「結婚式準備中に身内に不幸が…」
「喪中だけど結婚式に招待された」
喪中は基本的にはお祝い事は避けるべきとされていますが、結婚式は簡単に予定変更できるものではありません。
それゆえに喪中の結婚式に関して悩んでいる方がたくさんいらっしゃいます。
この記事では、ブライダル業界に10年携わった筆者が、喪中に結婚式を予定している側、喪中に結婚式に招待された側、それぞれの疑問にお答えします!
喪中の対象になる関係の範囲
意外と曖昧に考えられている喪に服す関係の範囲ですが、基本的に喪に服すのは2親等までで、3親等からはその範囲から外れます。
ちなみに2親等は、両親、義両親、祖父母、兄弟姉妹。
3親等は、曽祖父母、叔父叔母ですので、曽祖父母、叔父叔母やそれ以上関係の離れた親族が亡くなった場合は喪に服す必要なありません。
しかし、これはあくまでも一般的な話。その関係性にもよります。
例えば曽祖父母や叔父叔母と同居していた場合、仲が良く関わる機会が多かった場合は、喪に服すこともあります。
喪中の期間
「喪中は1年間」そう認識している方が多いようですが、実は関係性によって期間は変わります。
一般的には、
- 両親、義両親…12ヶ月〜13ヶ月
- 兄弟姉妹…3月〜6ヶ月
- 祖父母…3ヶ月〜6ヶ月
ただし、これはあくまでも一般的な喪中の期間。
ショックが大きくてこの期間を過ぎても気持ちの整理がつかないのであれば、無理に結婚式を挙げたり出席する必要はありません。
結婚式をあげる当事者のQ&A
ある程度喪中について知っていただいたところで、喪中の結婚式についての疑問を解決していきましょう。まずは、結婚式をあげる側の疑問です。
結婚式は挙げてもいい?
「喪中の間は祝い事を避ける」。誰もが知っていることですが、冒頭にも書いた通り結婚式は簡単にスケジュールをずらせるものではありません。
これは完全にケースバイケースです。
筆者の友人は結婚式の1ヶ月前に大好きだったおばあちゃんが亡くなりました。しかし、おばあちゃんが友人の花嫁姿をとても楽しみにしていたことをふまえ、喪中どころか忌中の期間中に予定通り結婚式をあげました。
友人は「おばあちゃんが望んだことだから挙げてよかった。もし結婚式を中止していたらきっとおばあちゃんは自分のせいだと悲しんでいた」と言っていました。
考えるべきは、
- 自分の気持ちを整理できて楽しい気持ちで式を挙げられるか
- 家族の望みは何か
この2点です。
身内が亡くなり辛い思いをされていることでしょう。そんな中、ご自身が幸せな気持ちで結婚式を挙げられるかしっかり自分自身と話し合ってください。
また、家族の意見も大切です。両家で十分に話し合い、わだかまりや不満が残らないような判断をしてください。
喪中であることはゲストに伝えるべき?
式を挙げる本人やご家族の意向で決めると良いと思いますが、大々的には言わない場合が多いです。
理由は、ゲストに気を使わせてしまうから。
人生の門出を迎える二人を祝福する気持ちできているゲストに悲しい話はできるだけ避けたほうが良いと思います。
関係の近い人、伝える必要がある方々には個別に連絡してお伝えしましょう。
ただし、亡くなった家族の写真を座るはずだった席に立てたり、ゲストの前で披露する手紙に故人へのメッセージを書いて読んだりする新郎新婦もいます。
正解はありませんので、ゲストや家族、故人のことを考えて決めるのが一番です。
喪中の結婚式で注意することは?
喪中の場合は神前式を断られることがあります。
または、神前式の前にお祓いを受けるケースも。
喪中であることは式場に必ず伝えましょう。
結婚式の日取りが決まった後で親族が亡くなった場合は?
まずは、式予定通り挙げるかどうか決めます。
もし中止または延期する場合は結婚式までの期間で対応が変わります。
結婚式の日から1ヶ月以上前ならお詫び状を送り、それより近い場合は、できるだけ電話やメールでお詫びを伝えます。
一週間を切っているなら、必ず電話などで直接伝えます。
喪中の相手に招待状は送ってもいい?
答えだけ先にいうと、全く問題ありません。
しかし、喪中の相手には配慮が必要です。「できれば来てほしい。ただ無理はしないでほしい」と控えめに伝えましょう。
相手は身内を亡くして1年経っていないので、「幸せ!!!」感を全面に出すのはやめましょう。
喪中の婚約や結納はマナー違反?
一般的には、忌中の婚約、結納は避けたほうがいいけれど、喪中の婚約や結納は問題ないとされています。
ですが、やはり喪中の祝い事は避けたいという家庭もありますので、両家で話し合いと確認は必要です。
キャンセルや延期する場合は何をしたらいい?
とにもかくにも式場に連絡です。
式場によってキャンセル料金、日取り変更料金の規定が変わります。
まずはキャンセルする場合、延期する場合にいくらかかるか聞き、それも踏まえ家族と話し合いをします。
そしてキャンセルや延期をすることを決めた場合はすぐに招待しているみなさんに連絡をします。
招待される側のQ&A
次に喪中に結婚式に招待された側のQ&Aをご紹介します。
喪中に結婚式に出席してもいい?
基本的には喪中は結婚式には出席しないのがマナーです。
しかし、最近は四十九日(忌中)が過ぎていれば出席してもいいと考える方も増えています。
喪中でも出席したい時は、招待してくれた方に相談した上で決めましょう。
新郎新婦は出席して欲しくてもそのご両親がよく思わないこともあるので、まずは相談です。
欠席するときのマナー
特に四十九日が過ぎてないうちに招待状が届いたら、欠席するのがマナーです。
また、欠席する時は喪中(忌中)ということは伝えません。
結婚式をひかえ幸せな時を過ごす新婦(新郎)に気を使わせないようにします。
招待状には「やむ終えない事情で」などと書き、欠席する旨を記します。
身内が亡くなったという事実は結婚式が終わってから伝えましょう。
もし出席すると返事をした後に身内が亡くなった場合はすぐに連絡し、ハガキと同じく事実は伝えず「やむ終えない事情で」と説明して、お詫びの言葉とともに欠席する旨を伝えます。
二次会には出席してもいい?
喪中なら問題ありません。忌中はお断りしましょう。
あとはご自身の気持ちの問題です。近い親族を亡くしてまだ気持ちの整理がついていなかったり気が乗らなかったら無理に出席する必要は一切ありません。
もし無理なく心から祝福できる精神状態で、なおかつ行きたいと思うのなら出席しましょう。
ご祝儀は渡してもいい?
忌中あけなら全く問題ありません。
ただし地域によっては喪中あけだという場合もあるので地域ごとに確認が必要です。
ご祝儀の目安
- 初めから欠席を伝えた場合は1万円が目安。
- 出席ハガキを出してからそんなに日数が経たないうちに欠席を伝える場合は、1万円と気持ちのこもったプレゼントを。
- 結婚式の一週間前など直前の場合は、すでに席の手配や料理の手配が済んでいるので出席する時と同じ金額を包みます。できれば直接渡すのがベストですが無理そうなら現金書留で送りましょう。
祝電を送るとより良いですが、喪中という内容を入れるのはマナー違反ですのでお気をつけください。
まとめ
喪中の結婚式は挙式する側も、参列する側もどちらも悩みますよね。
確かにマナーは存在しますが、人生においてとても大切な日です。
一番大切なのは当事者の気持ち。
亡くなった方との関係も、悲しい気持ちの大きさも、故人の人柄や願いも、結婚式に対する思いも人それぞれです。
大切な日だからこそ、「喪中だらか祝い事はだめだ」という理由だけで決断するのではなく、自分自身の気持ち、関わっている人たちの気持ち、家族の状況などを考えて、後悔のない決断をしてください。
あなたがしっかり考え、周りの意見も聞いた上での決断なら、それが正解です。誰もあなたを責めたりしません。大丈夫。
一人で抱え込まず、家族にも正直な気持ちを伝えた上で相談して、決めてくださいね。