神社仏閣という言葉をご存知でしょうか?神社と仏閣は何だか同じようなイメージで、明確な違いが分からないという人もいるでしょう。では、どんな点が異なるのでしょうか?ここでは、神社と仏閣の違い、神社仏閣の魅力などを中心に解説します。
神社と仏閣には違いがあるの?寺社とは?
神社仏閣という言葉を聞いたことがありますか?
神社だけで聞くことも、仏閣だけで聞くこともあり、この二つの違いがはっきり分からないという人も多いのではないでしょうか?では、神社と仏閣はどんな違いがあるのでしょうか?
神社とは、日本が古くから信仰している神様を祀っている場所です。昔から「八百万の神」といわれている位、全てに神様が宿ると考えられていて、様々な場所に神々が祀られていましたが、人々の住む世界と神の領域を分けるため、神の領域の入口に鳥居が建てられています。神社に仕える者は神職と呼ばれますが神社で生活をしている訳ではありません。
仏閣=寺院のことです。寺院は仏教を信仰する者が修行を行う施設として作られたものです。寺院では僧侶(お坊さん)が暮らし、修行僧へ教えを説いています。また、信心する檀家さんへ心の安らぎをもたらすために仏道の教えを説いています。仏閣は敷地内に僧坊と堂塔2つの施設が存在していて、僧坊は僧侶が住む場所、堂塔がお釈迦様の遺体などを安置する場所です。
また、神社仏閣は寺社(じしゃ)、社寺(しゃじ)と呼ばれることもあり、寺社とは日本の寺院と神社の総称を意味します。
神社と仏閣の参拝方法は違うの?
神社と仏閣では参拝方法が少々異なります。
神社の参拝方法は、まず鳥居をくぐる前に一礼し、神様が通る真ん中を避けて参道を歩きます。手水があれば水で手と口を清めます。お賽銭を箱に入れ、鈴を鳴らし、「2礼2拍手1礼」をします。
仏閣には鳥居がありませんが、山門が鳥居の役目をしていますので、その前で1礼をします。手水があればこちらも手と口を清めます。お寺では、お賽銭を入れた後は、静かに手を合わせて、心の中で願いやお礼を唱え、シンプルに一礼をしてその場を立ち去るのがマナーです。その他、献花や献灯を行えたり、鐘を鳴せるところもありますので、確認してみると良いでしょう。
参拝方法が異なるため、間違えてしまわぬように注意しましょう。
神社仏閣の魅力はココ!!
神社仏閣には、様々な魅力があります。「初詣には毎年行く」という人は多いと思いますが、それ以外にも年中通して色々な神社仏閣巡りを楽しんでいる方がいます。
神社仏閣では、参拝によりご利益を得られる以外にも、様々な楽しみ方があります。
存在する地域の自然環境なども魅力の一つです。春には満開の桜、夏には青々とした木々の葉、秋には紅葉、冬には雪景色など一年中別の顔を見せてくれるところもあります。また、写経や座禅体験、法会や雅楽演奏を聞けたり、獅子舞や祭りを見られたりとイベントが行われることもあり、多様な楽しみがあります。
ご利益を求めて神社仏閣巡りをする人が急増
神社仏閣には、それぞれもたらされるご利益が異なります。縁結び、恋愛成就、家内安全、合格祈願、縁切り、健康祈願、金運など、得意とするご利益が異なるため、目的により訪れる人の層も若干異なります。縁結びや恋愛成就の寺社には、結婚適齢期頃の女性が多く、合格祈願の寺社には受験生が多くなるといった具合です。
特に、2020年などの様に感染症などが流行った時には、健康長寿のご利益を求める人も増え、そういったご利益がもたらされると噂の神社仏閣に足を運ぶ人が増えました。
また、感染症の流行を受けて、リモート参拝ができるところも出てきました。より安全に、どんな人でも参拝ができるという方法が試されているのです。
御朱印集めを趣味としている人も・・・
神社仏閣では、参拝者に向けて御朱印という印章を押印しています。
日本では昔からスタンプラリーのような記念スタンプを集める行為が大衆に根付いていますが、御朱印は記念スタンプとは異なる宗教行為であるとされていました。でも、近年御朱印を集印する人の多くが、訪れたことの記念や、特別な日の記念として押印をし、後々眺めてはその美しさや思い出を楽しむという目的を持っています。また、観光地などの記念スタンプは自分で自由に押印できるものが殆どですが、御朱印は基本的に神社仏閣の神職や僧侶、又はそれに仕える者などが押印します。参拝客が勝手に押すことができないのですが、無人の神社仏閣などでは一部セルフ押印ができる所もあります。
尚、御朱印を頂くには、初穂料という手数料を納める必要があります。金額は多くが300円から500円ほどですが、中には数千円するものもあります。「志納」といって気持ちでお納めくださいという制度をとっている寺社もあります。
御朱印は、そもそも写経を納めた際に貰う受付印であったといわれていますが、かつての日本は神仏習合であったため、神社と仏閣のどちらで始められたものなのかは、はっきり分かっておりません。現在でも、一部の仏閣では、写経や読経など納経をしなくては御朱印が貰えないというところや、事前予約が必要なところが存在します。そのため、事前に確認しておくと安心です。
神社と仏閣で御朱印帳は分けるべき?
神社と仏閣では、御朱印帳を分けた方が良いのでしょうか?
厳格なところでは、神社や仏閣名が入っていたり、混在して押されていると押印を断られてしまう場合があります。そのため、神社には神社の御朱印帳を、仏閣には仏閣の御朱印帳を持つことをおススメします。御朱印帳を収納するケースなどを上手に利用し、両方持ち歩けるようにすると便利です。
御朱印帳は様々なデザインがあり、その美しさを楽しむこともできます。中には自分で気に入った柄の和紙や布などを利用し、手作りする人も居ます。自分だけのオリジナル御朱印帳は、印章をより引き立ててくれます。御朱印帳の手作りワークショップを開催しているところもありますので、参加してみても良いでしょう。
外国人の観光名所にもなっている!?
神社仏閣=和の象徴のようなイメージを持っている外国人は非常に多く、日本観光で訪れる人もたくさんいます。
大きな神社仏閣では、海外の言葉で参拝の方法などを説明しています。外国語が堪能な神職や巫女、僧侶、宮司なども増え、法会なども外国人向けに行う時間があります。神社仏閣でのイベントは、日本の良さを伝える足掛かりとしても非常に人気があります。
また、外国人に人気の神社仏閣は、京都、奈良、広島となっており、有名観光地などと近いのが特徴です。特に、京都の伏見稲荷神社などは、非常にインパクトが強く、写真、インスタ映えなどを目当てに訪れる観光客も多いのです。
まとめ
神社と仏閣は非常によく似ていますが、実は似て異なるものです。我が国では且つて「神仏習合」という考えの元神道と仏教が融合していましたが、信仰の違いから徐々に分けられていきました。今でも日本人は、神社に初詣に行き、寺院で葬儀や法要を行うなど、場面により両方を使っています。参拝マナーなどが少々異なりますので、間違いのないようにしましょう。また、神社仏閣には色々なイベントや魅力がありますので、気になるところには観光ついでに足を運んでみても良いでしょう。