毎年5月31日に、世界禁煙デーという日があることをご存知でしょうか?
これは日本だけの取り組みではなく世界各国で禁煙を勧める機会であり、WHOが決定したものになります。
日本の厚生労働省もその決定事項を受けて、日本でも喫煙について考えるという姿勢を見せ始めたのです。
ではなぜ世界禁煙デーは5月31日なのかと、疑問に持たれる方もいますよね。
そこでこちらでは世界禁煙デーについての歴史や内容を踏まえつつ、喫煙による健康被害についてもまとめていきます。
一体世界禁煙デーでは、どのような取り組みをしているのでしょうか?
世界禁煙デーとはどんな日?
世界禁煙デーについてお話ししていきます。
まず世界禁煙デーという記念日を知らないという方もいるかもしれませんが、文字通り世界中で禁煙を推奨する日です。
喫煙者に厳しくなったといわれている現代は、確かにレストランなどでも分煙が進められており、日々喫煙者が自由にどこでも吸えなくなっていますよね。
この世界禁煙デーができたのは、喫煙による健康被害や経済損失が大きいということからでした。
タバコを吸うと健康被害が出る人が、吸わない人よりは多いと言われています。
実際にタバコが原因で何らかの健康被害が出て亡くなっていく人は、年間700万人もいるのです。
しかもこの中の全員が喫煙者であるわけではなく、90万人弱の方は受動喫煙。
受動喫煙とは本人は吸わないものの、周囲の人が喫煙者であり間接的に煙を吸ってしまっているということです。
もちろん家族や友人に限らず、職場などで受動喫煙になってしまうということもあるでしょう。
たばこによる健康被害がでることはわかりますが、ではどうして経済損失が大きいのでしょうか。
それはたばこの喫煙による病気などで健康保険を使った場合などに起こる、国の多額の保険料負担ともいえます。
また身近なところでは、たばこの代金も年々上がっていますので、家系にも当然響きやすいですよね。
全てにメリットがないと感じたWHOは5月31日を世界禁煙デーとし、世界中の人々が喫煙について考える日を制定したのでした。それが世界禁煙デーです。
なぜ5月31日が世界禁煙デーなの?
それでは一体なぜ、世界禁煙デーが5月31日に決まったのでしょうか?
実はもともと、5月31日だったわけではなかったといいます。
世界禁煙デーが最初に制定されたのは、1988年の4月7日。
そう、最初は4月だったのです。
ところが世界禁煙デーが制定された40年も前の1948年の4月7日に、この日は「世界保健デー」であると制定されました。
世界保健デーもまた、健康をテーマにした記念日。
ですが世界禁煙デーと違うのは、毎年テーマが変わることです。
医療は日々進歩し今までは叶わなかった治療も受けられるようになったり、薬がより良い物に作り変えられることもありますよね。
だからこそ世界保健デーは毎年テーマを変え、その時の問題点をテーマにしているのです。
確かに世界禁煙デーは健康増進のための記念日ではありますが、保険デーと重なってしまいます。
そこで日を移すことになりました。
また毎年5月にはWHOの総会も開催されており、その総会の月の月末にしたという話が有力な説。
このような理由から制定された1988年のみは4月7日が世界禁煙デーとされていましたが、翌日からは5月31日に変わることになったのです。
こうして世界禁煙デーは、5月31日に制定されたのでした。
世界禁煙デーの週は禁煙週間になったの!?
世界禁煙デーが5月31日に制定されたことに因んで、厚生労働省は5月31日から6月6日までの1週間を「禁煙週間」として禁煙の推進をしています。
これはもちろん世界禁煙デーに因んで作られた、日本独自でできた週間。
厚生労働省はタバコが原因とする生活習慣病、また日本人の死因の上位を占める肺がんなどを減少させていくためには、禁煙を国民に意識づけることが良いという考えにいたりました。
そこでその週間の間は自治体の協力をもとめ、喫煙者が禁煙を意識、または一時的にでも禁煙に興味を持ちそのまま習慣化するなどを期待したのです。
また世界禁煙デーを認知していない人が多いこともありますので、厚生労働省をはじめとする、結核予防会、WHOなどが毎年ポスターを作製。
厚生労働省はそのポスターに著名人を起用することも多く、より国民に親近感を持たせているといえます。
対して結核予防会のポスターはイラストなどで、若い世代にもわかりやすいのが魅力。WHOは喫煙のリアルな世界の喫煙事情や、体への負担などをポスターに表現しています。
3種3様ではありますが、それぞれ毎年インパクトのある仕上がりとなっています。
最近では民間の団体や企業が世界禁煙デーに向けて一般公募によるポスターを応募しているところもあり、より国民が世界禁煙デーの存在に近づいているといっても良いでしょう。
もしも機会があればポスターをみたり、またはコンクールに応募するなどして、積極的に世界禁煙デーに関わってみましょう。
意外と知らない!タバコが引き起こすリスクの現実
タバコを吸う方はもちろん、自分は吸わないけれど友人や家族が吸っているという方もいるでしょう。
「タバコは健康増進にあまり良い影響をもたらさないものである」、という認識はあるものの実際のところどのくらいの健康被害があるのか?ということはわからないという方もいるかもしれません。
そこでこちらでは、頭に入れておきたいタバコが引き起こす健康のリスクについてご紹介しましょう。
まず日本でタバコ喫煙者は、吸わない人より死者が多いといわれています。
喫煙に関係した病気などの死者は毎年15万人弱ともいわれ、とても多いことがわかりますよね。
しかもタバコを吸うことで寿命が短くなってしまうという話もあるほどで、平均的に男性が8年、女性は10年も短くなるというのです。
これはあくまで統計であり絶対ではないですが、可能性が少しでもあるのであれば喫煙をやめた方が賢明かもしれません。
肝心の喫煙によるリスクですが、以下のようなものがあります。
- 肺癌
- 子宮癌
- 咽頭癌
- 食道癌
- 尿路癌
- 膵臓癌
- 口腔、咽頭系の癌
- 肝・肝内胆管癌
- 脳卒中
- 歯周病
- 慢性閉塞性肺疾患
- 結核
- 虚血性心疾患
- 2型糖尿病
- 末梢性動脈硬化
などがあげられます。
主に癌になる可能性が高めであるため、死因の原因となっていることがうかがえます。
喫煙量が多ければ多いほど癌を発生する可能性が高くなってしまうといことは、科学的にもわかってきています。また癌の治療などを経験した方の中で、その後も喫煙を続けた人は再発や転移をする人が多いのが現実。
治療後に禁煙をした方は、予後が良いと言われているのです。
癌は現在治療や薬の開発が進み、死に直接関る病気ではなくなってきていますよね。
とはいえ、やはり癌が原因での死因が日本人は多いので、今後も癌を発症させないために予防することも必要となってくるでしょう。
癌という病気ではなくとも、例えば妊娠中の喫煙は胎児に大きなリスクを与えてしまいます。
これは生まれてくる子供の命にも関わってきますので、絶対に止めたいところ。
癌や妊娠中の母体と胎児の健康、その他の生活習慣病発症のリスクを止めるためにも喫煙をまずはやめ、健康状態を維持することが大事となります。
また受動喫煙が体内に影響を及ぼすこともわかっています。
自分が喫煙をすることで大切な家族の健康を危険にさらす、そんなことがあってはいけません。
小さな子供は受動喫煙により中耳炎や慢性気管支炎、喘息を発症することも。
特にお子様がいる家庭では、より受動喫煙に注意を払わなければいけません。
おもいきってこのタイミングで禁煙に挑戦!
世界禁煙デーが制定されたことで、日本でも世界でも「禁煙」という言葉が良く聞かれるようになりました。
路上での喫煙をはじめ飲食店での喫煙なども禁止または分煙になるなど、社会的に喫煙があまり健康の良くないものという認識が広まりつつあります。
そんな中で世界禁煙デーの5月31日から6月6日までの1週間は、禁煙に関するイベントやセミナー、相談会などが自治体などで行われるようになりました。
このセミナーなどでは3ヵ月をめどに禁煙する方法などを教えてくれることもあり、毎年興味のある大勢の方が参加しています。
タバコを止めたいとは思っていても、中毒性のあるものなのですぐには止めることができない、そんな方もいるとでしょう。
もしも興味がある方は自治体のイベントを調べてみて、今年こそ参加するのも良いかもしれません。
まとめ
こちらでは喫煙による健康被害や受動喫煙による恐さなどを説明すると同時に、世界禁煙デーの大事さをまとめてきました。
タバコを吸うことのリスクは大きいといわれている理由を知ると、現在喫煙している方や家族は少し心配になってしまうかもしれません。
ですが今から予防すれば大きな健康被害を抱えずにすみますし、家族や友人といつまでも明るく過ごせる可能性が高まります。ぜひ今年の世界禁煙デーでは喫煙について考え、新たな第一歩を歩みだしてみませんか?