イタリア料理は私たちの生活に馴染んでいますが、その歴史をご存じの方はどのくらいいるのでしょうか。
世界中に好かれているイタリア料理はどうやって始まり、日本に入ってきたのでしょうか。
イタリア料理の始まりや、料理に使う食器、食事中のマナーなどもご紹介します。
イタリア料理ってなに?
イタリア料理は場所によってその内容がわかれているんです。
北イタリアはフランスやドイツに隣接しているからか、生クリームやバターを使った濃厚な料理が多く、 南イタリアの料理はオリーブやトマトを使ったヘルシーでシンプルなものが多いです。
周りの国の影響で料理の内容も変わってくるので、東イタリアではオーストリアやスロベニアの影響が見られますし、北イタリアでもシチリアに近い場所ではアラブ人やベルベル人の料理の影響が見られます。
地中海に面しているところでは魚介類の料理が豊富で、ヨーロッパでは食べない蛸やイカも調理します。
一つの国の中でこれだけ特徴が違うのも、イタリア料理ならではです。
イタリアは縦に長い国なので、周りの国や環境の影響を受けやすいのですね。
あまりにたくさんの特徴があるため、「イタリア料理は存在しない」という考えまであります。
どのイタリア料理も日本人には馴染みが深いものですが、最もよく食べているのはパスタですよね。
パスタも種類が多く、イタリアのそれぞれの地域の特徴があらわれています。
今までなんとなく食べていたパスタが、イタリアのどのあたりで生まれたのかを考えても楽しいですね。
イタリア料理の歴史は古代ローマまでさかのぼります。
当時のローマ人は1日3食の食事をとっていましたが、それぞれコース料理なので食べ終わるのに2時間から3時間かかっていました。
食事をとても大切にした反面、満腹になるとあえて嘔吐して空腹にし、また食べていたそうです。
とにかく食べることを重視したイタリア人は、腕利きの料理人を呼んでは客にふるまいどんどん食文化が発達していきました。
ナイフやフォークを使って食べていたイタリア料理は、粗野だったフランス料理にも影響を与えたため、イタリアの食文化は西洋料理の母と呼ばれるようになりました。
パスタも始めはチーズでシンプルに食べていただけでしたが、トマトが16世紀にメキシコからやってきたので18世紀にはトマトパスタが食べられるようになりました。
イタリア料理はあちこちで進化していき、現在の日本に伝わっているのです。
イタリア料理で使う食器は?
イタリア料理の食器はシンプルなものから個性的なものまで様々です。
イタリア料理の食器は植物や果物を表しているものが多く、職人がひとつひとつ手作りしています。
料理をひきたたせるために作られていますが、テーブルの主役として華やかな食器を使うのも面白いものです。
イタリア料理の食器はその美しさから、贈りものにしてもたいへん喜ばれます。
ひとつの芸術品として成り立ち、色鮮やかに目を楽しませてくれます。
見ているだけで美しいので、使わず飾っているだけでも良いでしょう。
イタリア料理の食器は持っていると生活が豊かになった気分になれます。
お店に行って直接、選ぶのも良いですし、インターネットで気軽に購入もできます。手頃な価格のものもあるので、まずはシンプルな物から集めていくと良いでしょう。
イタリア料理に使う食器に和食を乗せても面白いですし、自宅で使うとカフェにいるような気分になります。
果物を乗せて、リビングに置いてくだけでも絵になるのがイタリア料理の食器です。どこに置いても存在感をはなちますが、決して邪魔にはならないデザインなので、いくつか持っていると便利です。
イタリア料理の食器はその存在だけで気分を盛り上げてくれるものなのです。
イタリア料理店に入って着席するまでの流れは?
イタリア料理のお店に行って席につくまではどのようにすれば良いのでしょうか。
レストランではテーブルマナーがつきものです。
それは難しいものではなく、お互いの思いやりからくるマナーです。
その場にいるかたが気持ちよく過ごせるように、着席までの流れをマスターしましょう。
イタリア料理ではレディファーストが基本ですので、お店のドアを開けるのは男性で、先に女性を中に入れます。
席までの案内はスタッフの方がしてくれるのでお任せして大丈夫です。
基本的には椅子の左から座るのですが、レストランによって椅子の形は変わってくるため左から座るのは難しいという場合があります。
そのような時は右から座ってもよいので、スマートに移動しましょう。
座る時にもスタッフの方が椅子を引いてくれるので、タイミングを合わせます。
座ったらテーブルとの感覚がこぶし2つ分空いているか確認して、手を膝の上に置いて待ちます。
テーブルとの感覚がうまくいかなかった場合でも、落ちた食事を自分の膝の上で受け止められる距離なら大丈夫です。
ナフキンは食事が運ばれてくる直前につけましょう。
二つ折りにして、折り目をおへそ側にします。
ナフキンは汚れた口を拭くものなので、拭く時にはナフキンの内側を使って隣の方に汚れが見えないようにしましょう。
イタリア料理店に入って着席するまでは、基本的には男性とスタッフにお任せします。
女性は自分で動くことのないように気を付けましょう。
何かものを落としたらスタッフの方が拾ってくださるので、男性も女性も自分で取らないようにしましょう。
イタリア料理の食事中はどうすれば良いの?
イタリア料理には順番があるので、食事中は順番通りに食べるだけで大丈夫です。
食器の音をさせないように、静かに丁寧に食べ始めましょう。
カジュアルなイタリア料理店では順番も自由に頼むことができますが、基本的には始めに食前酒が運ばれてきます。
食前酒は食欲を促進させるもので、発泡ワインが多いです。
次は前菜としてハムやチーズなどの、少しつまめるものがでてきます。
主菜が出てくるまでの時間をつなぐものなので、ゆっくりと味わいましょう。
主菜は1皿だけではなくいくつか出てきます。
パスタやサラダ、リゾットなどお腹にたまって空腹を満たしてくれるものばかりです。
さらに主菜には第2皿があり、お肉かお魚にわかれます。
両方が運ばれてくることもあるのですが、その場合は先にお魚が出てきます。
次は副菜としてサラダや野菜が出てきます。
サラダや野菜は肉や魚で使っていたナイフやフォークをそのまま使って大丈夫です。
デザートとして焼き菓子やケーキ、チーズが出てきた後は、コーヒーと食後酒がでてきて終了です。
コーヒーを注文する時に注意しなくてはならないのは、ミルクの入ったものは選ばないということです。
基本的にイタリア料理のコーヒーはエスプレッソなのですが、ミルク入りのものを選ぶとまだまんぷくではないという意味になるので注意しましょう。
食事が終われば、ナフキンをテーブルの左上に置いて帰ります。
綺麗にたたんで置くのではなく、少し端をずらしてたたみ、「ナフキンをたたむのも忘れるくらい美味しかった」ということを表現しましょう。
イタリア料理のタブーは?
イタリア料理ではナフキンで口の汚れを拭くのは良いのですが、ハンカチ代わりに汗を拭いた鼻をかむのはタブーとされています。
ナフキンを使うときにカトラリーを持っているのもタブーです。
何かする時にカトラリーを持ったままにするのは避けましょう。
カトラリーを持ったまま他の動きをするのは危ないですし、幼く見えます。
イタリア料理には日本の箸置きのようにカトラリーを置くものがあるのでそこに置きましょう。
また、グラスを持ったまま食事をするのもマナー違反です。
片手で食べられるものでも食べる時に他のことをするのはやめましょう。
ひとつひとつの動作が美しく見えるように気をつけましょう。
間違えやすいのは、パンをすべて一口サイズにちぎって食べる方法です。
便利ですが、実はタブーになるので注意しましょう。
パンは食べるごとに一口サイズにちぎって食べましょう。
服が汚れないようにエプロンとして使うかたもいますが、幼く見えるので避けましょう。
食事前にグラスで乾杯することが多いのですが、グラスを軽くぶつけるのは実はタブーです。
乾杯の時のお酒も一気に飲むものではないので注意しましょう。
まとめ
イタリア料理は本格的なものからカジュアルなものまで私たちを楽しませてくれます。その歴史は古く、少しずつ進化しながら私たちの食卓に届きました。
イタリア料理の楽しさは食器にも表れています。
職人が作るものから安価なものまで、だれでも楽しめるように考えらえているのがイタリア料理です。
イタリア料理のお店に行く機会があれば、緊張することもありますが、まずは楽しんでみましょう。