赤ちゃんが産まれると、まず初めに名前を付けます。名前が決まった暁には、命名札に名前を書き、家の中に掲げておきます。では、この命名札は一体誰が作り、誰が貰い、誰がどのように飾るのでしょうか?ここでは、命名札について詳しくご紹介します。
命名札って何?貼る時期はいつからいつまで?
赤ちゃんが産まれて最初に考えなくてはならないのが、「名付け」です。日本では出生日から14日以内に赤ちゃんに名前を付け、戸籍に登録する義務があります。そのため、赤ちゃんが産まれて7日目を「お七夜」といい、命名式を行う習わしが昔からありました。赤ちゃんの名前をお札に書き、それを神棚や床の間に供え、すくすく健康に育つため祈ったのです。
現在では、出産祝いの内祝いに命名札を付けることがあります。これは、地域色が強く、付けるところと付けないところがあります。
昔はお七夜に合わせて命名札を貼ってお披露目していましたが、現在では出産内祝いに付けてお渡しする場合が殆どです。そのため、内祝いが届いてから飾る形が主流です。時期は異なりますので、一概には言えませんが、内祝いを頂いてから数週間から一カ月程度は飾っておくと良いでしょう。
また、赤ちゃんが産まれた家庭では、お七夜までに命名札を用意して飾り、床上げやお宮参りの時期まで飾ります。
命名札を貰った場合、どの場所に飾る?方角は関係ある?
命名札を貰った場合、どの場所に飾るのが正解なのでしょうか?飾るべき方角は有るのでしょうか?
内祝いで命名札を貰った場合は、台所など家族全員が目にする場所に飾り、その子の名前がすぐに分かるようにします。皆が囲む食卓の近くに飾ってあれば、話題にもなるでしょう。産まれた赤ちゃんと今後も会う関係性の場合は、しっかり名前を覚えるために貼っておいて眺めると良いでしょう。
でも、インテリアに馴染まないなどの理由で、飾りたくないという家庭も有るかも知れません。頂いた命名札を貼らなくてはいけないという決まりはありませんので、各家庭の判断で構いません。
赤ちゃんが産まれた家では、神棚や床の間に飾るのが一般的ですが、現代の家庭では神棚も床の間も無い場合がありますので、そんな時はベビーベッドの柵などに飾ることもあります。
尚、命名札を飾る場所や方角は、特に決まりがありません。でも、目線よりも高い位置に飾るようにするのがマナーです。
見下ろす場所では無く、見上げる高さに貼るようにしましょう。
命名札は誰が作成するの?赤ちゃんの写真は入れる?
では、命名札は誰が作成するのでしょうか?命名札には、正式なものと略式のものがあります。
正式な物は、奉書紙を三つ折りにし、表紙となる一番右に「命名」と大きく書き、真ん中には右端に父親の氏名と続柄、中央に子供の名前、左端に子供の生年月日を書きます。左の用紙には夫婦の氏名、命名した日付を書きます。
略式は半紙を使用し、父親の氏名、母親の氏名、続柄、子供の名前、子供の生年月日を書きます。半紙を使うと、そのまま額に入れて飾ることができるため、人気があります。近年では、子供用品を扱うお店などで可愛らしい色やイラストが描かれた命名用紙や、色紙を利用して書く人もいます。
命名札を書く人は、両親のどちらかの場合が多いものですが、義理の両親が書くこともあれば、書道のたしなみがある親族、字が綺麗な友人などに任せる場合、プロのデザイナーや書道家に任せる場合等があります。誰が書くかは特に決まりがありませんので、自分達の好みで選びましょう。
尚、一般的な命名札には、赤ちゃんの顔写真などは入りません。写真を付けるのは、内祝いに付ける紹介カードだけにしましょう。
命名札の保管方法や処分方法は?
命名札はどのように保管をしているのでしょうか、処分したい場合はどうすれば良いのでしょうか。
命名札を捨てるのに抵抗がある人もいます。保管する場合には、綺麗な和紙で命名札を包み、その上から水引を掛けます、そして、産まれた赤ちゃんのへその緒などと一緒に置いておきます。また、紙の劣化を少しでも抑えるため、ラミネート加工をして保管しておく家庭もあります。子どもが大きくなった時、命名札を見せたら喜ぶかも知れませんね。
一方、命名札が思いの外嵩張り、断捨離などで捨ててしまいたいという人も居るでしょう。物理的には可燃ごみに出す事が出来るのですが、縁起が悪いと感じてしまうかも知れません。そんな時は、神社の古札回収所などへ持っていき、お焚き上げをしてもらうと良いでしょう。地域でどんど焼きを行っている場合には、書初めと一緒に持って行っても処分できます。
身内などから内祝いで頂いた命名札も、同様の処分方法をしましょう。
命名札は地域により風習がある!?
地域によっては、身内に命名札を配り、台所などの目立つ場所に貼ってもらうという風習があります。命名札を配る地域は、北海道、四国、中国、九州、沖縄地方です。これら全ての県や地域で配る訳ではなく、一部の地域で根強く残る慣習雨・風習でもあります。その地域で赤ちゃんを産んだ場合には、命名札をどうするか事前に確認すると安心です。知らずにいて贈らず、後から「命名札が無かった」と言われても困りますので、出産前に地域の先人に聞いておくと良いでしょう。事情があり誰にも聞けない場合は、地域の百貨店や内祝いを扱うお店で相談すれば、どんなものか知らない人でも実物を見ながら決められます。
昔は、命名札をお七夜までに身内へ配っていましたが、核家庭が増え、親族から離れて暮らしているという場合もあり、お七夜までに配ることが難しいため期限は定めず、内祝いと一緒にお渡しするパターンが一般化してきました。また、昔からの風習を知らずに、命名札ではなく、出産報告カードを贈る家庭もあります。そんな時は、大らかな心で受け取りましょう。
命名札のお礼はどうしたら良いの?
赤ちゃんが産まれた家庭が誰かに命名札を書いて貰った場合、その方にお礼が必要です。
親族や友人・知人に毛筆で書いて貰った場合には、数千円分の商品券等が良いでしょう。相手が読書好きなど、好きな物が分かる場合には、図書券、お米券、おもちゃ商品券、ビール券、デパート商品券など、様々な商品券から選べます。特定のスイーツなど、好きな食べ物が分かる時にはその品物でも良いでしょう。
もし、命名札作成を有名な書道家などにお願いした場合、相応のお礼が必要です。お金を払い命名札を購入する場合には、改めてお礼をする必要はありません。
お礼をお渡しする際には、出来るだけ直接お会いして手渡ししたいものです。でも、住んでいる場所がお互い遠方の場合にはなかなかお会いすることができません。その場合、郵送などで渡すようにしましょう。
内祝いで命名札を貰った場合のお礼は必要ありません。
まとめ
命名札は、お七夜=命名式に飾られる、赤ちゃんの名が書かれた札です。神棚や床の間に飾り、子の健やかな成長を願います。命名書を飾る場所は特に決められてはいませんが、ベビーベッドの脇などに飾る家庭も多いものです。命名札は、見上げる位置に貼り、見下ろさないようにしましょう。また、命名札を書いて貰った場合には、相応のお礼をしましょう。
内祝いで命名札を配る地域がありますので、出産する地域の風習を確認しておくと安心です。