友人や親戚の結婚式に参加する機会は度々ありますよね。ご招待いただいた際はドレスやスーツの準備はもちろん、ご祝儀も忘れずに持って行かれるかと思います。ネットや周囲の方と相談して金額を決める方が多いですが、実はご祝儀の相場には地域差があるとご存知でしたか?
おめでたいことですし、これから一緒に歩み出す二人にきちんとした形でお祝いをしたいものですよね。今回はそんなご祝儀の相場の違いや包み方について詳しくまとめてみましたよ。
ご祝儀にはどういった意味が?
せっかくなので、ご祝儀の起源についても覚えておきましょう。何となくお渡しするのとその習慣の起源を知った上でお渡しするのとでは、気持ちの込め方がちがってきますよね。ご祝儀はいったいいつから始まった習慣なのでしょうか。
●結婚祝いではなく、出陣祝いだった!?
ご祝儀の歴史は戦国時代にまでさかのぼります。戦に出ることは武士にとって名誉であった時代、参戦時には出陣祝いを贈ることがマナーとされていました。主に熨斗アワビ(アワビを薄く伸ばして包んだ縁起物)を贈ることが多かったようですが、この出陣祝いが歴史とともに形を変え、現在では結婚というお祝い事に現金を贈るご祝儀としてその習慣が残っています。同じお祝い事でも、ご祝儀の始まりは出陣のお祝いだったのですね。
一般的なご祝儀の相場って?
では、地域ごとの違いをみていく前に、もう一つ基礎的な部分を確認しておきましょう。比較対象が分からないことには始まりませんから、まずはこちらで一般的なご祝儀の相場についてみていきますよ。
●おおよそ3万円が基本
ご祝儀はお渡しする方との関係や、ご自身の年齢によっても相場が変わってきます。しかし概ね3~5万円がご祝儀の相場と考えられており、多くの場合その金額でOKです。例えば以下のような場合は、一般的には少し多めにご祝儀を包むようですよ。
- お相手が親族である場合
- お相手が会社関係者である場合
- ご自身が40代(経済的に安定している年代)である場合、3万円・5~10万円で使い分け
各地域のご祝儀相場まとめ
それでは本題の、各地域のご祝儀の相場について確認していきましょう。場合によっては平均よりもかなり差がある場合もあり、比較してみると興味深いかと思いますよ。
●北海道
ご祝儀ではなく会費制が一般的ですが、ご祝儀の場合は3万円ほどが相場です。ちなみに会費制の場合は5千~1万円ほどであることが多いようですよ。結婚式における会費制のお話は、続くコーナーでご説明いたしますね。
●東北・関東・中部・近畿・四国地方
東北地方の一部地域(青森県など)では、北海道と同じように会費制の挙式が根付いている場所も。しかし概ねご祝儀の平均相場は3万円ほどで、これらの地域のご祝儀が全国的な平均値として考えられています。
●沖縄県
沖縄県ではご祝儀の相場は1~2万円ほどが適切と考えられ、全国的に見ても一番低い金額です。しかしゲストを200名前後招くほど盛大に式を挙げることも多いようなので、そう考えるとご祝儀の額が低いことにも頷けますね。
結婚式にも会費制がある!?
先ほどお話した北海道や周辺地域では、ご祝儀ではなく会費として金銭を受け取る文化が根付いています。対象の地域にお住いでないと不思議に感じるかと思いますので、結婚式で会費制になるとどういったメリットがあるのかをチェックしていきましょう。
●新郎新婦側が支払額を決めるのが会費制の結婚式
会費制の結婚式は、何と新郎新婦がご祝儀にあたる会費を決定する形の結婚式のこと。結婚式への招待を受け取った際、金額の指定がされていた場合は会費制の結婚式ということです。
会費制は一律して「参加費用はこの金額」と明記してしまうため、金額面だけでなく、参加者側が悩むような負担が少ないというメリットがあります。会費制の場合は一般的なご祝儀の平均額より少ないですが、そのことに恐縮してしまい多めにお渡しすることのないようにしてくださいね。
正しいご祝儀の包み方って?
地域によってご祝儀の相場は異なってくるものでしたね。では最後に、ご祝儀の包み方についてお話して終わりたいと思います。当日お渡しする際はやはり見た目が大切ですから、きちんとした形でお渡しするためにしっかり確認してからご祝儀を包むようにしてくださいね。
●ご祝儀としてお渡しする場合
ご祝儀をお渡しする場合、ご祝儀袋に入れて会場まで持って行きます。袋の選び方にも少しポイントがあるので注意が必要ですよ。3万円ほどの金額を包む祝儀袋を基調として、グレードが徐々に上がっていくことに注目してみてみましょう。
- 3万円ほど:紅白や金銀の結び切りの水引きに熨斗が描かれた、表書きが「寿」の祝儀袋
- 5万円ほど:金銀の水引きタイプで、表面が檀紙(だんし。折り込まれたデザインになっているもの)状のタイプ
- 5万円以上:一般的な祝儀袋よりも華やかな飾りや縁起物が施され、紙質も上質な和紙が用いられているようなタイプ
中袋の表面には「金〇萬円」と印、裏面左下にはご自分の住所を記します。できればお札は綺麗な状態のものを選び、向きを揃えて中袋に入れましょう。祝儀袋の表書き「寿」の下には、ご自身のフルネームを記載します。
●会費制の式の場合
会費制の場合、ご祝儀袋などは用意せずとも大丈夫です。受付でそのまま手渡しする形となるため、封筒などにも入れておかなくて問題ないのですよ。お釣りが出ないよう、会費丁度の額で用意しておくと丁寧ですね。
まとめ
今回は結婚式に欠かせないご祝儀にまつわる地域性についてお話してきましたが、意外な発見はありましたでしょうか。広くは平均的な考え方でご祝儀を用意しても問題なさそうですが、特定の地域では額や用意の仕方にも特徴があるとお分かりいただけたことと思います。
北海道や青森県、沖縄県にお住いのご友人や親戚の方の結婚式に招待されることもあるかと思いますが、その際はこちらの記事を参考に、ご祝儀なのか否かを含め確認・準備するようにしてくださいね。