仏壇にお供えするお供え物、お菓子や果物が良いというのは知っていてもどんなものを選べば良いのかいまいちピンときませんよね。
お供え物ということで、失礼のないように配慮する必要もあります。
お供え物を購入する際ののしの付け方や入り数など、実は普段あまり知る機会のないマナーがたくさんあるのです。
どんなお菓子や果物を選べば良いかわからないという人に向けて、ランキング形式でも種類をご紹介していきます。
今回はおすすめのお供え物ランキングとともに、選ぶ際のマナーもみていきましょう。
お供え物を選ぶ際に気をつけたいマナー
お供えするべき5種類のものを「五供」といい、香(お線香)、花、灯燭、水、飲食(読み方はおんじき)となります。
仏壇にお供えする場合には、五供が揃っていればバッチリなのです。
お供え物といえば五供のうちのひとつ、飲食にあたるお菓子や果物などの食べ物を選びますよね。
種類はどれにしようかなと選ぶ際に、気をつけて見たいポイントが3つあります。
注意しないとお供え自体ができなかったり、相手に失礼になったりするのです。
最低限ココだけはチェックしておきたい!というポイントをみていきましょう。
①賞味期限をチェック
五供の飲食をお供えするときの大前提として、みんなが一緒に食べられるものということが挙げられます。
お菓子を購入する際は賞味期限をきちんとチェックしないと、いざお供えをしようと思ったら期限が切れていた…ということも。
賞味期限が切れていなくても、期限が短い生菓子などは避けた方がよさそうです。
生菓子は常温での保存がきかず、いただいても気をつかうことが多いですよね。
お供え物を選ぶときには、相手に気をつかわせないというのも大事なポイントです。
なるべく長い期間お供えができて、お供えし終えたら家族が食べられるように意識したいですね。
果物は生ものなので痛みやすい種類は避けて、常温で日持ちしやすい柑橘類などを選ぶと良いでしょう。
②持ち運ぶ際の袋
お菓子にしても果物にしても、お供え物を持ち運ぶ時には紙袋に入れて持って行く人が多いですよね。
デパートなどでお供え物を購入した場合は専用の紙袋に入れてくれることが多いので、そこまできにする必要はありません。
使用目的について特に聞かれなかった場合などは、普段使うような紙袋に入れてあることがあります。
実はお供え物としてお渡しするのに、慶弔用の紙袋に入れてないものを持参するのは失礼にあたるのです。
もちろんお渡しするときには紙袋から出してから渡すのがマナーですが、空になった紙袋は小さくたたんで持ち帰らなければなりません。
紙袋はかさばりますし、もしできるなら風呂敷に包んで持っていくと静かに小さくたためます。
風呂敷であればお菓子だけでなく果物のお供え物も自由に包めるので、逆に気を遣わなくて済みます。
③のしの種類
お供え物は単なる包装紙のみでお渡しするのではなく、きちんとのし紙をかける必要があります。
のしの種類を選ぶ際の注意事項ですが、四十九日より前の時期に渡すお供え物には黒白の結び切りの水引が印刷されたのし紙を使用しましょう。
四十九日が過ぎた後には、黒白に加えて双銀の結び切り水引も使用できます。
人の「死」が関わるものなので、二度と不幸がないようにとの願いも込めて「結び切り」の水引を使います。
水引は種類で意味が大きく異なるため、絶対に間違えないようにしましょう。
表書きは「御供」か「御仏前」、下に氏名を書いてください。
お供え物選びでマナー違反になるもの
お供え物はお菓子や果物がごく一般的なチョイスではあるものの、中には他のものを選びたい人もいるかもしれません。
他のものを選ぶ際には、避けなければならないものなどを把握してより注意を払う必要があります。
具体的にどんなものがお供え物に適さないのか、みていきましょう。
・お魚やお肉
お肉やお魚は「生きているものを食べる」ということで殺生を連想させるため、お供え物としてはふさわしくありません。
一般的にはお魚やお肉をお供えする人はなかなかいないと思いますが、もし考えている場合はやめましょう。
・香辛料や香味野菜
香辛料や香味野菜(にんにくやネギなど)は香りが強く、お線香の香りを消してしまいます。
まずお供えするためににんにくを持っていく人はいないでしょうが、念のため気をつけましょう。
・鉢植えの植物
お供え物だけではなく、入院中のお見舞いにも鉢植えは適さないと言われますよね。
鉢植えは植物を植え込んでいることから「不幸を根付かせる」という意味を持ちます。
お花を持参する際は、必ず切り花を選びましょう。
基本的に亡くなった人が気に入っていたお花を持参すれば良いのですが、バラなど棘があるものなどに関してはお供え物には適しません。
お供え物の果物の選び方
お供え物に果物を選ぶ人も多いのですが、メロンやスイカのように大きな果物なら良いものの…。
みかんなどひとつの大きさが小さいものだと、入り数で迷う人も多いです。
実は果物の入り数も、お供え物として適切な選び方があるので意識していきましょう。
果物を複数個入れる場合には、奇数になるように入れてください。
偶数にしてしまった場合、2で割り切れるため「亡くなった人との縁が切れてしまう」と連想されてしまいます。
果物の専門店などでお供え物として選んでいることを告げると、入り数を奇数にして調整してくれます。
特に入り数で避けたい数字は4と9で、それぞれ死や苦しみを連想させる場合があります。
コンパクトにまとめる場合には入り数を3にして、少し多めにする場合は5にするなど調整しましょう。
お供え物のお菓子の選び方
お供え物に適していて、多くの人が思い浮かべるお菓子といえば「落雁(らくがん)」です。
落雁は砂糖でできている和菓子で、見た目の面でも美しいのが特徴ですよね。
砂糖といえば今でこそ当たり前のように手に入りますが、昔は非常に高級品で価値のあるものでした。
高級な砂糖でできたお菓子は、位の高い人しか食べることができないものでした。
特別感があることから、高尚な砂糖菓子の落雁を仏壇にお供え物として置かれるようになりました。
さらに砂糖は賞味期限が記載されていないように、非常に長く日持ちする食品です。
お供え物のお菓子の選び方は、まず日持 ちするかどうかを意識しましょう。
おかきやおせんべい、おまんじゅうやカステラなども日持ちするのでおすすめです。
お供え物は人が集まったときにいただく機会が多いので、なるべく小包装されていてみんなで取り分けやすいものを選ぶと喜ばれます。
単にお供え物としてだけでなく、家族の人たちが食べることも考えて選びたいですね。
お供え物のお菓子や果物ランキング
お供え物のお菓子や果物をどう選んだら良いのか、誰もが好きで喜ばれるようなものをチョイスしたいと思っていませんか?より適したものを選べるように、お供え物をランキング形式でご紹介していきます。
お菓子と果物の中で、おすすめのものをみていきましょう。
・第5位メロン
お供え物で選ぶ果物の中では、最も日常であまり食べないものとして挙げられるのがメロンです。
高級品なので普段はなかなか購入することがないため、お供えが終わった後もみんなで食べる際非常に喜ばれます。
メロンは常温で置いておくと追熟して甘さが増すので、食べる頃にはより甘くなっているでしょう。
大勢で取り分けて食べることもでき、文句なしのチョイスだと思います。
・第4位ようかん
羊羹は地味だから、あまり普段は買わないという人も多いかもしれません。
一方で羊羹は季節を感じることのできる和菓子のひとつであり、お供えする際に故人のことを思い出しながら話をするのに最適です。
夏は見た目にも涼しげな水羊羹、秋は栗羊羹など種類が豊富なのも魅力のひとつでしょう。
・第3位クッキー
仏壇へのお供え物に洋菓子というのも、あまりイメージがわかないかもしれません。
和菓子が苦手だという人もいるので、現代風にクッキーなどの洋菓子を選ぶ人も増えています。
焼き菓子は1ヶ月以上日持ちするものが多く、小包装になっているためみんなで小分けにしやすいでしょう。
もし故人が生前からクッキーなどの洋菓子系が好きだったとわかっていた場合は、特に気にせずクッキーを選んでも問題ありません。
お年寄りが多い、昔からのしきたりにうるさい印象がある場合には洋菓子は避けた方が無難なこともあります。
・第2位落雁
定番中の定番である落雁は、お供え物といえばコレ!といえるくらいの和菓子ですよね。砂糖菓子なので苦めの抹茶にもよく合い、茶道の際にもお抹茶に添えられるくらいです。
落雁を選んでおけばまず問題はないという点から、ランキング1位でも良かったのですが。
落雁は見た目には美しいのですが、食べるとなるともっと他にも美味しい和菓子がたくさんあります。
特に子どもがいる家庭などの場合は、他の食べやすいお菓子にした方が良い場合もあります。
他に選ぶものがなくて、絶対に失礼にならないものが良い場合にはおすすめだといえるでしょう。
・第1位カステラ
子どもからお年寄りまで、みんな食べられるのがカステラです。
お供え物としてもカステラは非常に人気があり、お下がりとしていただく場合も最後まで美味しくいただけます。
切り分けて多くの人が食べられるため、カステラはお供え物としてだけではなくお持たせとしても人気です。
歯が悪いお年寄りがいても、柔らかいので無理なく食べられるところも嬉しいポイントですね。
カステラは有名店なども多いので、百貨店などをチェックしてみると良いでしょう。
お供え物のお菓子や果物は食べても大丈夫?
今までお供えしていたお菓子や果物、ずっとお供えし続けていたらいつかは腐ってしまいます。
食べられなくなってしまう前に、お供え物は家族で食べてしまっても良いものなのでしょうか。
実はお供え物を食べるという行為は「仏様が食べたもののお下がりをいただいた」という、大変ありがたいことなのです。
よく考えてみると、生活に困って毎日の食べ物すらも危ういという状況でお供えをする余裕はまずありませんよね。
仏様にお供えができるというのは、生活に困らず食べ物を食べられているということの証拠なのです。
毎日食べ物を食べることができてありがとうございますという感謝の気持ちを、お供え物を食べながら仏様に伝えると良いですね。
仏様が食べていたものをお下がりとしていただいたということで、お供え物はありがたく全部いただく必要があります。
食べるときには、残さずきれいに食べましょう。
まとめ
おすすめのお供え物ランキングとともに、お菓子や果物を選ぶ際のマナーをご紹介してきました。
お供え物を選ぶときには気をつけた方が良い点や適さないものなど、意識することがたくさんあります。
お菓子はのし紙や賞味期限、外袋などをチェックしましょう。
果物は入り数を確認し、奇数になっているかチェックします。
ランキングではメロンや定番の落雁、1位にはカステラが入りました。
お供えし終わったお菓子はありがたく仏様からのお下がりとしていただきましょう。
正しいマナーを身につけて、お供え物を持参したいですね。