身近に置くことで幸福がもたらされるといわれている誕生花は、古くから多くの人に親しまれ、現代でも誕生日や記念日などあらゆる場面で利用されています。ここでは、そんな誕生花の意味や起源、それぞれの花に込められたメッセージや花を長持ちさせる方法などについてご紹介します。
誕生花について
誕生花とは
誕生花とは、数ある花の中から365日それぞれに選定されている花のことで、古代から誕生日のプレゼントなどに利用され親しまれてきました。地域や国の特性によって選定されている花の種類は異なりますが、基本的にはそれぞれの季節に合った花が選定されています。
誕生花にはそれぞれの花を象徴する「花言葉」が込められており、部屋に飾ったり身につけたりすることで幸福や富がもたらされると信じられてきました。現代でも大切な人へのフラワーギフトや誕生花をモチーフにしたアクセサリーを身につけるなどさまざまな用途で親しまれています。
誕生花や花言葉の起源
誕生花がどのようにして誕生したのかについては諸説ありますが、ギリシャ・ローマ神話時代において、「花や木々には神秘的な力が秘められており、神様からのメッセージが宿されている」と信じられていたことが起源ではないかと考えられています。
花言葉の起源にも諸説ありますが、17世紀のトルコにおいて習慣とされていた、花に自分の思いを込めて大切な人に贈る「セラム」が起源だとされています。セラムは18世紀にヨーロッパへと伝わり、19世紀前半には花言葉に関する辞典が出版され一大ブームとなりました。そして19世紀後半に日本へと伝わり、現在に至ります。
春の代表的な誕生花
桜が開花し始め、新生活の始まりに心が躍る春。ひな祭りやホワイトデー、ゴールデンウィークなど気持ちが上がるイベントも盛りだくさんな春の代表的な誕生花をご紹介します。
3月の誕生花「ガーベラ」
ガーベラは小さく細長い花びらが特徴の花で、熱帯アジアやアフリカなど温暖な地域のあらゆる場所に生息しています。ガーベラの花言葉は「希望」や「常に前進」ですが、ピンクは「熱愛」や「童心に帰る」、赤は「神秘」、黄は「親しみやすさ」、白は「律義」や「純潔」、オレンジは「冒険心」や「我慢強さ」など色ごとに意味が異なります。
4月の誕生花「アルストロメリア」
アルストロメリアは色彩が豊かでユリのような形をした花で、異国風な見た目と花持ちのよさが特徴です。アルストロメリアの花言葉は「持続」「エキゾチック」などですが、青は「知性」、ピンクは「気配り」、赤は「幸い」、黄は「持続」、オレンジは「友情」、白は「凛々しさ」など色によって意味が異なります。
5月の誕生花「カーネーション」
カーネーションは、フリルのような花びらが特徴的な花で、母の日に限らずさまざまなシーンでギフトとして利用されます。カーネーションの花言葉は「無垢で深い愛」「女性の愛」などですが、赤は「母への愛」、白は「純粋な愛」「尊敬」、黄は「軽蔑」、紫は「誇り」、青は「永遠の幸福」、ピンクは「感謝」「気品」など色によって意味が異なります。
夏の代表的な誕生花
気温が徐々に高まり、そよ風や木陰の涼しさを感じる夏。七夕や海の日、お盆などの年中行事から、花火大会やプールなど暑さを忘れてしまうようなイベントまで、楽しいことが盛り沢山な夏の代表的な誕生花をご紹介します。
6月の誕生花「アジサイ」
アジサイは、小さな花が密集するようにして咲く花で、魔除けの効果があるといわれており、古代から多くの日本人に愛されてきました。アジサイといえば青や紫をイメージする方が多いかもしれませんが、アジサイは土が酸性であれば青色、中性またはアルカリ性であればピンクに近い色に変化するため、青や紫以外にもピンクやオレンジ、緑などあらゆる色彩が存在します。アジサイの花言葉は「家族団らん」「辛抱強い愛」などです。
7月の誕生花「ヒマワリ」
ヒマワリは、見ているだけで元気がもらえるような鮮やかな黄色い花びらが特徴の花で、フラワーギフトとしても人気が高いです。ヒマワリの花言葉は「あなただけを見つめる」「崇拝」「憧れ」などですが、1本では「一目惚れ」、3本では「愛の告白」など本数によっても異なる意味合いを持ちます。
8月の誕生花「ユリ」
ユリは、大きな花びらと魅力的な香りが特徴的な花で、古代から「母性の象徴」として日本で親しまれてきました。ユリの花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」などですが、オレンジは「華麗」、赤やピンクは「虚栄心」、黄は「陽気」など色によって意味が異なります。
秋の代表的な誕生花
暑さが和らぎ、木々が紅葉する秋。敬老の日やハロウィン、七五三などの年中行事があったり、過ごしやすい気候から読書・行楽・スポーツなどが盛んに行われる季節です。こちらの項目では秋の代表的な誕生花を紹介します。
9月の誕生花「トルコキキョウ」
トルコキキョウは、花びらがレースのように重なっているのが特徴的で、色彩が豊かな花です。もともとは紫色の花びらを持つ花でしたが、品種改良が進んだことで、白やピンク、黄や青、緑などさまざまな色彩が展開されるようになりました。トルコキキョウの花言葉は「優美」「希望」「永遠の愛」などで、フラワーギフトや結婚式のブーケとしても人気が高いです。
10月の誕生花「ダリア」
ダリアは、華やかな存在感のある花で、多くの偉人から愛されてきた花だといわれています。品種改良されてきたことにより、花びらの形や大きさ、色などのバリエーションが豊富に存在しています。ダリアの花言葉は「栄華」「気まぐれ」「気品」などですが、赤は「華麗」、白は「感謝」、黄は「優美」など色によって意味が異なります。
11月の誕生花「ガーベラ」
11月の誕生花は3月の誕生花と同様のガーベラですが、春のガーベラは淡い色合いが人気なのに対し、秋のガーベラは深い色合いが人気です。ガーベラの花言葉は「希望」「常に前進」など前向きなものが多く、ギフトとしても人気が高いです。
冬の代表的な誕生花
空気が一段と冷たくなり、夜空が奇麗な冬。クリスマスや大晦日(おおみそか)、元日やバレンタインデーなどの年中行事や、行事にちなんだイベントが盛りだくさんな冬の代表的な誕生花を紹介します。
12月の誕生花「赤いバラ」
赤いバラは気品があり、古くから人々の心を魅了してきました。バラといえば赤色をイメージする方も多いはずです。赤いバラの花言葉は「愛情」「美」「情熱」などですが、紅色は「死ぬほどの恋情を抱く」、緋色は「灼熱(しゃくねつ)の恋」など赤色の種類によっても意味が異なります。また、1本では「一目惚れ」、3本では「愛しています」、5本では「あなたに出会えてよかった」、100本では「100パーセントの愛」など本数によっても異なる意味合いを持ちます。
1月の誕生花「スイートピー」
スイートピーは甘い香りがほのかに漂う花で、エドワード朝時代を象徴する花としても有名です。スイートピーの花言葉は「門出」や「小さな喜び」、「優しい思い出」などですが、ピンクは「繊細」、白は「微妙」、紫は「永遠の喜び」、黄は「分別」など色ごとに花言葉が異なります。
2月の誕生花「チューリップ」
チューリップは色彩が豊かな花で、世界中から愛され親しまれています。チューリップ自体の花言葉は「思いやり」ですが、赤は「愛の告白」や「永遠の愛」、ピンクは「愛の芽生え」や「誠実な愛」、黄は「望みのない恋」や「名声」、白は「失われた愛」、紫は「不滅の愛」など色ごとに花言葉が異なります。
誕生花を長持ちさせる方法
切り花は春や秋であれば7日から10日、夏であれば4日から5日、冬であれば10日から14日ほど持つとされています。せっかく手に入れた誕生花をできるだけ長くきれいな状態で手元に残すためには、「水切り」を毎日行うことが大切です。
「水揚げ」と「水切り」
水揚げとは、茎に水分を吸収しやすくさせることを指し、水切りは水揚げをうまく行わせるために茎の切り口を整えることを指します。自然の中で育っている花は根から水分を吸収しますが、切り花の場合は切り口から水分を吸収します。そのため、切り口を整えないとうまく水分が吸収されず、花がしおれてしまう原因となります。
水切りのポイント
1.水中で切る
水切りのポイントの1つ目は「水中で切る」ことです。水中で切らなかった場合、切り口から空気が入り込み、水がうまく吸収されない原因となってしまいます。また、切り口が乾燥してしまうと水揚げが行われないため、水中で切ることがポイントとなります。
2.切れ味の良いハサミを使う
花が茎から水分を吸収するときには「道管」を通過します。道管がつぶれてしまうと水分がうまく吸収できなくなってしまうため、切れ味の良いハサミでスパッと切りましょう。また、茎の吸水面を広げるために、斜めに切るのもポイントです。
まとめ
今回は、誕生花の意味や起源、それぞれに込められた花言葉や花を長持ちさせる方法などあらゆる項目についてご紹介しました。花言葉は色や本数によっても意味合いが異なるのが奥深く、誕生花の大きな魅力といえます。
大切な人へ日頃の感謝を込めてプレゼントしてみたり、見た目や花言葉から自分のお気に入りの誕生花を見つけ、生活に彩りを添えてみてはいかがでしょうか。