みなさんは日光を中心として行われている強飯式という伝統行事はご存知ですか?
無病息災や厄除け、商売繁盛や家庭運など、様々なご利益がありますが、無理やりにご飯を食べさせるという一風変わった風習であると言えますね。
ごく一部の地域の行事であるため、あまり知らないという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は強飯式について意味や由来、福米の食べ方についてまとめました。
日程や開催場所、ご祈祷の方法などについてもご紹介しますので、この機会に今年は日光で強飯式に参加してみてはいかがでしょうか。
誰でも気にすることなく参加することができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
強飯式とは一体なに?
みなさんは強飯式という言葉を耳にしたことはありますか?
日光に古くから伝わる伝統行事のため、あまりご存知ない方も多いのではないでしょうか。
そこで、そんなあまり知られていない強飯式というものについてここではまずまとめてみました。
強飯式とは、無病息災や厄除け、商売繁盛や家庭運などのご利益がある、お寺の行事のことをさします。
この行事は、高盛飯と呼ばれるものを無理やりに食べさせる作法を指して、食料を粗末にしないようするといった願いが込められているとされています。
簡単にいうと山盛りのご飯をいっぱい食べるように強要されるという行事のことですね。
栃木県の日光市輪王寺の強飯式が現代においても有名で、そこで行われるご飯を食わせるために責め立てる口上を「日光責め」と呼ばれています。
その量はなんと1杯3升ほどであり、お米にすると約5キログラムに換算されるといいます。
質素な生活をしているという一般的なイメージからはかけ離れた、お寺で行われる強飯式という伝統行事のことを理解しましたでしょうか。
強飯式は、4月2日に毎年日光市輪王寺で行われていますので、今年はぜひこの機会に足を運んでみてもいいかもしれませんね。
強飯式の由来について
ご飯を無理やりに食べさせられるという強飯式は、日光以外の全国の地域の人だと少々異質な行事のように感じられますよね。
では、そもそもこの儀式はどのようにして始まったのでしょうか。
起源は平安時代にまで遡ることができます。
平安時代には、山で修行をした帰りにお供え物を持ち帰る風習があったとされています。このお供え物を、里の人にも分け与えていたというのが起源であるとされています。
古くから、強飯式で「頂戴人」と呼ばれるご飯を食べる役割の人は「七難即滅、七福即生の現世利益疑いなし」と謳われており、江戸時代になると将軍や大名など、高い身分の人たちがこぞって参加していたと言われています。
また、名前における由来は、読んで字のごとくご飯を食べることを強いる行事という意味と言われています。
なんと1杯3升ほど、お米にすると約5キログラムもの量を「1杯、2杯にあらず、75杯を残さず食べろ」と責め立てられるとされています。
たくさんのご飯を食べることで厄除けや無病息災、商売繁盛などのご利益につながるというのは面白い風習だと思いますよね。
強飯式で食べるもの
強飯式は、山盛りに炊かれたご飯を無理やり食べされられるという一風変わった行事のことをさします。では、そこで使われるお米というのは、一般的なものと差はあるのでしょうか。
そこで、強飯式とご飯の関係に関してここではまとめてみました。
起源にもありますがお供え物を修行の際に持ち帰り、里の人に分け与えたというところからもわかるように、強飯式のご飯を山盛り食べるということに関しては、非常に縁起の良いことであるとされています。
加えて、「縁喜がらまき」という頂戴人以外にも福を分けてくれる風習からもその縁起の良さは伺えますね。
そのため、強飯式でもらえる御札はしゃもじの形を造形していますし、福米というご飯も参加者はいただくことができます。
この福米の食べ方については、自宅で食卓に並べて家族と一緒に食べるとますます縁起が良いとされています。
せっかくですから当日の夜ごはんとして食べるのをお勧めしますが、もし保存する際には、普通のお米と同じように袋やケースなどに入れておくと良いでしょう。
万が一保存するとしても早めに食べるようにしたいですね。
また、強飯式にて受けとった御札には、健康運や除災運、家庭運、事業運、財産運を表すと信じられている帯があります。
それらは家の中の高い場所に置くのが良いとされているので、帰ったらまず神棚や仏壇などに飾るようにしましょうね。
参加する方法は?
強飯式は、日光を中心とした文化ですので、全国で一般的であるとは言えないでしょう。そのため、いざ強飯式に行ってみようと思ってもなかなかそのご祈祷方法がわからなかったりしますよね。
そこでここでは、そんなあまり知られていない強飯式のご祈祷の方法についてまとめてご紹介します。
もし日光まで足を運ぶ予定があれば参考にしてみてくださいね。
思い立ったならまずは、どこでいつ行われるのかという日程を確認しておくことが必須です。有名どころは日光市輪王寺ですよね。
輪王寺では、決まって毎年4月2日とあらかじめ予定が決められています。
場所によっては他にも色々な日程がありますのであらかじめ行く前に確認をしてから出発するようにしましょう。
強飯式当日は、まず三天合供・柴燈大護摩供というお経からスタートします。
それに続いてお神酒や菜膳、ご飯が並び、強飯頂戴の儀と呼ばれる儀式が始まります。強飯式の最後は縁喜がらまきという行事があって終わりになります。
行く前に当日の流れをなんとなく把握して置くと初めてのことでも戸惑うことがなくて良いかもしれませんね。
また、ご祈祷の参加は、当日受付で申し込みをすることができます。
ご祈祷は参観料金として3000円がかかりますので注意が必要です。
意外にも思われるかもしれませんが、子供席もありますし、家族で行くのもお勧めです。敷居が高い気がしますが、気軽に参加することができますので、興味があればぜひ行ってみてくださいね。
強飯式の日程と開催される場所は?
山盛りのご飯を無理やり食べさせられるという異質ともいえる強飯式は、手軽に誰でも参加できるということもあり、現代でも多くの人から人気のある行事と言えます。
日光を中心とした伝統行事であるため、全国的にはまだまだ知られていない部分も大きいかと思います。
ということで、ここではいつ強飯式が催されるかという情報や、開催される場所についてまとめました。
これをみて、ご都合が合えばぜひこの機会に足を運んでみてくださいね。
日光山・輪王寺が非常に有名な強飯式。
ここの本堂である大護摩堂では毎年4月2日に午前11時からと午後2時からの合計で2回強飯式が行われています。
参観料金としては1人3000円かかりますが、強飯式らしい「日光責め」が実際に見ることができます。
また、ご祈祷するとしゃもじの形をしたお札と福餅がいただけます。
しゃもじの形のお札は、家の中の高い場所に置くのが良いとされているので、帰ったらまず先に神棚や仏壇などに飾るようにしましょう。
福餅は早めに家族で食べるようにしましょうね。
また、生岡神社では毎年11月25日に子供に向けた強飯式を行なっています。
お茶碗の大きさもきちんと子供仕様になっていますので、また異なった形式をみることが可能ですよ。
こちらにも興味があればぜひ行ってみてくださいね。
まとめ
無病息災や厄除け、商売繁盛や家庭運などのご利益がある強飯式は、平安時代を起源とした、古くから続く縁起物の儀式として昨今でも人気の非常に高い催しごとです。
そんな強飯式は、ごく一部の限られた地域の行事であるため、知らなかった人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな強飯式について意味や由来、日程などについてご紹介しました。
ご祈祷に参加する方法についてもまとめましたので、これから強飯式に行こうと考えている方にも参考になったのではないでしょうか。
毎年同じ決まった日程で催される強飯式は、あらかじめ予定を立てておくことも可能です。初めてでも気軽に誰でもご祈祷することができるので、ぜひこの機会に今年は強飯式に参加してみてはいかがでしょうか。