儀袋にランクアップさせます。
ご祝儀袋は、水引が「結び切り」であるものを使用してください。
結婚式は人生で一度きりであってほしいとの願いから、何度も結び直せない「結び切り」は縁起が良いとされているのです。
心づけとして渡すご祝儀袋なら、水引やのしが印刷されている簡易的なものでも問題ありません。
普通の封筒では大きさ的にもかさばってしまい、心づけには向かないでしょう。
謝礼をスマートに渡せるように、結婚式が始まる前にポチ袋と金額によってはご祝儀袋にお札を入れて準備しておきたいですね。
謝礼金はどのタイミングで渡す?
謝礼金の用意ができているけど、どのタイミングで渡したら良いのかわからないという人もほとんどです。
結婚式の日に適当なタイミングで渡すことをイメージしている人もいますが、実は式の当日はかなり忙しくて少しの暇もないことがあります。
心づけを用意していたけど、結局渡せずに後悔することもあるのです。
結婚式がうまくいっても、なんとなくモヤモヤが残るのも嫌ですよね。
謝礼ができなかったと後悔する前に、結婚式が始まってからではなく事前に渡しておくのがベストです。
結婚式の前のタイミングなら、スタッフがあいさつをする時に渡すことができます。
スタッフと結婚式の当日に初めて会ってあいさつをした時に、心づけをさっと渡すのがスマートです。
渡す人を間違えないためにも、事前に謝礼金を渡す人をリストアップしておくと良いでしょう。
心づけを渡すのはヘアメイクの場合のみ新婦、それ以外は新郎か両家どちらかの親が渡すのが一般的です。
スタッフの中ではプランナーとキャプテン、そしてヘアメイクのみに謝礼金を渡す場合が多い傾向にあります。
結婚式当日の成功を握っているキャプテンには、特に多く謝礼を渡すことがほとんどです。
披露宴の指揮をとっているのもキャプテンなので、式の前に司会者ではなくキャプテンに対して多くの心づけを渡すようにしましょう。
謝礼を現金以外で渡す場合は?
謝礼というと現金をポチ袋に入れて渡すイメージが強いですが、実は必ずしも現金で渡す必要はありません。
心づけは感謝の気持ちをお金や品物で示すものなので、お菓子や手紙を添えても良いですね。
受け取る側も現金でなくても、感謝の気持ちが伝わればうれしいものです。
お菓子や手紙など、現金以外で心づけを渡す場合の渡し方をみていきましょう。
お菓子
謝礼を現金ではなくお菓子にするときは、小包装タイプのお菓子を選ぶと良いでしょう。ひとりひとりに渡すのがほそぼそとして大変な場合には、大きめの菓子折りを買ってプランナーやキャプテンなどの責任者に渡すのが一般的です。
謝礼品にかけるのしの表書きには「御礼」と記します。
百貨店などで菓子折りを購入する際に、謝礼の品ということを伝えてのしをかけてもらいましょう。
のしの表書きで「薄謝」というものがありますが、薄謝は目下の人にほんの少し御礼をするという意味合いがあります。
結婚式での謝礼に使うのは「御礼」が間違いないでしょう。
手紙
手紙というのは現金や謝礼の品物と比較して、物として残りやすいのが特徴です。
プランナーの立場からすると手紙までもらわなくても…という考えもありますが、うれしく思う人もいます。
手紙は感謝の気持ちを伝える手段として優れているので、代表してプランナーに現金を添えて渡すと良いでしょう。
手紙の内容は長文を避けて、簡潔に感謝の気持ちを記すのがおすすめです。
手紙を渡す時にはポチ袋やご祝儀袋の中に入れるのではなく、必ず別添えで渡しましょう。
心づけを友人に渡す場合は?
結婚式の中にはスタッフではなく、仲の良い友人たちが主体となって式を成功に導くタイプもあります。
お世話になった友人に謝礼の気持ちとして心づけを渡したいときは、どうしたら良いのでしょうか。
それぞれの役割と、心づけの渡し方について見ていきましょう。
結婚式のスピーチや余興をしてくれた友達
結婚式のスピーチや余興をして盛り上げてくれた友人には、5千円〜1万円が相場です。
スピーチは結婚式の中でも一番緊張感が高まる時なので、責任感を持って努めてくれたねぎらいも込めてご祝儀袋に入れて謝礼を渡しましょう。
余興の場合は1万円以内に抑おさておかないと、謝礼を受け取る友人が負担に感じることもあります。まだ友人が未婚の場合は、自身の結婚式でお返しをしなくてはならなくなるので高額は避けましょう。
二次会の幹事をしてくれた友達
結婚式の二次会の幹事は、実はとても大変で手間のかかる役割です。
大変な幹事を引き受けてくれた友人には、二次会での食事代と謝礼を1万円ほど渡しましょう。
幹事はお世話になった気持ちを伝えるためにも、結婚式の後日食事に誘うのも良いですね。
幹事を引き受けてくれた友人にも、相手に負担にならない1万円が相場です。
お車代を出そう
結婚で地元を離れて暮らしている人や、上京して結婚をした人は友人たちが遠方からわざわざ結婚式に出席してくれることも珍しくありません。
遠くから結婚式に出席してくれた友人には「お車代」といって式場までの交通費を支払うのがマナーです。
友人が負担に思うことなく結婚式に出席できるように、主催者側は最低限の配慮をしなければならないのですね。
お車代に関しては一律1万円とする場合や、距離によって金額を変えるなどさまざまです。
今はネットなどで家からの交通費が簡単に調べられるので、招待する友人によって金額を変えることも多くなっています。
心づけを辞退された場合はどうする?
心づけを渡そうと準備していたけれど、相手から辞退されるケースもあります。謝礼を辞退されるとなると、どうやって感謝の気持ちを伝えれば良いのか迷ってしまうことが多いですよね。
必ずしも結婚式当日に謝礼ができなかったとしても、後日に気持ちを伝えることはできます。
謝礼自体の場合は、結婚式の後日に菓子折りなどを郵送で贈るのが一般的です。
菓子折りはお菓子を食べてしまえば後に残らないので、一番無難なチョイスでしょう。
まとめ
謝礼金のマナーとして、謝礼を入れる封筒や心づけの渡し方について詳しくご紹介してきました。
謝礼の気持ちを表すチップ、つまり心づけは必ず渡さなければならない決まりはありません。
お世話になって感謝を伝えたい時に、相場と自身の裁量で金額を決めて渡すと良いでしょう。
謝礼金は結婚式が始まる前のタイミングで渡し、封筒ではなくポチ袋やご祝儀袋に入れて渡します。
金額はスタッフの場合3千円程度が多く、友人には5千円〜1万円くらいを渡しましょう。
心づけの準備もしっかりして、結婚式を気持ちよくおこなえると良いですね。