土用の丑の日にウナギを食べることは非常に有名です。でも、実はそれ以外にも食べた方が良いものがある事を知っていますか？では、一体どんなものを食べるべきなのでしょうか？ここでは、土用の丑の日や、その時期に食べるべきものを詳しくご紹介します。
土用の丑の日っていつ？由来は？どんなもの？
夏の季節になると、スーパーマーケットなどで「土用の丑の日」という言葉を聞くことが増えます。では、土用というのは一体いつで、どんなものなのでしょうか？
土用というのは、日本の雑節で、立春、立夏、立秋、立冬の前18日間をいいます。丁度18日前を「土用の入り」と呼んでいます。このように、土用自体は年に4回ありますが、一般的に土用と聞くと、夏の土用を思い浮かべる人が多いのです。
日本では、暦を子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二支で数えていました。そのため、土用の入りをしてから巡ってくる丑の日を、「土用の丑の日」と呼んでいます。土用期間の18日に2回丑の日が巡ってくる年もあります。その場合、一度目を「一の丑」、二度目を「二の丑」と呼びます。
土用は曜日の土曜に由来しているのでは？と勘違いしている人も居るかも知れませんが、関係ありません。
土用の丑の日にうの付く食べ物を食べるのはなぜ？健康になれるって本当？
土用の丑の日には「う」の付く食べ物を食べると健康に過ごせると言われています。なかでも、ウナギを食べることが有名です。ウナギは、かの有名な蘭学者である平賀源内が馴染みの鰻屋から「夏になると、ウナギの売り上げが落ち込む」と相談を受けたため、「本日丑の日！！土用の丑の日にウナギを食べれば夏負けしない」として大々的に売り出しをしました。それを真似して全国の鰻屋に広まったと言われています。ウナギは栄養が豊富で精が付く食べ物なので、夏の暑さを乗り切るのに一役買ってくれるのです。
その他に、うどん、梅、瓜、牛肉などうの付く食べ物が挙げられます。うどんは消化促進の効果があり、暖かい出汁で食すものは胃腸を温める作用があります。梅は解毒作用があり、食欲増進、疲労回復も期待できます。夏の塩分補給にも最適です。瓜は身体を冷やします。身体の熱を発散させ、暑さを和らげます。牛肉は、体力を付けるのに適した食材です。これらの食材を上手に取り入れて、夏を乗り切りましょう！！
土用餅ってどんなもの？おすすめの食べ方は？
夏の土用には、うの付く食べ物の他に、黒い色の食べ物を食べると良いとも言われています。そのため、「土用餅」と呼ばれるものも食べられています。
土用餅は、土用の入りに搗き、食すことで暑気あたりをしなくなると言い伝えられています。徳川幕府の時代から、土用餅は小豆餡で包んで食べるものでした。小豆餡には厄除けの意味があり、それを力餅に巻いて無病息災を願って食べます。いわゆる「あんころ餅」なのですが、なかなか日持ちのしない食品です。作りたてを食べるのがおすすめです。
老舗の和菓子店などでは、今でも土用餅を扱うところがあります。土用餅は土用限定販売及び予約販売なので、見掛けたら是非試してみて下さい。
土用しじみはどんな料理にすると良い？
しじみは6月から7月中旬が旬の食材です。土用しじみというのも丁度この時期に採れるもので、身は大きく柔らかく、栄養価も高い美味しいしじみです。漁獲量も増えますので、国産の美味しいしじみが出回ります。日本では宍道湖のしじみが有名です。土用しじみと呼ばれるようになったのは近年なので、知らないという人が多いかも知れません。でも、夏のしじみは腹の薬とも呼ばれ、肝機能を正常・活性化させる働きを持ちます。
しじみは、味噌汁や酒蒸しにしても、炊き込みご飯にしても、ボンゴレやペスカトーレなどパスタの具にしても美味しいものです。しじみは冷凍保存が効く食材なので、旬の土用しじみを手に入れて、冷凍保存をしておきましょう。
冷凍では約半年持ちます。好きな時に好きなだけ解凍して使えます。また、一度冷凍保存することで旨味成分が増え、より一層美味しくなりますので、上手に活用してみましょう。
土用卵は何が違うの？
土用に食べると良いとされる食材に、卵があります。
土用卵と呼ばれる卵は、その名の通り、土用期間中に産み落とされた卵の事です。
卵は元々完全栄養食といわれていて、必要な栄養素がたっぷり入っています。特に、有精卵はヒヨコが産まれるために必要な栄養がギュッと詰まった卵です。土用にはこの有精卵が産まれる時期と重なり、より栄養価の高いものと言われているのです。一般的なスーパーマーケットなどの小売店では有精卵を手に入れるのは難しいですが、無精卵でもこの時期のものは栄養が多いため食生活に上手に取り入れて夏バテ防止に役立てましょう。
鰻を卵で巻いた「う巻き」や、冷たい茶碗蒸し、出汁巻き卵、かに玉、天津飯、目玉焼き、茹で卵、味玉など、卵はおかずから主食、付け合わせまで様々なバリエーションで美味しくいただけます。さっぱり食べたい夏には、冷やし中華などの付け合わせにしても良いですし、黄身を醤油などで漬けて食べることもできます。また、そのまま冷凍して、冷凍卵を作ることもできます。
冷凍卵にすることで、黄身の弾力が増しクリーミーな味わいになって非常に美味しいと話題です。いつもと異なる卵が楽しめます。簡単に作れて日持ちもしますので、是非挑戦してみて下さい。
土用の丑の日に土いじりはＮＧ？どんな過ごし方がベスト？
土用には「土」の気が盛んな時期です。いつもは別の場所にいる神が、土の中に土公神としておられるため、この期間に土いじりをすることはＮＧとされています。具体的には、農業、木などを植える、穴掘り、建築、引っ越し、土葬、草刈り、ガーデニング、虫捕り、キャンプなどを避けます。それ以外にもこの土用の時期には避けた方が良い事が沢山あります。
- 喧嘩・・・言い合いなどをしても泥仕合・泥沼になるだけで解決しない
- 旅行・・・あまり楽しめない
- 新境地・・・長続きしない
- 冷たいもの・・・生ものや冷たいものを食べると体調を崩しやすい
- 異常者や変質者が出やすいため、慣れないところへ出歩かない
など、様々な注意があります。
この他、季節の変わり目なので体調を崩しやすく要注意です。
では、土用の期間である18日間は一切土いじりができないのでしょうか？そんなに長いと建築・園芸・農業業界などが困ってしまいます。そこで例えば、建築業では着手を土用の前にしていれば土用期間内でも工事が進められるとしています。また、土用にも間日といわれて土公神が天界に帰られる日があります。その日にはあまり障りがないため、ある程度土いじりをしても平気なのです。
まとめ
土用の丑の日がある夏の土用とは、立夏の18日前からの期間です。夏の土用では、うの付く食べ物を食べると良いと言われており、これを「土用の食い養生」といいます。これは、食べ物で厄払い、健康祈願をするものです。ウナギを食べることは非常に有名ですが、うどんや梅、瓜、牛肉なども良いとされています。また、この時期に旬を迎えたり、夏を乗り切る栄養を蓄える為に必要なものとして、土用餅、土用卵、土用しじみなどが挙げられます。これらを食べ、暑気払いをしましょう。
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